カテゴリ:眠り
昼夜逆転の治し方とは?睡眠障害の原因や生活リズムの改善方法について解説
昼夜逆転は、夜更かしや不規則な生活習慣、ストレスなどによって体内時計が乱れることで起こります。
放置すると朝起きられなくなるだけでなく、睡眠障害や慢性的な疲労感、
集中力の低下、気分の落ち込みなど心身の不調につながるおそれがあります。
本記事では、昼夜逆転が起こる原因や体への影響を解説するとともに、
生活リズムを整えるための具体的な改善方法や、医療機関を受診する目安について詳しく紹介します。

そのリズムの乱れが昼夜逆転のきっかけとされています。
昼夜逆転の主な要因とされるのは以下の通りです。
・夜更かしや不規則な生活
・遅い時間の食事や運動習慣の乱れ
・ストレスや精神的負担
・スマホ・PCなど夜間の光刺激
・夜勤や時差ぼけ
ここでは、この要因の詳細やメカニズムをご紹介します。
体内時計は朝の光を浴びることでリセットされ、
約14時間後から睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が始まります。
メラトニンの材料となるのが、日中の活動時に働くセロトニンです。
朝に光を浴び、日中に活動することでセロトニンが十分に働き、
夜になるとメラトニンへと変化して自然な眠気を促します。
しかし、夜更かしや夜間の強い光によってメラトニン分泌が遅れると、
体内時計が後ろへずれ、昼夜逆転が起こりやすくなります。
睡眠は量・質だけでなく、「適切なタイミング」でとることも重要です。
就寝時刻が少しずつ遅くなると、眠気が訪れる時間も後ろへずれていきます。
遅い夕食や不規則な食事時間は、体内時計を夜型化させる要因とされています。
また、夕方以降のカフェイン摂取や、就寝直前の激しい運動は、
体を覚醒させ睡眠を妨げる原因の一つに。
海外渡航による時差ぼけは、体内時計と社会生活の時間が一致しなくなる代表例ですが、
週末の夜ふかしと寝だめによって入眠と起床の時間がずれることで起こる「社会的ジェットラグ」も
不調や睡眠リズムの乱れにつながります。
不安や悩みが続くと寝つきが悪くなり、慢性的な睡眠不足から昼夜逆転へ発展することがあります。
また、睡眠リズム障害では抑うつ症状を伴うことも少なくなくありません。
一方で、うつ病のように見えても、実際には睡眠不足や体内時計の乱れが背景にあるケースもあります。
思春期にみられる起立性調節障害とされる「朝、起きられない」という症状も、
実際には寝不足や睡眠リズム障害の関与が大きい場合が多くあります。
体内時計は光によって調整されていますが、夜に強い光を浴びるとメラトニンの合成・分泌が抑制されます。
特にブルーライトは、自然に眠くなる2〜3時間前から始まるメラトニン分泌を遅らせ、
睡眠リズムそのものを後退させることが知られています。
その結果、睡眠リズムが後退しているために朝起きようとしても
体内時計はまだ睡眠状態のままとなり、起床が難しくなります。
また、SNSや動画視聴、ゲームなどは脳を興奮状態に保ちやすく、
光の影響に加えて心理的な覚醒も引き起こします。
就寝前1〜2時間はスマホやPCの使用を控えることが、体内時計を守るうえで重要です。
基本となるのは次の4つです。
・朝起きたら太陽光を浴びる
・朝食をとり食事時間を整える
・日中に適度な運動を行う
・夜は光や刺激を避けてリラックスする
まずは起床時刻を一定にし、上記をセットで続けることが、乱れた睡眠リズムを整える第一歩です。
起床後に光を浴びると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌がリセットされ、
その約14時間後に再び分泌が高まることで自然な眠気につながります。
起床後はできるだけ早くカーテンを開け、10〜30分程度、屋外や窓際で光を浴びるのがおすすめです。
曇りの日でも効果は期待できます。
休日も起床時刻を大きく変えず、毎日続けることが体内時計の安定につながります。
朝食をとることで体や内臓の時計が活動モードへ切り替わり、睡眠・覚醒リズムの安定につながります。
特に、睡眠ホルモンであるメラトニンの材料となるトリプトファンを含む卵や乳製品、
大豆製品などを朝食に取り入れるのがおすすめです。
また、トリプトファンからセロトニンやメラトニンをつくる際にはビタミンB6が必要で、
それらは魚や鶏肉、バナナなどに多く含まれます。
ただし、これらの栄養素は通常の食事で不足することは少ないため過度なケアはいらず、
まずは朝食を規則的にとることが大切です。
体を動かして深部体温を適度に上げることで、その後の体温低下がスムーズになり、自然な眠気につながるためです。
おすすめは、夕方ごろの少し汗ばむ程度のウォーキングや軽いジョギング、階段の利用などの有酸素運動です。
就寝前は激しい運動を避け、ヨガやストレッチなどリラックスを目的とした軽い運動を取り入れると良いでしょう。
無理なく継続できる運動習慣が、体内時計を整え、質の高い睡眠につながります。
入浴は就寝の1〜2時間前を目安に、38〜40℃のぬるめのお湯に20〜30分つかるのがおすすめです。
入浴で上がった深部体温が下がり始めるタイミングで自然な眠気が訪れやすくなります。
