カテゴリ:眠り
赤ちゃんがすぐ起きるのはなぜ?眠りが浅い?親子でグッスリ熟睡する方法
すやすやと小さな寝息をたてて眠る赤ちゃん、本当にかわいいですよね。でも、その姿が見られるまでに毎晩悪戦苦闘しているママやパパは多いはず! 「1時間おきに起きてしまう」「夜泣きがひどい」「ベッドにおろすと、背中スイッチが発動」と、赤ちゃんの眠りに関する悩みはつきません。
眠りとお風呂の専門家・小林麻利子先生は最近長年、赤ちゃんから大人までのマンツーマンの睡眠改善指導を行っており、『寝かしつけ0秒、夜泣きもなくなる赤ちゃんとママの熟睡スイッチ』(G.B.)の著者でもあります。1歳半の女の子と4歳の男の子ののママでもある小林先生は、生後1ヶ月から寝かしつけなし、生後6か月から夜泣きが一切ないのだとか!?
眠りのプロフェッショナル小林先生に、赤ちゃんもママもグッスリ眠れる方法を教えてもらいました。
「赤ちゃんがぜんぜん寝てくれない…」どんなケースで悩んでる?
赤ちゃんが寝てくれないシチュエーションもさまざま!ママたちが日々悩んでいる赤ちゃんの睡眠について小林先生に対策を教えていただきました。
①夜にしっかりと寝てくれない
赤ちゃんは昼夜の感覚が未熟な状態。なので、毎日決まった時間に寝るというわけではなく、必要なときに必要なだけ眠るのです。そのため、夜の眠りに影響が出るからといって、15時以降に寝かさないようにしたり昼寝を切り上げたりするのはNG!新生児のときは少し大変ですが、睡眠リズムが整うまでは、基本的に赤ちゃんの眠たいときに寝かせてあげるようにしましょう。朝は7時頃、夜は19時頃と、朝と夜のだいたいの時刻は定めておくのがベストです!②おっぱいをあげたのに寝てくれない
赤ちゃんはおっぱいを飲んだらお腹いっぱいになって寝てくれる、というイメージがありますよね。なので授乳後もなかなか寝ついてくれない赤ちゃんに「どうして?」と悩んでしまうママも多いのではないでしょうか。ですが、まず「授乳=ねんね」という概念をなくすことが大切!そもそも赤ちゃんは授乳でお腹がいっぱいになるから寝るというよりは、ママと触れ合うことでリラックスするから眠るという要素のほうが大きいのだそう。でも、リラックスを得る方法が授乳となってしまうと、夜中に目が覚めたときに授乳でしか眠れなくなってしまい、赤ちゃんにとってもママにとっても悪循環に。リラックスを促す方法は、お風呂や寝る前のママとのふれあいで作っていくのがいいでしょう。
③泣いてばかりで寝てくれない
赤ちゃんが泣いているのは、「眠い」状態がほとんど。大泣きに発展する前に、速やかに寝かせてあげましょう。ですが泣いているからといってすぐにあやしたり、抱き上げて遊ばせたりすると、「眠いのに寝かせてくれない!」とさらなる大泣きに発展してしまうおそれも。ちょっと眠いかなぁというタイミングで、速やかに寝かせてあげましょう。赤ちゃんはどうして眠りが浅いの?
赤ちゃんは夜泣きや途中で目が覚めてしまうなど、夜にまとめて寝てくれないことがほとんど。そもそも赤ちゃんはどうして眠りが浅いのでしょうか?その理由について小林先生は2つの要因をあげます。
①生活リズムがまだできておらず、睡眠パターンが特殊であること
大人にレム睡眠とノンレム睡眠の周期があるように、赤ちゃんにもレム睡眠とノンレム睡眠があります。ただ、その周期が大人に比べて赤ちゃんは短く何度も繰り返します。新生児は約40〜50分、1歳半〜2歳で約60分ごとに周期が訪れます。眠りのサイクルが短いタームで訪れるだけで、周期ごとに目覚めるわけではありませんが、体内時計が未熟、昼夜の区別がついていないこともあり、眠りが浅くなる傾向があります。ちなみに大人と同じ90分周期になるのは5歳くらいと言われています。
②ママが覚醒の原因になっていることも!?
