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寝かしつけに効果的な絵本の選び方は?睡眠コンサルタントに聞く「読み聞かせ」のコツ

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寝かしつけに効果的な絵本の選び方は?睡眠コンサルタントに聞く「読み聞かせ」のコツ


親子のコミュニケーションの時間でもある「絵本の読み聞かせ」。寝かしつけの習慣として、読み聞かせをしているというご家庭も多いのではないでしょうか。

しかし、絵本を読み終わった後も、「もっと読んで!」「まだ遊びたい!」など、なかなか眠ってくれないわが子への対応に悩んでいる親御さんも少なくないはず。

そこで今回は、2児の母であり、睡眠コンサルタントの友野なお先生に、読み聞かせの効果やスムーズな入眠を誘うポイントを伺いました。
 

「6分間読書」がリラックス効果を高める


想像力や表現力の向上など、絵本を読むことで得られる効果はさまざまです。

中でも、寝る前に親が絵本を読み聞かせることで、子どもは「癒やし」と「安心感」を得て、心地良く眠りにつけるようになると、友野先生は話します。

「親子で一緒の時間を共有できるということが、読み聞かせのメリットの1つ。時には、わが子を抱っこしながら読み聞かせをしたり、隣に座って肩が触れ合ったりすることもあるでしょう。

お父さんやお母さんとの触れ合いは、子どもの安心感を高め、リラックスした状態を作ることができます」

また、イギリスのサセックス大学では「6分間読書」がリラックス効果を高めてくれるという研究結果が出ており、短時間の読書は子どもだけでなく、大人にとっても良い効果があることが証明されています。

さらに絵本の読み聞かせは、子どもの知能面の発達にも効果的とのこと。

絵本を通して、さまざまな表現や言葉を知ることで、語彙力が伸びるだけでなく、「考える、感じる、想像する」などの「国語力」も高まっていくようです。

「日常的な会話の中では、無意識に同じ単語を使ってしまいがちです。しかし、絵本や本を読むことで、普段は使わないフレーズや単語に出合うことができます

特に絵本には、『もやもや』や『ざわざわ』などの感情を表す言葉が多く登場しているので、読み聞かせを通して、お子さんがさまざまな表現に触れる機会となるでしょう」
   

読み聞かせは何歳から?


読み聞かせを始める年齢について質問すると、「何歳からでもOK!」と友野先生。

まだ内容を理解できていない0歳でも、「お父さんやお母さんが笑って話しかけてくれる」ことは、子どもにしっかりと伝わっていると言います。

「ひらがなが読めるようになってくると、自分で絵本を読むことも増えてくると思います。そんなときは、お子さんの『自分で読みたい』という気持ちを尊重し、見守ってあげてください

また、小学生になってからも『本を読んで』と親御さんにリクエストしてくることもあるかもしれません。幼い頃からの読み聞かせの時間が、『温かい時間だった』と記憶している証でしょう。

そのときは、『自分で読めるでしょ』と突き放すのではなく、喜んで受け入れてあげてくださいね」
   

読み聞かせは寝室ではなく「リビング」で!


絵本の読み聞かせを寝室で行っている方は多いはず。しかし、友野先生は「スムーズな入眠を習慣づけるためには、リビングで読み聞かせをしてあげることが大切」と話します。

「『ベッドは寝るための場所』という意識を、幼少期からしっかりと持ってもらうことがスムーズな入眠につながります。そのため、可能であれば、リビングで読むように習慣づけてほしいと考えています」

リビングで絵本を読んでから、寝室に移動するという「空間の切り替わり」があることで、子どもが自ら「睡眠のスイッチ」を押しやすくなるとのこと。

ふとんの上で本を読んだり、遊んだり、なにかを食べたりしない、と大人がしっかりと線引きすることで、子どもは「寝室に入ったら眠る」という習慣が身についていくようです。
     

スムーズな入眠のための環境の整え方


リビングで読み聞かせをする際、調光可能な照明なら照度を落として、夕焼けのようなオレンジ色の電球色にしてあげると、よりリラックスすることができるのでおすすめ。スタンドライトの場合は光源がお子さんの目に入らないよう本に照明を向けましょう。

ただあまり暗くしすぎてしまうと、絵本のかわいいイラストも見えなくなってしまうため注意しましょう。

「特に5歳くらいになってくると、親御さんが話す文字を目で追えるようになり、ひらがなのインプットにつながります。絵本の文字や絵がしっかりと見えるくらいの明るさを保てるよう意識してください。スタンドライトを用意して、絵本のページだけを照らしてあげるのも良いでしょう」

