カテゴリ:眠り
まくらカバーの洗濯方法や適切な頻度を解説
私たちの眠りに欠かせない寝具「まくら」。
特に肌に直接触れるまくらカバーは、清潔に保ちたいものです。
そこで今回は、“洗濯王子”の愛称で話題の洗濯家・中村祐一さんに、まくらカバーの正しいお手入れ方法について教えてもらいました。
――同じまくらを長年愛用していると、汚れやニオイが気になってくることもあるかと思います。まくらはどのようにケアすると良いのでしょうか?
まず、まくらカバーをご家庭できちんと洗濯することです。
ふとんやソファーなどと同様に、本体が洗いにくいものには必ずカバーがついているはず。
まくら本体が汚れることを未然に防ぎ、清潔さを保つのがまくらカバーの役目ですから、まくらカバーをしっかりと洗ってさえいれば、まくら本体を頻繁に洗う必要はありません。
まくらカバーは肌に直接触れるため、肌着や下着、タオルなどと同様に、身体から出る汗などの汚れを落として清潔に使うことが求められます。
こういった衛生が求められるアイテムは、使うたびに取り替えて洗うこと※が基準になります。
ただし、毎回取り替えて洗うことを強制したいわけではありません。洗濯の頻度が下がるほど衛生的に使いにくくなることを踏まえた上で、ご自身の生活スタイルに合った頻度を考えていただければと思います。
※nishikawaでは、毎日もしくは2日に1回の洗い替えを推奨しています。
――まくらカバーの正しい洗い方を教えてください。
まくらカバーは、それが「どんな素材で」「どんな色で」「どんな作りになっているか」で洗い方が変わります。
洗濯方法には大きく分けると3つのパターンがあります。
もっとも汚れを落とす洗い方が「ハード」、次が「ミディアム」、「ソフト」になると弱い素材でも洗うことができる分、洗浄力は弱くなっていきます。
まくらカバーを含む、肌に直接触れ、清潔に使うことが求められるアイテムは、基本的に「ハード」の洗い方が適しています。
まくらカバーを清潔に保つためにさらに重要なのが「すすぎの回数」です。
最近では「すすぎ1回」などの記載がある洗剤も増えていますが、すすぎが足りていないことでニオイや汚れが落ち切っていない場合が多く見受けられます。
クリーニング店でも清潔さを目的とした洗濯方法の場合、この「ハード」のような洗い方を基本に、さらに水温を上げることによって、より清潔に仕上げています。
――まくらカバーの洗い方で注意点はありますか?
繰り返しになりますが、そのまくらカバーが「どんな素材で」「どんな色で」「どんな作りになっているか」を必ず確認しましょう。
先にご紹介した「ハード」の洗い方は、基本的に白い綿のまくらカバーを想定しています。綿素材には、身体から出る汚れをきちんと吸わせ快適に使うための吸水性が備わっています。
色が白であれば、汚れ具合がわかりやすいので洗う判断もしやすくなりますし、色落ちのことを考えなくて済みます。
お湯や洗浄力の強い「弱アルカリ性の洗剤」を使った処理もしやすいので、衛生も保ちやすいです。衛生が特に大事な、ホテルや病院のまくらに白い綿のカバーが多いのはそのためなんですね。
色のついたまくらカバーをご使用の場合は、「ハード」で洗うと色落ちしてしまう可能性があるため「ミディアム」、また、ウールやシルクなどの素材は、「ソフト」の洗い方が推奨されます。
ただ、ミディアム、ソフトになるにつれて、清潔に洗いにくくなるので、「どんなふうに使うアイテムか」を考えて、買うときから洗濯表示のタグを必ず確認するようにしましょう。
洗うことにばかり意識が向きがちですが、快適かつ清潔に使うためには、色や素材について事前に考えてから購入することも大切です。
――まくら本体はどのようにケアすると良いのでしょうか?
まくらを洗うときに大事なのは、その機能を損なわずにきちんと汚れを落とすこと。
皆さんは快適に眠ることを目的に、形や高さ、素材にこだわってまくらを選んでいるはずです。
そう考えると、そもそもまくらは自宅で洗うのに不向きなアイテム。形が崩れやすかったり、厚みがあって乾きにくかったりという特徴があるからです。
自宅で洗ったことで形が崩れてしまい、眠りにくくなってしまっては、元も子もありません。手洗いしたとしても、形が崩れないわけではないですし、洗浄力が弱い洗い方になるため、汚れを落としきれない可能性も高くなります。
まくらは、本来の機能を損なわずにしっかりと汚れを落とすことを考えると、クリーニングに出すのが向くアイテムです。
――まくら本体をクリーニングに出す目安はありますか?
