2020年03月02日 カテゴリ:眠り

あくびはシグナル!?謎多き生理現象が教えてくれること

loading
あくびはシグナル!?謎多き生理現象が教えてくれること
主に眠いときに生じる生理現象「あくび」。寝不足の日には、1日に何度もあくびをしてしまうという人もいるかと思いますが、そもそもあくびの正体とは何なのでしょう?

そこで今回は、豊富な知見と経験に基づくわかりやすい医療解説により、テレビ番組にも出演する「菅原脳神経外科クリニック」の院長、菅原道仁先生が監修役。「あくび」をテーマにお話を伺いました!
 

あくびは脳に覚醒を促し、リフレッシュを求める現象!?

主に眠いときに生じる「あくび」ですが、実はその正体は解明されておらず、謎の多い生理現象なのだそうです。

「古くから言われているのが、脳が酸素不足の状態に陥り、そのシグナルとしてあくびが出るという説です。また、あくびは覚醒を促すサインという医師や研究者もいます。あくびによって口を大きく開くことで、脳に覚醒を促しているという説です」(菅原先生)。

多くの場合、あくびが出るのは眠いとき。覚醒、つまりは目覚めを促すサインという説にも頷けますが、眠くもないのにあくびが出ることもありますよね。眠気のないときに出るあくびは一般的に「生あくび」と呼ばれますが、緊張しているときや、反対にボーッとしているときに出るという人が多いようです。

あくびの正体が解明されていない以上、生あくびの原因も不明ですが、「あくびが覚醒を促すサインという説に基づけば、緊張やボーッとしている状態の脳に対し、ひとつのリフレッシュを求める生理現象が生あくび、という考え方もできます」(菅原先生)。

あくびがどうしても止まらないときは、深呼吸をしたり、ガムを噛んだり、誰かと喋ったり、というように口を動かしてみるとよいそう。口をあける動作が覚醒を促してくれます。

 

軽く見てはNG!あくびの陰に病気が潜んでいることも

私たちにとって当たり前の行為である「あくび」ですが、軽く見てはいけません。あくびの陰に、病気が隠れていることがあるからです。

眠くもないのに出るあくび(いわゆる「生あくび」)から予見される病気として挙げられるのが、低血糖や脳梗塞。そして、病気を原因とするあくびなのか、そうでないかの見分け方は、あくびに併発する症状にあります。

「低血糖も脳梗塞も、脳の機能低下にかかわる病気です。脳の機能が低下すると意識レベルも低下し、人の呼びかけに反応しづらくなります。また、手足の動かしにくさや痺れを感じるのも代表的な症状です。そのため、生理現象であるはずのあくびに加えて、何か違和感を覚えたら、脳の機能低下と似た症状が出ていないか、気にしてみてください」(菅原先生)。

 

頻発するあくびは、自覚なき睡眠不足のシグナル!

また、頻発するあくびで注意したいのは、無自覚の睡眠不足です。「睡眠不足を自覚していない人は少なくありません。『なんだか体調が悪くて』と病院を受診され、問診の結果、睡眠不足が発覚するケースもあります」(菅原先生)。

徹夜明けの日にあくびが頻発したり、頭がボーッとしたりする場合には、睡眠不足を自覚することは簡単です。しかし、平均的に8時間程度の睡眠を取っていても、睡眠の質が低下していたり、毎日の睡眠時間が少しずつ不足し、睡眠不足が次第に蓄積されていく睡眠負債の状態に陥っていたりすると、自分の睡眠不足に気づけないことがあります。

「そこで頻発するあくびは、ひとつの目安になります。カラダに不調を来したり、何か大きなミスをしたりしてしまう前に、『妙にあくびが出るな』と思ったら、睡眠不足を疑ってみてください。ストレス社会といわれる昨今。しっかり眠っているつもりでも、抱え込んだ心労により、睡眠の質が低下している人は少なくありません」(菅原先生)。

ストレスが原因と考えられる睡眠不足の方には、寝具や枕を変えることを提案しているのだそう。

「先ほどもお伝えしたように、睡眠不足の原因の1つに過度なストレスが挙げられます。例えばそのストレスの原因が仕事や職場の人間関係だとしても、急に仕事を辞めることは難しいですよね。だから、まずは寝具や枕を変えて睡眠環境を整えることを勧めています。人生の大半の時間を過ごすからこそ、いい睡眠環境で十分な睡眠時間をとることが必要だと考えます」(菅原先生)。

とはいえ、仕事や家事を優先して、ついつい後回しになってしまう睡眠…。そんなときにおすすめしたいのが、睡眠時間を確保するために菅原先生が実践している方法です。

「寝るときが1日のスタートだと考えてスケジュールを組んでいます。起きたときをスタートにして、余った時間を睡眠に充てるという人が多いように思います。睡眠時間を最優先で確保して、残った時間で1日のスケジュールを立ててみてはいかがでしょうか?」(菅原先生)。

 
***


脳をリフレッシュさせ、病気のシグナルとなり、無意識の睡眠不足を教えてくれるあくび。今回はあくびをテーマにお届けしてきましたが、菅原先生のお話により、あらためて睡眠の大切さを感じていただけたはずです。あくびをきっかけに、カラダの不調や無自覚の睡眠不足を見逃さないように、日々の生活で意識してみてくださいね。
   

「菅原脳神経外科クリニック」院長

菅原 道仁 先生

くも膜下出血や脳梗塞などの緊急脳疾患専門医として国立国際医療研究センターに勤務後、脳神経外科専門の北原国際病院に15年間勤務。その診療経験をもとに「人生の目標から考える医療」のスタイルを確立する。心や生き方までトータルサポートする診療を続け、わかりやすい医療解説からテレビへの出演も多数。著書も多く、近著に『認知症予防のカキクケコメソッド』(かんき出版)や『すぐ怠ける脳の動かし方』(青春新書インテリジェンス)がある。

この記事を見た人はこんな商品に興味を持っています

最近見た商品

この記事に関連するキーワード

あくびはシグナル!?謎多き生理現象が教えてくれること

この記事が気に入ったら
いいね!しよう