2023年01月18日 カテゴリ:眠り

睡眠にお悩みがある方へ。睡眠クリニックに訪れるタイミングや相談できること

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睡眠にお悩みがある方へ。睡眠クリニックに訪れるタイミングや相談できること

夜なかなか寝つけない、いびきが気になる、日中に眠気が襲ってくる...。そんな睡眠の悩みを抱えながらも、「わざわざ睡眠クリニックに行くのはためらってしまう」「通院のタイミングがわからない」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そもそも睡眠クリニックではどんな治療をするのか、費用はどれくらいかかるのか、些細な相談をしても大丈夫なのか、など、「太田睡眠科学センター」の竹内暢先生に「睡眠クリニック」について詳しくお話しを伺いました。
 

自覚症状があってもなくてもOK。気軽に相談を。

太田睡眠科学センター外観
川崎駅より徒歩約6分にある「太田睡眠科学センター」。受付は2階にあります。

───睡眠クリニックには、自覚症状が生まれてから通院した方がいいのでしょうか?

いえ、そんなことはありませんよ。少しでも睡眠に困っていることがあれば、どなたでも構いません

自覚症状はないけれど「夜きちんと眠れているのか不安」という睡眠の質についてご相談される方もいれば、日常生活に支障が出てしまい治療のために来院される方もいます。職場や学校でうとうと居眠りをしてしまって仕事や勉強がままならない。車の運転中に睡魔が襲ってきて事故を起こす危険性がある。そういった場合は、症状に合わせて本格的に治療を進めていくことになりますね。

どちらにせよ、脳波を測らないことには正確な睡眠状態はわかりません。本人は寝ているつもりでも、脳波を測ってみたら全然眠れていなかったなんてこともよくあります。睡眠状態を自分で把握するのはなかなか難しいですから、少しでも気になることがあれば、気軽に来院していただければと思います。

診察室
「太田睡眠科学センター」には、睡眠時の脳波を測るために患者さんが一泊する個室が用意されています。脳波を測る機材や様子を撮影するカメラのほか、なんとそこには、お手洗いやテレビ、小さな冷蔵庫まで。まるでホテルのような一室になっており、安心して眠りに就けそうです。

睡眠データを分析する部屋計測した脳波のデータは、睡眠医療認定検査技師の方々がいるデータ解析室へ届きます。専門的な技術を持つ技師さんが常駐している施設は睡眠クリニックの中でも稀なのだそう。
 

判断に困ったら、まずは「睡眠センター」を選ぶのがおすすめ

待合室
広々とした2階の受付。「太田睡眠科学センター」は要予約制のため、患者さん1人ひとりにしっかり時間をとって診察をしてくれます。

───とはいえ、そもそもどこの病院へ行ったらいいかわからない、いきなり通院はハードルが高い、という方もいるのかなと思います。

病院探しにお困りの際は、「睡眠センター」という睡眠に関して総合的に対応できるクリニックに行かれると良いですよ。そこで診察をしながら、必要であれば専門医をご紹介し、具体的な治療に入って行く流れになります。

というのも、睡眠の分野は幅広くて。「眠れない」という一見同様の悩みだったとしても、心理的なストレスが要因の場合は精神科の医師が診る必要がありますし、いびき等の睡眠時の呼吸困難が要因の場合は、内科や耳鼻咽喉科をご紹介することになります。

もちろんご自身で判断できる場合は、直接専門の医師へ相談に行かれると良いでしょう。かかりつけ医がいらっしゃる方は、まずそちらで診てもらうのも安心かと思います。

ですが、どの病院・診療科に行ったらいいかわからないときは、一度「睡眠センター」にお越しください。まずは診察でお話を聞きながら、治療方針をご提案します。
 

費用はどれくらい?注意したい薬との付き合い方

診察室
先生のいる診察室へ。

───ちなみに、睡眠に関する治療費はどれくらいかかるのでしょう?

費用は、どこも一律です。公的医療保険制度の中で公定価格が決められていて、具体的な値段は「診療報酬点数表」にまとめられています。これは全国の書店で販売・インターネットでも公開されており、内容は誰でもご覧になれますよ。

診察内容によって数千円だったり、脳波を測る大きな検査をする場合は数万円かかる場合も。ばらつきがあるので、気になる方は事前に確認されると良いかもしれません。

───すぐにでも治したいときは、薬も処方してもらえるのでしょうか?

もちろん投薬が適切だと判断した場合は処方しますが、薬に頼り過ぎるのは危険です。「手っ取り早く症状を抑えたい」という理由で、睡眠薬の処方を希望される患者さんもいますが、まず生活習慣を見直さないとせっかくの薬も効果を発揮しないことがあります。

例えば、寝る前に大量の飲酒をしている人は、まずその習慣を改善するところから始めます。その結果、薬を少量に抑えられたり、投薬の必要がなくなることも十分あり得ます。薬を飲めば100%治るとは言い切れないので、医師と相談して決めることをおすすめします。
 

自分を責めすぎず、医師を頼って治療を

診察室

───日中にどうしても眠気が襲ってきて、仕事や勉強に身が入らないとき、「怠けてるんじゃないか」「気合いが足りないんじゃないか」と自分を責めてしまったり、上司や先生に怒られることもあると思うんです。そういった方々へ最後にメッセージがあればお願いします。


まずお伝えしたいのは「ご自身を責めすぎないでください」ということ。睡眠に関する悩みの原因は、医師でさえすぐに診断するのが難しい分野で、ましてや精神論で解決できることではありません。問診はもちろん、脳波を測ったり、それぞれの診療科の専門知識を掛け合わせたりしながら治療を進めていくことが必要です。

もし職場や学校で理解を得られないときは、睡眠時間や睡眠の質等をデータでまとめた書類を診断結果として病院で出すこともできます。無理をして怪我や事故につながっては大変です。ご自身で抱えすぎず、気になることがあれば気軽に医師にご相談ください。
   
 

太田睡眠科学センター

竹内 暢 先生

久留米大学医学博士課程卒業。睡眠障害の診断・治療に従事し、2022年7月より「太田睡眠科学センター」に勤務。医学だけでなく、心理・社会的背景も視野に入れた診療を行い、耳鼻科・呼吸器内科・精神科といった他科との連携を図りながら、あらゆる睡眠障害の治療に当たる。

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