カテゴリ:眠り
考えごとが止まらない夜に。オンオフを切り替えるための瞑想習慣
「頭の中に考えごとがグルグルと回ってしまい、なかなか眠りにつけない…」。自宅で仕事をする方も増えているなか、オンオフの切り替えが難しく眠りに影響を感じている方も多いのではないでしょうか。
今回は、心と体に“余白”を生み出すメディテーション(瞑想)施設「Medicha」にお邪魔して、オンオフの切り替え方や手軽にトライできる瞑想法を伺いました。早いスピードで流れてしまう日常に小休止を。眠りの改善だけでなく、自分の本当の気持ちを知るきっかけになるかもしれません。
「瞑想って意外と自由なんですよ。海や山をぼーっと眺めることもひとつの瞑想です。香りや音に意識を向けたほうがリラックスできる方もいますし、目を開ける、開けないのも自由です。そのときの体調や心の状況によって集中しやすい環境も変わってきます。あえて型をつくるというよりは、自分に合うやり方を探してもらうことをMedichaでは大切にしています」。
真っ白な空間の「Tune In」
星空に包まれるような「Open Up」
まずは、非日常的な真っ白な空間「Tune In」と暗闇の中で星空に包まれるような「Open Up」の部屋を行き来します。光の演出によって創られる異世界に入ることで、まずは現実の自分、社会的な自分を切り離します。
ガイダンスに沿って瞑想を始める「竹と木のドーム」
次は竹と木に囲まれたドームの部屋へ。全6種類のコースからガイダンスを選び、瞑想を始めます。意識が逸れてしまったときは、ズーンと体に響くような音に意識を向けたり、手元にあるアロマの香りを嗅いで深呼吸してみてください。
基本姿勢はあぐらをかいて、膝の上に手を載せること。自然と胸が開き呼吸がしやすくなります。ただし、その姿勢が疲れてしまうようであれば足を崩してもオーケー。自分の心地良くリラックスできる姿勢を探しながら、体の力みを解放していきます。
茶室のような「Align」
最後は、まるで茶室のように落ち着いた空間「Align」へ。線香に火を灯し、茶を淹れます。実は茶を淹れるという行為も、一番簡単な瞑想なのだとか。特に煎茶文化は自分の感性を高めるものとして育まれてきました。
そんな茶と和菓子を楽しみながら、“書く瞑想”と呼ばれるジャーナリングを行います。体験を通じて感じた自分の気持ちを自由に振り返る時間です。誰に見られるものでもないので、率直に書き出してみましょう。
1つ目は、人間関係の改善。特に子育てや介護、看護など、仕事でなくても誰かをケアする立場の方から、「関係性が良くなった!」と感想をいただくことが多いそうです。
「誰かのケアをしていると、本当にこのやり方でいいのかなって悩まれる方が多いんです。そんなとき瞑想を通じて、母親や父親、娘といった自分の役割を一旦脇に置いてみる。すると、素直な自分の感情に気がついて、柔軟に感情表現できるようになるんです」
ときに、自分の感情と真逆の行動をしてしまう経験は、誰しもあるかもしれません。相手に怒りを感じていたけれど、本当はただ自分の想いが伝わらなくて悲しんでいたことに気づけてしまうこともありますよね。イライラをぶつけてしまう前に、一度自分の感情を俯瞰することで、より納得感のある行動ができるようになります。
2つ目は、新しいアイデアを生み出すときに思考の整理ができるようになること。一生懸命考えているように見えて、実は同じ考えが巡っているときがあります。
「アイディアが煮詰まっているときにMedichaに来ると、考えが深まるとのお声を多くいただいています。瞑想を通して俯瞰してみることで、新たな視点に気づけるようです。また、瞑想に慣れてくると、物事への感度が高まります。アートや映画を見たときも、自分はどんなところにワクワクしたのか、どんなところを好きだと思ったのか、以前よりも敏感に感じられるようになることも。そうやって感度を高めておくと、思わぬところに転がるアイデアのヒントを見つけやすくなるのではないかと思います」
3つ目は、仕事とプライベートの切り替えができるようになること。「帰宅したあとも仕事のことが頭から離れず、布団のなかでぐるぐると考えごとをしてしまう…」。そんな方は、なにか仕事で大きなプレッシャーやストレスを抱えている可能性があります。
「仕事モードから抜け出すために瞑想を取り入れている方は多くいらっしゃいます。あえて夜の遅い時間にMedichaに来て、フラットな自分に戻ってから帰宅する。たとえMedichaまで来られなかったとしても、“オフモードになるための時間”として瞑想はおすすめです」
