2022年09月01日 カテゴリ:眠り

眠りやすい音ってホントにあるの?おやすみモードに切り替える音「1/fゆらぎ」

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眠りやすい音ってホントにあるの?おやすみモードに切り替える音「1/fゆらぎ」

小さい頃、絵本を読んでもらっているうちに、気づいたら眠っていた経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか?声や音は時に私たちに安心感を与えてくれます。

基本的には無音の中で眠ることが推奨されていますが、音は、上手に活用すれば入眠前のリラックスタイムに効果的なものです。今回は、そんな心地よい眠りに導く音について、睡眠コンサルタントの友野なお先生に教えていただきました!
 

静かすぎることが、逆に眠りを妨げてしまうことも


——最近では、ヒーリング音楽や寝落ち用のラジオなど、さまざまな音に関するコンテンツを見かけます。実際、眠りやすくなる音というのはあるのでしょうか?

激しい音楽や人の話し声は脳を刺激してしまうため、基本的にはできるだけ静かな環境で眠ることをおすすめしています。しかし、逆に無音状態だと脳内での会話が止まらなくなってしまったり、緊張状態になってしまう方もいらっしゃいます。

何も音を流さないことで生活音や道路の音が気になってしまうなんてことも。そういった場合には、音をぜひ活用していただきたいです。

——眠りやすくなるというよりは、「入眠前のリラックスのために」といった意味合いでしょうか?

そうですね。何を聴くにしても、タイマーで一定時間経ったら自動で止まるように設定しておくといいと思います。眠っている最中は、やはり覚醒の原因になります。

リラックスのために聴く以外にも、スイッチを切り替えるために毎日同じ時間に同じ音を流すのもいい方法です。夕方に流れる『蛍の光』を聴くと無意識的に「帰る時間だな」って思いますよね。それと同様に、これを聴いたら「今日はおしまい。あとは寝るだけ」と、気持ちの切り替えがしやすくなります。
 

心を落ち着かせる音「1/fゆらぎ」




——入眠前に聴くなら、具体的にはどんな音がおすすめですか?

人気なのは雨の音やさざなみの音ですね。自然音は単調なものが多く、心を安らかにしてくれます。他にもヒーリング音楽、映画やドラマのサウンドトラックなど、中でも静かめのメロディーがおすすめです。歌詞が入っている音楽だとどうしても言葉を認識して感情が刺激されてしまう可能性があるので、歌詞が入っている場合はパッと聴いて意味をキャッチしにくい言語のものがいいと思います。

——眠りに導く音として「1/fゆらぎ」と書いてあるものを見かけることがあります。

「1/fゆらぎ」というのは、自然界にある「ゆらぎ」の一種なのですが、脳に直接影響を及ぼし、心を落ち着かせてくれる効果があると言われています。

その代表例として挙げられるのが、モーツァルトの音楽です。他のクラシックよりもリラックスを促す作用が多く含まれていると研究結果でわかっています。

——モーツァルトは他のクラシックとどんな違いがあるのでしょうか?

皆さんがよく知っている曲で比べやすいのがベートーベンです。かの有名な『運命』は「ジャジャジャジャーン」といった、アクセントになる音が多く含まれています。少し身体がビクッとするような抑揚のある音楽ですね。一方でモーツァルトは耳馴染みがよくアクセントが少ない音楽です。

いまでは、ヒーリング音楽として売られているCDや音源にも「1/fゆらぎ」と表示されているものがあるので、ぜひ参考にしてお気に入りのものを見つけていただけたらと思います。
 

元気いっぱいの子どもを落ち着かせる「雨の音」


——友野先生は生活の中でどんなふうに音を活用されていますか?

私は子どもの寝かしつけに音を使っています。お風呂から上がって絵本を読むまでの間、興奮してすぐには寝てくれなさそうな日は雨の音を必ずかけていますね。子守唄もそうですが、メロディーが単調な自然音を聴いていると、元気が有り余っている子どもも少しずつ落ち着いてきます。

あとは、私が監修している書籍に『ぐっすり眠れる不思議な塗り絵』シリーズがあるのですが、眠る前のリラックスタイムとして塗り絵をするときも音楽をかけるようにしています。例えば、海の絵だったらさざなみの音を流したり、南国風のゆったりした音楽を流したり。そうすると、その絵の世界観に没入しやすくなります。頭の中の雑音が消えていき、眠りにつきやすくなるんですね。

特にリモートワークをしていると気持ちの切り替えが難しいので、半ば強制的にオフにしていく方法として、音の活用はとても有効だと思っています。
 
***

身体を入眠モードに切り替えていくためには、五感全体でリラックスできる環境づくりが効果的です。上手に音を活用して、日常と切り離したまどろみの時間を過ごしてみては?  

睡眠コンサルタント

友野 なお 先生

睡眠コンサルタント、株式会社SEA Trinity代表取締役。自身が睡眠を改善したことにより、15kgのダイエットと重度のパニック障害の克服、体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。現在は千葉大学大学院 医学薬学府 先進予防医学 医学博士課程(社会医学・社会疫学・予防医学)にて健康寿命の延伸と健康格差の縮小を目指し、睡眠と健康に関する研究活動を行う。 順天堂大学大学院 修士。日本公衆衛生学会、日本睡眠学会、日本睡眠環境学会 正会員。行動療法からの睡眠改善、快眠を促す寝室空間づくりを得意とし、全国での講演活動、企業の商品開発やコンサルテーション、執筆活動などを行う。

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