目に見えて汚れてしまっていたり、ニオイが気になったりする場合は、まくら本体をクリーニングに出すタイミングと言えるでしょう。
反対に、特に目に見えて汚れているわけではなく、ニオイも気にならない場合は、過度に心配する必要はありません。引き続き、まくらカバーをきちんと洗っていただければ大丈夫です。
――特に扱いに注意が必要な素材を教えてください。
そば殻や低反発のウレタンは、基本的に洗濯不可の素材です。
そば殻は天然素材のため、洗濯時の衝撃によって形が崩れて粉のようになってしまう可能性がありますし、ウレタンの素材は水を含むと膨らんでしまうんです。元の状態を崩すリスクが高い素材、ということですね。
ポリエステルのまくらは「洗濯機OK」となっていても、洗濯機の中でポリエステルが偏ったり丸まったりして、仕上がりがボコボコになってしまうこともあります。
中身がどのような仕様になっているのかがわからないまくらも多いので、クリーニング店やまくらを購入した販売店に相談するのが安心でしょう。
――まくら本体はクリーニング店に出すとして、他に普段からできるまくらのケア方法はありますか?
カバーをきちんと洗って清潔さを保っていれば、まくら本体のお手入れはほとんどいらないと思います。強いて言うなら、汗などの湿気が溜まらないように干すことぐらいです。
まくらを干すときに便利な平干し用のネットもありますが、専用のネットがなければ、2本のハンガーに橋渡しをするようにまくらをはめて乾かすのでもいいと思います。
汚れを落とすのに大事なのは、そのアイテムに合った洗い方をすること。
まくらカバーをきちんと洗濯して清潔さを保ち、本体は時々干して湿気を溜め込まないようにすれば、クリーニングに出すのは数年に一度くらいで良いのではないかと思います。
快適に眠るためには、まくらの状態を維持したまま汚れを落とすことが求められます。それを考えたとき、クリーニング店など洗濯のプロにお任せするのが良手のようです。
清潔な環境で気持ちよく眠るために、ぜひ参考にしてくださいね。
特に肌に直接触れるまくらカバーは、清潔に保ちたいものです。
そこで今回は、“洗濯王子”の愛称で話題の洗濯家・中村祐一さんに、まくらカバーの正しいお手入れ方法について教えてもらいました。
まくらカバーの洗濯方法や適切な頻度を解説
――同じまくらを長年愛用していると、汚れやニオイが気になってくることもあるかと思います。まくらはどのようにケアすると良いのでしょうか?
まず、まくらカバーをご家庭できちんと洗濯することです。
ふとんやソファーなどと同様に、本体が洗いにくいものには必ずカバーがついているはず。
まくら本体が汚れることを未然に防ぎ、清潔さを保つのがまくらカバーの役目ですから、まくらカバーをしっかりと洗ってさえいれば、まくら本体を頻繁に洗う必要はありません。
まくらカバーは肌に直接触れるため、肌着や下着、タオルなどと同様に、身体から出る汗などの汚れを落として清潔に使うことが求められます。
こういった衛生が求められるアイテムは、使うたびに取り替えて洗うこと※が基準になります。
ただし、毎回取り替えて洗うことを強制したいわけではありません。洗濯の頻度が下がるほど衛生的に使いにくくなることを踏まえた上で、ご自身の生活スタイルに合った頻度を考えていただければと思います。
※nishikawaでは、毎日もしくは2日に1回の洗い替えを推奨しています。
まくらカバーの正しい洗い方
――まくらカバーの正しい洗い方を教えてください。
まくらカバーは、それが「どんな素材で」「どんな色で」「どんな作りになっているか」で洗い方が変わります。
洗濯方法には大きく分けると3つのパターンがあります。
もっとも汚れを落とす洗い方が「ハード」、次が「ミディアム」、「ソフト」になると弱い素材でも洗うことができる分、洗浄力は弱くなっていきます。
まくらカバーを含む、肌に直接触れ、清潔に使うことが求められるアイテムは、基本的に「ハード」の洗い方が適しています。
「ハード」洗い4つのポイント
①40℃のお湯を使用
②洗い10〜15分
③すすぎ3回
④弱アルカリ性の洗剤
②洗い10〜15分
③すすぎ3回
④弱アルカリ性の洗剤
まくらカバーを清潔に保つためにさらに重要なのが「すすぎの回数」です。
最近では「すすぎ1回」などの記載がある洗剤も増えていますが、すすぎが足りていないことでニオイや汚れが落ち切っていない場合が多く見受けられます。
クリーニング店でも清潔さを目的とした洗濯方法の場合、この「ハード」のような洗い方を基本に、さらに水温を上げることによって、より清潔に仕上げています。
――まくらカバーの洗い方で注意点はありますか?