いつも家で仕事をしている方であれば、部屋を暗くしたり、キャンドルや照明を変えてみたり、眠る前専用の香りを嗅いだり、好きな音楽を流したりと、日中の部屋とは違った演出をすることで、オンの日常と切り離すことが可能です。
いくら空間を変えても、ずっと考えごとが止まらないときは、「ジャーナリング」がおすすめです。
「『ジャーナリング』とは考えごとを紙に書き出すこと。書き出すことで、思考を落ち着かせてくれます。私はどうしてもネガティブなことばかりを考えてしまうときは、些細なことで良いので『良かったこと』『楽しみなこと』を3つほど箇条書きしてみます。嫌なことばかりだと思っていたけど、意外と良いこともあるんだなって少しポジティブな気持ちで次の日を迎えられます」。
他にも、ベッドと接している体の感覚に向き合ってみることもおすすめです。意識を向けてみると、肩や奥歯の噛み締め、眉間など思わぬところに力が入っていることに気がつきます。気づいたときには、深呼吸をしながら力みをゆるめてあげる。それを繰り返しているうちに自然と眠りについていることもあるそうです。
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なかなか1人では続けられないという声も多い瞑想ですが、型をひとつに決めすぎず、いろいろな手段をあらかじめ用意しておくことがポイントです。呼吸でダメなら音、音でダメなら香り、香りでダメならジャーナリングというように、臨機応変にトライしながら自分に合う方法を探してみましょう。良い睡眠と良い目覚めを促し、より充実した毎日を過ごすヒントになるかもしれません。
今回は、心と体に“余白”を生み出すメディテーション(瞑想)施設「Medicha」にお邪魔して、オンオフの切り替え方や手軽にトライできる瞑想法を伺いました。早いスピードで流れてしまう日常に小休止を。眠りの改善だけでなく、自分の本当の気持ちを知るきっかけになるかもしれません。
瞑想の基本は「考えごとが浮かんだら手放す」の繰り返し
お話を伺ったのは、Medichaの代表・長嶋彩加さん。瞑想と聞くと「呼吸に集中しなければ!」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、実は方法は千差万別。何か考えごとが浮かんだら、呼吸でも、音でも、香りでも、光でも、何か別のものに意識を向けることを繰り返します。「瞑想って意外と自由なんですよ。海や山をぼーっと眺めることもひとつの瞑想です。香りや音に意識を向けたほうがリラックスできる方もいますし、目を開ける、開けないのも自由です。そのときの体調や心の状況によって集中しやすい環境も変わってきます。あえて型をつくるというよりは、自分に合うやり方を探してもらうことをMedichaでは大切にしています」。
光、音、香り。五感を解放するMedichaの瞑想
Medichaで体験できるのは、4つの部屋を通じて感情と思想をデトックスする80分間のコース。日常とは切り離された空間に没入することで、フラットな自分を取り戻す新しい体験です。真っ白な空間の「Tune In」
星空に包まれるような「Open Up」
まずは、非日常的な真っ白な空間「Tune In」と暗闇の中で星空に包まれるような「Open Up」の部屋を行き来します。光の演出によって創られる異世界に入ることで、まずは現実の自分、社会的な自分を切り離します。
ガイダンスに沿って瞑想を始める「竹と木のドーム」
次は竹と木に囲まれたドームの部屋へ。全6種類のコースからガイダンスを選び、瞑想を始めます。意識が逸れてしまったときは、ズーンと体に響くような音に意識を向けたり、手元にあるアロマの香りを嗅いで深呼吸してみてください。
基本姿勢はあぐらをかいて、膝の上に手を載せること。自然と胸が開き呼吸がしやすくなります。ただし、その姿勢が疲れてしまうようであれば足を崩してもオーケー。自分の心地良くリラックスできる姿勢を探しながら、体の力みを解放していきます。
茶室のような「Align」
最後は、まるで茶室のように落ち着いた空間「Align」へ。線香に火を灯し、茶を淹れます。実は茶を淹れるという行為も、一番簡単な瞑想なのだとか。特に煎茶文化は自分の感性を高めるものとして育まれてきました。
そんな茶と和菓子を楽しみながら、“書く瞑想”と呼ばれるジャーナリングを行います。体験を通じて感じた自分の気持ちを自由に振り返る時間です。誰に見られるものでもないので、率直に書き出してみましょう。
瞑想がもたらす、3つの心と体の変化