前述でもあるように、泣いたらすぐに抱き上げてあやしてしまったり、授乳のタイミングが一定でなかったりすると、赤ちゃんの睡眠リズムが崩れてしまい、眠りが浅くなる原因になってしまうこともあるのだそう。また、ママが赤ちゃんを過保護にすることで、赤ちゃんの自分で眠る力を削いでしまっている可能性も。夜中にぐずりだしたら5分10分ほどは様子を見ておくと◎。ちょっとぐずっても赤ちゃんを信じて、少し見守ってあげるのも大切なことですよ。また、赤ちゃんの夜泣きについて、「原因不明の“夜泣き”はない」と小林先生はいいます。
「赤ちゃんの夜泣きは大人で言うところの”夜覚醒”の状態。睡眠の仕組みは大人も赤ちゃんも一緒なので、快眠の方法をしっかり押さえて実践すれば、夜泣きも少なくなり、朝までまとめて眠ってくれるようになりますよ。」
「睡眠の仕組み」は赤ちゃんも大人も同じ。小林先生が提案する寝かしつけのコツには、大人の私たちも見習うべきポイントがたくさんあります。続いては、赤ちゃんが寝てくれなくて悩んでいる方に向けて、赤ちゃんがグッスリ眠れるようになるための“小林メソッド”をご紹介します!
寝かしつけのコツとは?赤ちゃんがグッスリ眠れるようになるための“小林メソッド”
①お風呂でしっかりと深部体温を下げる
人間の体温は、24時間の間に変化します。早朝が1日で最も体温が低く、夕方ころが高くなり、このギャップが大きいほどよい睡眠がとれると言われています。この体温変化、なんと生後2日の赤ちゃんにも微妙ながらあることが研究でわかっています!赤ちゃんの入浴は体表面の血流がよくなる程度でOK!お風呂から上がったら深部体温がすぐに下がっていくので、お風呂に入ったらすぐに眠りに着かせることが大切です。そうすれば眠りの質がよくなり、睡眠持続時間が長くなります。
赤ちゃんの寝かしつけのコツは「お風呂と睡眠は1セット」と覚えておきましょう!
ちなみに、より赤ちゃんにリラックスしてもらうためには、お風呂場や脱衣所、寝室までできるだけ照明を暗くしてあげると◎。ここは大人も赤ちゃんも変わらない快眠ポイントですね。
②日光をしっかりと浴びて昼夜のリズムをつける
睡眠を促してくれるホルモン「メラトニン」は、日中に分泌される「セロトニン」というホルモンから合成されるもの。また子供の成長に欠かせないビタミンDは、太陽の紫外線を浴びることで体内に生成されます。つまり、よく寝てよく成長するためには太陽の光を浴びることが大切なのです。午前中は光が入る室内で体を動かしたり、外に出て日光浴をしたりするといいですよ。ちなみに、お腹にいる赤ちゃんは自分でメラトニンを作れませんが、胎盤を通じてママのメラトニン分泌を感じています。お腹にいるときから昼夜のリズムを認識しているので、妊娠中の方は赤ちゃんのためにも規則正しい生活リズムを身につけて欲しいもの。産後昼夜のリズムを作るには、ママも赤ちゃんもともに午前中に日光を浴び、夜は明かりを消したお部屋でゆっくり過ごしましょう。
③親子別室で、赤ちゃんの睡眠環境を整える
日本では、文化的側面からも住宅環境的にも、赤ちゃんと添い寝、いわゆる“川の字”で寝ているご家庭が多いですよね。しかし、これは赤ちゃんにとってもママやパパにとってもよい睡眠環境ではありません。赤ちゃんはとても敏感なので、家族のちょっとした動きや寝言・いびき、アラームの音に反応してしまい熟睡できない可能性があります。またママにとっても、寝ているかなぁ、お腹は出ていないかなぁなどとアンテナが敏感にたっている状態になっているので、睡眠が浅くなり、翌朝の疲れの元にもなりかねません。無理に赤ちゃんの“ひとり寝”を実践する必要はありませんが、月齢の低いうちから“ひとり寝”に慣れておけば、自然と「寝るときはベビーベッドでひとりで寝る」という意識が身につきます。どうしても同じ部屋で寝る場合は、親と赤ちゃんの間についたてなどを置き、お互い睡眠の邪魔をしないような工夫をしましょう。
④授乳や離乳食のタイミングを一定にする
睡眠と体内時計は非常に密接な関係がありますが、実は消化活動も体内時計に大きな影響を与えています。体全体の体内時計をコントロールしているのが、脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)という部分で、胃腸の消化活動の体内時計が視交叉上核の働きに大きな影響を与えるということが最近の研究でわかってきました。つまり、授乳や離乳食のタイミングが毎日バラバラだと、体内時計も規則的にならず、睡眠も安定しなくなるのです。生後2ヶ月の赤ちゃんだったら、3時間おきに授乳を固定すると消化活動の時間も一定になり、睡眠のリズムが身につくようになりますよ。時間を無視してあげたいときにあげるのは、実はよくないのです。(生まれて間もないときは、おっぱいの出がよくなるのでOK)それ以降は朝の8時、昼の11時半、おやつの15時、夕方の18時などと、離乳食の食事時刻を想定して、授乳時刻を定めることをおすすめします。
