カテゴリ:眠り
「子どものいびき」の原因と対策を小児歯科専門医が解説。顎の骨の形状や歯並びも「いびき」の一因に
眠っている時にいびきをかくのは、大人だけではありません。
寝姿勢や口腔内の環境によって、子どもでもいびきをかくことがあります。
子どもが習慣的にいびきをかいている場合、気をつけたいのが「小児睡眠時無呼吸症候群」。
今回は、子どものための歯科医院「キッズデンタル」代表で小児歯科専門医の坂部潤先生に、歯科の観点からみる、いびきと無呼吸症候群について伺いました。
まずは、いびきをかく仕組みについて解説いただきました。
坂部先生は「肥満や扁桃腺の肥大などで喉の空間が狭くなると、いびきをかきやすくなりますが、顎の骨の大きさや、下顎の位置が原因となることもある」と話します。
「歯並びが悪い子供は、顎の骨が狭いために歯が綺麗に生えるスペースが不足しているケースが多くあります。
すると、眠っているときに舌が正しい位置に安定せず、喉の奥に下がってしまい、いびきをかきやすくなるのです」
眠っているときの正しい舌の位置は、上顎の天井に舌全体がくっついている状態。
顎の大きさが十分で、正しい位置に舌が安定していると、自然に唇を閉じて鼻呼吸ができるため、いびきもかきにくくなります。
しかし、顎が小さく、歯並びが悪い子は、舌が安定せずにポカンと口が開いた状態に。
それに伴い、舌が喉の奥に沈み込む「舌根沈下(ぜっこんちんか)」の状態になり、いびきをかくようになるそうです。
「お子さんが、眠っているときに口が開いていたり、鼻呼吸できずにいたりするようなら、なにかしらの対策が必要と考えて良いでしょう」
さらに坂部先生は、「いびきの延長線上にある『小児睡眠時無呼吸症候群』にも注意が必要」と続けます。
「疲れているといびきをかきやすくなるため、その日のコンディションによってもいびきをかくかどうかは変わってきます。
しかし、睡眠中に数秒間呼吸が止まってしまう『小児睡眠時無呼吸症候群』は、低酸素状態になることで、健康や発育に影響をもたらすため、お子さんの日々の睡眠状態を確認してあげてほしいです」
「毎日大きないびきをかいている」「日中眠そうにしている」など、日々の様子をチェックして、いびきから発展する小児睡眠時無呼吸症候群のサインを見逃さないようにしましょう。
もしお子さんにその兆候が見られるようなら、かかりつけの耳鼻咽喉科や小児科に相談してください。
顎の骨が原因となるいびきの改善は、マウスピースによる矯正治療で改善することが期待できます。
「上の前歯は、下の前歯に対して『歯一枚分程度』前に出ているのが理想です。
それよりもさらに前方向に出ていれば『出っ歯』と呼ばれ、歯列矯正により改善することができます。
出っ歯は、『上顎が出過ぎている』というよりも、『下顎が後退傾向にある』という方が多いです。
また、睡眠時無呼吸症候群は健康や発育などに影響を及ぼすと言われ、主に耳鼻科で治療するのが一般的ですが、歯科の領域にも関わっているそうです。
骨が成長過程のお子さんの場合、夜間などにマウスピースを装着し、前方向への成長を促すことで歯並びや噛み合わせとともに、いびきも改善することが期待できると考えています」
いびきの改善も期待した矯正治療は、乳歯から永久歯への生え替わりがスタートする5〜8歳頃がちょうど良いタイミング。
前歯が2、3本生え変わるこの時期なら、その後の歯並びや顎の状態の見通しを立てやすくなるため、5〜8歳を目安に歯科医院を受診すると良いそうです。
「5〜8歳の検診で『軽症』と診断された場合も、永久歯が生えそろう12〜14歳の頃に再度受診することをおすすめします。
年齢ごとに顎の骨の大きさや噛み合わせなど、細かく基準が設けられているので、心配なことがあれば歯科医に相談して、お子さんの歯並びや顎の大きさを点検してみてください」
子どもの顎の発育や歯並びについて相談したとき、担当医師が納得のいく説明をしてくれるかどうかで通う病院を選ぶことが大切です。
特に子どもの矯正治療は、1〜3年がかりで費用も安くありません。長期的に通うからこそ、納得感のある病院選びが重要なのです。
最後に坂部先生は、「治療方針に不安を感じたら質問をすべきですし、治療開始前にセカンドオピニオンやサードオピニオンを受けても良いでしょう」とアドバイスしてくれました。
「お子さんが毎日いびきをかいている」「睡眠中に鼻呼吸ができていない」などの心配事がある場合、耳鼻科とともに歯科も受診してみてはいかがでしょうか。
寝姿勢や口腔内の環境によって、子どもでもいびきをかくことがあります。
子どもが習慣的にいびきをかいている場合、気をつけたいのが「小児睡眠時無呼吸症候群」。
今回は、子どものための歯科医院「キッズデンタル」代表で小児歯科専門医の坂部潤先生に、歯科の観点からみる、いびきと無呼吸症候群について伺いました。
