その眠気、コロナ後遺症かも?専門医による実例と対策の解説


「日中も眠気が抜けない」「頭のなかにモヤがかかったようで、なんだかスッキリしない」
――そんなお悩みをお持ちのあなたは、過去にコロナウイルスに罹患した経験がおありでしょうか?心当たりのある場合は、単なる疲れや睡眠不足ではなく、「コロナ後遺症」が原因かもしれません。
そこで今回は、コロナ後遺症の患者さんを多数診察してきたヒラハタクリニックの院長、平畑光一先生に睡眠障害とコロナ後遺症、そして対処法についてお伺いしました。
実は、コロナ後遺症で医療機関を受診する方のほとんどが、脳の機能や思考力の低下を感じているそう。また、コロナ後遺症患者の76.9%が「眠気」や「過眠」などの睡眠障害を訴えているというデータも。
なぜなら、コロナウイルスに関する研究は今まさに進んでいるさなか。その証拠に、コロナウイルスは5年間という期間のうちに、世界中でもっとも多くの研究論文が発表された疾患とも言われています」(平畑先生) 。
とはいえ、自己診断で眠気の原因を「コロナ後遺症」と決めつけてしまうのは要注意です。

眠気が続く場合は、医療機関で医師の診断を受けることも大切です。
「医療機関を受診する際には、『コロナ後遺症かもしれない』と医師に伝えるより、具体的な症状を伝えるのがベターです。中にはコロナ後遺症に対して懐疑的な医師もいるため、『寝ても寝ても頭がスッキリしない』、『夜にぐっすり眠れないせいで日中も常に眠い』など明確な困りごとを伝えることで、より冷静で的確な診断をしてもらいやすくなります」(平畑先生)。
医療機関では、血液検査などを行うことで、コロナ後遺症以外の疾患を見つけることもできます。これを「除外診断」といい、特定の病気の可能性を除外するために、診察や検査を行うものです。
「過去にウチのクリニックにいらっしゃった患者さんの中にも、コロナ後遺症の疑いで診察をしたところ、実際は別の病気が見つかった場合もありました。コロナ後遺症と別の疾患を併発している場合もあるので、違和感を抱いたら、ずは医療機関に頼ってほしいですね」(平畑先生)。
そこで、実際に睡眠障害に悩む患者さんに、平畑先生がおすすめしているセルフケアをいくつか教えていただきました。
「これは東洋医学の「腎虚(じんきょ)」という状態に有効な薬膳です。
腎虚は、体のパワーが衰えている状態。黒い食材を摂ることで『ぐっすり眠る体力』を養い、日中に眠くなるのを防ぐことにもつながります」(平畑先生)
ささいなことでも構わないので、「よかったこと」や「うれしかったこと」をノートに書き留めておき、毎晩寝る前に読み返す。睡眠障害でない人にもおすすめの習慣だそう。
「書き留めるのは毎日ではなくてもOKです。ただ、毎晩寝る前に読み返す習慣をつけることで安心感が生まれ、自律神経が整いやすくなります。『今日は天気がよかった』『ごはんがおいしかった』など気軽な内容で大丈夫なので、ぜひ気軽に試してみてほしいです」(平畑先生)
手のひらサイズの電動マッサージ機を使い、合谷(ごうこく)・外関(がいかん)・列欠(れっけつ)・委中(いちゅう)といったツボを刺激する。
「これらのツボを刺激するセルフケアも、自律神経を整えるのに有効です。私が運営しているlongcovid.jpでも動画でやり方を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね」(平畑先生)
入浴で上昇した体温が下がっていくタイミングで眠気が生じるので、そこで就寝し、日中の眠気を防ぐ。
朝に入浴する場合: 熱めの湯船に浸かるor熱めのシャワーを浴び、最後に冷水のシャワーを足にかけることで交感神経を優位にする。心身をシャキッとさせることで目覚めもスッキリ。
「朝の眠気をスッキリさせることで、夜にきちんと眠気がくるサイクルを作ることが重要です。他にも、朝に冷水で顔を洗ったり、一度外に出たりして冷たい空気に触れるなどもおすすめです」(平畑先生)
平畑先生によると、「眠気をなんとかしよう」とするのではなく、思い切って5分だけでも目を閉じる方がおすすめだそうです。
「たとえば学校や職場なら、休み時間のうちに少しのあいだ机に突っ伏してみるだけでもだいぶ変わります。
ただ、重度の場合は少しの仮眠ではどうにもならず、20時間以上眠らないと生活できない状態の方もいらっしゃいます。コロナ後遺症による睡眠障害も、医師のアドバイスの元でケアを続けていけば快方に向かうケースが多いので、お困りの場合はまず医療機関を受診してみてくださいね」(平畑先生)
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「眠気」という身近なお悩みが、実はコロナ後遺症と関連があるとは想像もつかなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし専門家の間では、睡眠障害はコロナ後遺症の最もメジャーな症状の1つなのです。
また、今回ご紹介したセルフケアの方法はコロナ後遺症以外の睡眠障害にも有効だと言われています。眠りにお悩みの方は、ぜひできることから試してみてはいかがでしょうか。
――そんなお悩みをお持ちのあなたは、過去にコロナウイルスに罹患した経験がおありでしょうか?心当たりのある場合は、単なる疲れや睡眠不足ではなく、「コロナ後遺症」が原因かもしれません。
そこで今回は、コロナ後遺症の患者さんを多数診察してきたヒラハタクリニックの院長、平畑光一先生に睡眠障害とコロナ後遺症、そして対処法についてお伺いしました。
コロナ後遺症と眠気の関係
実は、コロナ後遺症で医療機関を受診する方のほとんどが、脳の機能や思考力の低下を感じているそう。また、コロナ後遺症患者の76.9%が「眠気」や「過眠」などの睡眠障害を訴えているというデータも。
なぜなら、コロナウイルスに関する研究は今まさに進んでいるさなか。その証拠に、コロナウイルスは5年間という期間のうちに、世界中でもっとも多くの研究論文が発表された疾患とも言われています」(平畑先生) 。
とはいえ、自己診断で眠気の原因を「コロナ後遺症」と決めつけてしまうのは要注意です。
コロナ後遺症かどうかを判断するには?

