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布団の中で伸びをすると足がつる原因と効果的な対処法を解説!予防法はある?

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布団の中で伸びをすると足がつる原因と効果的な対処法を解説!予防法はある?
就寝前、1日の疲れをほぐすように体を伸ばした瞬間、足に走る激痛…。

寝る前に足がつり、悶絶した経験をお持ちの人は少なくないはず。この就寝前の足のつりはどうして起こり、予防するにはどうしたらいいのでしょう?

教えてくださるのは、「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」の専門医であり、足のつりにも精通する「目黒外科」の齋藤陽先生。

就寝前に足がつる原因やメカニズム、予防策はもちろん、足がつってしまったときの応急処置もご紹介します。

   

足がつる(こむら返り)とは

足がつるとは
足がつる、「こむら返り」とも呼ばれますが、医学用語では「有痛性筋けいれん」といいます。

つった部分がピクピクと痙攣し、強い痛みが伴う。といった症状があらわれます。

足がつる仕組みとは
あまりの痛さに悶絶するばかりですが、つった足の内部では、いったいなにが起きているのでしょうか?

「一言で表すなら、筋肉の暴走です。

筋肉や筋肉と骨の間にある腱(けん)に備わった2つのセンサーが誤作動を起こし、筋肉が勝手に収縮してしまっている状態です」

筋肉が伸びすぎると、肉離れを起こしてしまいます。そこで、筋肉が伸びすぎないように備わっているのが「筋紡錘(きんぼうすい)」。これが1つ目のセンサーです。

一方、筋肉は縮みすぎてもいけません。アキレス腱の断裂を招く恐れがあるため、これを防ぐために備わっているのが、2つ目のセンサーの「腱紡錘(けんぼうすい)」です。

肉離れやアキレス腱の断裂といったケガを防止するため、筋紡錘と腱紡錘は常に筋肉の伸び縮みを監視し、脳につながる脊髄(せきずい)に情報を送っています。

すると、その情報を受け取った脊髄から、筋肉が伸びたときには「縮め!」、反対に筋肉が縮んだときには「伸びろ!」という指令が送られ、筋肉の過度な伸縮を制御。ケガを未然に防いでくれているのです。

「しかし、この機能がときに誤作動を起こします。

ふくらはぎの疲れを癒そうと足を伸ばした瞬間につりやすいのも、急な筋肉の伸びが誤作動の引き金になるからです。

センサーが誤作動を起こすと、まさに暴走状態。筋肉の伸び縮みを制御できず、激しく筋肉が痙攣を始めます。これが足のつりの正体です」


 

布団の中で伸びをすると足がつってしまう原因とは

足のつりのメカニズムは、筋肉や腱の誤作動。では、どんな状態の時に誤作動が起きるのでしょうか?

筋肉量の減少
運動不足や加齢などにより筋肉量が減ってしまうと、「運動ニューロン」という神経細胞が減少し、足がつりやすくなると言われています。

筋肉の疲労
前述の通り、筋肉や腱の誤作動が原因です。筋肉が疲労すると乳酸が溜まり、脳に筋肉や腱への指令が鈍くなり、足がつりやすくなります。

血行の悪さ、および冷え
体が冷えて、血行が悪くなると筋肉に十分な栄養や酸素が行き渡らず、筋肉が収縮し足がつりやすくなります。

水分不足、及び電解質異常
体内の水分が不足したり、カルシウムやナトリウムなどのミネラルバランスが崩れたりすると筋肉の収縮の指令がうまくできず足がつりやすくなります。

日中に足を動かさないため
「足のつりには、色々な原因がありますが、これらの多くに共通しているのが、“あまり足を動かさない”ことです」

また、足は“第二の心臓”とも言われ、心臓から下半身に送られた血液を重力に逆らって心臓まで送り戻しているのは、足のふくらはぎに備わったポンプ機能です。

あまり足を動かさずにいるとポンプ機能が十分に機能せず、血行の悪化を引き起こします。そして、血行の悪化が血管を収縮させ、冷えを招いてしまうというのです。

「こうした原因から考えるに、立ち仕事やデスクワークをされている方は要注意です。

足がつりやすいばかりか、足の表面に青くうねるように血管が見える『下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)』という病気を発症する恐れがあります」

無意識の寝相
1日の疲れを癒すべく、寝る前に足を伸ばした動作が引き金になり、足がつる。それだけでなく、就寝中に足がつってしまう人もいます。

「寝ているあいだに足がつってしまう場合、無意識の寝相が原因ではないでしょうか?

寝返りのほか、手足を伸ばしたり、折り曲げたり。人は睡眠中にも、いろいろな動作をしています。

この動作がセンサーの誤作動を招き、足がつるという推察が成り立ちます」
 

布団の中で伸びをすると足がつりやすい人とは

足がつる原因がわかったところで、どのような人が足がつりやすいのでしょうか?

