カテゴリ:眠り
よく眠ると腸内環境が改善!?睡眠の研究者がひも解く「腸と睡眠」の不思議な関係
腸と睡眠――。一見、関係なさそうに思えますが、最近の研究により、実は深いつながりがあることが明らかに!
そこで今回は、腸と睡眠の関係にフォーカス。教えてくれるのはnishikawaの研究機関「日本睡眠科学研究所」の安藤翠さんです。腸と睡眠の不思議な関係をひも解くと、健康的な身体づくりへの近道が見えてきます!
乳酸菌飲料を継続的に摂取すると睡眠の質が向上する、なんて話がありますが、このメカニズムは「腸と脳の関係」に起因しています。緊張したり、ストレスを抱えていたりするとお腹の調子が悪くなるのは、互いの関係性を示す代表例です。
「昨今の研究により、腸と脳は互いに影響し合う関係にあることが明らかになっています。この関係は『脳腸相関』と呼ばれ、緊張するとお腹の調子が悪くなるほか、うつ病を患っている方には腸にトラブルを抱えている方が多い、といった報告も多くあります」(安藤さん)
うつ病は心身に不調をもたらす気分障害の一つ。発症の原因は完全には解明されていませんが、原因として有力視されているのが、脳の働きである神経伝達物質の放出量低下です。
うつ病が脳に関係する病気といった観点から、今、実際に医療の現場で行われているのが糞便移植。健康な人の糞便をうつ病の患者さんに移植し、腸内環境を改善することで脳の働きを正常化させるという、驚きの治療法です。
医療の世界では自明の理となりつつある、腸と脳の相関関係。これがどのように睡眠と関わるのか、答えはずばり、睡眠中の脳の働きにあります。
「睡眠には身体を休めるといったイメージがありますが、実は脳の疲労回復にも欠かせません。記憶を整理したり、ストレスを取り除いたり、睡眠中の脳の働きはさまざま。詳細なメカニズムは今後の研究課題ですが、睡眠状態が改善することで、脳腸相関を介して腸内環境が変化することも十分に考えられます」(安藤さん)
腸と脳は互いに影響し合う相関関係にあり、質の高い睡眠をとることが腸内環境の改善につながる――。このメカニズムを理解するために欠かせないキーワードが「ヤセ菌」と「短鎖脂肪酸」です。
「ヤセ菌とは、痩せやすい体をつくる腸内細菌の通称。このヤセ菌が短鎖脂肪酸という物質をつくり出します。腸内の短鎖脂肪酸が増えるとエネルギー代謝や基礎代謝の改善、体温の上昇、インスリン感受性の正常化や脂肪分解の促進といった、たくさんのポジティブな変化が起こると考えられます」(安藤さん)
ほかにも短鎖脂肪酸は、免疫機能の維持にも活躍!短鎖脂肪酸が口や粘膜から侵入したウイルスをブロックしてくれるからです。では、いいことずくめの短鎖脂肪酸を増やすには、どうしたらいいのでしょう?
「方法の一つが、食事によって腸内環境を整えること。乳酸菌飲料のほか、オリゴ糖や食物繊維が豊富な食材や発酵食品を摂取することも効果的です。そしてもう一つ、日本睡眠科学研究所と同志社大学・アンチエイジングリサーチセンターの共同研究によって明らかになったのが、質の高い睡眠をとることです。質の高い睡眠をとることで腸内環境が変化し、腸内のヤセ菌が増えるという結果が得られました」(安藤さん)
飲み物や食べ物によって腸内環境を整えるには、“継続的な摂取”が欠かせません。その一方、睡眠は人が当たり前のこととして行う生理的な行為!睡眠の質を向上できさえすれば、毎日の眠りによって短鎖脂肪酸の増加が期待でき、自然と健康な身体づくりができるというわけです。
では、睡眠の質を向上させるには、どうしたらいいのでしょうか。先にご紹介した飲料や食品を継続的に摂取することも一つの手ですが、寝具を含めた就寝環境を見直すことが何よりも大切です。就寝環境を上手に整えられたなら、特段の努力をせずとも、質の高い睡眠を維持できるからです。
「寝室の環境として気をつけたいのが、光・音・香り・温度・湿度の5つです。特に光は人の睡眠に大きく影響。強く明るい光が自然と訪れるはずの眠気を妨げてしまうため、就寝の少し前から部屋の明かりを間接照明に切り替え、眠る準備をすることが効果的です」(安藤さん)
ちなみに質の高い睡眠を取るために理想的な環境は、明るさはほんのり何かが見える程度の30ルクス以下、騒音レベルは図書館と同等程度の静かさの40デシベル以下、温度は冬10℃以上、夏28℃以下、湿度は50%程度。これらの数値を基本に、季節に合った寝具を上手に選んで調整するのが理想的です。
