2022年04月26日 カテゴリ:眠り

寝ても寝ても眠い!眠気の原因は睡眠不足?過眠の場合も!

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寝ても寝ても眠い!眠気の原因は睡眠不足?過眠の場合も!
しっかり寝ているはずなのに、なぜか眠い…。

こんなお悩みをお持ちの方、少なくないのではないでしょうか?「過眠症かも…」なんて、不安になることもありますよね。そこで今回は、「睡眠総合ケアクリニック代々木」の竹内暢先生に監修いただき、原因に迫ります。
 

しっかり寝ているつもりが睡眠不足の可能性も!

夜間の睡眠時間は足りているにもかかわらず、日中に強い眠気に襲われる場合、「過眠症」といった睡眠障害などが隠れていることがあります。ただし、竹内先生は、「眠気とは人それぞれの感じ方によるところが大きく、その眠気が誰しもが当たり前に感じる生理的な眠気(つまりは、自然な、病気とは言えない眠気)なのか、それとも睡眠障害のような病気から生じる眠気なのか、患者さんご自身ではなかなか正確には判断できません」と指摘します。

生理的な眠気なのか、病的な眠気なのかを判断するには医師による問診と、睡眠時の脳波のチェックが必要です。実際に検査をしてみると病的な眠気ではなく、睡眠不足による生理的な眠気だったという患者さんも少なくないのだそう。

「患者さんご自身は『しっかり寝ている』と考えていても、実際は睡眠の質が低かったり、睡眠時間が足りていない、適切な睡眠のリズムを保てていないことが珍しくないのです」(竹内先生)。

また、竹内先生のもとを訪れる患者さんがよく口にするのが、「私は毎日のように8時間の睡眠をとっているんです」という言葉だそう。しかし、ここにも問題が隠れていることがあるといいます。

「理想的な睡眠時間として7~8時間という数字が挙げられることがありますが、これはあくまでも平均値。必要な睡眠時間は年齢によって変化し、個人によっても異なるため、8時間という睡眠時間が、その人にとって適正だとは限らないのです。年齢にもよりますが、人によっては10時間程の睡眠時間が必要なことがあることもあります」(竹内先生)。

こんなに睡眠時間をとっている人もいるのです。つまりは8時間の睡眠をとったからといって、睡眠時間が足りているとは限らないのです。
 

適正な睡眠時間を知るには医療機関の受診が必要

個々人の適正な睡眠時間を知るためには、通勤や通学といった社会的な営みに影響されることなく、2~3週間ほど、好きなだけ眠る生活を送る必要があるそう。好きなだけ眠る生活を続けた後に医師が検査を行い、その人の適正な睡眠時間が判明します。

「日々の睡眠不足が少しずつ蓄積された睡眠負債の状態を解消するためには、その人に適切な睡眠時間としてあらためて長めの設定をしても、最低でも2週間、通常3週間の期間が必要です。しかし、特に社会人の方にとっては、現実的ではありませんよね。そのため患者さんには、できる限り残業を控え、現在の睡眠時間よりも長く眠ることをお願いしています」(竹内先生)。

適正な睡眠時間を知るためには医師の診断が欠かせませんが、竹内先生は、「日本では、睡眠外来を受診するハードルが高いのが現状です」と指摘します。眠りの悩みを軽視してしまったり、病院に行こうにも睡眠外来が都市部に集中していたり、気軽な受診が難しい傾向にあるのです。

しかし、世界を見渡してみると、睡眠と病院はもっと密接!「特に家庭医の存在が当たり前のイギリスやアメリカでは、眠りに関する悩みも気軽に相談でき、そこから専門医を受診する流れが確立されています。反対に眠りの専門的医療機関に受診しづらい日本では、睡眠を原因とする不調をすくい上げにくいのです」(竹内先生)。

 

「睡眠不足」は「過眠」のひとつ!

夜しっかり寝ているのに、日中突然強い眠気に襲われる…。そんな症状に悩まされている方は、「過眠」の可能性もあります。「過眠」とは日中に強い眠気に襲われること。その原因は大きく、日常生活上の問題、病気によるもの、「過眠症」によるもの、と3つに分かれます。

日常生活上の問題
・睡眠不足
・音、光、温度等による睡眠の質の低下
・アルコール、カフェインなどの摂取

このような原因の場合、日常生活を改善すれば症状も治ることがほとんど。日中の眠気に悩んでいるなら、まずはここを改善していきましょう。

病気によるもの
・花粉症や脳血管疾患などの身体疾患
・緊張や不安などの心理的ストレス
・うつ病や双極性障害などの精神疾患
・睡眠無呼吸症候群、むずむず脚症候群などの睡眠障害
・時差ぼけなどの概日リズム睡眠・覚醒障害

身体的疾患、精神的疾患でも夜間不眠になり、その影響で日中眠気に襲われることがあります。この場合は、日常生活の改善に加えて、カウンセリングや投薬による治療を行っていきます。日中の勉強や仕事に影響する場合も多いので、医師に相談しましょう。

過眠症によるもの
・ナルコレプシーや突発性過眠症などの中枢性過眠症
ナルコレプシーは日中の眠気が強いのが特徴で、一方で夜間の眠りが浅いと言われています。日中のパフォーマンスに大きく影響するので、日中ひどく眠気を感じる場合はすぐに医師に相談しましょう。
 

