朝にくしゃみと鼻水が止まらない!花粉症じゃないモーニングアタックの原因・治し方を解説
日中はあまり気にならなくても、朝だけくしゃみや鼻水が止まらなくなることはありませんか?実は、鼻の粘膜にも体内時計のようなリズムがあり、鼻炎があると特に起床時に症状が起きやすくなると言われています。
「かくれ鼻づまり」について伺った前編記事に続き、今回は起床後にくしゃみや鼻水が止まらなくなる理由やその対策、また鼻水、鼻づまりに悩まれる方におすすめの睡眠環境について、『鼻専門医が教える「熟睡」を手にする最高の方法』を上梓された「鼻のクリニック東京」院長の黄川田 徹先生に聞きました。
起床時のくしゃみ、鼻水…「モーニングアタック」とは?
起床時にくしゃみが止まらなくなったり、鼻水が出る症状は「モーニングアタック」と呼ばれています。日中は気にならない方も、なぜ起床後のみひどい症状が見受けられるのでしょうか?
「人の体には、サーカディアンリズムと呼ばれる体内時計が備わっているように、鼻の粘膜にも腫れたり引いたりするリズムがあります。炎症が軽度で粘膜過敏症と呼ばれる状態でも睡眠中から早朝にかけては、鼻づまりやくしゃみなどの症状をきたしやすくなるのです」
「モーニングアタック」が時々みられる程度なら心配しすぎる必要はないようです。
「このような炎症症状には、自律神経が関係しています。交感神経が優位な日中は症状は出にくいのですが、副交感神経が優位になる睡眠時から早朝にかけては、鼻炎の症状が出やすくなります」
慢性的な鼻炎にも効く「鼻うがい」
「モーニングアタック」の症状を持つ人はもちろん、花粉やハウスダストのアレルギー性鼻炎、慢性的な鼻炎を持つ方にもおすすめの対策が「鼻うがい」。睡眠前におこなうことで、朝の症状の緩和や睡眠時の鼻呼吸のしやすさにつながります。
「冷たい水で鼻うがいをすると痛みが生じるため、体温に近い温度のお湯でおこないましょう。洗浄液をご家庭で作る場合は、38〜40℃程度のぬるま湯200mlに対し小さじ1/2の食塩を加えてよくかき混ぜ、生理食塩水を作ります。薬局で売られているものでも大丈夫です。あまりにもひどい場合は病院にお越しいただければ、ステロイド点鼻薬の処方も可能ですので、そちらと併用していただければかなり症状を緩和できるかと思います」
最後に、鼻水や鼻づまりにお悩みの方におすすめの睡眠環境を聞いてみました。
「和式のお布団よりも、床から離れたベッドのほうがハウスダストなどの症状は緩和できる可能性があります。また、部屋を加湿することも大切です。炎症で破壊された粘膜を保護するためにも、湿度を意識すると良いでしょう」
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前後編にわたり、鼻の炎症と睡眠の関係について紹介しました。よく眠れていること、朝気持ちよく起きられることが、日中のQOLにも影響を与えます。花粉の影響も気になるこの季節。ぜひ、身近な睡眠環境の見直しと手軽にはじめられる「鼻うがい」から試してみてはいかがでしょうか?
●書籍紹介
『鼻専門医が教える「熟睡」を手にする最高の方法』
いびきをかく、夜中に目が覚める、寝つき・寝起きがよくない、昼間眠い、寝ても疲れが取れない……それは「かくれ鼻づまり」が原因かもしれません。
「かくれ鼻づまり」を改善することで睡眠の質を高める方法を、自宅でできるかんたん「鼻洗浄」トレーニングとともに第一人者がやさしく教えます。
大人にも子供にも役立つ本で、花粉症、睡眠時無呼吸症候群にも効果が期待できます。「かくれ鼻づまり」チェックリスト付き。
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医療法人社団アドベント理事長、鼻のクリニック東京院長
黄川田 徹先生
患者の負担軽減を目指し、国内に先駆けて内視鏡技術を鼻の手術治療に取り入れ周辺機器の開発や術式の開発に取り組む。1997年、慢性鼻炎に対する新しい手術治療として「内視鏡下後鼻神経切断術」を世界で初めて開発、また従来1週間程度の入院が必要とされる鼻・副鼻腔手術を全身麻酔下にて日帰りで実現するなど、 今ではスタンダードな耳鼻科治療を確立してきた。現在も世の中の鼻づまりをなくすべく手術治療に力を注ぐ。
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