繰り返しになりますが、そのまくらカバーが「どんな素材で」「どんな色で」「どんな作りになっているか」を必ず確認しましょう。
先にご紹介した「ハード」の洗い方は、基本的に白い綿のまくらカバーを想定しています。綿素材には、身体から出る汚れをきちんと吸わせ快適に使うための吸水性が備わっています。
色が白であれば、汚れ具合がわかりやすいので洗う判断もしやすくなりますし、色落ちのことを考えなくて済みます。
お湯や洗浄力の強い「弱アルカリ性の洗剤」を使った処理もしやすいので、衛生も保ちやすいです。衛生が特に大事な、ホテルや病院のまくらに白い綿のカバーが多いのはそのためなんですね。
色のついたまくらカバーをご使用の場合は、「ハード」で洗うと色落ちしてしまう可能性があるため「ミディアム」、また、ウールやシルクなどの素材は、「ソフト」の洗い方が推奨されます。
ただ、ミディアム、ソフトになるにつれて、清潔に洗いにくくなるので、「どんなふうに使うアイテムか」を考えて、買うときから洗濯表示のタグを必ず確認するようにしましょう。
洗うことにばかり意識が向きがちですが、快適かつ清潔に使うためには、色や素材について事前に考えてから購入することも大切です。
まくらは洗濯したほうがいい?
――まくら本体はどのようにケアすると良いのでしょうか?
まくらを洗うときに大事なのは、その機能を損なわずにきちんと汚れを落とすこと。
皆さんは快適に眠ることを目的に、形や高さ、素材にこだわってまくらを選んでいるはずです。
そう考えると、そもそもまくらは自宅で洗うのに不向きなアイテム。形が崩れやすかったり、厚みがあって乾きにくかったりという特徴があるからです。
自宅で洗ったことで形が崩れてしまい、眠りにくくなってしまっては、元も子もありません。手洗いしたとしても、形が崩れないわけではないですし、洗浄力が弱い洗い方になるため、汚れを落としきれない可能性も高くなります。
まくらは、本来の機能を損なわずにしっかりと汚れを落とすことを考えると、クリーニングに出すのが向くアイテムです。
――まくら本体をクリーニングに出す目安はありますか?
目に見えて汚れてしまっていたり、ニオイが気になったりする場合は、まくら本体をクリーニングに出すタイミングと言えるでしょう。
反対に、特に目に見えて汚れているわけではなく、ニオイも気にならない場合は、過度に心配する必要はありません。引き続き、まくらカバーをきちんと洗っていただければ大丈夫です。
――特に扱いに注意が必要な素材を教えてください。
そば殻や低反発のウレタンは、基本的に洗濯不可の素材です。
そば殻は天然素材のため、洗濯時の衝撃によって形が崩れて粉のようになってしまう可能性がありますし、ウレタンの素材は水を含むと膨らんでしまうんです。元の状態を崩すリスクが高い素材、ということですね。
ポリエステルのまくらは「洗濯機OK」となっていても、洗濯機の中でポリエステルが偏ったり丸まったりして、仕上がりがボコボコになってしまうこともあります。
中身がどのような仕様になっているのかがわからないまくらも多いので、クリーニング店やまくらを購入した販売店に相談するのが安心でしょう。
普段からできるまくらのケア方法
――まくら本体はクリーニング店に出すとして、他に普段からできるまくらのケア方法はありますか?
カバーをきちんと洗って清潔さを保っていれば、まくら本体のお手入れはほとんどいらないと思います。強いて言うなら、汗などの湿気が溜まらないように干すことぐらいです。
まくらを干すときに便利な平干し用のネットもありますが、専用のネットがなければ、2本のハンガーに橋渡しをするようにまくらをはめて乾かすのでもいいと思います。
汚れを落とすのに大事なのは、そのアイテムに合った洗い方をすること。
まくらカバーをきちんと洗濯して清潔さを保ち、本体は時々干して湿気を溜め込まないようにすれば、クリーニングに出すのは数年に一度くらいで良いのではないかと思います。
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快適に眠るためには、まくらの状態を維持したまま汚れを落とすことが求められます。それを考えたとき、クリーニング店など洗濯のプロにお任せするのが良手のようです。
清潔な環境で気持ちよく眠るために、ぜひ参考にしてくださいね。
洗濯家
中村祐一さん
“洗濯王子”の愛称で親しまれ、テレビや雑誌など多方面のメディアで洗濯に関するアドバイスを行う。自身の洗濯術をまとめた本を、これまでに6冊出版。大手メーカーとのコラボレーションなど幅広く活動する。
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