カテゴリ:眠り
添い寝?それとも親子別室?ぐっすり眠れる就寝フォーメーション
子どもと「添い寝」するか「親子別室」で眠るか。就寝時のフォーメーションに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。日本やアジア諸国では添い寝スタイルが主流ですが、欧米では親子別室の傾向が高く、これが睡眠時間と大きく関係しているという研究結果もあるそうです。
今回は、眠りとお風呂の専門家で公認心理師の小林麻利子さんに、添い寝と親子別室のメリットとデメリット、そして就寝フォーメーションのポイントについて伺いました。
「日本の未就学児の睡眠時間は平均9.4時間と、世界の中で比較するとワースト1位なんです。成長とともに、睡眠時間は徐々に短くなっていくため、7歳未満の睡眠時間が短いとそれ以降はさらに短くなっていきます。夜にしっかりと睡眠が取れるように眠りの環境を工夫してあげたいですね」(小林さん)
アジア諸国では、子どもとの添い寝をして眠る家庭が多く、日本では約70%の家庭が子どもと同じ部屋で添い寝をしているそうです。対して欧米での添い寝の割合はイギリス5%、オーストラリア9%、アメリカ15%と低く、多くの家庭が親子別室での就寝を選択しています。添い寝と親子別室のメリットとデメリットはどのようなところにあるのでしょうか。
「わが子の寝顔を間近に見られるということ、子どもの異変にも気づきやすいことが添い寝の大きなメリットです。また、授乳期のお子さんへの夜間授乳もすぐに対応できます。反対に添い寝のデメリットとしては、寝言や寝返りなどの物音に反応して親も子も起きてしまったり、たとえ起きなくても眠りが浅くなる可能性がある点が挙げられます。特に母親は『わが子を守らなければ』という意識が強いので、わずかな物音でも目が覚めてしまい、慢性的な寝不足に。これが産後うつにつながる可能性もあるので注意が必要です」(小林さん)
2歳になるお子さんがいる小林さんは、乳児期の頃から親子別室で眠っているそうで、「親子ともに深い眠りを得られやすいのは別室」と、実体験を踏まえて話します。
「子どもの寝る部屋を早い段階で作り、『お風呂に入ったら一人で眠る』ということを習慣づけていくことで、お互いの物音も気にならず、不必要に起こされることはありません。また、2歳くらいになると『自分の部屋』という認識を持つようになるため、朝、目が覚めても『親を待つ』ことができるようになり、早朝に子どもに起こされるということもなくなります」(小林さん)
添い寝のメリットとして挙げられた「夜間授乳のしやすさ」も、裏を返せばデメリットになりかねないと言う小林さん。夜中に子どもが泣いたから「ミルクをあげなければ」と条件反射で対応してしまうと、卒乳後も子どもが夜中に起きるよう癖づいてしまうそうです。
「授乳期の赤ちゃんは、夜中に泣くことが度々ありますが、実は脳は寝ている場合も多いんです。つまり、ミルクをほしがっているわけではなく、寝言のようなもの。別室だと子どものそばに行くまでに移動時間が生まれるので、その時間で子どもが自力で寝直すこともできますが、添い寝ではすぐに子どものそばに寄り添えるため、寝ているのを知らずにミルクを与えてしまい、親子ともに睡眠の質を下げてしまうという結果になりかねません」(小林さん)
親子の眠りの質を考えるなら「別室」を勧める小林さん。しかし「わが家ではすでに『添い寝』が定着している…」という家庭も多いはず。眠りの質を向上させるための工夫について教えてもらいました。
「2歳までは、まだ比較的簡単に親子別室にトライできますが、それ以降になると『寝るときは隣にいて』という意思が強く出て難しくなることが多いです。3歳以降のお子さんがいるご家庭で、睡眠の質に悩みを持っているなら『父親を真ん中にして眠る』、『父親と子どもが添い寝、母親が別室で就寝する』のも改善のポイント。父親は母親ほど敏感に子どもの物音で起きることが少なく、子どもも母親を求めて起きてしまうことも軽減されるため、母子ともにぐっすり眠れるようになるはずです」(小林さん)
添い寝が定着している家庭で、別室で眠ることを提案するなら就学間近くらいから。「もうすぐ小学校だから」「もうすぐ●歳だから」という子どもの成長のタイミングで切り出してみると良いそうです。
