カテゴリ:眠り
急な激痛の原因は日常習慣にあり!?眠れないほど辛いぎっくり腰の予防策と寝具選びのポイント
日本の国民病ともいえる「腰痛」。厚生労働省が2019年に発表した調査結果によると、人口の4分の1にも相当する、約2800万人が腰痛に悩んでいるといいます。慢性的な腰の痛みやぎっくり腰の発症によって、強い痛みで夜も眠れないという経験をした人も少なくないはず。
今回はぎっくり腰が起こる原因をひも解きながら、予防策や寝具選びのポイントもご紹介します。教えてくれるのは、長きにわたって“姿勢と健康”を研究し、体の痛みに悩める人たちを施術する「虎ノ門カイロプラクティック院」の院長、碓田拓磨先生です。
ぎっくり腰の原因は一瞬の“ギクッ”ではなく、蓄積した筋肉疲労!?
急な痛みに襲われ、ひどいときには歩くことも寝ることもままならない、ぎっくり腰。症状も名称も有名である反面、原因は不明なことが多く、痛みが生じるメカニズムに関しても、解明されてはいないといいます。「ぎっくり腰は『急性腰痛症』の通称。発症のメカニズムは諸説ありますが、20年にわたる私の施術経験からいえるのは、腰部筋肉に対する日々の疲労の蓄積が限界に達した、ということです」
急な激痛や“ぎっくり”という言葉の響きからも、一瞬の動作によって生じるイメージがありますが、碓田先生が指摘するのは「筋肉疲労の蓄積」。腰の筋肉にじわじわと疲れが溜まり、キャパオーバーしてしまった状態がぎっくり腰、というわけです。
「これもあくまで自説ですが、ぎっくり腰の原因は、強い痛みを伴う筋肉のけいれん(こむら返りみたいなもの)によるものです。疲労がめいっぱい溜まった状態のときに行った動作がトリガー(引き金)となって筋肉のけいれんを引き起こし、それと同時に激痛が生じると考えています」
悲鳴を上げる腰の筋肉は、バランスを崩した“はしご乗り”
筋肉疲労の蓄積によって生じる、ぎっくり腰。そこで気になるのが、腰の筋肉に疲労が溜まってしまう理由です。「腰の筋肉は、重力に抗うように上半身を支えています。とはいえ、みんながみんなぎっくり腰になるわけではありませんよね。私が考えるに、最大の要因は姿勢。姿勢が悪い人は腰に負担がかかるため筋肉疲労が溜まりやすく、ぎっくり腰を起こしやすいと考えます」
いい姿勢と悪い姿勢。碓田先生はそれを、消防士の出初め式でおなじみの“はしご乗り”に例えます。はしごが背骨、はしごを支える人たちが腰の筋肉です。
「はしごの上で華麗な技をこなせるのは、はしごがまっすぐだから。まっすぐなら、下で支える人たちの負荷も軽減されます。しかしはしごが斜めになっていては、下の人たちは支えるのに精一杯。ついには支えきれなくなって、手を放してしまうでしょう。これがぎっくり腰の状態です」
悪い姿勢=背骨が傾いた状態が続けば、上半身を支える筋肉は常にフル稼働。次第に疲れが蓄積し、キャパシティーを超えてしまいます。
腰の背骨に触れれば分かる、私はいい姿勢 or 悪い姿勢?