Medichaを出るときには、温泉に浸かったあとのように体がゆるんでいるのを感じられます。長嶋さんによると、さまざまなお客さんと接するなかで、瞑想によって起こる心や体の変化は大きく3つに分けられるそうです。1つ目は、人間関係の改善。特に子育てや介護、看護など、仕事でなくても誰かをケアする立場の方から、「関係性が良くなった!」と感想をいただくことが多いそうです。
「誰かのケアをしていると、本当にこのやり方でいいのかなって悩まれる方が多いんです。そんなとき瞑想を通じて、母親や父親、娘といった自分の役割を一旦脇に置いてみる。すると、素直な自分の感情に気がついて、柔軟に感情表現できるようになるんです」
ときに、自分の感情と真逆の行動をしてしまう経験は、誰しもあるかもしれません。相手に怒りを感じていたけれど、本当はただ自分の想いが伝わらなくて悲しんでいたことに気づけてしまうこともありますよね。イライラをぶつけてしまう前に、一度自分の感情を俯瞰することで、より納得感のある行動ができるようになります。
2つ目は、新しいアイデアを生み出すときに思考の整理ができるようになること。一生懸命考えているように見えて、実は同じ考えが巡っているときがあります。
「アイディアが煮詰まっているときにMedichaに来ると、考えが深まるとのお声を多くいただいています。瞑想を通して俯瞰してみることで、新たな視点に気づけるようです。また、瞑想に慣れてくると、物事への感度が高まります。アートや映画を見たときも、自分はどんなところにワクワクしたのか、どんなところを好きだと思ったのか、以前よりも敏感に感じられるようになることも。そうやって感度を高めておくと、思わぬところに転がるアイデアのヒントを見つけやすくなるのではないかと思います」
3つ目は、仕事とプライベートの切り替えができるようになること。「帰宅したあとも仕事のことが頭から離れず、布団のなかでぐるぐると考えごとをしてしまう…」。そんな方は、なにか仕事で大きなプレッシャーやストレスを抱えている可能性があります。
「仕事モードから抜け出すために瞑想を取り入れている方は多くいらっしゃいます。あえて夜の遅い時間にMedichaに来て、フラットな自分に戻ってから帰宅する。たとえMedichaまで来られなかったとしても、“オフモードになるための時間”として瞑想はおすすめです」
眠る前におうちでできる瞑想習慣
自宅で瞑想を取り入れるときのコツは、「とにかく社会的な自分から離れること」。仕事の連絡がくるスマホは置き、普段つけている腕時計やアクセサリーは外し、服装も外では着ない部屋着がおすすめです。いつも家で仕事をしている方であれば、部屋を暗くしたり、キャンドルや照明を変えてみたり、眠る前専用の香りを嗅いだり、好きな音楽を流したりと、日中の部屋とは違った演出をすることで、オンの日常と切り離すことが可能です。
いくら空間を変えても、ずっと考えごとが止まらないときは、「ジャーナリング」がおすすめです。
「『ジャーナリング』とは考えごとを紙に書き出すこと。書き出すことで、思考を落ち着かせてくれます。私はどうしてもネガティブなことばかりを考えてしまうときは、些細なことで良いので『良かったこと』『楽しみなこと』を3つほど箇条書きしてみます。嫌なことばかりだと思っていたけど、意外と良いこともあるんだなって少しポジティブな気持ちで次の日を迎えられます」。
他にも、ベッドと接している体の感覚に向き合ってみることもおすすめです。意識を向けてみると、肩や奥歯の噛み締め、眉間など思わぬところに力が入っていることに気がつきます。気づいたときには、深呼吸をしながら力みをゆるめてあげる。それを繰り返しているうちに自然と眠りについていることもあるそうです。
***
なかなか1人では続けられないという声も多い瞑想ですが、型をひとつに決めすぎず、いろいろな手段をあらかじめ用意しておくことがポイントです。呼吸でダメなら音、音でダメなら香り、香りでダメならジャーナリングというように、臨機応変にトライしながら自分に合う方法を探してみましょう。良い睡眠と良い目覚めを促し、より充実した毎日を過ごすヒントになるかもしれません。
Medicha株式会社(三菱地所株式会社の社内新規事業)代表取締役/Co-Founder
長嶋彩加
”自分に余白をつくる贅沢な時間”をコンセプトに事業を展開し、第一弾としてアートとサイエンスを掛け合わせた没入体験型メディテーションスタジオMedichaを南青山にオープン。ホテルや住宅などの空間監修やウェルネスイベント企画なども手掛ける。
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