熱帯夜の季節も間近!冷房が苦手な人も「睡眠指数」でぐっすり快眠

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熱帯夜の季節も間近!冷房が苦手な人も「睡眠指数」でぐっすり快眠

高温多湿の日本。梅雨が明けてもなお、湿度の高い毎日が続きます。さらには気温の高さによっても寝苦しさを感じ、快眠が難しい季節がやって来ますが、そこで多くの人に知っていただきたいのが、「睡眠指数」です。

 今回は指数の監修を務めた水野一枝先生のお話から、「睡眠指数」の活用法や気象と睡眠の関係、夏の寝苦しさを乗り切るための、冷房との上手な付き合い方についてもお届けします!

 

省エネ志向はいいけれど、熱帯夜には冷房が不可欠!

日本気象協会の天気予報専門メディアtenki.jp』からチェックできる「睡眠指数」。日本気象協会と、水野先生がかつて所属していた東北福祉大学の共同研究によって開発され、天気予報と同様、毎日更新されています。

温度や湿度の変化に応じ、眠りづらさを5段階にランク付け。ランクに応じたコメントも付けられています。以下のとおり、睡眠中に冷房を使うか否か、迷う人も少なくないと思いますが、その目安をしっかり明示してくれています。
睡眠指数(夏)
参考|日本気象協会

「“もったいない”が美徳とされるように、日本人は省エネ志向が強い傾向にあります。昨今の気温上昇により、睡眠中にも冷房を使用する人が増えてはいますが、それでも不十分なのが実情です」(水野先生)

水野先生が行った調査によれば、冷房のタイマーを設定して眠ったものの、タイマーが切れたことでまた室内の気温が上昇し、暑さから途中で起きてしまうケースが多く見られたというのです1。これでは睡眠が細切れになってしまい、ぐっすり眠ることができません。

また、冷房による冷えを気にする人もいますが、暑さによって睡眠の質が低下しては本末転倒。朝までぐっすり眠り、質の高い睡眠をとることが、健康的な毎日につながります。

「睡眠指数」が開発されたのも、暑さ・寒さにかかわらず、多くの人に快眠を得てもらうため。日本気象協会が有する専門的な知見と全国の気象予測情報、さらには水野先生が行ってきた睡眠研究、主に睡眠に関わる温度や湿度の知見を素に、独自のアルゴリズムに基づいて算出されているそうです。

「特に画期的なのが、日本気象協会が有する網羅的な気象予測情報により、県ごとではなく、市区町村ごとの指数を示せていることです。ご自身の住む地域に則した情報を得られるのです」(水野先生)

 

熱帯夜は「睡眠指数」を参考に、迷わず冷房を!

地域に則した情報発信はもちろん、「睡眠指数」の大きなポイントは「寝苦しい夜:翌朝まで冷房と除湿を」といったように、私たちがとるべき対策まで明示されていること。

「冷房使用の目安は室温が28℃を超えた場合。温度計のない家庭は珍しくなく、さらに高齢者は温度感受性そのものが低下しているため、暑さ・寒さの認識が難しくなります。そうした場合にも正しい対策がとれるよう、コメントを付けています」(水野先生)

それでもまだまだ、睡眠中の冷房使用に消極的な人もいますよね。そこでおすすめしたいのが、せめて睡眠時間の半分だけでも冷房を使うこと!毎日の睡眠時間が8時間なら、その半分は4時間。タイマー機能を使用し、就寝から4時間後にオフになる設定です。

「大切なのは、眠りの前半に冷房を使用すること。睡眠時間の半分といっても、眠りの後半に使用するのは推奨できません。寝入り端の暑さは寝苦しさをもたらすだけでなく、人を眠りに導く働きまで、低下させてしまうからです」(水野先生)

水野先生が指摘する働きとは、深部体温の低下のこと。人は手足が温かくなり、身体の深部の体温が低下するにつれ、自然と眠くなりますが、室温が高いままでは当然、深部体温が下がりにくくなります。また、より深い睡眠が訪れるのは眠りの前半。前半の深い眠りが徐々に浅くなり、そして起床を迎えるため、前半の睡眠環境を整えることが重要です。

「さらに眠りの後半から冷房を使用することは、体調不良に繋がる可能性もあります。冷房を使用していない前半の暑さから、汗びっしょり。汗に濡れた状態で冷房がオンになると必要以上に身体が冷やされ、風邪等の体調不良が懸念されます」(水野先生)

