2020年12月25日 カテゴリ:眠り

場所が変わると眠れない!専門家が教える、センシティブ・スリーパーの対処法

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場所が変わると眠れない!専門家が教える、センシティブ・スリーパーの対処法
せっかくの旅行では日中の観光やレジャーだけでなく、ホテルや旅館のステイも楽しみのひとつですよね。そのはずが、なぜか旅先では眠れない――。こうしたお悩みを抱えている方は、もしかすると「センシティブ・スリーパー」かもしれません。
 
その繊細さゆえに、環境の違いによって眠りづらくなったり、眠りが浅くなったりしまう人のことを指します。
 
では、旅先での眠りづらさは解消できるのでしょうか?
その方法を教えてくれるのは睡眠コンサルタントとして活動し、人気シリーズ『ぐっすり眠れる不思議なぬり絵』の監修者でもある、友野なお先生です。
 

持ち前の繊細さゆえに、ちょっとした変化まで察知!

ホテルや旅館だったり、親戚や友人のおうちだったり。寝室の環境が変わると眠りづらくなる、センシティブ・スリーパー。どんな人が該当するのか、はっきりとした定義は確立されていないそうですが、やはり原因は繊細さにあるようです。
 
「センシティブ・スリーパーの人は、音や香りといった五感が受ける刺激を敏感に感じ取ります。変化の察知が心理面に作用し、不安感や恐怖感を覚える結果、睡眠にも影響を及ぼしてしまうのです」(友野先生)
 
さらに友野先生は「こうした人は、ふだんの眠りも浅くなりやすい傾向にあります」と指摘。自分の寝室であっても、時計のチクタクという音が気になったり、眠り慣れたベッドであっても、人と添い寝することに苦痛を感じたり。その結果、やはり睡眠の質が低下してしまうんだそうです。


 

旅先でも行える『入眠儀式』でスムーズな眠りを!

センシティブ・スリーパー特有の繊細さは、性格に起因することが多いよう。性格を変えることは容易ではなく、繊細な方は心豊かでもあります。いったい、どうすれば、環境の変化による睡眠の質の低下を防げるのでしょうか?
 
「改善するには日頃の見直しが大事。特におやすみ前のルーティンとして、『入眠儀式』を作ることが効果的です。『眠る前にはこれをする』といった行動を習慣化することで、心身が『これをやったから、そろそろ眠るころね』と認識。環境の違う場所でも入眠儀式を行うことで、自然と眠気が訪れるというメカニズムです」(友野先生)
 
何を入眠儀式にするかは、人それぞれ。ただし、睡眠ホルモンの分泌を妨げたり、心身を興奮させたり、苦痛に感じるような行為では逆効果!友野先生は『ぐっすり眠れる不思議なぬり絵』の監修者でもありますが、難しいことを考えることなく淡々と、心のままに塗り進められる塗り絵は、入眠儀式にぴったりなんです。
 
「塗り絵と色鉛筆のセットは気軽に揃えることができ、荷物にもなりませんよね。旅先や出張先に持ち込みやすいことも、塗り絵をおすすめする理由です」(友野先生)。
 
塗り絵のほかにも寝具にアロマミストを吹きかけたり、ハーブティーを飲んだりすることも、おすすめの入眠儀式だそう。どちらにも共通しているのは「香り」ですが、香りを感じ取る嗅覚は、五感のなかでも心理面に作用しやすい感覚。不安感や恐怖感を和らげてくれます。
 
さらに友野先生は「特におすすめの香りはラベンダー。ラベンダーの睡眠効果は、研究結果からも明らかです。ただし、ラベンダーの香りが苦手な方は無理なく、お好きな香りを選びましょう。また、好きな香りは体調によっても、気分によっても変化するもの。日頃から自分は何が好みなのか、知っておくことも大切です」と指摘します。


 

眠りをもたらす「ホワイトノイズ」「ピンクノイズ」を活用

まだ入眠儀式ができていないという方に友野先生が提案するのが「音」を活用することです。
 
「センシティブ・スリーパーの人は、少しの雑音も敏感に察知します。その気になる雑音を別の音でかき消す、という考え方ですが、活用したいのが『ホワイトノイズ』、もしくは『ピンクノイズ』と呼ばれる音です」(友野先生)
 
前者のホワイトノイズを擬音で表現するなら「シャー」という音。代表的なのがアナログ放送の時代、テレビの放送終了後に流れていた、いわゆる砂嵐画面の音です。
 
ホワイトノイズはあらゆる周波数の成分を同等に含むため、気になる雑音を遮断する、カーテンのような効果を持つといいます。ちなみに赤ちゃんがお母さんの子宮で聞いているのも、なんとホワイトノイズだそう!
 