とはいえ、ご自身の寝室がどのような環境にあるのか、それを把握するのは至難の技!知りたい方は、nishikawaの直営店『ねむりの相談所』を訪れてみてください。枕元に置いておくだけで寝室の照度・音圧・気温・湿度が計測できる器機の貸し出しを行い、計測値を元にしたカウンセリングも行っています。
また、寝室環境の見直しとあわせて大切なのが、ご自身の寝姿勢を見直すこと!人の背骨はS字を描くようになだらかにカーブしており、就寝中にもこの姿勢を保てることが理想的。さらには部位によって重さが異なる頭や背中、腰回りや足を安定的に支えるため、それぞれの体圧をバランスよく分散できるマットレスを選ぶことが質の高い眠りに直結します。
nishikawaの直営『ねむりの相談所』では、ご自身の身体に合ったマットレス選びをサポート!数あるマットレスのなかでもおすすめなのが<[エアーSX]ベッドマットレス>や<&Free マットレス KA/KG>です。高いクッション性と特殊な凸凹構造が理想的な寝姿勢へと導き、部位による重さの偏りも上手に分散してくれます。
就寝環境を見直すために大事なのは「まず、改善点を見つけることです」と安藤さん。寝室の照度にしてもお使いの寝具にしても、それがご自身に合っているかどうかを見極めるのは簡単ではありません。
そこで皆さんをサポートするのが、私たち寝具メーカーです。今回、お届けした「脳腸相関」が物語るように、質の高い睡眠を取ることは脳を正常に働かせるにも、腸を元気にするにも直結!毎日を健康的に過ごすため、ご自身の眠りを見直してみてください。
そこで今回は、腸と睡眠の関係にフォーカス。教えてくれるのはnishikawaの研究機関「日本睡眠科学研究所」の安藤翠さんです。腸と睡眠の不思議な関係をひも解くと、健康的な身体づくりへの近道が見えてきます!
緊張するとお腹が下る…!互いに影響し合う「脳腸相関」
乳酸菌飲料を継続的に摂取すると睡眠の質が向上する、なんて話がありますが、このメカニズムは「腸と脳の関係」に起因しています。緊張したり、ストレスを抱えていたりするとお腹の調子が悪くなるのは、互いの関係性を示す代表例です。
「昨今の研究により、腸と脳は互いに影響し合う関係にあることが明らかになっています。この関係は『脳腸相関』と呼ばれ、緊張するとお腹の調子が悪くなるほか、うつ病を患っている方には腸にトラブルを抱えている方が多い、といった報告も多くあります」(安藤さん)
うつ病は心身に不調をもたらす気分障害の一つ。発症の原因は完全には解明されていませんが、原因として有力視されているのが、脳の働きである神経伝達物質の放出量低下です。
うつ病が脳に関係する病気といった観点から、今、実際に医療の現場で行われているのが糞便移植。健康な人の糞便をうつ病の患者さんに移植し、腸内環境を改善することで脳の働きを正常化させるという、驚きの治療法です。
医療の世界では自明の理となりつつある、腸と脳の相関関係。これがどのように睡眠と関わるのか、答えはずばり、睡眠中の脳の働きにあります。
「睡眠には身体を休めるといったイメージがありますが、実は脳の疲労回復にも欠かせません。記憶を整理したり、ストレスを取り除いたり、睡眠中の脳の働きはさまざま。詳細なメカニズムは今後の研究課題ですが、睡眠状態が改善することで、脳腸相関を介して腸内環境が変化することも十分に考えられます」(安藤さん)
努力いらず!毎日の睡眠から「短鎖脂肪酸」を増やす
腸と脳は互いに影響し合う相関関係にあり、質の高い睡眠をとることが腸内環境の改善につながる――。このメカニズムを理解するために欠かせないキーワードが「ヤセ菌」と「短鎖脂肪酸」です。
「ヤセ菌とは、痩せやすい体をつくる腸内細菌の通称。このヤセ菌が短鎖脂肪酸という物質をつくり出します。腸内の短鎖脂肪酸が増えるとエネルギー代謝や基礎代謝の改善、体温の上昇、インスリン感受性の正常化や脂肪分解の促進といった、たくさんのポジティブな変化が起こると考えられます」(安藤さん)
ほかにも短鎖脂肪酸は、免疫機能の維持にも活躍!短鎖脂肪酸が口や粘膜から侵入したウイルスをブロックしてくれるからです。では、いいことずくめの短鎖脂肪酸を増やすには、どうしたらいいのでしょう?