「わが家ではお風呂から上がって15分後には寝室に向かわせます。『おやすみ』のハグをしたら電気を消して部屋を出ます。『何時に寝かせたいか』を考えて、そこからお風呂と夕食の時間を逆算して設定していくと良いでしょう。その際、夕食とお風呂の間は一時間くらい空けてくださいね」(小林さん)
まもなく第二子を出産される小林さんは、「赤ちゃんの夜間授乳で上の子の眠りを妨げないように」との配慮から、生まれてくる赤ちゃんは、上のお子さんとは別の部屋にベビーベッドを置いて寝かせるよう計画しているそうです。また、ベビーベッドは、2歳まで使えるタイプのものもあり、子どもが足掛けできないものを選べば、転落の危険性も回避できるので安心とのこと。
「睡眠に課題を感じていないのであれば、何も変える必要はありません。でも、家事と仕事と育児のいずれかにストレスを感じるのであれば、睡眠を見直してみてはいかがでしょうか。旦那さんとも相談して、みんなが幸せに生活できるためのスタイルを見つけてください」(小林さん)
親も子もぐっすり眠ることが毎日を元気に過ごすためのコツ。「子どもの寝相で夜中に何度も起きてしまう」、「しっかり眠れている気がしない」と感じるなら、お子さんとの就寝フォーメーションを変えてみてはいかがでしょうか。
今回は、眠りとお風呂の専門家で公認心理師の小林麻利子さんに、添い寝と親子別室のメリットとデメリット、そして就寝フォーメーションのポイントについて伺いました。
どちらが良い?添い寝と親子別室のメリット・デメリット
「質の良い睡眠」は親子ともに情緒を安定させ、子どもの脳機能の成長にも影響を与えます。特に未就学児は、夜間睡眠を10時間以上取るのが良いとされていますが、日本の子どもたちの睡眠時間は短い傾向にあると小林さんは指摘します。「日本の未就学児の睡眠時間は平均9.4時間と、世界の中で比較するとワースト1位なんです。成長とともに、睡眠時間は徐々に短くなっていくため、7歳未満の睡眠時間が短いとそれ以降はさらに短くなっていきます。夜にしっかりと睡眠が取れるように眠りの環境を工夫してあげたいですね」(小林さん)
アジア諸国では、子どもとの添い寝をして眠る家庭が多く、日本では約70%の家庭が子どもと同じ部屋で添い寝をしているそうです。対して欧米での添い寝の割合はイギリス5%、オーストラリア9%、アメリカ15%と低く、多くの家庭が親子別室での就寝を選択しています。添い寝と親子別室のメリットとデメリットはどのようなところにあるのでしょうか。
「わが子の寝顔を間近に見られるということ、子どもの異変にも気づきやすいことが添い寝の大きなメリットです。また、授乳期のお子さんへの夜間授乳もすぐに対応できます。反対に添い寝のデメリットとしては、寝言や寝返りなどの物音に反応して親も子も起きてしまったり、たとえ起きなくても眠りが浅くなる可能性がある点が挙げられます。特に母親は『わが子を守らなければ』という意識が強いので、わずかな物音でも目が覚めてしまい、慢性的な寝不足に。これが産後うつにつながる可能性もあるので注意が必要です」(小林さん)
2歳になるお子さんがいる小林さんは、乳児期の頃から親子別室で眠っているそうで、「親子ともに深い眠りを得られやすいのは別室」と、実体験を踏まえて話します。
「子どもの寝る部屋を早い段階で作り、『お風呂に入ったら一人で眠る』ということを習慣づけていくことで、お互いの物音も気にならず、不必要に起こされることはありません。また、2歳くらいになると『自分の部屋』という認識を持つようになるため、朝、目が覚めても『親を待つ』ことができるようになり、早朝に子どもに起こされるということもなくなります」(小林さん)
添い寝のメリットとして挙げられた「夜間授乳のしやすさ」も、裏を返せばデメリットになりかねないと言う小林さん。夜中に子どもが泣いたから「ミルクをあげなければ」と条件反射で対応してしまうと、卒乳後も子どもが夜中に起きるよう癖づいてしまうそうです。
「授乳期の赤ちゃんは、夜中に泣くことが度々ありますが、実は脳は寝ている場合も多いんです。つまり、ミルクをほしがっているわけではなく、寝言のようなもの。別室だと子どものそばに行くまでに移動時間が生まれるので、その時間で子どもが自力で寝直すこともできますが、添い寝ではすぐに子どものそばに寄り添えるため、寝ているのを知らずにミルクを与えてしまい、親子ともに睡眠の質を下げてしまうという結果になりかねません」(小林さん)
子どもの年齢に合わせた就寝フォーメーションでぐっすり睡眠!
