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笑えば良く眠れる!?専門家医が教える、睡眠の質をあげる「笑いヨガ」

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笑えば良く眠れる!?専門家医が教える、睡眠の質をあげる「笑いヨガ」

笑いは心の栄養になるだけではありません。
昨今の研究から、笑うことによる体の健康効果が次々と解明され、睡眠にも好影響をもたらすことが明らかになっています。

笑いは深呼吸と有酸素運動を兼ね備えた、効率的な運動効果があるのだとか。さらに笑うことで思考をリセットし、脳を休めることもできるのだそう。

笑いと健康について研究を続け、『1日1回!大笑いの健康医学』の著者でもある医学博士、大平哲也先生に、
笑いと睡眠の関係性についてお聞きしました。

笑いは感情ではなく「行動」

睡眠への好影響をはじめ、笑いがもたらす健康効果はさまざま。

なぜ、笑いが健康に作用するのか?
その理由について、大平先生は「笑いは感情ではなく、行動だから」と指摘します。

たしかに、お笑い番組を見ておもしろいと感じても、それだけでは「笑い」は成立しません。
おもしろいと感じ、「ハハハ!」と声が出たり、時にはお腹を抱えたりして初めて「笑っている」状態と言えるでしょう。

「ふだんは無意識かもしれません。しかし、笑うという行動には複数の動作が伴います。
例えば、笑うと腹筋が動き、横隔膜が振動します。表情筋も使いますね。
笑いという行動によって筋肉が動くことで、結果的に有酸素運動になっているのです」(大平先生)

有酸素運動とはウォーキングやジョギングをはじめとする、軽〜中程度の負荷を継続的にかける運動のこと。
体脂肪の燃焼や呼吸循環器系の機能向上が期待でき、ダイエットのみならず、生活習慣病の予防にも効果的です。

「有酸素運動には腹式呼吸を伴います。腹式呼吸をすると副交感神経が優位に働き、酸素が脳に送られることで心身がリラックス。筋肉もほぐれることでよりしっかり筋肉を伸ばすことができ、運動効果が高まります。
また、リラックスはストレス解消につながりますが、このストレス解消という要素も健康には不可欠です」(大平先生)

ストレスと感じるとコルチゾールと呼ばれるホルモンが急激に分泌されますが、コルチゾールの過剰分泌は体に悪影響。あらゆる不調をもたらします。

しかし、笑うという行動が心身をリラックスさせ、コルチゾールの分泌を抑制するのです。

「また、笑うと一瞬、頭の中が空っぽになりますよね。
なにか不安なことがあると、そのことばかりを延々と考え、“夜も眠れない”という状態に陥ることも。
しかし、笑うことで思考の連鎖がリセットされ、脳が休まることでストレスの悪循環を断ち切ることができるのです」(大平先生)
 

笑うと副交感神経が優位に。だから睡眠に好影響

笑いはホルモンの分泌だけでなく、運動効果もあり、それが快眠につながると大平先生は話します。「ぐっすり眠るには、適度な運動が必要です。

また、スムーズに眠りに就くには副交感神経が優位に働いていることが重要。
そしてなにより、ストレスから解放されていることが快眠につながります」(大平先生)

『眠りのレシピ』でもお伝えしてきたように、適度な運動も、就寝前に副交感神経を優位に働かせることも、ストレスを溜めないことも、睡眠の質向上にはどれもが大切です。

「特に有酸素運動に関しては、ウォーキングやジョギングの時間が取れず、なかなか習慣づかない人も多いことでしょう。
でも、笑いなら簡単。運動が苦手な人であっても、運動という意識なく、有酸素運動が可能です」(大平先生)
 

副交感神経はあらゆる生活習慣病に良い影響を与える

笑いと健康、生活習慣病の関係性について研究されている大平先生は、生活習慣病に関わるさまざまな疾患に対して笑いがどう影響するのか、調査・分析を重ねられています。
 

痛みを軽減する

うれしいことに、笑いには痛みを軽減させる効果もあるというのです。

「そもそも笑いと健康の研究は、『痛みを軽減したい』というが目的からはじまりました。
痛みを感じると交感神経が優位になり、血管が収縮し、筋肉が緊張。すると血流が悪くなり、さらに痛みを引き起こす物質が発生し、“痛みの悪循環”が生じてしまいます。

しかし笑いは交感神経とは反対に、副交感神経を優位に働かせるんです」(大平先生)

副交感神経が優位に働くことにより、痛みを引き起こす物質の発生を抑制。これが痛みの軽減につながりますが、大平先生は、さらなる効果を指摘します。

「免疫力のアップ、糖尿病をはじめとする生活習慣病や認知症の予防にも、笑いの効果が期待できます。
このメカニズムも痛みの軽減と同様に、笑いが副交感神経を優位に働かせることによるものです」(大平先生)
 

認知症の発症リスクを抑える

認知症は、睡眠との関わりも深い疾患。

認知症の原因の1つは“脳のゴミ”とも呼ばれるアミロイドβという物質がうまく排出されず、脳内に蓄積してしまうことです。

アミロイドβの排出は睡眠中にされるため、かねてから認知症と睡眠の関係が指摘されています。スムーズに眠りに就くには副交感神経が優位に働く必要があり、認知症に関しても副交感神経との関係性が見て取れます。

「笑うには瞬時に物事を理解し、その感情を笑いという動作として表す、素早い情報処理が求められます。
つまり『認知機能が低下している人は、笑う頻度が少ないのではないか?』と推測され、そうした推論の下に研究調査を進めました。
その結果、日本のどこの地域でも加齢とともに笑う頻度が減り、よく笑う人ほど認知症の発症リスクが低いことがわかったのです」(大平先生)
 