眠気が続く場合は、医療機関で医師の診断を受けることも大切です。
「医療機関を受診する際には、『コロナ後遺症かもしれない』と医師に伝えるより、具体的な症状を伝えるのがベターです。中にはコロナ後遺症に対して懐疑的な医師もいるため、『寝ても寝ても頭がスッキリしない』、『夜にぐっすり眠れないせいで日中も常に眠い』など明確な困りごとを伝えることで、より冷静で的確な診断をしてもらいやすくなります」(平畑先生)。
医療機関では、血液検査などを行うことで、コロナ後遺症以外の疾患を見つけることもできます。これを「除外診断」といい、特定の病気の可能性を除外するために、診察や検査を行うものです。
「過去にウチのクリニックにいらっしゃった患者さんの中にも、コロナ後遺症の疑いで診察をしたところ、実際は別の病気が見つかった場合もありました。コロナ後遺症と別の疾患を併発している場合もあるので、違和感を抱いたら、ずは医療機関に頼ってほしいですね」(平畑先生)。
「眠気」の改善方法
平畑先生によると、コロナ後遺症と診断された場合でもそうでない場合でも、「眠気」や「過眠」などの睡眠障害を解消するために有効な方法は共通しているそう。大事なのは、「夜の間に熟睡できる状態」を作ることだといいます。そこで、実際に睡眠障害に悩む患者さんに、平畑先生がおすすめしているセルフケアをいくつか教えていただきました。
①お手軽薬膳スープ
干した黒きくらげ、クコの実、干し椎茸を30分以上煮込んだスープに、中華だしや鶏肉などを加えて好きな味付けをしたものを飲む。「これは東洋医学の「腎虚(じんきょ)」という状態に有効な薬膳です。
腎虚は、体のパワーが衰えている状態。黒い食材を摂ることで『ぐっすり眠る体力』を養い、日中に眠くなるのを防ぐことにもつながります」(平畑先生)
②「よかったことノート」をつける
ささいなことでも構わないので、「よかったこと」や「うれしかったこと」をノートに書き留めておき、毎晩寝る前に読み返す。睡眠障害でない人にもおすすめの習慣だそう。「書き留めるのは毎日ではなくてもOKです。ただ、毎晩寝る前に読み返す習慣をつけることで安心感が生まれ、自律神経が整いやすくなります。『今日は天気がよかった』『ごはんがおいしかった』など気軽な内容で大丈夫なので、ぜひ気軽に試してみてほしいです」(平畑先生)
③経絡(ツボ)を刺激する
手のひらサイズの電動マッサージ機を使い、合谷(ごうこく)・外関(がいかん)・列欠(れっけつ)・委中(いちゅう)といったツボを刺激する。「これらのツボを刺激するセルフケアも、自律神経を整えるのに有効です。私が運営しているlongcovid.jpでも動画でやり方を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね」(平畑先生)
④お風呂やシャワーで交感神経・副交感神経の「波」を正常にする
夜に入浴する場合: ぬるめの湯船にゆっくり浸かり、リラックスすることで副交感神経を優位にする。入浴で上昇した体温が下がっていくタイミングで眠気が生じるので、そこで就寝し、日中の眠気を防ぐ。
朝に入浴する場合: 熱めの湯船に浸かるor熱めのシャワーを浴び、最後に冷水のシャワーを足にかけることで交感神経を優位にする。心身をシャキッとさせることで目覚めもスッキリ。
「朝の眠気をスッキリさせることで、夜にきちんと眠気がくるサイクルを作ることが重要です。他にも、朝に冷水で顔を洗ったり、一度外に出たりして冷たい空気に触れるなどもおすすめです」(平畑先生)
日中にどうしても眠気に襲われてしまったら?
さまざまな対策方法があるとはいえ、日中にどうしても眠くなってしまった場合は、どのように対処すれば良いのでしょうか?平畑先生によると、「眠気をなんとかしよう」とするのではなく、思い切って5分だけでも目を閉じる方がおすすめだそうです。
「たとえば学校や職場なら、休み時間のうちに少しのあいだ机に突っ伏してみるだけでもだいぶ変わります。
ただ、重度の場合は少しの仮眠ではどうにもならず、20時間以上眠らないと生活できない状態の方もいらっしゃいます。コロナ後遺症による睡眠障害も、医師のアドバイスの元でケアを続けていけば快方に向かうケースが多いので、お困りの場合はまず医療機関を受診してみてくださいね」(平畑先生)
***
「眠気」という身近なお悩みが、実はコロナ後遺症と関連があるとは想像もつかなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし専門家の間では、睡眠障害はコロナ後遺症の最もメジャーな症状の1つなのです。
また、今回ご紹介したセルフケアの方法はコロナ後遺症以外の睡眠障害にも有効だと言われています。眠りにお悩みの方は、ぜひできることから試してみてはいかがでしょうか。
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