「方法の一つが、食事によって腸内環境を整えること。乳酸菌飲料のほか、オリゴ糖や食物繊維が豊富な食材や発酵食品を摂取することも効果的です。そしてもう一つ、日本睡眠科学研究所と同志社大学・アンチエイジングリサーチセンターの共同研究によって明らかになったのが、質の高い睡眠をとることです。質の高い睡眠をとることで腸内環境が変化し、腸内のヤセ菌が増えるという結果が得られました」(安藤さん)
飲み物や食べ物によって腸内環境を整えるには、“継続的な摂取”が欠かせません。その一方、睡眠は人が当たり前のこととして行う生理的な行為!睡眠の質を向上できさえすれば、毎日の眠りによって短鎖脂肪酸の増加が期待でき、自然と健康な身体づくりができるというわけです。
脳も腸も元気に働かせるには、就寝環境の見直しから!
では、睡眠の質を向上させるには、どうしたらいいのでしょうか。先にご紹介した飲料や食品を継続的に摂取することも一つの手ですが、寝具を含めた就寝環境を見直すことが何よりも大切です。就寝環境を上手に整えられたなら、特段の努力をせずとも、質の高い睡眠を維持できるからです。
「寝室の環境として気をつけたいのが、光・音・香り・温度・湿度の5つです。特に光は人の睡眠に大きく影響。強く明るい光が自然と訪れるはずの眠気を妨げてしまうため、就寝の少し前から部屋の明かりを間接照明に切り替え、眠る準備をすることが効果的です」(安藤さん)
ちなみに質の高い睡眠を取るために理想的な環境は、明るさはほんのり何かが見える程度の30ルクス以下、騒音レベルは図書館と同等程度の静かさの40デシベル以下、温度は冬10℃以上、夏28℃以下、湿度は50%程度。これらの数値を基本に、季節に合った寝具を上手に選んで調整するのが理想的です。
とはいえ、ご自身の寝室がどのような環境にあるのか、それを把握するのは至難の技!知りたい方は、nishikawaの直営店『ねむりの相談所』を訪れてみてください。枕元に置いておくだけで寝室の照度・音圧・気温・湿度が計測できる器機の貸し出しを行い、計測値を元にしたカウンセリングも行っています。
理想的な寝姿勢を取ることができれば、自ずとぐっすり!
また、寝室環境の見直しとあわせて大切なのが、ご自身の寝姿勢を見直すこと!人の背骨はS字を描くようになだらかにカーブしており、就寝中にもこの姿勢を保てることが理想的。さらには部位によって重さが異なる頭や背中、腰回りや足を安定的に支えるため、それぞれの体圧をバランスよく分散できるマットレスを選ぶことが質の高い眠りに直結します。
nishikawaの直営『ねむりの相談所』では、ご自身の身体に合ったマットレス選びをサポート!数あるマットレスのなかでもおすすめなのが<[エアーSX]ベッドマットレス>や<&Free マットレス KA/KG>です。高いクッション性と特殊な凸凹構造が理想的な寝姿勢へと導き、部位による重さの偏りも上手に分散してくれます。
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就寝環境を見直すために大事なのは「まず、改善点を見つけることです」と安藤さん。寝室の照度にしてもお使いの寝具にしても、それがご自身に合っているかどうかを見極めるのは簡単ではありません。
そこで皆さんをサポートするのが、私たち寝具メーカーです。今回、お届けした「脳腸相関」が物語るように、質の高い睡眠を取ることは脳を正常に働かせるにも、腸を元気にするにも直結!毎日を健康的に過ごすため、ご自身の眠りを見直してみてください。
nishikawa 東京オフィス
安藤 翠
“nishikawaの研究開発室 東京担当。nishikawaの研究機関である「日本睡眠科学研究所」の一員でもあり、「ちょっと寝ルーム」の開設にも従事。
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