そして、後者のピンクノイズを擬音で表現すると「ザー」という音。雨音もピンクノイズのひとつに数えられ、自然界に存在する不変的な音色の多くがピンクノイズです。
 
ピンクノイズは「1/fゆらぎ」と呼ばれる周波数を持ち、このゆらぎのリラックス効果は研究結果からも明らかなんだとか。音によって音を遮断するホワイトノイズとは異なり、リラックス効果のあるピンクノイズを聞くことで心身の興奮を抑え、安眠をもたらすというメカニズムです。
 
最近ではホワイトノイズ、ピンクノイズを収録したCDも増え、スマートフォンからもダウンロード可能!旅先でも気軽に試せる方法です。


 

興奮状態で眠れないお子さんには『ホットアイマスク』



もうひとつ、大人はもちろん、お子さんにもおすすめの方法があります。旅先でも親戚のおうちでも、いつもとは違う環境に、お子さんは大興奮!夜遅くまで元気いっぱい、「なかなか寝付いてくれない」とお困りの親御さんも多いはずです。
 
そこで友野先生が推奨するのが「ホットアイマスク」。目元がじんわり温まり、日中の疲れを癒すにもぴったりですが、実は入眠しやすくなる効果も持ち合わせていたんです。
 
「最近の研究により、目元を温めると手足の温度も上昇することが明らかに。目元を温めることのリラックス効果から血流が上がり、手足まで温まりますが、手足から熱が放出されることで入眠と深い関係にある深部体温が下降。人は深部体温が下がると自然と眠くなるため、目元を温めることがスムーズな入眠につながるのです」(友野先生)
 
さらにホットアイマスクは、視覚情報をシャットダウン!友野先生は「旅先では見るものすべてが刺激的。お子さんが興奮するのも仕方ありません。アイマスクで視界を遮ることにより、初めて尽くしで興奮した脳を休ませてあげられます」と、一層の効果を指摘します。
 
専用の市販品はもちろんですが、、ホットアイマスクは旅先でも簡単に作れます。ただし、火傷には注意してくださいね!


 

肌に触れるピローカバーやパジャマを持参するのも手

ちょっとした音や香りの変化には気づかなくとも、旅先での眠りづらさをもたらす一因が、眠り慣れない寝具です。実は友野先生ご自身も、寝具が変わると眠りづらくなってしまうそう。
 
「とは言え、寝具一式を持ち込むのはもちろん、枕を持ち込むことすら、現実的ではありませんよね。そこで私は好きな肌触りのタオルを持ち込んでピローカバーの代わりにしています」(友野先生)
 
さらに愛用しているパジャマに着替えるだけでも、眠りやすくなるそうです。
 
「ピローカバーもパジャマも、ご自身の肌に触れるもの。その肌触りがふだんと同じだけでも、ずいぶんと心が落ち着くはずですよ」(友野先生)
 
最近では数種類の高さや硬さが用意され、お好みの枕を選べるホテルや旅館も増えています。宿泊先でのサービスも上手に利用しながら、旅先や出張先でもぐっすり!ぐっすり眠れれば、翌日も元気いっぱいに活動できます。
 
***
 
新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの人がストレス過多の生活を送っている今。今年の冬休みはご自宅で過ごされる方も多いと思いますが、日頃のストレスにより、日常的な眠りが浅くなっている可能性も否定できません。
 
今回、友野先生が教えてくださった方法は、どれもが日常の睡眠にも効果的。眠りの時間にストレスを癒し、心も身体もヘルシーな毎日を送ってくださいね!


 
   

睡眠コンサルタント

友野 なお 先生

睡眠コンサルタント、株式会社SEA Trinity代表取締役。自身が睡眠を改善したことにより、15kgのダイエットと重度のパニック障害の克服、体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。現在は千葉大学大学院 医学薬学府 先進予防医学 医学博士課程(社会医学・社会疫学・予防医学)にて健康寿命の延伸と健康格差の縮小を目指し、睡眠と健康に関する研究活動を行う。 順天堂大学大学院 修士。日本公衆衛生学会、日本睡眠学会、日本睡眠環境学会 正会員。行動療法からの睡眠改善、快眠を促す寝室空間づくりを得意とし、全国での講演活動、企業の商品開発やコンサルテーション、執筆活動などを行う。

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