2022年07月19日 カテゴリ:眠り

近赤外線の日焼け止めは睡眠の質の向上も期待できる?紫外線対策と睡眠の関係

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近赤外線の日焼け止めは睡眠の質の向上も期待できる?紫外線対策と睡眠の関係

いよいよ夏も本番!お祭りや音楽フェス、お盆休みに向けて準備をされている方も多いかもしれません。

そんなときに油断できないのが、紫外線の存在。質のいい睡眠は肌のターンオーバーをうながすことで有名ですが、シミやしわを招く肌の酸化の予防にも、睡眠がひと役買ってくれると言われています。

今回は、肌の老化の予防に大切な夏の日焼け対策と抗酸化について、皮膚科医の小林智子先生にお話を伺いました!
 

アンチエイジングの鍵は、よく眠り肌の酸化を防ぐこと

シミやしわ、たるみなど肌の老化に密接と関係している酸化ストレス。酸化とは、紫外線や大気汚染などによって生まれた活性酸素が体内の細胞にダメージを与え、がんや生活習慣病など様々な疾患の原因ともなり得る、老化の大きな要因のひとつです。

特に肌において老化の一番の原因になるのは紫外線。紫外線を浴びると大量の活性酸素が生み出され、それにより肌細胞に炎症が起こり、メラニンの生成が促されたり、コラーゲンなどの線維成分が破壊されたりすることでシミやシワ、たるみといった肌トラブルへとつながります。

睡眠中の体内では、さまざまなホルモンが活動して、身体のメンテナンスをおこなっています。このことは、「眠りのレシピ」でもよく取り上げてきましたが、nishikawaと米井嘉一教授の共同研究では、睡眠の質の改善で抗酸化機能が上がる可能性も示唆されました。

「日中の酸化予防として、日焼け止めを塗ったり、抗酸化成分のあるビタミンCの入ったものを肌に直接塗ってあげたり、パプリカ・ブロッコリーなどの緑黄色野菜を食べることが挙げられます。夜にできることといえば、やはり良質な睡眠をとること。夏休みや旅行など睡眠リズムが崩れやすい季節ではありますが、生活リズムはなるべく一定に。メラトニンという睡眠に欠かせないホルモンの分泌が活性化され、入眠のしやすさにつながります」

知っておきたい、正しい日焼け止めの塗り方

夏の酸化予防で欠かせないのは、日焼け対策。私たちにとって馴染みのある日焼け止めですが、正しい塗り方ができている人は意外と少ないんだとか。

「SPFが高いものを選ぶよりも、十分な量を、こまめに塗り直すことが大切です。多くの方にお伝えするのが、塗る量が圧倒的に足りていないということ。なかには、日焼け止めに表記されているSPFの効果が発揮されるために必要な量の半分程度しか塗れておらず、せっかくSPFの高いものを使っていたとしても、十分な効果が得られていない方もいます」



塗るときはまず手にとって、均等になるように点でおいてあげてから広げるのが正しい塗り方◎ベタベタするのが嫌な方は、塗り心地のいい自分の肌に合うものを見つけて、二度塗りしてあげるのもいいでしょう。

他にも、最近の日焼け止めはかなり機能が充実しているそう。

「紫外線だけでなく、『近赤外線カット』と記載された日焼け止めが多く登場しています。近赤外線は、肌へのダメージを与えるのと同時に疲労感をもたらします。夏場、太陽を浴びてどっと疲れるのは、紫外線ではなく近赤外線の影響。近赤外線をカットすると、熱による体温上昇を緩和できます。体温上昇は睡眠の質の低下にも繋がりますので、間接的にではありますが、近赤外線カットの日焼け止めを塗ることで、睡眠の質の向上も期待できるでしょう」
 

翌日以降に引きずらない!日差しをたくさん浴びた日の肌のケア

日焼けは気になるものの、夏はレジャーを思う存分楽しめる季節でもあります。日差しをたくさん浴びた日は、どんな肌のケアが有効なのでしょうか?

「日焼けは一時的に肌が火傷しているような状態です。まずは炎症を抑えるための保湿が大事。脱水症状になりやすいので水分補給も欠かさずにおこないましょう。あとは、火傷したときと同じように、なるべく早めに冷やすこと。『炎症が起きた!』というシグナルが出てしまうと、シミの原因になるメラニンを生成する細胞が活性化されてしまいます。そのシグナルを止めるために、冷やすことが大切です」

他にも、外遊びをするにしても外に出る時間を工夫してみるのも効果的。一番紫外線が強い12:00〜14:00頃は室内でランチをする時間にあてるなど、この時間を避けるだけでもダメージを減らすことができます。
 
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アンチエイジングに大切な日焼け対策と良質な睡眠。外に出る前と帰ってきた後のケアは忘れずに、夏のレジャーを思いっきり楽しみましょう!

皮膚科専門医/医学博士/ドクターレシピ監修

小林智子先生

日本医科大学医学部卒業後、名古屋大学皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了。2015年より渡米し、ノースウェスタン大学でポストマスターフェローとして皮膚科の臨床研究に従事。帰国後は同志社大学アンチエイジングリサーチセンターにて糖化についての研究を行う。食事と健康に関するレシピや情報などを医学的な立場から発信する「ドクターレシピ」を監修。著書に『皮膚科医が実践している極上肌の作りかた』『皮膚科専門医が教える 40代からはじめる正しい美肌レッスン』共にに彩図社、などがある。

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