友野先生のご家庭では、お子さんが幼い頃からリビングでの読み聞かせを継続しており、寝室に入るとスッと眠る姿勢になってくれるそうです。

空間の切り替えで「睡眠スイッチ」をオンにする習慣は、4〜5歳になってからでも遅くないとのこと。「スムーズに寝てくれない」とお困りの方は、今夜から試してみてはいかがでしょうか。

子どもの「好き」を探るには図書館へ!絵本選びのコツ


親が用意した絵本に対して、「子どもが興味を持たなかった」という経験をしたことはないでしょうか。

「絵本選びのポイント」について、友野先生は「まずはお子さんと一緒に図書館に行ってみて」とアドバイスしてくれました。

「子どもの好きな本を探るには、図書館はぴったりの場所。大きめの図書館に足を運び、自由に絵本を選んでもらってください。

徐々に、返却したくないほど気に入る本や、何度も繰り返し読む本の傾向がわかってくるはずです」

図書館で借りた本の中で、返却したくないほど気に入った本や、好きなテーマの新刊本などを書店で買うのが良さそうです。
 

読み聞かせは「声のトーン」を意識


寝かしつけのための読み聞かせは、「ゆっくりと、穏やかな口調で読んであげてほしい」とのこと。

中には「おばけ」や「鬼」が出てくる物語を好む子もいるかもしれません。

お子さんがおばけの絵本を選んで持ってきたときには、「だめ」と否定せず、「明るくかわいらしい声」で読んであげると良いそうです。

子どもの恐怖心を煽るような口調や読み方はNG。不安が募って寝つけなくなったりするため、お子さんが心地よく、穏やかな気持ちになるような読み方をしてあげましょう。
 

子どもからの「もっと読んで!」への対処法



「寝る前の絵本は何冊を目安に読めばいい?」という疑問に対して、友野先生は、「寝る時間までの残り時間で決めましょう」と話します。

「寝る前に本の数を決めてしまって、寝る時間が遅くなってしまっては本末転倒です。例えば、毎日の寝る時間はずらさずに、『今日は20分あるから4冊選んでね』など、寝る時間までにどのくらい時間が残っているかで冊数を決めると良いでしょう

スムーズに寝るためには、読み始める前に「この本を読んだら寝ようね」と約束することも大切。とはいえ、読み終わった後も「もっと読んで」「もう1回読んで」と子どもにねだられた経験がある親御さんは多いと思います。

そんな時は、「オリジナルストーリーをおふとんの中で聞かせてあげてください」と友野先生。

「『もっと読んでほしい』という子どものリクエストに対して、『おふとんに入って、特別なお話を聞かせてあげる』と提案してみてください。

例えば、お子さんが生まれた日のエピソードや、親御さんの子どもの頃の思い出話など。話をするときは、ゆっくりと、同じフレーズをリピートしてあげると眠りを誘いやすくなります」
 
***

寝る前に子どもにとってのうれしい言葉をかけてあげることで、睡眠の質も向上するそうです。

どんなに疲れていても、イライラすることがあったとしても、「大好きだよ、愛しているよ、生まれてくれてありがとう」など、子どもが心地良い気持ちで1日を終えるような言葉をかけてみてはいかがでしょうか。

「子どもの成長はあっという間。気づけば自分で本を読めるようになり、1人で眠れるようになっています。

幼い頃の読み聞かせの時間は、本当に貴重な親子の時間だと思うので、無理のない範囲で試してみてください」
 

睡眠コンサルタント

友野 なお 先生

睡眠コンサルタント、株式会社SEA Trinity代表取締役。自身が睡眠を改善したことにより、15kgのダイエットと重度のパニック障害の克服、体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。現在は千葉大学大学院 医学薬学府 先進予防医学 医学博士課程(社会医学・社会疫学・予防医学)にて健康寿命の延伸と健康格差の縮小を目指し、睡眠と健康に関する研究活動を行う。 順天堂大学大学院 修士。日本公衆衛生学会、日本睡眠学会、日本睡眠環境学会 正会員。行動療法からの睡眠改善、快眠を促す寝室空間づくりを得意とし、全国での講演活動、企業の商品開発やコンサルテーション、執筆活動などを行う。

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