冷え性の人
血行が悪く、体が冷えることで、足のポンプ機能が低下し、足がつりやすくなります。

妊娠中の人
妊娠中は子宮が大きくなることで血管が圧迫され、血流が悪くなり、足がつりやすくなります。

同じ体勢が続く人
立ち仕事やデスクワークで、同じ体勢が続くと、血流が滞り足がつりやすくなります。

更年期以降の人
更年期以降の人も、筋肉の衰えや、血流不良によって足がつりやすくなります。

下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)の人
膝から下の、主にふくらはぎ部分の血管が瘤(こぶ)のように膨らむ疾患です。下肢静脈瘤は血液が下肢にたまることが原因で、その症状の1つが「足のつり」。足がつりやすい人は下肢静脈瘤に罹患している可能性があります。
 

足がつってしまった時に痛みを緩和する応急処置


布団の中で、足のつりが生じてしまったら——?

「足のつりは激痛ですよね。その痛みからパニックに陥りがちですが、焦ってはいけません。

けっして焦ることなく、つった部分を優しくゆっくり、伸ばしてください。

センサーの誤作動によって暴走した筋肉は、暴れ馬の状態。暴れ馬に激しくムチを打っても逆効果です。

筋肉も同じ状態のため、あくまでもゆっくりと伸ばすことが大切です」

そのための方法とは、まずはそっと足を動かし、足の裏を壁に付けます。その姿勢のまま、ゆっくり上半身を後ろに倒していくと、足の筋肉もゆっくり伸びていくそうです。

ロダンの「考える人」のようなポーズで、ゆっくりと床に足を押し付けるのも効果的です。

「この応急処置によって激しい痛みが引いたなら、次は優しく、ゆっくりとストレッチ。

また、筋肉の急激な痙攣に効能のある漢方『芍薬甘草湯』の服用もおすすめです。

それでも痛みが引ききらない場合には、シャワーやドライヤーの熱で患部を温めてください。反対に患部を冷やすと逆効果のため、注意が必要です」
 

布団の中で伸びをすると足がつってしまう症状に効果的な予防

それでは、そもそも足がつらないように予防するにはどうしたらの良いのでしょうか?

主に下記が予防策として効果的です。

足を動かす軽い運動を行う
足のつりの大きな原因である「血行不良」を予防するには、運動が大切。
激しくトレーニング必要はなく、血の巡りが良くなるウォーキングなどを行いましょう。

寝る前にストレッチをする
筋肉の疲労も、足のつりの原因の1つ。
筋肉の疲労をリカバリーするために、寝る前のストレッチも効果的です。

適度に水分を補給する
水分不足も足のつりの原因になるため、日中もこまめに水分を補給しましょう。

着圧ソックスを着用する
齋藤先生は下肢静脈瘤の専門医。

下肢静脈瘤の人は日常的に足がつりやすく、通勤が必要ない在宅ワークが浸透した今、この病気を発症する人が増えているというのです。

「下肢静脈瘤の主な原因は、足に備わったポンプ機能が十分に機能していないことです。

下肢静脈瘤は、静脈が瘤のように浮き上がって見えるという見た目の問題や頻発する足のつりだけでなく、足の痛みやむくみ、だるさといった症状を引き起こします」

そこで、専門的な治療と並行し、齋藤先生は足のつりに悩む人にも、下肢静脈瘤に悩む人にも、症状緩和のためにおすすめしているアイテムがあるといいます。

「足のポンプ機能を十分に働かせるには、足を動かすことが第一です。しかし、ウォーキングを習慣化することも、仕事中に意識的に動き回ることも、簡単ではありません。

でも、日常的に“着圧ソックス”を履くことなら簡単ですよね。

医学的な知見に基づいて開発された着圧ソックスであれば、然るべき圧力によって、血液の流れを正しく促進してくれます。

つまり、着圧ソックスが足のポンプ機能の働きを促してくれるのです」

ちなみに、然るべき圧力の効果を得るには、ソックスを折り返すことはNGなので、自分に合ったサイズを選ぶようにしましょう。

 

布団の中で足がつってしまう症状に関するQ&A

Q1.足がつるのは病気の前兆?

A.足のつりの主な原因は、筋肉の疲労と血流の滞りですが、下肢静脈瘤である可能性もあります。

また、頻発する足のつりの陰に脊髄や代謝・甲状腺・血管に関わる病気が隠れていることもあります。

Q2.着圧ソックスはドラッグストアで買ってOK?

B.市販のものでも医師が監修している、効果の実証された製品を購入するようにしましょう。

より確実な効果を求めるのであれば、医療用の着圧ソックスを選ぶのが安心です。

Webなどで販売されている安価な着圧ソックスには効果が認められない粗悪品もあるので、注意が必要です。
 

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足のつりにも影響を与える筋肉の疲労を軽減するには、心地良い睡眠がとても大切。

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痛みを伴う、足のつり…。

そのときは激痛でも、過ぎ去ると痛みを忘れ、軽視しがちです。

もし、頻発に足がつり、日常生活や睡眠の妨げになるようであれば、医療機関を受診してみましょう。

 

目黒外科 院長

齋藤 陽先生

日本大学医学部卒業後、大学病院や関連の総合病院で心臓血管外科に従事し、数々の研鑽を積んだ後、下肢静脈瘤の治療を専門に扱う「目黒外科」を東京・目黒駅前30秒の場所に開業。患者の治療に励むほか、ブログやYouTubeを通じ、下肢静脈瘤の予防法や治療法を中心に健康にまつわる情報を積極的に発信。そのわかりやすく親しみやすい語り口とキャラクターから、テレビや雑誌をはじめとするメディア出演も多数。

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