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マットレスに付いた生理の血、どう洗うのが正解?生理中、安心して眠るためにできること

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マットレスに付いた生理の血、どう洗うのが正解?生理中、安心して眠るためにできること

何かと心配事が多い生理時期の睡眠。朝目覚めたらシーツやマットレスに血が付いていてショック...といった経験をしたことがある女性は多いのではないでしょうか。家ならまだしも、友人とのお泊まり会や旅行、帰省など、生理と外泊が重なるとなおさら不安になります。

「経血漏れが不安で寝つけないと、相談に来る患者さんは多くいらっしゃいます。1人で抱え込まず、気軽に婦人科にお越しいただきたいです」

そう心強いメッセージをくれたのは、産婦人科『けい子レディースクリニック表参道』の院長・寺師恵子先生。思春期から更年期までさまざまな女性の悩みに向き合ってきた寺師先生に、経血で汚れてしまった寝具の洗い方や生理時に快適に眠る工夫について伺いました。

 

睡眠中の経血漏れの要因とは?


日中は体を起こしているため、生理用品が経血をしっかりキャッチしてくれます。しかし、寝ている間は体を横にするため、「伝い漏れ」が生じやすいことが睡眠時の経血漏れの主な要因です。

「デリケートゾーンは溝がある構造になっているので、その溝に沿って経血がお尻や脇の方に流れてしまいます。特に仰向けで寝ていると腰や背中あたりまで流れてしまい、寝具を汚してしまう場合が多いでしょう」

なかには、寝ている間はタンポンが経血を吸収してくれていたものの、朝に体を起こしたタイミングで漏れ出てしまうこともあるそうです。

 

生理中、安心して眠るための4つの工夫


横向きになっている以上、防ぎにくい睡眠時の経血漏れですが、シーツやマットレスを汚さない工夫を4つ紹介します。

①生理用ナプキンを見直す

まずは、生理用ナプキンの大きさが自身の経血量に合っているか見直してみましょう。夜用の生理用ナプキンの場合、お尻のほうまでカバーしてくれるものやデリケートゾーンの溝にフィットし「伝い漏れ」を防いでくれるもの、またショーツ型の生理用ナプキンなども販売されています。


②生理用ナプキンとタンポンを併用する

夜用ナプキンを着けていても、寝返りを打つことでズレてしまったり、面積が足りず漏れてしまうことも。その場合は、生理用ナプキンとタンポンの併用がおすすめです。

「寝ている間はタンポンが経血をしっかりとキャッチしてくれます。しかし、タンポンだけだと起き上がるタイミングで膣内から漏れる場合があります。経血漏れに気をつけながらゆっくり立ち上がるのが良いですが、ナプキンも併用するとより安心でしょう」

また、最近はタンポンの代わりに医療用シリコンなどの柔らかい素材で作られたカップ型の生理用品「月経カップ」も注目されています。

「月経カップは、着け外しに難しさを感じる人が多いのが現状です。しかし、慣れてくれば月経カップと生理用ナプキンの併用も良いかと思います」と寺師先生。


③防水加工のある『生理用ショーツ』や『生理用オーバーパンツ』を活用する

一般的な下着だと、股下の幅が狭くナプキンがずれてしまうこともあるため、面積が広く防水加工のある『生理用ショーツ』や『生理用オーバーパンツ』の活用もおすすめです。

「ふだん使っている生理用品と、防水加工が施されたショーツやオーバーパンツを併用する手もあります。防水加工素材は洗濯後も乾きやすいですし、パジャマの下に履いても目立たない薄手のものも増えてきているので、旅先でも扱いやすいかと思います」

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④タオルや防水シーツを活用する

「産後は出血量が多いため、当院ではお尻のあたりに防水シートを敷いて横になっていただきます。同様に、経血でシーツやマットレスを汚したくない方は、黒や紺など血が目立ちにくい色のバスタオルや防水シーツを敷いておくと安心かと思います」