眠気を原因とした仕事上のミスが生じることも…

がんばりすぎを指摘されることの多い日本人ですが、眠りの悩みを軽視せず、病院を受診する必要があるのかもしれません。というのも、竹内先生のもとを訪れる患者さんの多くの、受診のきっかけは眠気を原因とした仕事上のミスだそう。本来であれば、ミスが起こる前に病院を受診する必要があるのです。

とはいえ、がんばりすぎの日本人は、自らの睡眠不足に気づけない傾向にあります。しっかり寝ているのに、なぜか眠い。こうした悩みが生じるのも、その裏返しかもしれません。

そこで大切なのが、自分の生活を振り返ってみること。「もしかして睡眠不足?」という気づきを得られることがあります。例えば、コーヒーの過剰摂取。自分にとってはあたりまえの行動になっていても、「眠気を覚まそうと何杯ものコーヒーを飲んでいる時点で、あまり健全ではありません」(竹内先生)。

また、生活環境の変化が、気づきをもたらしてくれることもあります。「象徴的な例が、部署異動です。営業職として社外を駆け回っていたときには何も感じなかったのに、内勤の部署に異動になった途端、眠気に襲われるようになったという患者さんがいましたが、人はアクティブに立ち回っているときには眠気を感じづらい。デスクワークが中心の内勤になったことで、睡眠不足が露呈したケースです」(竹内先生)。
 

健全な睡眠のためには、自分にあった睡眠の時間・質・リズムの確保を


では、睡眠不足が明らかになった患者さんに対し、竹内先生は、どのような治療をするのでしょうか?「患者さんのケースに応じて、お薬を処方することもありますが、まずは生活習慣の見直しが第一。しっかり睡眠時間を確保し、朝にすっきり目覚めるためにも、特に中・高・大学生には早寝・早起き・朝ごはんを心掛けるように指導しています」(竹内先生)。

そもそも人には、サーカディアンリズムという体内時計が備わっており、夜に眠り、朝に目覚めるという行動も、サーカディアンリズムに基づきます。しかし、就寝時間や起床時間が一定でない生活を続けていると、この体内時計にズレが生じます。このズレをリセットするためには、朝日を浴びることが大切だそう。また、朝食をとることで胃や腸といった内臓器官が目を覚まし、しっかり働き始めるというのです。

「私たち人間は、日中に活動する昼行性の動物です。この本来の姿に倣い、太陽の光とともに寝て起きて、朝ごはんをしっかり食べることでカラダ全体を目覚めさせることが、生活習慣を整えるための第一歩です」(竹内先生)。

そして、「就寝前のスマホは眠りの質を高めるためにはオススメできません。ブルーライトの光が、睡眠の質を下げるからです。また、たまの楽しみとしては問題ありませんが、寝酒は禁物。アルコールの利尿作用によって継続的な睡眠が妨げられるほか、寝酒を続けることで一時的に眠気を誘発するというアルコールの特徴に耐性が付き、日ごとに酒量が増えていく危険をはらんでいるのです」(竹内先生)。

 

睡眠障害全般に対する予防法はあるの?

もし「なんだかしっかりと眠れていないなぁ」と思ったたら、深刻な睡眠障害になる前に予防することが大切です。厚生労働省・精神神経疾患研究委託費による「睡眠障害の診断・治療ガイドライン作成とその実証的研究班」の研究報告書にある睡眠障害対処12の指針をご紹介します。

1.睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分
・睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない
・歳をとると必要な睡眠時間は短くなる

2.刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法
・就床前4時間のカフェイン 摂取、就床前1時間の喫煙は避ける
・軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング

3.眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない
・眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする

4.同じ時刻に毎日起床
・早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる
・日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる

5.光の利用でよい睡眠
・目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン
・夜は明るすぎない照明を

6.規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
・朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く
・運動習慣は熟睡を促進

7.昼寝をするなら、15時前の20~30分
・長い昼寝はかえってぼんやりのもと
・夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響

8.眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに
・寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る

9.睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意
・背景に睡眠の病気、専門治療が必要

10.十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に
・長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談
・車の運転に注意

11.睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
・睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる

12.睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全
・一定時刻に服用し就床
・アルコールとの併用をしない

全てをすぐに実践することは難しいかもしれませんが、できることから始めてみましょう。段々とぐっすりと眠れ、すっきりと目覚められるようになるはずです。
 
***

いかがでしたか?
日ごろから、がんばりすぎてしまうことの多い日本人。しっかり寝ているつもりが、「反対に睡眠不足だったのかも?」と、思った人もいるかもしれません。

心当たりがある人は、まずは自分の生活を振り返り、竹内先生が推奨する「早寝・早起き・朝ごはん」を実践してみてください。そして、けっして無理はせず、医療機関を受診することも重要です。ぜひ、自分のカラダと眠りを大切にしてください
 

睡眠総合ケアクリニック代々木

竹内 暢 先生

久留米大学院医学博士課程卒業。2016年4月より、睡眠時無呼吸症候群をはじめとする、あらゆる睡眠障害に対し、適切な検査・診断・治療を行う総合診療施設『睡眠総合ケアクリニック代々木』に勤務。

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