「生活リズムの改善で仕事も効率的に!」吉本ユータヌキさんのナイトルーティン
吉本さんはクリエイターであると同時に、育児に奮闘する3児のパパでもあります。睡眠時間の確保も難しい日々かと思いきや、意外な生活サイクルとナイトルーティンが明らかに。さらに現在はフリーランス、かつては会社勤務との副業生活を送っていた吉本さんとあって、慣れないテレワークに悩める方にも参考になるお話が続々です!
お坊さん一歩手前!意外なほど規則正しい生活サイクル
―― お子さんとの日常を描いたエッセイ漫画が人気の吉本ユータヌキさん。お仕事に育児にお忙しい毎日かと思いますが、どんな生活を送られているのでしょう?ちょっと意外に思われるかもしれないくらい、規則正しい生活なんです。朝5時に起き、22時には寝ています。起床後1時間は仕事をして、その後はウォーキングと犬の散歩を1時間、7〜9時は朝食と朝の準備。9時には妻と一緒に3人の子どもを保育園に送り出し、子どもたちが帰ってくる17時まではみっちり仕事をします。
子どもたちが帰宅したら、その日はもう店じまい。翌朝まで仕事はしません!妻が夕ご飯の支度をしている間に子どもたちと一緒にお風呂に入り、お風呂上がりにみんなで食事。家族の時間を過ごしたら、子どもたちを寝かしつけつつ、自分も一緒に就寝するのが決まったサイクルです。
―― 朝5時起床の夜22時就寝なんて、本当に規則正しい生活ですね。
この生活サイクルが定着したのは、割と最近のことなんです。5時に起きるためにも、夜に仕事は持ち越さない。でも、布団にスマホを持ち込むと、どうしても仕事の連絡が気になりますよね。この気になる感じを断ち切るため、スマホもメガネも、寝室には持ち込まないようにしています。さらにはカフェイン断ちまで試したりして、そのうちお坊さんになってしまうかもしれません(笑)。
コロナ禍をきっかけに始めた、睡眠改善のエトセトラ
―― お坊さん(笑)!では、そのような生活にシフトされた理由は何だったのでしょう?吉本さんは以前、イラストレーターと会社勤めの副業生活を送られていたとか。2019年4月に退職するまでは、もうめちゃくちゃな生活でしたね(苦笑)。特にひどかったのが、6歳になる長女が生まれたばかりの時期。20時くらいに帰宅して、漫画やイラストを描くのは深夜の23時から3時くらい。妻との時間も、子どもとの時間も持てず、眠い目をこすりながらイラストを描いていました。
でも睡眠改善を意識する様になったのはフリーランスになったことよりも、コロナ禍の影響が大きいんです。副業していた時は常に寝不足状態だったので、布団に入るとコロッと眠れていました。それがコロナ禍のストレスのせいか、ここ一年くらい、どうにも寝つきが悪くなってしまったんです。しかも僕は、ストレスがすべて“食”に向く性格。コロナ禍以降、一気に5キロも増量しちゃいました(笑)。
―― 寝つきが悪くなるばかりか、5キロの体重増。確かに不安になりますね。
さすがにマズいと一念発起した結果が、今の生活サイクルです。特に効果を実感しているのが“カフェイン断ち”です。それまでは一日にタンブラー2、3杯のコーヒーを飲んでいたので、やめた直後は逆に集中力の低下を感じたり、頭痛がしました。でも、睡眠への効果はデータに表れていました。
睡眠測定をしてくれるウエアラブル端末「Fitbit」を着けていますが、コーヒーを口にしなかった日は深い眠りの時間が長いんです。この評価を励みに、今は午前中にコーヒー1杯だけにしています。だんだんと頭痛もなくなり、寝つきも少しずつ改善している気がします。
―― ウエアラブル端末を装着し、データによっても睡眠改善を実感する。真似したくなる対策ですね。
とは言え、今も試行錯誤の最中です。寝つきはかなり改善されたものの、ひとつの違和感もなく眠りにつけて、すっきり目覚められるかというと、まだもうちょっと…。そこで最近は、SNSで知った「米軍式睡眠法」を試しています。布団に入ったら、まずは顔の筋肉をゆるめ、徐々に上半身から下半身へと力を抜き、頭まで空っぽにしていくというものです。
よい夢を見るために!親子で楽しいナイトルーティン
―― すると吉本さんのナイトルーティンは、目下、実践中の米軍式睡眠法?
