2021年08月31日 カテゴリ:眠り

日中のだるさは睡眠の質に関係あり?就寝前の「デジタルデトックス」で質の高い睡眠をゲット!

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日中のだるさは睡眠の質に関係あり?就寝前の「デジタルデトックス」で質の高い睡眠をゲット!
しっかり寝ても疲れが取れない。朝はすっきりした気分で起きられない。その悩み、寝る直前までスマホやタブレットなどをチェックしていることが原因かもしれません。

就寝前はスマホなどのデジタル機器をオフにし、脳に必要以上の情報を与えない「デジタルデトックス」をすることで、睡眠の質が向上すると言われています。しかし、なかなか寝る前でもスマホを手放せない人も多いのではないでしょうか?そこで今回は睡眠コンサルタントの友野なお先生に、就寝前のスマホの使用が身体と心に与える影響、そして友野先生が実践しているデジタルデトックス方法についても伺いました。


 

寝る直前の情報のインプットが、脳を覚醒させ、心を波立たせる

仕事や家事、育児などがひと段落する寝る直前のひととき。目的はなくてもついスマホを手に取ってしまいますよね。しかし、疲れが溜まっている夜間のメンタル面は、日中よりも敏感な状態。些細なニュースや、仕事相手からの連絡が不眠の原因に繋がることもあると友野先生は話します。

「日中ならスルーできるニュースでも、夜見ると感情が揺さぶられることがあります。また、夜に受信したメールが気になって眠れないということも…。疲れている夜は、スマホをチェックしないことで、気分が落ち込むようなことや、不安になる要素を取り除くことをおすすめします」(友野先生)

また、スマホやタブレット端末などのデジタル機器は至近距離でブルーライトを浴びてしまうため、“睡眠ホルモン”と呼ばれる「メラトニン」の分泌が抑制され、スムーズな入眠を阻害する可能性もあるそうです。


 

夜間のデジタルデトックスで睡眠の質と日中の生産性もアップ!

ベッドでスマホを見る女性夜間のデジタルデトックスを実践中という友野先生。「試してみると、その良さがはっきりわかるはず」と実践方法について教えてくれました。

「私の場合、『入浴後はデバイスを触らない』というルールにしています。ただ仕事などのメールが夜間に届くこともあるので、夜間モードにして22時以降はメールが届いても音が鳴らないように設定しています。

脳も心もリラックスした状態で眠りにつくと、朝起きた時の気分はスッキリ!寝る直前までスマホを手にしていた時と比べて、明らかに眠りの質が良くなっていると実感します。一度実践してみれば、その効果から自然と習慣化できるはずです」(友野先生)

「20時以降は使わない」と時間でルール化するよりも、「入浴する」などの行動を境目にしてデバイスを手放すようにすると、生活に取り入れやすくなるそうです。

質の高い睡眠が取れているかどうかは、「朝の目覚めの気分」や「日中の活動意欲」に表れてくるとのこと。スマホを手放して眠れば、気分良く起きられるようになり、日中もイライラしにくくなったり、集中力が高まったり、コミュニケーション力が高く発揮できるように。

「7〜9時間が理想の睡眠時間と言われていますが、睡眠の“時間”よりも、“質”にフォーカスした方が昼間の生産性が高まるという報告もあります。適切な睡眠時間が確保できない方は、特に寝る前のデジタルデトックスをしてぐっすり眠ることをオススメします。

また、『どうしても就寝前しかゆっくりスマホを見られない』という方は、ブルーライトカットのアプリやメガネを使い、テレビを見る時は2メートル以上離れて、画面の照度がコントロールできるなら暗めの設定にすると良いでしょう」(友野先生)


 

若年層も要注意!デジタル機器との付き合い方

コロナ禍でリモートワークをする方が増え、これまでよりも時間に縛られず仕事ができるようになった一方で、「夜間に仕事のメールが来たとき、返信すべきか悩む」という人も増えているようです。

さらに小学校高学年〜中学生の世代では、友達同志のグループラインにすぐ返信しないと話題に乗り遅れる、仲間外れにされるなどの人間関係の不安から、スマホを枕元に置いて寝るお子さんが多いようです。これについて友野先生は、「個人のルール決めではなく、会社単位、学校単位でルールを決める必要がある」と警鐘を鳴らします。

大阪市淀川区の小中学校では、「眠育」を授業に取り入れ、講演会などを開催して「眠らないことのリスク」「眠ることのメリット」などの情報を子どもたちに共有したところ、子どもたち自らが、スマホを手放して眠るようになったとのこと。

「メールやSNSでの連絡は、やり取りする相手がいるため、自分事では済まないのが難しいところ。『夜は電源を切って』と親が指摘しても、小中学生のお子さんは、反発心から親の言うことをなかなか素直に受け止めません。学校側が『眠育』に着目し、情報共有やルール決めの徹底などを進めていってもらいたいですね」(友野先生)

親の睡眠習慣は、そのまま子どもにも引き継がれていく可能性が高いため、子育て中の方はなおのこと自身の睡眠の質を意識するべきかもしれません。「入浴後はデバイス機器を見ない」ことから始めるデジタルデトックス。今日からはじめてみてはいかがでしょうか?
 

睡眠コンサルタント

友野 なお 先生

睡眠コンサルタント、株式会社SEA Trinity代表取締役。自身が睡眠を改善したことにより、15kgのダイエットと重度のパニック障害の克服、体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。現在は千葉大学大学院 医学薬学府 先進予防医学 医学博士課程(社会医学・社会疫学・予防医学)にて健康寿命の延伸と健康格差の縮小を目指し、睡眠と健康に関する研究活動を行う。 順天堂大学大学院 修士。日本公衆衛生学会、日本睡眠学会、日本睡眠環境学会 正会員。行動療法からの睡眠改善、快眠を促す寝室空間づくりを得意とし、全国での講演活動、企業の商品開発やコンサルテーション、執筆活動などを行う。

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