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午後~夕方に眠くなる原因とは?夕方に寝てはいけない理由や昼間の眠気対策を徹底解説

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午後~夕方に眠くなる原因とは?夕方に寝てはいけない理由や昼間の眠気対策を徹底解説

ランチのあとの昼下がり、あくびが出たり、頭がぼんやりしたり――。なんだか眠くなることってよくありますよね?実は14時ごろに眠くなるのは「自然の摂理」なのだとか。今回は、「太田睡眠科学センター」の竹内暢先生に午後〜夕方に眠くなる原因や眠気対策について伺いました。
 

夕方に眠くなる原因は?病気の可能性はある?


――昼食を食べたあとの眠気は、誰もが経験したことのあるものだと思います。午後〜夕方にかけて眠くなるのはどうしてなのでしょうか?

起床後に時間が経つほど睡眠物質が体に溜まり眠くなるという説があります。それに加え「サーカディアンリズム」という人間の細胞1つ1つに備わった体内時計の働きにより、午後〜夕方に眠くなるのは生理的な現象といえます。

また、食事をしたあとは、体を起こしておく神経の働きが落ちるとも言われています。複合的にみて、夕方は眠くなりやすい時間帯なのではないでしょうか。



――あまりにも眠たい場合、考えられる病気はどのようなものですか?

夜間の眠りが浅い一方、日中の眠気が強く出る「ナルコレプシー」と呼ばれる過眠症があります。「ナルコレプシー」を疑って受診される方は多くいらっしゃいますが、ナルコプシーの日本での有病率は、600人に1人程度とそこまで高いものではありません。

そのため、不規則な生活をしていないか、心理的なストレスがないか、薬の副作用で眠くなってはいないか、アトピーなどの身体疾患はないかなど、まずは他の可能性を探るところから診察をスタートしています。考えられるものとしては、日常生活上の問題、病気によるもの、「過眠症」によるものの3つに分類できます。

■日常生活上の問題
・睡眠不足
・音、光、温度等による睡眠の質の低下
・アルコール、カフェインなどの摂取

■病気によるもの
・花粉症や脳血管疾患などの身体疾患
・緊張や不安などの心理的ストレス
・うつ病や双極性障害などの精神疾患
・睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群などの睡眠障害
・時差ぼけなどの概日リズム睡眠・覚醒障害

■過眠症によるもの
・ナルコレプシーや特発性過眠症などの中枢性過眠症

また、集中力がなくマルチタスクをこなせないことをきっかけに、睡眠クリニックに相談してみたけれど、実は神経発達の特性からきているものだったと判明するパターンも最近では多く見受けられます。

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――自己判断せず、睡眠クリニックに相談したほうが良いのは、どのような症状でしょうか?

そもそも「眠気」には、主観的なものと客観的なものがあります。主観的な眠気は自ら判断したものなので、例えば会議で集中できないことを「眠気」と捉える方もいるでしょう。

一方、客観的な眠気は機械で計測して初めて、明らかになるものです。主観的には眠気はないと思っていても、日中うたた寝していたり集中力が低下しミスが多かったりなど、上司や同僚に仕事に支障が出ていると指摘された場合、「主観的な眠気」と「客観的な眠気」がズレてしまっている可能性があります。

特に運転する仕事をされている方は、そのズレが大きな事故につながってしまう恐れがあります。主観的な眠気によって自己判断せず、専門家に相談し客観的に判断することが大切です。
 

夕方眠くならないためには、計画的な仮眠がベスト!


――特別な病気ではない場合、生理現象として眠くなりやすい夕方を乗り切る方法にはどのようなものがありますか?

15時までを目安に、仮眠することをおすすめします。先ほどお伝えしたように、起床してから時間が経つほど睡眠物質は溜まっていきますから、夜眠れなくならないように15時までに済ませておくことが大切です。

若い方なら10分〜15分程度、ご高齢の方であれば30分と少し長めの仮眠でも問題ないと言われています。

計画的な仮眠習慣を取り入れることで、悩みが解消された患者さんも多くいらっしゃいます。お金がかかるものではありませんから、まずは仮眠からはじめて、それでも改善されない場合は精密な検査を受診すると良いでしょう。

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――眠くならないためには、お昼ご飯を少なめにしたほうが良いのでしょうか?

食事は、体内時計をしっかりと機能させるための重要な役割を果たしています。午後眠くならないようにお昼ご飯を抜く方もいらっしゃいますが、体のリズムを正常に整えるためには、あまりおすすめできません。

お昼ご飯を抜いたことで、夜ドカ食いしてしまうと、メタボリックシンドロームなど生活習慣病のリスクが上がってしまいます。食欲中枢と睡眠中枢は近い場所にあると言われているため、リズムを整え夜ぐっすりと眠るためには、朝昼夜、適量の食事を心がけましょう。
 
***

午前中に集中し、適切な量の昼食を食べて仮眠をする。そしてまた昼下がり〜夕方にかけて活動的に動く。子どものころのようなシンプルな生活を送ることが、夜ぐっすり眠る一番の近道なのだとか。

昼食後に眠くなる場合は、まずは思い切って仮眠を取り入れてみましょう。午後以降の仕事や勉強の効率が上がるかもしれません。    
 

太田睡眠科学センター

竹内 暢 先生

久留米大学医学博士課程卒業。睡眠障害の診断・治療に従事し、2022年7月より「太田睡眠科学センター」に勤務。医学だけでなく、心理・社会的背景も視野に入れた診療を行い、耳鼻科・呼吸器内科・精神科といった他科との連携を図りながら、あらゆる睡眠障害の治療に当たる。

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