カテゴリ:眠り
満月は睡眠の質に影響する?月の満ち欠けと眠りの深い関係
月の満ち欠けが、私たちの体と心に大きな影響を与えるといわれているのをご存じですか? 例えば、女性の月経サイクルは約28日。これは月の満ち欠けのサイクルととても似ています。また満月の日には、なんだか頭が痛くなる、興奮しやすくなる、不眠になりやすいなど、体と心の変化を感じることも少なくありません。
一見するとスピリチュアルな話に思えるこのトピック。けれど中医学においては、二千年以上も前に編纂された医学書『黄帝内経』に「人体も月に影響される」という内容の記述が残っており、月と人間の体には相似関係があると考えられてきました。現代の東洋医学でも、こうした中医学の考えが継承されています。
今回は、中医学と心理学の観点からさまざまな不調を改善に導く漢方コンサルタントの櫻井大典先生に、月の満ち欠け時に見られる心身の変化とその対策、睡眠の関係について伺いました。
「新月は、血気の動きが鋭くなり身体が弱る低迷期。身体は疲れやすく、たっぷりと睡眠を欲するという症状が現れます。エネルギーも血も不足する『気血両虚(きけつりょうきょ)』の状態なので、静養が大切です」(櫻井先生)
気血両虚とは、言葉の通り「気」と「血」が欠如した状態のこと。 東洋医学でいうところの「血が不足する」とは、一般的な「貧血」とは異なり、栄養状態が悪くなる、精神が不安定になることを意味します。
「新月の時期に現れやすい不調の一例として、疲れ、手足の冷え、食欲不信、消化不良などが挙げられます。また、新月時には生理が重なる人も多いといわれているので、体は血を失って元気がない状態。新月時の不調を緩和するための食材を摂取して、とにかく休むことが必要です」(櫻井先生)
●補気食材…エネルギーを補う食材のこと。
きのこ、豆類、芋類、穀類、甘酒、発酵食品、白身魚、鶏肉、牛肉、なつめなど
●補血食材…血を補う食材のこと。
種実類、ベリー類、エビ、牡蠣、ひじき、赤身肉、レバー、黒豆、クコの実、桑の実、なつめ、ほうれん草、小松菜、きくらげ、胡麻など
これらを摂取する時に気を付けたいポイントは、「温めて食べる」ということ。サラダなどの生で食べるのは身体を冷やすため控えましょう。また、麹、味噌、納豆、柑橘類の皮、とうもろこしなどの黄色の食材、豆類、なつめなどの胃腸を整える食材も積極的に摂ると良いです。
「新月時の不調が強く出やすい人は、これらの食材を普段から積極的に摂ることをおすすめします。食事だけでなく、しっかり睡眠をとって、不足気味のエネルギーを補うことも忘れないようにしましょう」(櫻井先生)
「満月の日は『夢を多く見る』とか、『眠れない』という相談が多く寄せられます。満月に近づくにつれて、血液循環が頭の方へと引っ張られるため、興奮状態が続き、眠りづらさを感じる人が多いんです」(櫻井先生)
不眠症状の他にも、満月時には肌の乾燥、火照り、寝汗、ドライアイ、関節痛などの症状が強く出る人もいるとのこと。こうした症状を感じたときは、「少辛増酸(しょうしんぞうさん)・潤肺生津(じゅんぱいせいしん)」の食材がおすすめです。
●少辛増酸…辛みを少なくして、酸味を多く摂ること。酸味は気を落ち着かせてくれます。
●潤肺生津…肺や喉の乾燥した状態を改善すること。
生姜、ネギ、胡椒、韮、りんご、柿、柑橘類、なし、葡萄、レモン、白きくらげ、れんこん、山芋、えのき、エリンギなど
これらの食材は、興奮を鎮めてくれる作用もあるので、満月時にコンスタントに摂取することで入眠のしづらさを和らげる働きもしてくれます。
また、興奮状態でいることは怒りの感情にも直結するそう。
「中医学では、『心身一如(しんしんいちにょ)』という概念があり、身体と心は繋がっていると考えます。心の不調が身体にも影響し、身体の不調が心にも影響するということです。『怒り』の感情は肝臓の中にあると考えられているため、肝臓を元気にする食材を積極的に摂ることで、怒りを鎮められるのです」(櫻井先生)
「身体と心に良いものを食べたから、すぐに不調が治る、快眠を得られるというわけではありません。身体がどういう状態にあるのか、どういうタイミングで変化していくのかを知って、普段から予防することが重要です」(櫻井先生)
特に身体を冷やす冷たい飲み物や食べ物は摂りすぎないようにしましょう。頻繁に冷たいものを口にすることで、消化機能が弱まり新月や満月の時に不調として現れやすくなるそうです。
月のサイクルとそれに伴う心身の不調を理解しながら、ライフスタイルを整え、食事にも意識を向けていくことが、日々のコンディションを保つためのコツです。
一見するとスピリチュアルな話に思えるこのトピック。けれど中医学においては、二千年以上も前に編纂された医学書『黄帝内経』に「人体も月に影響される」という内容の記述が残っており、月と人間の体には相似関係があると考えられてきました。現代の東洋医学でも、こうした中医学の考えが継承されています。
今回は、中医学と心理学の観点からさまざまな不調を改善に導く漢方コンサルタントの櫻井大典先生に、月の満ち欠け時に見られる心身の変化とその対策、睡眠の関係について伺いました。
