リラックスする方法を紹介!一瞬でできる方法から寝る前にする方法も


毎日のように仕事や家事に追われ、“ストレス社会”とも言われる現代。
適度な緊張は集中力を高め、パフォーマンス向上につながりますが、緊張状態が長く続くと心も体もぐったり。
不調を招きかねず、不眠につながる可能性も否定できません。 その緊張をほぐすためには、意識的にリラックスすることが大切です。
睡眠導入にも最適!おすすめのリラックス方法
リラックス状態にあると“休息の神経”とも呼ばれる副交感神経が優位に。すると、血圧や心拍数が下がり、筋肉がゆるむほか、おのずと眠気が生じます。意識的にリラックスすることは、スムーズな入眠につながるのです。そこで、仕事や家事の合間から就寝前まで、4つのリラックス方法をご紹介。教えてくださるのは「青山・表参道 睡眠ストレスクリニック」の院長・中村真樹先生です。
筋弛緩法(漸進的筋弛緩法)
1930年代にアメリカの神経生理学者であるエドモンド・ジェイコブソン博士が創案したリラクゼーション法。体に強く力を込めることで意図的に緊張状態をつくり出し、込めた力を一気に抜くことでリラックス状態へと導く方法です。「体のリラックスが精神のリラックスにつながり、安眠にもつながります。ただし、正式な方法は意外と大変。時間も体力も必要です。そのため、私のクリニックでは簡便なスタイルにアレンジし、不眠やストレスに悩む患者さんにお伝えしています」
1.ベッドやふとんの上で大の字になったら大きく息を吸い、吸った状態のまま、息を止める。息を止めた状態を10秒ほど維持しながら全身に力を込め、体を緊張状態にする。
2.今度は一瞬にして息を吐きながら全身の力をゆるめ、15〜20秒間ほど脱力状態を維持。
3.1〜2の動作を3〜5回ほど繰り返す。
「寝る前だけでなく、日中、座った状態で同じ動作をしてもリラックス効果を得られます」と中村先生。これならデスクワーク中のひと息にもぴったりです。
数息法
仏教における座禅の“数息観”をアレンジした瞑想・呼吸法。「心身が乱れると呼吸も乱れる。呼吸が調うと心身も調う」という考えのもと、深く呼吸する方法です。1.6秒かけ、鼻からゆっくりと息を吸う。
2.6秒かけ、口からゆっくりと息を吐く。
「吸うときも吐くときもご自身の呼吸、もしくは眉間あたりに軽く意識を向け、呼吸中は“い〜ち、にぃ〜、さ〜ん”とゆっくりカウントしましょう。息苦しく感じるようなら秒数を短くしても構いませんが、呼気も吸気も同じリズムで行うことが大切です」
環境音(1/fゆらぎ)を聴く
環境音とは、私たちの周囲に存在するあらゆる音のこと。環境音には「1/fゆらぎ」と呼ばれる要素が含まれ、規則性と不規則性が絶妙に組み合わさった独特のリズムを持ちます。「理由は解明されていませんが、1/fゆらぎが含まれる音を聴くと緊張が緩和されると言われています。なかでも代表的なのが、波音や雨音、小鳥のさえずり。また、モーツァルトをはじめとする弦楽器を中心としたクラシック音楽を聴くのも効果的です」
ちなみに、キャンドルや焚き火の炎の揺れにも1/fゆらぎのリズムが含まれているとか。おやすみ前に穏やかな波の音を聴きながら、キャンドルの炎を眺めるのもおすすめです。
アロマの香りを嗅ぐ
リラックスするには、アロマの香りが効果的。ラベンダーを筆頭にヒノキやスギの香り、コーヒーの香りも副交感神経を優位にさせ、おやすみ前にぴったりです。「嗅覚が感じ取ったにおいの情報は扁桃体(へんとうたい)と呼ばれる、感情や情感の処理を行う脳の部位に直接届きます。そのため、においは快不快といった感情に作用しやすく、“快”と感じるにおいを嗅ぐと精神が安らぐのです」
そうであるからには、香り選びを間違えると逆効果になる可能性も。柑橘系やスパイス系の香りはリフレッシュには効果的な一方、覚醒作用を持つことから目が覚めてしまい、就寝前には向きません。柑橘系やスパイス系の香りは、日中の気分転換に用いましょう。
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湯船に浸かる
忙しいときは、ついついシャワーで済ませがちですが、入浴にもリラックス効果あり。40℃以下のお湯に浸かると“休息の神経”と呼ばれる副交感神経が優位になるからです。ただし、熱めのお湯に浸かると“活動の神経”とも呼ばれる交感神経が優位に働くため、リラックスには逆効果。38〜40℃程度の熱すぎず、ぬるすぎない温度設定が重要です。
「きちんと湯船に浸かることは、睡眠にも好影響をもたらします。副交感神経が優位に働くのと同時に、入浴によって体の内部の温度を指す深部体温が上昇。人は深部体温が下がるにつれて眠気を催すため、就寝の1〜2時間前に入浴するとスムーズに入眠できます」
つまりは入浴により、意図的に深部体温を上昇させるということ。お風呂上がりには深部体温が徐々に低下を始めるため、自然と眠くなるというメカニズムです。
静的ストレッチをする
ストレッチとは、意図的に筋肉や関節を伸ばす運動のこと。体の柔軟性が高まることから準備運動として定着していますが、リラックス効果も認められつつあるのです。ストレッチがリラックスにつながる理由も副交感神経にあり。体を動かすと通常は“活動の神経”である交感神経が優位に働きますが、反動や弾みをつけず、ゆっくりと筋肉を伸ばす“静的ストレッチ”を行うと副交感神経が優位になり、心身がリラックスできます。
「静的ストレッチを行うと副交感神経が優位に働くことから、入浴と同様にスムーズな入眠にも効果的です。激しい運動は避け、就寝の2〜3時間前を目安に汗ばむ程度の軽いストレッチをするようにしましょう。ストレッチの一種として、ヨガもおすすめです」
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「日常生活において、適度な緊張は必要なもの。しかし、それを慢性的なストレスに変えないためにはリラックスが欠かせません。特に『筋弛緩法』や『数息法』に道具は不要です。就寝前だけでなく、ちょっと疲れを感じたときにも実践してみてください」また、「さらなる快眠を目指すなら、リラックスできる就寝環境を整えることも大切です」と中村先生。
寝室の温度や湿度を適切に保ち、就寝の約1時間前から部屋の灯りは暖色系に。そして、心地良いと感じられる寝具をそろえたなら、朝までぐっすり眠れるはずです。

青山・表参道 睡眠ストレスクリニック院長
中村真樹先生
日本睡眠学会総合専門医。東北大学医学部卒業、東北大学大学院医学系研究科修了後、東北大学病院精神科で助教、外来医長を務める。その後、睡眠総合ケアクリニック代々木院長を経て、2017年「青山・表参道 睡眠ストレスクリニック」を開院。臨床と研究、両面の実績があり、睡眠に悩む多くの患者さんの治療にあたっている。ビジネスパーソン向けの書籍『仕事が冴える眠活法』(三笠書房)も話題に。
https://omotesando-sleep.com/
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