“小林メソッド”は赤ちゃんに限らず、全世代に応用できます。ぜひ、家族全員で実践してみてください。
ママの睡眠改善が、赤ちゃんの心地よい眠りに繋がる
「何かあったらすぐに飛んでいかないといけない!」赤ちゃんへのアンテナを常に貼っているママは、常に交感神経が優位な状態。この状態ではうまく眠りに入れません。
しっかりママも眠ることで脳と体が回復し、その結果、次の日しっかり赤ちゃんに愛情を注いでお世話することに繋がります。
なので、ママの睡眠の質を高めることは、ママのためだけでなく、赤ちゃんのためにもなるのです。
ママの睡眠の質を高めるために、まず小林先生がポイントとしてあげるのは、お風呂を「分浴」にすること。
赤ちゃんと大人では深部体温がしっかりあがるために必要な入浴時間が異なります。その点を解消するのが「分浴」です。
「ママはお風呂に入らず、服を着た状態で赤ちゃんをベビーバスなどで入浴させます。1歳くらいになり、ベビーバスがサイズアウトしたら、浴槽に浅くお湯をはり赤ちゃんは入浴、ママは足湯をするといいですよ。赤ちゃんの入浴が終わって、すぐにお布団に連れて行けばそのあとはグッスリ寝てくれるでしょう」
「分浴」には赤ちゃんにもママにもメリットがたくさんあります。ママの髪やカラダを洗う必要がないので、コミュニケーションタイムにもなりますし、目を離すことがないので安全です。ママがスキンケアや髪を乾かす間赤ちゃんを待たせなくていいので、赤ちゃんの体がポカポカのうちにお布団へ連れて行くことができ、結果的にママの空き時間が増えます。しかも、ママは赤ちゃんが眠っている間ひとりで入浴できるので、ゆっくり湯船に入ることができますよ。入浴後も、スキンケアもヘアケアも焦らずじっくりできます。「分浴」は睡眠のためにも美容のためにもオススメです!
そして、ママの睡眠の質を高めるもう1つのポイントは、寝る前に自律神経を整える「うっとりタイム」を取り入れること!これによっての副交感神経を優位にし、リラックスした状態で眠りにつくことができます。うっとりタイムでは3つのことを試してみてください♪
①呼吸を意識してリラックス
ベットに入ったら4秒吸って6秒吐くを何度か繰り返してみて。吐く息を吸う息より長くすることで、交感神経が低下していき、心拍数も減少してリラックスするのだそう。呼吸に意識を向けることで、マインドフルネスの効果を得ることもでき、より心を落ち着けることができますよ。
②好きな香りを寝室に取り入れる
痛みが脳に伝わるのは約0.9秒ですが、嗅覚刺激は約0.2秒ととっても早いんです。なので、忙しいママだからこそ、香りは、手っ取り早く効率よくリラックスして眠りに入るための重要なアイテムです。ピローミスト、特に天然精油のラベンダーが入っているものがおすすめ。また、アロマ精油が滴下されているアロマシールや、天然精油で作られたリードディフューザーなど、手軽なものでOK!
③耳を温める
副交感神経である迷走神経は、目ではなく、耳に到達しています。つまり、目よりも耳を温めたほうがリラックスする可能性が高いということ。東洋医学でも様々なリラックスに繋がるツボが集約されています。温めたタオルを当てるのもいいですが、簡単に耳をしごいたりもみもみしたりするだけでも耳が簡単に暑くなってきますよ。赤ちゃん期の“眠り”を大切に
日本人の睡眠時間は大人、子どもとも世界で一番短く、日本全体が“睡眠不足”と言える状態です。これは、睡眠に対する意識も諸外国と比べて低いという証拠。乳幼児期から適切な睡眠をとることは、その後の健やかな成長に不可欠ですよ。そして、ママもグッスリ眠って健康に美しくなってください♪
『寝かしつけ0秒、夜泣きもなくなる赤ちゃんとママの熟睡スイッチ』(G.B.)
眠りとお風呂の専門家、公認心理師
小林麻利子 先生
科学的根拠のある最新研究を基に、赤ちゃんから大人までの睡眠改善のための実践的な生活習慣指導が人気を呼び、3500名以上の悩みを解決。また、「良質な睡眠で社会を健康に」をモットーに、対面で睡眠改善指導を行うSleepLIVE(スリープカウンセリング)の全国展開を行う。また睡眠指導者の育成に力を注ぐ。睡眠に関する書籍は多数。テレビや雑誌などメディアでも活躍中。「赤ちゃんとママの熟睡スイッチ(G.B.)」他多数
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