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赤ちゃんの寝返りはいつから?小児科医に聞くサポート方法と注意点

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赤ちゃんの寝返りはいつから?小児科医に聞くサポート方法と注意点
赤ちゃんは、生後3カ月頃になると首がすわり、その後、腰がすわります。
首と腰がしっかりすわると、下半身を動かせるようになるため、仰向けの状態からくるんと反転する「寝返り」の動きができるように。

子育て中のお父さんお母さんは、わが子の成長にワクワク、ソワソワ。
寝返りの有無やタイミングについても、疑問を持っている人も多いようです。
そこで今回は、小児科医の池田裕一先生に、赤ちゃんの発達過程で見られる寝返りのタイミングやメカニズム、注意点について伺いました。
   

赤ちゃんが寝返りをし始める時期は「生後4〜6カ月頃」が一般的

生後12カ月までの赤ちゃんは成長が目まぐるしいもの。
日に日にできることが増えていきますが、寝返りはいつ頃からできるようになるのでしょうか?

「赤ちゃんが寝返りを始めるのは、首と腰がすわってから。
体格などによって個人差はありますが、およそ生後4〜6カ月で、体の状態を反転させることができるようになります」(池田先生)  


寝返りのメカニズムを紹介

そもそも首と腰がすわると、なぜ赤ちゃんは寝返りができるようになるのでしょうか。

「赤ちゃんは、首と腰がすわり、脳と筋肉が発達してくると、自分の体幹を『三次元』でコントロールできるようになります。
すると、仰向けからうつ伏せになったり、反対に、うつ伏せから仰向けになることができるように。
『おもに筋肉が発達するから自由に動けるようになる』と思っている方も少なくありませんが、実は首や腰のすわりと、脳の発達がより大切な要素となります」

寝返りは首や肩、腰を使って行う動作のため、それぞれの動きを脳が判断し、同調できるようになることで、仰向けの状態からパタンとうつ伏せに寝返ることができるとのこと。
首と腰がすわる時期の目安は、生後4〜6カ月と幅広く、脳の発達にも個人差があります。このため、寝返りをし始める時期にも個人差があるようです。
 

寝返りをし始める時期には個人差がある

「うちの子、なかなか寝返りしなくて…」と悩むお父さんお母さんに対して、池田先生は「寝返りをしなくても、発達に問題はありません」とアドバイス。

「小児医療において、寝返りの有無は必ずしも発達の指標とはされません。首がすわっていれば、寝返りをしなくても発達上の問題はないと考えられています」

生後6カ月を過ぎても首や腰がすわらない場合、何らかの疾患の可能性があるそうですが、「寝返り」の有無や時期は、発達には影響しないそうです。


体格によっても差が出る寝返りのタイミング

また、体が大きい場合は、タイミングが遅くなる場合もあるのだそう。

「体格によって寝返りのタイミングに差が出ることがあります。一般的に、体重が重めの赤ちゃんは寝返りが遅くなる傾向があります。
しっかり首が座っていれば、次第に寝返りできるようになるはずなので、生後6カ月くらいまでは見守ってあげてください」

どの発達段階にも個人差があり、体格によっても「早い」「遅い」が生じるため、他の子と比較しすぎて一喜一憂しないようにしましょう。  


寝返りの前兆サイン



首がすわると、赤ちゃんは行動範囲が広がり、腹ばいの姿勢で首を持ち上げたり、手足を活発に動かしたりするようになります。
これらは寝返りの前兆とされています。

この動作の延長で、腰から下を回転させることで「寝返り」ができることもあるようです。

また、首と腰がすわった後は、足が発達し、「歩く」という動作ができるようになっていきます。
 

赤ちゃんの寝返りのサポート・練習方法はある?

