2022年03月31日 カテゴリ:眠り

若者に増えている中途覚醒・早朝覚醒。予防と対策も

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若者に増えている中途覚醒・早朝覚醒。予防と対策も

一度、眠りについたはずなのに、夜中にまた目覚めてしまう。普段より何時間も早く目が覚めてしまい、それから眠れない。そんな「中途覚醒」「早朝覚醒」は、これまでご高齢に多いと言われていました。しかし、昨今は20〜30代の若者の間にも増えているそう。その原因と対策を青山・表参道睡眠ストレスクリニック院長 中村 真樹 先生に伺います。
 

大きな要因のひとつは、コロナ禍でのストレス


「中途覚醒」とは、一度入眠したあと、翌朝起床するまでの間に何度も目が覚めてしまうこと。また、「早朝覚醒」は、通常の起床時刻の2時間以上前に覚醒し、その後再入眠できないか、入眠できても熟睡できない症状のことです。

「ぐっすり眠れているようでも、一晩に数回、ほんの数秒間、脳が目覚めることがありますが、多くの人は一瞬だから覚えていません。しかし、この『中途覚醒』『早朝覚醒』は、本人が自覚するくらいはっきり目が覚めてしまっている状態。一度目が覚めても数分ですぐ寝つければ基本問題ないですが、再度寝つけなかったり、寝てもまたすぐ起きてしまう場合は、この『「中途覚醒』」に当てはまります」(中村先生)

そんな「中途覚醒」と「早朝覚醒」は、かつてはご高齢の方に多かった症状です。しかし、コロナ禍以降、若者でもよく症状が見られるようになったと言います。その原因はどんなものでしょうか?

「まず主な原因の一つは、ストレスと考えられます。コロナ禍による環境変化や、将来への不安や仕事への不安を抱えていると、緊張状態になり眠りが浅くなります。また、その不安を紛らわせようと飲酒量が増えると、飲酒が安定した睡眠を妨げてしまうこともあります。また、在宅ワークによって運動量がぐっと減り、身体的に疲れていないというのも眠りが浅くなる原因の一つです。通勤も実は意外といい運動になっていたんですよ」(中村先生)

「中途覚醒」と「早朝覚醒」の症状は、男性よりも女性のほうが多いこともわかっています。特に20代後半〜30代女性は、夜中にお子さんに起こされることもひとつの要因です。
 

不眠そのものがいずれストレスに


「中途覚醒」「早朝覚醒」が数日でおさまるのなら深刻に考える必要はないですが、週に33回以上、数週間以上続くようであれば不眠が慢性化しているといえます。

「最初は仕事のストレスで寝れなかったものが、だんだんと不眠そのものがストレスになってしまうんです。『ちゃんと寝なきゃ!』と快眠テクニックを実践すればするほど、そのこと快眠テクニックを行うこと自体が義務になり、それで緊張してしまって眠れなくなります。『、やってるのになぜ眠れないんだ』と不安が強まり、ますます眠りが浅くなってしまう悪循環ですいます」(中村先生)

快眠のためのテクニックは、あくまで就寝前にリラックスする方法のひとつの選択肢。それをやれば必ず寝れるはず、と思うのではなく、自分に合うものを探して、リラックスするための就寝前の習慣にしていく心のゆとりが必要です。
 

目覚めてしまったあとの過ごし方


では、途中で目覚めてしまったあと、どのように過ごしたら良いのでしょうか?

「まずはゆっくり深呼吸することをおすすめします。苦しくならない程度で、例えば6秒吸って、6秒息を止めて、6秒かけてゆっくり吐き出す。これを何度か繰り返し、もし何か別のことが頭をよぎるようであれば、呼吸に合わせて数をカウントすると、次第に心が落ち着いてきます」(中村先生)

それでも再入眠できず、寝れないことでイライラしてしまう場合は、一度布団から出るのもいいでしょう。できれば電球色系の照明や間接照明の中で雑誌をパラパラめくったり、落ち着く香りを嗅いだり、ストレッチをしたり。

「寝なくちゃいけないと焦ってしまうと、より緊張状態を高めてしまうので、眠ることよりもリラックスして過ごすごそうと開き直ることも大切です。だからといって、興奮状態になりやすいスマホやゲームをして過ごすことは勧めません。読書であっても興奮してしてしまうようなストーリーは避け、あくまでもパラパラと眺められるものがいいですよ」(中村先生)
 

明日のことは明日考えよう


若者の「中途覚醒」「早朝覚醒」の大きな原因の一つになっているストレス。そろそろ寝ようと思っても、仕事モードからリラックスモードに切り替えるには1時間以上のゆとりが必要です。仕事を終える時間を決めて、パジャマに着替えたりスマホはカバンの中にしまって見えないようにしたり、気持ちの切り替えがとても大切。

「明日これをやらなきゃと不安に駆られてしまうと、どんどん眠れなくなってしまいます。明日のことは、明日考えようと、いかに開き直れるか。たとえば、よほど緊急でない限り、夜19時以降は仕事の連絡を見ないと決めておく。そのことをあらかじめチームで決めておくのもいい対策でしょう」(中村先生)

「また、寝不足では仕事や生活のパフォーマンスが低下します。そのため、仕事の能率を下げないためにも、十分な睡眠時間、つまり7時間睡眠を確保するために『1日を24時間ではなく、77時間の睡眠時間を引いた17時間だと思って計画を立てよう』とおっしゃる人もいます。さらに寝る前の入浴を含めたクールダウンの時間を2時間程度見ておく。すると、1日で使える時間は15時間程度です。この15時間を、仕事、家事、趣味活動などにどう配分するか。このように調整していくことが、いい生活リズムをつくるうえで大切だと思います」(中村先生)

***

たとえ眠りにつけなくても、途中で目が覚めてしまったとしても、快眠テクニックを次々試すのではなく、焦らず、思い悩まず、「考えても仕方ない」「明日のことは明日考えよう」と開き直って、気持ちを落ち着かせることが大切です。たとえば、寝る前にヨガやストレッチをする、ノンカフェインのハーブティを飲むなど、寝る前に気持ちが落ち着くことを習慣にするのもよいでしょう。
 

青山・表参道 睡眠ストレスクリニック院長

中村真樹先生

日本睡眠学会専門医。東北大学医学部卒業、東北大学大学院医学系研究科修了後、東北大学病院精神科で助教、外来医長を務める。その後、睡眠総合ケアクリニック代々木院長を経て、2017年「青山・表参道 睡眠ストレスクリニック」を開院。臨床と研究、両面の実績があり、睡眠に悩む多くの患者さんの治療にあたっている。ビジネスパーソン向けの書籍『仕事が冴える眠活法』(三笠書房)も話題に。
https://omotesando-sleep.com/

 

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