親子の眠りの質を考えるなら「別室」を勧める小林さん。しかし「わが家ではすでに『添い寝』が定着している…」という家庭も多いはず。眠りの質を向上させるための工夫について教えてもらいました。
「2歳までは、まだ比較的簡単に親子別室にトライできますが、それ以降になると『寝るときは隣にいて』という意思が強く出て難しくなることが多いです。3歳以降のお子さんがいるご家庭で、睡眠の質に悩みを持っているなら『父親を真ん中にして眠る』、『父親と子どもが添い寝、母親が別室で就寝する』のも改善のポイント。父親は母親ほど敏感に子どもの物音で起きることが少なく、子どもも母親を求めて起きてしまうことも軽減されるため、母子ともにぐっすり眠れるようになるはずです」(小林さん)
添い寝が定着している家庭で、別室で眠ることを提案するなら就学間近くらいから。「もうすぐ小学校だから」「もうすぐ●歳だから」という子どもの成長のタイミングで切り出してみると良いそうです。
子供がぐっすり眠れるコツってある?
また、入浴で上がった体温が下がってくる「入眠のベストタイミングを見逃さないで」、と小林さん。「絵本を何冊も読んだり、子守唄を歌ったりしているうちに、眠りに入りかけていた脳が覚醒してしまうのでオススメしない」とのこと。「わが家ではお風呂から上がって15分後には寝室に向かわせます。『おやすみ』のハグをしたら電気を消して部屋を出ます。『何時に寝かせたいか』を考えて、そこからお風呂と夕食の時間を逆算して設定していくと良いでしょう。その際、夕食とお風呂の間は一時間くらい空けてくださいね」(小林さん)
まもなく第二子を出産される小林さんは、「赤ちゃんの夜間授乳で上の子の眠りを妨げないように」との配慮から、生まれてくる赤ちゃんは、上のお子さんとは別の部屋にベビーベッドを置いて寝かせるよう計画しているそうです。また、ベビーベッドは、2歳まで使えるタイプのものもあり、子どもが足掛けできないものを選べば、転落の危険性も回避できるので安心とのこと。
「睡眠に課題を感じていないのであれば、何も変える必要はありません。でも、家事と仕事と育児のいずれかにストレスを感じるのであれば、睡眠を見直してみてはいかがでしょうか。旦那さんとも相談して、みんなが幸せに生活できるためのスタイルを見つけてください」(小林さん)
親も子もぐっすり眠ることが毎日を元気に過ごすためのコツ。「子どもの寝相で夜中に何度も起きてしまう」、「しっかり眠れている気がしない」と感じるなら、お子さんとの就寝フォーメーションを変えてみてはいかがでしょうか。
眠りとお風呂の専門家/睡眠改善インストラクター/公認心理師/SleepLIVE株式会社代表取締役社長
小林麻利子さん
最新のデータや研究のみならず、自身の経験に基づいた生活習慣の見直しにより、自律神経の改善をサポートする「生活習慣改善サロンFlura」を主催。睡眠と入浴を中心とした無理のない指導が人気を呼び、2000人以上のお悩みを解決。雑誌やテレビ番組をはじめとする数々のメディアに登場し、近著は『寝かしつけ0秒、夜泣きもなくなる赤ちゃんとママの熟睡スイッチ』(ジー・ビー)。
この記事を見た人は
こんな商品に興味を持っています
人気記事ランキング
おすすめ記事
最近見た商品
この記事に関連するキーワード
この記事が気に入ったら
いいね!しよう