2022年02月01日 カテゴリ:眠り

日本人の平均睡眠時間は?世界の睡眠事情を詳しく解説!

loading
日本人の平均睡眠時間は?世界の睡眠事情を詳しく解説!
睡眠時間が少ないと言われている日本。2021年の調べでは442分(7.3時間)でOECD加盟国30カ国中最下位と、社会的な問題なんです。

一方、世界に目を向けてみると各国は睡眠に対してどのように向き合っているのでしょうか?そこで世界の睡眠事情について、睡眠コンサルタントの友野なお先生に伺いました。先生の海外留学経験と、データとに基づいて教えてもらいました。

 

学歴社会の韓国は日本同様、睡眠時間が少ない!?

【韓国|平均睡眠時間471分(7.85時間)】
2014年、OECD加盟国のなかで最も睡眠時間が少なかったのが韓国です。日本以上に教育熱心で、勉強時間も大きく影響しているという説も。また、日本同様“がんばること”が美徳とされるところもあるのかもしれません。そうなると自ずと労働時間も長くなります。日本の平均年間労働時間が1,713時間に対して、韓国は1.2倍長い労働時間となっています。

【中国|平均睡眠時間542分(9時間)】
平均9時間の睡眠時間は一見多いように思えますが、これは人口が多いことも原因のひとつではないかと考えます。中国の人口は約14億人ですが、都市部に暮らしている人は一部で、農村部の人と都市部の人では生活スタイルも異なり、大きな差があります。農村部の人たちは時間があるため睡眠時間が長く、上海などの都市部の人は日本人と同じような生活サイクルといったようなことが想定されます。

【タイ|OECD加盟国ではないためデータなし】
タイなどの東南アジアの方達はとにかくのんびりしています。亜熱帯気候の国は昔から昼間はあまり活発に活動しない習慣がありますが、生活自体がゆったりしている印象です。ハードワーカーのようにストレスを抱えていないことは、巡り巡って睡眠にもよい影響を与えているように思えます。

 

自分の人生を楽しむ哲学が、睡眠時間にも影響

【フランス|平均睡眠時間513分(8.5時間)】
フランスは仕事とプライベートをしっかり分ける文化。仕事が終わったら、すぐに職場から離れ、家でゆっくり過ごす時間も多いようです。またヨーロッパは、夕方以降、ムーディーな暗めの照明で過ごす家がほとんど。この暗い照明は、蛍光灯の明るい空間に比べて睡眠を妨げないので、睡眠にとって良い環境。こういった文化や習慣、睡眠スタイルは親から子どもに受け継がれている印象です。

【イギリス|平均睡眠時間508分(8.4時間)】
フランス同様、仕事とプライベートをしっかり切り分ける印象があるのがイギリスです。日本は仕事の後同僚と職場の近くで飲むという習慣がありますが、イギリスは少し違います。近所のパブで地元の仲間と軽く飲んだり、休日もホームパーティを楽しむことが多いです。さっと飲んで、さっと帰るスタイルなので、睡眠時間も確保できるというわけです。ただ、金曜日だけは思い切りはじけるのがイギリス人の特徴かもしれません(笑)。

【スペイン|平均睡眠時間513分(8.6時間)】
スペインは、時間がとにかくゆっくり流れています。「シエスタ」という昼寝文化があるため、全てではないですがお店もその時間は閉まってしまいます。仕事とプライベートが半々。一生懸命がんばらなくても、収入が半分になっても、ゆっくりと自分の人生を楽しむ。という考え方が根付いているように感じています。

「仕事は人生の一部であり全てではない」と考えている方々は、自分の人生を楽しむことが最優先なので、「寝不足で辛かったり、病気になったりすることは避ける」と潜在的に意識しているのかもしれません。またそのような考え方なので、急がば回れで生産性も向上しているのではないでしょうか。

 

「1日8時間睡眠」がビジネスマンのニュースタンダード

【アメリカ|平均睡眠時間531分(8.8時間)】
睡眠時間が長めなのは、いろんな人種がいるのが影響しているのではないかと想像します。都市部と農村部で大きな差がある中国と同じ現象ですね。経済格差が多いと睡眠格差も多きくなります。ただ、アメリカの睡眠意識は高く、学校などで睡眠を学ぶ機会がありますし、パワーナップ文化もあります。最近では、ハイパフォーマンスのビジネスマンほど夜しっかり眠るというムーブメントが起きています。仕事中に寝不足で集中力が途切れてしまうことは、カッコ悪いこととされているのです。また寝酒(ナイトキャップ)も日本人よりも少なく、それは、寝れなくなると寝酒で紛らわすのではなく、きちんとカウンセリングを受けるからです。睡眠意識については日本と真逆の傾向がみられます。

 

社会問題として考えるべき日本の睡眠事情

では、日本はどうなのでしょうか?前述した通り、日本の平均睡眠時間は442分(7.3時間)と、OECDの調査でも睡眠不足であることが一目量です。一見十分寝ているようにも見えますが、男女別で見てみると圧倒的に女性の睡眠時間が少ないのです。しかも50代>40代>30代の順で短くなっていきます。これは50歳前後に起こる更年期障害の影響も否めませんが、家事、育児、介護の担当がほぼ女性であることが大きな原因です。実際、OECDの調査によると日本の男女で比較した際、女性は男性の4.8倍家事をしているという結果になっています。また働く女性が増えた今、女性も40代に入ると重要なポジションになり、睡眠時間が削られてしまうということも考えられます。

日本人は幼い頃から睡眠の重要性を学ぶ機会がないため、眠ることは大切だという意識が薄いのです。そのため、男女ともに「寝ずにがんばる」ということが正しいと思いがちに。

また、通勤時間が長いとどうしても睡眠時間が短くなってしまいます。片道1〜2時間かけて通勤するということは、1日のうちに2〜4時間移動していることになります。リモートワークを導入する企業が増えた現在、多様な働き方が一般的になれば睡眠環境がよくなるかもしれませんね。
 
***

友野先生は、「日本人は真面目で責任感が強く、きめ細やかな思考のタイプの方が多く、そのためストレスがたまりやすく睡眠にも悪影響を及ぼしている」と警鐘を鳴らしています。人生を健やかに、そして楽しく歩むためには、個人そして社会の意識を変えていくことが大切ですね。
 

睡眠コンサルタント

友野 なお 先生

睡眠コンサルタント、株式会社SEA Trinity代表取締役。自身が睡眠を改善したことにより、15kgのダイエットと重度のパニック障害の克服、体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。現在は千葉大学大学院 医学薬学府 先進予防医学 医学博士課程(社会医学・社会疫学・予防医学)にて健康寿命の延伸と健康格差の縮小を目指し、睡眠と健康に関する研究活動を行う。 順天堂大学大学院 修士。日本公衆衛生学会、日本睡眠学会、日本睡眠環境学会 正会員。行動療法からの睡眠改善、快眠を促す寝室空間づくりを得意とし、全国での講演活動、企業の商品開発やコンサルテーション、執筆活動などを行う。

この記事の関連カテゴリ

この記事を見た人は
こんな商品に興味を持っています

この記事の関連カテゴリ

最近見た商品

この記事に関連するキーワード

日本人の平均睡眠時間は?世界の睡眠事情を詳しく解説!

この記事が気に入ったら
いいね!しよう