2020年01月09日 カテゴリ:眠り

仮眠とは?必要な理由や効果、効果的にとるコツをご紹介

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仮眠とは?必要な理由や効果、効果的にとるコツをご紹介
最近、ビジネスパーソンの注目を集めている「パワーナップ(power-nap)」。つまりはお昼寝のことですが、これは「15~30分程度の短時間の仮眠」という意味で、仕事の効率アップに一役買うと話題となっています。でも、お昼寝をすると寝起きに頭がボーッとしてしまいそうだし、そもそも仮眠できる環境もないし…なんて方も多いはず!

そこで今回は、nishikawaの研究機関である「日本睡眠科学研究所」の一員でもある安藤翠さんにインタビュー。仮眠がもたらす効果はもちろん、nishikawaの東京オフィスに登場した仮眠専用のスペース「ちょっと寝ルーム」に施された工夫から、自分のデスクでも実践できる仮眠のコツをお届けします!
 

お昼の眠気は生理現象!仮眠は誰しもに効果的



━仮眠スペースとして開設された「ちょっと寝ルーム」。仮眠には、どのような効果があるのでしょうか?

安藤:仮眠をとることで疲労回復が期待でき、集中力や作業効率がアップすることが分かっています。つまりは、午後の仕事のパフォーマンスが上がるんです。nishikawaで「ちょっと寝ルーム」を導入したのは2019年2月。半年以上が経過し、徐々に利用する社員が増えていますが、実際に「午後のパフォーマンスが向上した」という声が上がっています。「仮眠を取ることで心身が落ち着き、リフレッシュしてから午後の仕事に臨める」という声も多いですね。

━そもそも「ちょっと寝ルーム」を導入した理由を教えてください。寝具メーカーの老舗であり、眠りへの意識が高く、眠りの質が高い人が多いのでは?

安藤:仮眠というと「睡眠不足の人がするべき行為」というイメージがあるかと思いますが、実はそうではないんです。眠りの質や睡眠時間にかかわらず、「仮眠は誰にとっても有益な行為」という研究結果が出ています。というのも人間は、寝不足かどうかに関係なく、お昼ごろには眠たくなって当然。眠たくなるのは、ごく自然な生理現象なんです。

━お昼ごろに眠気を感じるのは、自然なこと?

安藤:人のカラダには「体内時計」という機能があって、朝、自然と目が覚めるのも、夜になると眠くなるのも、この体内時計が機能しているから。体内時計は約24時間のサイクルで動いていますが、実は人体には、約12時間サイクルの体内時計もあるんです。12時間は1日の半分ですから、1日に2度の眠気のピークが訪れ、そのひとつが昼食後の時間帯。このサイクルで考えれば、お昼ごろに眠たくなるのは、体内時計が正常に機能している証拠ともいえるんです。



━なるほど!当然のメカニズムと考えると、仮眠に対する考え方も変わりますね。

安藤:そうなんです。ですから夜の睡眠が十分に足りていたとしても、仮眠は有益。nishikawaでは2019年2月に京都・大阪・東京のnishikawa三社が合併し、合併をきっかけに東京オフィスで採用していた制服が廃止になりました。制服の廃止によって更衣室が必要なくなり、空き部屋になった更衣室を利用して、仮眠のための「ちょっと寝ルーム」を開設したんです。
 

睡眠研究の結果が凝縮された「ちょっと寝ルーム」



━では、仮眠に特化した「ちょっと寝ルーム」には、どのような工夫が施されているのでしょう?