いえ、これもまだまだお試し中。完全に定着したナイトルーティンといえば、子どもたちに今日はどんな楽しいことがあったのか、寝る前に聞かせてもらうことです。始めたきっかけは、長女が「怖い夢を見るから寝たくない」と言い出したことでした。そこで思い出したのが、以前睡眠専門家の方に取材した時に聞いた言葉です。
先生は「子どもは睡眠中に、その日の出来事を整理する」とおっしゃっていました。親に怒られたり、「鬼やお化けが来る」とか、脅しのように寝かしつけられた日には、夜泣きがひどくなるそうです。ここからは僕個人の解釈ですが、怖がる要素とは逆のこと、つまり楽しいことを寝る前に振り返ったら、良い夢が見られるんじゃないか、と…。これが功を奏したのか、それから「怖い夢を見た」と言わなくなったんです。
―― なんて素敵なナイトルーティン!しかもこれは、大人にも良さそうです。一日のモヤモヤを布団に持ち込まないことが、快眠のためのひとつの策なんですね。
以前、寝る前に「三行日記」を書いていました。一日を振り返り、最も失敗したこと、感動したこと、明日の目標を一行ずつ日記にしていたんです。ただ、最近は子どもたちと一緒に寝ているので、どうにも実践できなくて。せめてもの代わりとして、作業部屋を出る17時のタイミングに、仕事内容だけでも整理するようにしています。
生活リズムが整った結果、就寝前の罪悪感も帳消しに!
―― お話を伺っていると、吉本さんの眠りへの意識の高さを感じます。いろいろ試してみることが、お仕事のパフォーマンス向上にもつながっていますか?
そうですね。でも結局は、生活のリズムを規則正しく整えたことが何よりも効果的でした。毎日のように朝5時に起きていると、夕方にはクタクタ。頭も回らないような状態です(笑)。この生活サイクルが染み付いてきたので、頭をフル回転させるような作業は朝や午前中、頭は使わず、とにかく手を動かすような作業は午後以降にする。このように、仕事に対する効率的なサイクルまで見えてきました。
生活のリズムが整ったことで、仕事の時間割も組みやすくなったんです。以前は仕事のスケジューリングがうまくいかず、締め切り直前にスパートをかけることが日常茶飯事。それが今ではガントチャートを使いながら、前倒しの進行ができています。締め切りギリギリの生活を送っていたころは「明日は早起きして仕事を巻き返さなきゃ」と思っていたのが、今は罪悪感なく布団に入れます!
―― それは素晴らしい!吉本さんのお話は、フリーランスの方はもちろん、テレワーク生活に慣れない方にも参考になりそうです。
いやいや、僕自身も本当にようやくです。それに子どもがいなければ、何歳になっても適当な生活を続けていたかもしれない。でも今は、「僕が倒れてしまったら、家族も一緒に倒れてしまう」と、睡眠も体調も生活リズムも、見直さないわけにいきません(笑)。ただ、ひとつだけ言えることがあるとすれば、自分に最適な生活サイクルを見つけることが、一日を効率よく、気持ちよく過ごす秘訣だと思うんです。
―― 最適な生活サイクルを見つけると、睡眠の質も、生活の質も、そして仕事のパフォーマンスもランクアップしていきそうですね。
今は自分の時間を作るための試行錯誤をしています。子どもと過ごす毎日が楽しくて仕方ないし、それを漫画にすることも楽しい。でも、おもしろい漫画を描くためには、インプットも欠かせません。そこで朝の散歩中に、本の内容を朗読してくれる「Amazon Audible」を聞くようにしました。まだちょっと慣れないものの、読書の時間を持てない僕には、とてもありがたいサービスです。
こうしたサービスを利用しつつ、仕事終わりに実践している業務内容の振り返りに関しても、ブラッシュアップの最中です。少し前までは一日の振り返りと反省くらいで終わっていましたが、最近は反省を糧にすることまで考えるようにしていて。これが完全に身につけば、一日の反省をポジティブ転換できます。すると翌日の仕事もはかどるし、前向きな気持ちで眠れるはず。やっぱりこれからも、僕のお試しと追求は続きそうです(笑)。
漫画家、イラストレーター
吉本ユータヌキさん
1986年大阪府生まれ、滋賀県在住の漫画家・イラストレーター。3児の父親をしながら何気ない日常を切り取ったエッセイ漫画やイラストを描くお仕事をしている。2019年4月にフリーランスとして独立、現在はクリエイターのエージェント集団「コルク」所属。エッセイ漫画や創作漫画のほか、企業プロモーションのための漫画制作も行い、滋賀県の地元支援に関わるプランナー業にも従事。眠りの大失敗は「身体を温めるといい」という情報を聞き、夏に上下スウェットで布団に入り、暑すぎて眠れなかったこと。
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