【新月】エネルギーが弱まる新月時にはしっかりと休むことが必要
月の満ち欠けに伴い、私たちの身体と心には、具体的にどのような変化が現れるのでしょうか。櫻井先生は「新月は“鎮静(陰)”の力が強まり、満月には“興奮(陽)”の力が強まる」と話します。「新月は、血気の動きが鋭くなり身体が弱る低迷期。身体は疲れやすく、たっぷりと睡眠を欲するという症状が現れます。エネルギーも血も不足する『気血両虚(きけつりょうきょ)』の状態なので、静養が大切です」(櫻井先生)
気血両虚とは、言葉の通り「気」と「血」が欠如した状態のこと。 東洋医学でいうところの「血が不足する」とは、一般的な「貧血」とは異なり、栄養状態が悪くなる、精神が不安定になることを意味します。
「新月の時期に現れやすい不調の一例として、疲れ、手足の冷え、食欲不信、消化不良などが挙げられます。また、新月時には生理が重なる人も多いといわれているので、体は血を失って元気がない状態。新月時の不調を緩和するための食材を摂取して、とにかく休むことが必要です」(櫻井先生)
●補気食材…エネルギーを補う食材のこと。
きのこ、豆類、芋類、穀類、甘酒、発酵食品、白身魚、鶏肉、牛肉、なつめなど
●補血食材…血を補う食材のこと。
種実類、ベリー類、エビ、牡蠣、ひじき、赤身肉、レバー、黒豆、クコの実、桑の実、なつめ、ほうれん草、小松菜、きくらげ、胡麻など
これらを摂取する時に気を付けたいポイントは、「温めて食べる」ということ。サラダなどの生で食べるのは身体を冷やすため控えましょう。また、麹、味噌、納豆、柑橘類の皮、とうもろこしなどの黄色の食材、豆類、なつめなどの胃腸を整える食材も積極的に摂ると良いです。
「新月時の不調が強く出やすい人は、これらの食材を普段から積極的に摂ることをおすすめします。食事だけでなく、しっかり睡眠をとって、不足気味のエネルギーを補うことも忘れないようにしましょう」(櫻井先生)
【満月】体の血が回って興奮している状態。入眠しづらく、眠りが浅くなりやすい
満月時には、新月時とは逆に不足していた「気血」が充実します。月の引力も強まるため、血が頭に昇りやすく身体が興奮状態に陥るといいます。「満月の日は『夢を多く見る』とか、『眠れない』という相談が多く寄せられます。満月に近づくにつれて、血液循環が頭の方へと引っ張られるため、興奮状態が続き、眠りづらさを感じる人が多いんです」(櫻井先生)
不眠症状の他にも、満月時には肌の乾燥、火照り、寝汗、ドライアイ、関節痛などの症状が強く出る人もいるとのこと。こうした症状を感じたときは、「少辛増酸(しょうしんぞうさん)・潤肺生津(じゅんぱいせいしん)」の食材がおすすめです。
●少辛増酸…辛みを少なくして、酸味を多く摂ること。酸味は気を落ち着かせてくれます。
●潤肺生津…肺や喉の乾燥した状態を改善すること。
生姜、ネギ、胡椒、韮、りんご、柿、柑橘類、なし、葡萄、レモン、白きくらげ、れんこん、山芋、えのき、エリンギなど
これらの食材は、興奮を鎮めてくれる作用もあるので、満月時にコンスタントに摂取することで入眠のしづらさを和らげる働きもしてくれます。
また、興奮状態でいることは怒りの感情にも直結するそう。
「中医学では、『心身一如(しんしんいちにょ)』という概念があり、身体と心は繋がっていると考えます。心の不調が身体にも影響し、身体の不調が心にも影響するということです。『怒り』の感情は肝臓の中にあると考えられているため、肝臓を元気にする食材を積極的に摂ることで、怒りを鎮められるのです」(櫻井先生)
月のサイクルによる心身の変化を知り、不調に備えたライフスタイルを
今回、満月時や新月時に起こりやすい身体の不調と、それを補うための食材などをご紹介しましたが、症状を感じるより前からの備えとして、日常的にこうした食材を摂取することが必要だといいます。「身体と心に良いものを食べたから、すぐに不調が治る、快眠を得られるというわけではありません。身体がどういう状態にあるのか、どういうタイミングで変化していくのかを知って、普段から予防することが重要です」(櫻井先生)
特に身体を冷やす冷たい飲み物や食べ物は摂りすぎないようにしましょう。頻繁に冷たいものを口にすることで、消化機能が弱まり新月や満月の時に不調として現れやすくなるそうです。
月のサイクルとそれに伴う心身の不調を理解しながら、ライフスタイルを整え、食事にも意識を向けていくことが、日々のコンディションを保つためのコツです。
漢方コンサルタント
櫻井 大典先生
国際中医相談員/日本中医薬研究会会員。アメリカ・カリフォルニア州立大学で心理学や代替医療を学び、帰国後、イスクラ中医薬研修塾で中医学を学ぶ。中国・首都医科大学附属北京中医医院や雲南省中医医院での研修を修了し、国際中医専門員A級資格取得。日本中医薬研究会に所属し、同志と共に定期的に漢方セミナーを開催。年間5000件以上の相談に応えながら中医学の振興に努めている。
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