これは冷房を使わずに眠り、途中で起きた場合にも同様。汗を拭いてから冷房をオンにすることが大切です。特に頭部は汗をかきやすいため、髪の毛までしっかりと拭き、寝間着まで汗に濡れている場合には着替えたほうがベター。濡れた衣類が体温を奪ってしまうからです。

また、睡眠時間の半分でもなお、冷房を使うことに不安がある人は、寒さを感じたらすぐに対応できるよう、足元に予備の布団を置いておくのがおすすめ!冷房が特に苦手な高齢者にとっても、それがひとつの安心材料になるはずです。もし冷房が気にならないなら、一晩中つけることをおすすめします。
 

梅雨の時期にも!日光を浴びることも快眠のカギ

夏と冬の睡眠
専門的な知見と情報により、快眠を得るための対策を教えてくれる「睡眠指数」ですが、実は暖候期(41日~930日)と寒候期(101日~331日)では、ランク表示もコメントも異なります。

睡眠指数(冬)
参考|日本気象協会

「暖候期は快適に眠れるかどうかを指針としていますが、寒候期でフォーカスしているのは心臓への負担です。冬は暖房を使わずとも寝具の暖かさにより、室温
3℃程度までなら快適に眠れます2。ただし、布団から出た瞬間に冷たい空気にさらされ、心臓に大きな負担がかかるのです」(水野先生)


心臓への負担から引き起こされるのが、ヒートショック現象。急激な温度変化によって血圧が乱高下し、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞が起こることもあります。

暖房の効いた部屋から寒い浴室への移動のように、主に入浴の場面で話題になる現象ですが、暖かな布団から出る起床のタイミングも例外ではありません。この現象を防止するために、寒候期には「寒さで起きそう、起床前も暖房を」といったコメントがあるのです。

また、「睡眠指数」とは別に意識したいのが日照時間。人が自然と眠くなる仕組みについて深部体温を挙げましたが、深部体温を低下させるには、メラトニンというホルモンの分泌が欠かせません。

「メラトニンは『睡眠ホルモン』とも呼ばれ、これをしっかり分泌させるには、日光を浴びることが重要です。国内でも海外でも、一般的に日照時間の少ない地域は睡眠時間が短かったり、睡眠の質が低かったりといった指摘がされています」(水野先生)

日光を浴びることが睡眠の質に作用するとなると、気になるのが雨の日です。厚い雲に覆われた雨の日はどんより、なかなか太陽の光を感じられません。

「晴天の日より照度は低いものの、曇りや雨の日にも日光は注がれています。また、雨天であっても、日光の照度は蛍光灯の光よりも高いため、少しくらいの雨なら気分転換がてらに外に出て、短時間でも日光を浴びることをおすすめします」(水野先生)



コロナ禍の外出自粛により、どうしても気分が滅入りがちな今日このごろ。マスクの着用とソーシャルディスタンスは必要ですが、ちょっとでも日光を浴びることはリフレッシュにもなります。

そして質の高い睡眠をとることは、健やかな身体を維持するための基礎!よく眠ることは熱中症の予防にも関係するため3、水野先生と日本気象協会が共同開発した「睡眠指数」を活用しながら熱帯夜もぐっすり眠り、健康な毎日を過ごしましょう!

引用文献
1水野一枝, 水野康, 白川修一郎. "幼児と母親の夏期の睡眠温熱環境に関する実態調査." 被服衛生学 37 (2018): 16-23.
2Okamoto-Mizuno et al, Effects of low ambient temperature on heart rate variability during sleep in humans, Eur J Appl Physiol, 105(2):191-7, 2009
3水野康,駒田陽子,白川修一郎(2004): 90分の部分断眠が運動時深部体温および自律神経活動に及ぼす影響, 臨床神経生理学,32(5), 554-555.

【参考】気予報専門メディアtenki.jp内「睡眠指数」 
       

和洋女子大学家政学部服飾造形学科 准教授

水野一枝 先生

東邦大学医学部生理学第一講座、獨協医科大学第一生理学教室、産業技術総合研究所NEDOフェロー、東北福祉大学感性福祉研究所特任研究員を経て現職。被服衛生学、睡眠温熱環境、睡眠時の体温調節を専門とし、寝室の暑さや寒さ、寝具や寝衣と睡眠に関する研究を行う。その分かりやすい解説からNHK『あさイチ』をはじめとするメディア出演も多数。

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