顎が小さく、前方向への成長が弱い子は「いびき」をかきやすい
まずは、いびきをかく仕組みについて解説いただきました。
坂部先生は「肥満や扁桃腺の肥大などで喉の空間が狭くなると、いびきをかきやすくなりますが、顎の骨の大きさや、下顎の位置が原因となることもある」と話します。
「歯並びが悪い子供は、顎の骨が狭いために歯が綺麗に生えるスペースが不足しているケースが多くあります。
すると、眠っているときに舌が正しい位置に安定せず、喉の奥に下がってしまい、いびきをかきやすくなるのです」
眠っているときの正しい舌の位置は、上顎の天井に舌全体がくっついている状態。
顎の大きさが十分で、正しい位置に舌が安定していると、自然に唇を閉じて鼻呼吸ができるため、いびきもかきにくくなります。
しかし、顎が小さく、歯並びが悪い子は、舌が安定せずにポカンと口が開いた状態に。
それに伴い、舌が喉の奥に沈み込む「舌根沈下(ぜっこんちんか)」の状態になり、いびきをかくようになるそうです。
「お子さんが、眠っているときに口が開いていたり、鼻呼吸できずにいたりするようなら、なにかしらの対策が必要と考えて良いでしょう」
さらに坂部先生は、「いびきの延長線上にある『小児睡眠時無呼吸症候群』にも注意が必要」と続けます。
「疲れているといびきをかきやすくなるため、その日のコンディションによってもいびきをかくかどうかは変わってきます。
しかし、睡眠中に数秒間呼吸が止まってしまう『小児睡眠時無呼吸症候群』は、低酸素状態になることで、健康や発育に影響をもたらすため、お子さんの日々の睡眠状態を確認してあげてほしいです」
「毎日大きないびきをかいている」「日中眠そうにしている」など、日々の様子をチェックして、いびきから発展する小児睡眠時無呼吸症候群のサインを見逃さないようにしましょう。
もしお子さんにその兆候が見られるようなら、かかりつけの耳鼻咽喉科や小児科に相談してください。
5〜8歳を目安に検診を。「子どもの矯正治療」でいびきを改善
顎の骨が原因となるいびきの改善は、マウスピースによる矯正治療で改善することが期待できます。
「上の前歯は、下の前歯に対して『歯一枚分程度』前に出ているのが理想です。
それよりもさらに前方向に出ていれば『出っ歯』と呼ばれ、歯列矯正により改善することができます。
出っ歯は、『上顎が出過ぎている』というよりも、『下顎が後退傾向にある』という方が多いです。
また、睡眠時無呼吸症候群は健康や発育などに影響を及ぼすと言われ、主に耳鼻科で治療するのが一般的ですが、歯科の領域にも関わっているそうです。
骨が成長過程のお子さんの場合、夜間などにマウスピースを装着し、前方向への成長を促すことで歯並びや噛み合わせとともに、いびきも改善することが期待できると考えています」
いびきの改善も期待した矯正治療は、乳歯から永久歯への生え替わりがスタートする5〜8歳頃がちょうど良いタイミング。
前歯が2、3本生え変わるこの時期なら、その後の歯並びや顎の状態の見通しを立てやすくなるため、5〜8歳を目安に歯科医院を受診すると良いそうです。
「5〜8歳の検診で『軽症』と診断された場合も、永久歯が生えそろう12〜14歳の頃に再度受診することをおすすめします。
年齢ごとに顎の骨の大きさや噛み合わせなど、細かく基準が設けられているので、心配なことがあれば歯科医に相談して、お子さんの歯並びや顎の大きさを点検してみてください」
時にはセカンドオピニオンも視野に入れて。納得感のある病院選びを
歯科医によって専門領域が異なり、子どもの歯列矯正の治療方針もそれぞれです。そのため、病院選びの際は「納得感が得られるかどうか」を重視することがポイント。子どもの顎の発育や歯並びについて相談したとき、担当医師が納得のいく説明をしてくれるかどうかで通う病院を選ぶことが大切です。
特に子どもの矯正治療は、1〜3年がかりで費用も安くありません。長期的に通うからこそ、納得感のある病院選びが重要なのです。
最後に坂部先生は、「治療方針に不安を感じたら質問をすべきですし、治療開始前にセカンドオピニオンやサードオピニオンを受けても良いでしょう」とアドバイスしてくれました。
「お子さんが毎日いびきをかいている」「睡眠中に鼻呼吸ができていない」などの心配事がある場合、耳鼻科とともに歯科も受診してみてはいかがでしょうか。
小児歯科専門医
坂部潤先生
小児歯科専門医。日本大学歯学部附属歯科病院での小児歯科専門医療の実践や、米国UCLA小児矯正科への留学経験を経て、小児歯科医院『キッズデンタル』代表に。継続管理型の小児歯科専門医療により、「将来、どこに行っても恥ずかしくない健康で美しい歯並び」を提供するための治療を目指す。
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