安藤:「ちょっと寝ルーム」が仮眠専用のスペースとして利用できるのは、毎日12~15時の3時間です。そして仮眠は15~20分が適切と考えられているため、15分ごとの入れ替え制を取っています。仮眠をとるのが15時を過ぎたり、20分を超えたりすると、今度は夜の睡眠の妨げになります。「お昼寝をしすぎて、夜、眠れない!」という事態を避けるため仮眠をとるタイミングや時間を守ることがポイントです。

そして特徴的なのが、ベッドの角度ですね。フラットなベッドで横になってしまうと、眠りが深くなってしまい短時間では起きづらくなります。また、仮眠をとるのが昼食後であることも考慮して、食べたものが逆流しづらいよう、仮眠用のベッドには30度の傾斜をつけているんです。入眠しやすく、それでいて眠りすぎない30度という角度は仮眠には最適な環境と言えます。

15分の間に音や照明が変化。暗くなり天井に星空が投影されたり、アロマの香りが出たりと、眠りやすい工夫が施されています

━たしかに完全に横になってしまうと、仮眠どころではなくなってしまいそう…。

安藤:そうなんですよね(笑)。そこで「ちょっと寝ルーム」では、室内の音や照明にも工夫を凝らしています。15分のあいだに、音や照明が変化していくんです。音に関しては入眠段階に穏やかな波の音が流れ、目覚めの段階には軽やかなメロディが流れます。途中に静かな段階を挟みますが、まったくの無音ではありません。無音にすると少しの物音にも敏感になり、かえって眠りづらい人も多いため、心地いい程度のノイズを混ぜています。

照明に関しては、入眠の段階には黄色みがかった温かみのある色。そこから徐々に暗くなり、目覚めの段階に向けて明るくなっていきますが、目覚めのときには黄色ではなく、白っぽい色の照明にしています。人はしっかり明るい光を浴びることで活動のスイッチが入り、すっきりと目覚められるんです。これは仮眠だけでなく、朝目覚めたときでも有効ですのでぜひ試してみてください!
 

仮眠環境がない人の味方は“枕とコーヒー”!



━しかし、仮眠の専用室がない企業が多いのも実情です。自分のデスクで取るような仮眠にも、パフォーマンス向上の効果はあるのでしょうか?

安藤:もちろんです。仮眠専用のスペースでなくとも、15~20分の仮眠を取ることで、集中力や作業効率が上がるという研究結果があります。そこでオススメなのが仮眠用の枕を使うこと。デスクに突っ伏して眠ると、カラダが痛くなりがちですよね。それが専用の枕などを使うことで腕にかかるカラダの重みが分散され、ラクに眠れるようになるんです。専用の枕がない場合にはタオルをくるくると丸め、代用しても大丈夫ですよ。周囲が気になって眠れない方は、アイマスクを使うのもひとつの手です。

━仮眠の後、すっきり目覚めるための方法はありますか?

安藤:オススメは、仮眠の前にコーヒーを飲むことです。「コーヒーナップ」といって、今話題の方法です。コーヒーにはカフェインが含まれていますが、カフェインの覚醒効果が現れるのは、実は飲んでから約15~30分後と言われています。ちょうど、推奨される仮眠時間と同じなんです。ですから一杯のコーヒーを飲んでから15分程度の仮眠をとると、起きるころにカフェインが効果を現し始め、すっきり目覚められるはずです。




━なるほど!昼食を食べ、コーヒーを飲み、仮眠をとってすっきり目覚める。お昼休みの流れとしても、違和感のない過ごし方ができそうですね。

安藤:そうなんです。nishikawaでは食堂の隣に「ちょっと寝ルーム」があり、食堂にはコーヒーサーバーがあるため、この流れで仮眠をとる社員が多いんです!開設当初は「お昼寝の習慣がないから、眠れるかどうか分からない」という社員もいましたが、実は仮眠は“慣れ”が必要。「決まった時間に仮眠をとるようにすると、3日程度で仮眠の習慣が付く」という研究結果もあります。そして、たとえ眠れなかったとしても、目をつぶってカラダを休めるだけでも、十分な効果が期待できます。ご自身のカラダのためにも、パフォーマンス向上のためにも、ぜひ、仮眠をとり入れてみてください。

 
***

いかがでしたか?
安藤さんのお話の通り、お昼に眠くなるのは人の摂理。デスクでも心地よく眠り、すっきり目覚める工夫を取り入れて、仮眠の効果を実感してみてくださいね!
   

nishikawa 東京オフィス

安藤 翠

“nishikawaの研究開発室 東京担当。nishikawaの研究機関である「日本睡眠科学研究所」の一員でもあり、「ちょっと寝ルーム」の開設にも従事。

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