「首や腰がすわるための練習方法はある?」「寝返りの練習はさせた方がいい?」という質問に対して、池田先生は「練習しなくても大丈夫」と答えます。

「発達に関しては、親の手助けは必要ありません。疾患がある場合を除いては、どのお子さんも練習しなくても首がすわり、その後、腰がすわり、歩き出せるようになります。
これらは、発達が順調であれば、誰もができるようになること。何らかの疾患が認められる場合は6カ月検診までに医師から指摘が入るはずです」

3カ月検診や6カ月検診では、「首と腰の座り」をチェックされ、そこで問題がなければ「発達は順調」というサイン。
練習したからといって、その後の発達に影響することはないため、焦らずに赤ちゃんの成長を見守ってあげましょう。
 

寝返りをしはじめてからの注意点

腰が座って〜寝返りをしはじめてからの時期に特に気をつけるべきことはあるのでしょうか?


ベッドからの落下

「ベビーベッドの柵を下ろしている家庭は、赤ちゃんが落下しないよう柵を上げるようにしましょう」


寝具による窒息

「うつ伏せになったときに柔らかい布団や枕に身体や顔を埋めてしまうと、元の姿勢に戻りにくくなるだけでなく、呼吸もしづらくなります。
寝具の固さやベッドに置くものには注意が必要です」

ベビー用の寝具は固めを選び、頭の周りに柔らかい枕やクッション、ぬいぐるみは置かないなどの工夫が大切とのこと。

また、掛け布団も厚手ものだと、何かの拍子に顔にかかってしまう可能性もあるため、薄いものにするか、スリーパーなどを着せて快適な室温を保っておけば、掛け布団なしでも大丈夫だそうです。


周囲のものを誤飲してしまう

「生後3〜5カ月くらいになると、手でものが掴めるようになります。赤ちゃんは掴んだものを口に入れてしまう傾向にあるため、手の届く範囲に口に入るサイズのものは置かないように気をつけましょう」
 

発達と疾患の関係性は?受診の目安とタイミング

「生後3カ月より前の寝返りは、疾患の可能性がある?」と心配する声もあるようです。これに対して、「首と腰がすわるより早く、寝返りをすることは考えられない」と話す池田先生。

「寝返りの動作ができるようになるのは、生後4〜6カ月頃の首と腰がすわってから。それよりも早く寝返りができるということは医学的にも考えにくいです」

近年、インターネット上ではさまざまな情報が飛び交い、なかには「寝返りのタイミングと疾患の関係」を示唆する情報も多く見られます。
しかし池田先生は、寝返りが早いから、遅いからと言って「うちの子、病気かも?」と考える必要はないと言います。

「首と腰がきちんとすわっていれば、次のステップは順調にいくので、過度に不安になったり焦ったりしなくて大丈夫です。
また、心配事はネットで検索するのではなく、かかりつけ医に直接聞いてほしいです。
特に生後3〜6カ月ごろは、予防接種で頻繁に小児科に行く時期。予防接種だから質問してはいけないなんてことはありません。
不安に感じることは1人で抱え込まず、かかりつけ医に相談して1つずつ解消してください」
 
***

首と腰がすわれば、発達は順調! 焦らず、ゆっくりとお子さんの成長を見守りましょう!

そして少しでも不安なことがあれば、かかりつけの小児科医に相談してみてくださいね。
 

腰がすわる〜寝返りをし始めた時期におすすめの寝具



洗える ベビー固わた敷きふとん(¥11,000)
ポリエステル100%の固綿を使用した赤ちゃん用の敷きふとん。
赤ちゃんの寝姿勢を正しく保ち、体をしっかりとサポートしてくれます。
ご家庭で水洗いができるので、清潔感もキープできます。
   

医師。昭和大学医学部小児科教授

池田裕一 先生

昭和大学藤が丘病院小児科でおねしょ・おもらし外来を担当。小児科HP上におねしょ・おもらし相談室を開設し、おねしょやおもらしで悩む多くの保護者からの質問に回答する。日本小児泌尿器科学会理事、日本夜尿症学会理事、第29回日本夜尿症学会大会長。 すいみんトラブルどっとこむ おしっこトラブルどっとこむ

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