睡眠にも効果的!笑いが笑いを呼ぶ「笑いヨガ」

“病は気から”という言葉もありますが、ストレスを蹴散らすようによく笑う生活が、健康維持に直結します。

とはいえ、「なにをどう笑えばいいの?」と感じる方も多いかもしれません。

「お話ししたとおり、笑いはあくまでも行動。究極的には、おもしろい、うれしいといった感情は不要なのです。
もちろん、前向きな気持ちが伴うことがベストですが、まずは笑いを1つの行動であり、運動だと捉えましょう」(大平先生)

そこで、大平先生が推奨しているのが「笑いヨガ」。

笑いヨガは、ヨガの発祥地であるインド生まれ。
インドの医学博士であるマダン・カタリア先生が開発した、笑いとヨガの呼吸法をミックスした健康法です。

「ヨガの基本は腹式呼吸。腹式呼吸が、副交感神経を優位に働かせます。
しかし、意識的に腹式呼吸をするのは意外と難しい。それが笑いに伴う「はひふへほ」のハ行は、腹式呼吸にもってこいです。

大きく『ハハハ!』『ホホホ!』という笑いの発声をすると、おのずとしっかり、腹式呼吸ができ、有酸素運動効果を高めることができるんです」(大平先生)

大平先生いわく、笑いヨガのバリエーションは基本動作だけでも40種類あり、応用動作を含めると、なんと100種類以上!

なかでも、基本の動作と、寝る前におすすめの動作、さらには寝起きにぴったりの動作をご紹介します。
 

基本の笑いヨガ

1,「ホッホ」と言いながら、胸の前で手を2回叩く
2.「ハハハ」と言いながら、右肩の前あたりで手を3回叩く
3,「ホッホ」と言いながら、胸の前で手を2回叩く
4,「ハハハ」と言いながら、左肩の前あたりで手を3回叩く
5,「イェイ!」と言いながら、腕を上にあげてバンザイをする



Point:
バンザイは、おめでたいときにする動作。
前を向きながら万歳の動作をし、笑いの発声をすることで、条件反射的に気持ちもおのずと前向きに。
バンザイの動作は肩の関節を緩めることにもつながります。
 

眠る前におすすめの「昆布笑い」

両腕を頭の上に伸ばし、両手を交差させる。
その姿勢で昆布のように体を左右に揺らしながら、「ハハハ!」「ホホホ!」と笑う。



Point:
ストレッチをするときに重要なのは、深呼吸をすること。息を止めてしまうと、効果が半減してしまいます。
笑いながらストレッチを行うことで、息を深く吐くことができ、ストレッチそのものの効果を高めつつ、体の緊張をほぐすことができます。
また、ユニークな動作が感情面でも笑いを呼び、心までほぐれるのを実感できるはず。
 

寝起きにぴったりの「アロハ笑い」

前屈みの姿勢から「アー!ロー!」の発声に合わせ、両腕を頭の上に伸ばす。
「ハハハ!」の笑いとともに上体を下ろす。



Point:
「アー!ロー!」のときの動作も「ハハハ!」のときの動作も、しっかりと腕を伸ばして。
朝陽を浴びながら行うと体内時計がリセットされ、睡眠に関係するセロトニンの分泌が促進。夜の快眠にも効果的、かつ有酸素運動効果も高い動作です。
 

“病は気から”と同時に、“健康は睡眠から”

最後に「心身の健康には、社会的なつながりやコミュニケーションも大切です」と大平先生。

「医師である私としても、“病は気から”と感じています。
笑いヨガは一人でもできますが、感情を起点とした笑いの場合、一人ではなかなか難しい。
家族や友人、学校や職場の同僚…だれかと語らっていると笑いが生まれ、その社会的つながりも健康かつ健全な生活につながります」(大平先生)

そして、“病は気から”と同時に、“健康は睡眠から”ともいえます。
大平先生は自身の睡眠状態をスマートデバイスによって計測し、管理しているそう。

「自分では変わらないと思っていたものの、15時以降にコーヒーを飲んだ日の睡眠はスコアが悪化するということがわかったんです」

大平先生のように笑いヨガと睡眠計測を習慣化すれば、次第に「よく笑った日はよく眠れた」ということが、睡眠スコアからも見て取れるかもしれません。
ぜひ、試してみてくださいね。
 

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睡眠時間、寝つき時間、中途覚醒、睡眠効率などを計測し、自分の生活サイクルを可視化することができます。
また、継続的に使用することで、大平先生のように、日々の変化の中で自分の体調に気づくこともあるかもしれません。

***

健やかな毎日を送るためには、まず自分の生活を可視化して把握することが重要です。
無理のない範囲で、少しずつ見直し、改善していきましょう。

監修者さまプロフィール

医学博士/福島県立医科大学医学部疫学講座 主任教授

大平哲也 先生

循環器疾患をはじめとする生活習慣病、認知症などの身体・心理的リスクファクターの研究、心理的健康と生活習慣との関連についての研究、および運動、音楽、笑いなどがもたらす効果的なストレス解消法についての実践的研究に従事。笑うことの健康効果を提唱し、メディアへの出演も多数。著書に『10000人を60年間追跡調査してわかった 健康な人の小さな習慣』(ダイヤモンド社)、『1日1回!大笑いの健康医学』(さくら舎)などがある。

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