ぎっくり腰を起こさないためには、なるべく背骨がまっすぐの姿勢をキープし、腰の筋肉に負担を与えないことが大切!しかしながら、これがなかなか容易ではありません。「筋肉は頑張っているときに硬くなり、楽をしているときに緩むという性質を持ちます。ただし、私たちの実感とは正反対。自身が『楽だ〜』と思える姿勢をとっているときには、むしろ筋肉は硬くなります。楽だと思っている姿勢が、実は腰の筋肉にふたんをかけているのです」
楽な姿勢をとっているときには、むしろ筋肉は硬直している——。
頭にハテナが浮かんだ人は、イスに腰掛け、腰の中心部にある背骨横にある筋肉に触れてみてください。
(左)猫背の状態では筋肉が硬くなる(右)姿勢の良い状態では筋肉が柔らかく緊張していない
腰が反るくらいお腹を前に突き出すと(立っている時の腰のカーブだと)筋肉が緩み、反対にだら〜っと猫背の姿勢になると、筋肉がピンと張るように硬くなることが実感できるはずです。
感覚としては楽な姿勢なので、ついつい猫背になってしまいがちですが、肝心の腰にとっては真逆。背骨も丸まるし筋肉も硬直するしで、とても辛い姿勢なんです。特にデスクワークをしているときは背骨がまっすぐな状態をキープするのは難しく、腰痛に悩む現代人の多さも納得です。
ぎっくり腰や腰痛に悩む人たちを施術する碓田先生も、「感覚的に楽な姿勢をとってしまうのは、ある程度、仕方のないこと」と指摘。それでも悪い姿勢が腰の痛みにつながる以上、放っておいてはいけません。
「日常的にいい姿勢を心掛けるのはもちろん、自ずと正しい姿勢へと導いてくれるクッションやイスを活用することもおすすめです。私の医院でも、昨今のテレワーク増加で座っている時間が増えた方々のために、『ZAGOOチェアー』という骨盤矯正用のイスを開発しました。楽な姿勢がクセになっている人は、こうしたアイテムに頼ることで、少しずつ正しい姿勢を身に付けていくことも大切なことです」
寝具に身を委ねる睡眠時間は、腰の筋肉を労れる時間!
ここまで、「日常的に正しい姿勢を心掛けることが、ぎっくり腰の予防になる」というお話をしましたが、実際に腰痛やぎっくり腰を患ってしまったら、夜も眠れないほどの痛さに見舞われることも珍しくありません。痛みを抱えていても眠りに就くには、どうしたらいいのでしょうか?「ぎっくり腰は“眠れないほどの痛み”と形容されますが、そんなことはありません。痛みによって寝付きは悪くなるものの、気づけば眠っていることがほとんど。強いていうなら、うつぶせ寝は避けるようにしましょう」
うつぶせ寝がNGな理由は、腹部の重みによって腰が下がり、反り腰の状態になってしまうから。反り腰は腰の筋肉の負担になるため、ぎっくり腰はもちろん、腰痛を未然に防ぐためにも推奨できません。できる限り腰の筋肉への負担のない寝姿勢を心掛けることが、腰痛の予防や痛みの緩和にもつながるのです。
「ベッドに横になっているときは、腰が上半身の重さを支える必要がありません。睡眠は腰を労ってあげられる、大切な時間なのです。そのためには、寝具選びも重要。体がリラックスでき、なおかつ腰が沈み込むことがないよう、適度に硬く、体圧を分散させるマットレスを選ぶようにしましょう」
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腰に負担がかかりづらいマットレス選びと合わせ、「きちんと寝返りを打てる睡眠環境を整えることも、腰への負担軽減につながります」と碓田先生。これまでにも『眠りのレシピ』でご紹介してきたように、ひと晩に20回程度の寝返りを打つことが快眠の条件。寝返りを打たないままではマットレスに面した体の部位が圧迫され、血流が滞ってしまいます。この血流の滞りが代謝を悪化させ、体の痛みにつながるからです。
nishikawaでは体圧を分散させるマットレスだけでなく、寝返りをアシストする枕もラインナップ。腰痛にお悩みのぎっくり腰予備軍の人も、快適な眠りを求める人も、チェックしてみてください。
●商品紹介
[エアーSI]マットレス/REGULAR
ファインクオリティ フラボノイドパイプ枕
虎ノ門カイロプラクティック院 院長
碓田 拓磨 先生
早稲田大学在学中に「姿勢と健康」の授業を受講し、教えを実践したところ、長く悩まされてきた肩こりが解消。姿勢の重要性に気づく。大学卒業後に一度は一般企業に就職するも、「人の健康に役立ちたい」との想いから米国パーマーカイロプラクティック大学に留学。ドクターオブカイロプラクティックの学位を取得。2002年に虎ノ門カイロプラクティック院を開業。同年、早稲田大学保険体育科目「姿勢と健康」の講師に就任。メディアや講演を通じ、正しい姿勢の重要性を啓蒙している。
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