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経血が付いてしまった時は、「水で」「なるべく早く」洗う


いくら対策をしていてもシーツやショーツを汚してしまうこともあるでしょう。その場合、「水で」「なるべく早く」洗うのがポイントです。

血液はたんぱく質汚れのため、40度以上のお湯だと凝固してしまい落ちなくなります。そのため、血液が付着した場合は、お湯ではなく水または40度未満のぬるま湯で洗いましょう。すぐに洗濯できれば良いのですが、難しい場合は洗面器などに水またはぬるま湯を張り、汚れ部分をつけ置きします。

水につけ置きしても、汚れが浮いてこないようなら洗剤を使用します。血液の主成分はたんぱく質なので「酵素」成分入りの洗剤がおすすめ。たんぱく質を分解し、汚れを落としやすくしてくれます。ただしウールやシルクなどの「たんぱく質繊維」には使用できません。綿・麻・ポリエステルであれば酵素入りの洗剤がおすすめです。

また、洗濯ができないマットレスの場合は、濡らしたタオルでつまみ取るようにして汚れを落とします。このときも濡れタオルで汚れが落ちないようなら、洗剤を使用してつまみ取るように汚れを落とし、再度濡れタオルで洗剤成分を拭き取りましょう。

汚れを落としたあとは、濡れたままにしているとカビの原因になるため、しっかり乾かしてくださいね。

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経血漏れが不安で眠れない方は、産婦人科へ相談を



生理中も安心して眠るための工夫を教えていただきましたが、「どうしても不安で眠れない」という場合は、一度婦人科に相談してみるのが良いでしょう。

目安として、「1時間に1回の頻度でナプキンやタンポンを変えないと漏れてしまう」「経血量が多い日が何日も続く」「レバー状の塊がたくさん出る」このうち1つでも当てはまる場合は、過多月経の可能性があります。

「経血漏れが不安で睡眠不足になってしまうと、さまざまな不調の原因に繋がりかねません。そういった場合は低用量ピルなど薬を活用しながら、ある程度経血量や生理日をコントロールできるように治療していきます」

先生のクリニックに訪れる患者さんの中には、一度会社の椅子を汚した経験から、そのショックで待合室の椅子に座ることすら不安になってしまう方もいたそうです。

「心配しながら過ごすのは、とても苦しいことです。たとえ経血量が目安に満たなかったとしても、不安を感じるのであれば気軽に婦人科へ相談いただきたいです」

特に初潮を迎えてからの約1年間はホルモン状態が安定しにくいため、過多月経や貧血の危険も軽視できません。

「最近では、親御さんと一緒に相談に来る小学生や中学生のお子さんも多くいらっしゃいます。修学旅行や部活の合宿など、イベントと生理が重なる場合は薬を処方し生理の日程をズラす対応をすることが多いです。大切なイベントを安心して楽むための方法を一緒に考えていきましょう」
 
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寺師先生のクリニックには、幼稚園生から90歳まで、さまざまな年代の女性たちが相談にやってくるそうです。最近では、お父さんと一緒に診察に来るお子さんも増えているのだとか。

「婦人科は、年齢関係なくどんな方でも気軽に来れる場所です。生理中は女性の身体でどんなことが起きているのか、誰にでもわかりやすく解説された資料などもたくさん用意しています。1人で抱え込まずぜひ相談いただけたらと思っています」

経血漏れが不安で大切な旅行を楽しめなかったり、ちゃんと眠れず心身を崩してしまっては元も子もありません。生理中も安心してぐっすり眠るために、生理用品や睡眠環境を整えてみたり、婦人科に相談してみたり。自分に合う方法を考えてみてはいかがでしょうか。
 

けい子レディースクリニック表参道 院長

寺師恵子先生

産婦人科専門医。国際医療センター産婦人科勤務、日野市加来産婦人科医院副院長を経て、2003年に「けい子レディースクリニック表参道」を開院。https://www.keiko-clinic.net/

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