また、就寝2時間前からは照明を暖色系の落ち着いた明るさに切り替え、強い光を避けましょう。
スマホやパソコン、テレビなどの使用も控えめにし、脳への刺激を減らすことが重要です。
就寝前はストレッチや読書など、リラックスできる時間を意識的に設けましょう。
まずは次のポイントを意識してみましょう。
・就寝前のスマホやPC利用を減らす
・寝室の温度、湿度、照明、騒音を整える
・就寝1時間半〜2時間前にぬるめの入浴をする
・夕方以降のカフェインの摂取を控える
・睡眠日誌をつけて生活リズムを把握する
無理なく続けられる習慣から取り入れることが、体内時計を整える近道です。
画面から発せられる強い光は睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を抑え、自然な眠気を妨げます。
また、SNSやゲームは多くの情報が頭に入ることで思考が巡り、脳が覚醒状態になってしまいます。
そのため就寝前1〜2時間はスマホやPC、テレビの使用をできるだけ控えるのが理想です。
就寝前はSNSやゲームの代わりに、読書やストレッチ、軽い呼吸法、音量を抑えたオーディオブックなど、
心身を落ち着かせる活動に切り替えることがおすすめです。
夜は電球色や間接照明などのやわらかい光を選び、蛍光灯のような明るい白色光は避けましょう。
カーテンは遮光性の高いものを使用すると、夏場の早朝の光で目覚めてしまうのを防ぎやすくなります。
室温は夏なら温度は26〜28℃程度、湿度は50〜60%程度を目安に、
暑さで途中覚醒しないようエアコンを朝までつけておくのも有効です。
また、無音にこだわる必要はなく、環境音や小音量のオーディオブックなど、落ち着ける音を取り入れても構いません。
環境による騒音が気になる場合は、ノイズキャンセリング機器を活用するのも一つの方法です。
おすすめのタイミングは就寝の1時間半〜2時間前。
38〜40℃程度のぬるめのお湯に20〜30分ほどゆっくり浸かることで深部体温が上昇し、
その後体温が下がり始めるタイミングで自然な眠気が訪れやすくなります。
重要なのは、深部体温の「上がり方」と「下がり方」のリズムを利用することです。
一方で、熱すぎるお湯は交感神経を刺激して体を覚醒状態にしやすく、かえって寝つきを妨げることがあります。
カフェインの完全分解には8時間程度かかるとされているため、夕方以降に摂取すると
夜になってもカフェインによる覚醒作用のため、寝つきの悪化や睡眠の質の低下につながることがあります。
日常的によく飲まれる、コーヒー、エナジードリンク、緑茶、紅茶、ウーロン茶、
ココアなどにはカフェインが含まれています。
夕方16時以降はカフェインがあるものは避け、麦茶やルイボスティー、
などのカフェインレスの飲みものに切り替えると、睡眠への影響を抑えやすくなります。
就寝時刻、起床時刻、夜中に目が覚めた回数、昼寝の有無、日中の眠気などを記録しましょう。
まずは、病院の受診時にもスムーズに共有できる手書きの睡眠日誌や、
アプリやスマートウォッチなどを活用するのも良いでしょう。
重要なのは少なくとも1〜2週間継続し、平日と休日の違いも確認することです。
特に「休日だけ大幅に寝坊していないか」「実際の睡眠時間は足りているか」をチェックすると、
体内時計の乱れに気づきやすくなります。
意外と本人の感覚と実際の睡眠状況にずれがあることも多く、記録は改善や受診時の重要な手がかりになります。
受診を検討する目安は次のとおりです。
・朝起きられず遅刻や欠席が増える
・午前中の強い眠気が続く
・早く寝ようとしても眠れない
・日中の集中力や作業効率が低下する
社会的に困難な症状が続く場合は、睡眠外来や睡眠に詳しい医療機関への相談がおすすめです。
病院選びでは、日本睡眠学会専門医と認定された医師がいる病院を目安にするとよいでしょう。
「概日リズム睡眠障害」の可能性があります。
代表的なのが「睡眠覚醒相後退障害」で、深夜まで眠れず朝起きられない状態が続くもので、
思春期から若年者に多くみられます。
一方、高齢者では睡眠相前進障害がみられ、夕方から強い眠気が生じ、
早朝に目が覚めてしまうのが特徴です。
いずれも睡眠時間そのものではなく、体内時計と社会生活の時間がずれていることが問題となります。
学校や仕事に支障が出ている場合は、睡眠専門医への相談を検討しましょう。
不眠症やうつ病などの精神的な不調が関係している場合があります。
不眠症の代表的な症状には、寝つくまでに時間がかかる「入眠困難」、
夜中に何度も目が覚める「中途覚醒」、予定より早く目覚めて再び眠れない「早朝覚醒」があります。
また、意欲低下や気分の落ち込みなど、うつ病に似た症状が現れることもあります。
ただし、実際には睡眠不足や昼夜逆転が主な原因で、
睡眠リズムを整えることで症状が改善するケースも少なくありません。
一方で、うつ病と睡眠障害の見極めは難しいため、
症状が続く場合は睡眠に詳しい医療機関や専門医への相談が推奨されます。
「朝起きられない」「午前中の強い眠気が続く「早く寝ようとしても眠れない」など、
仕事や学業に支障が出ている場合は睡眠外来の受診を検討しましょう。
受診の目安は、本人が社会生活で困っているかどうかです。
医療機関は、 日本睡眠学会 専門医名簿・認定施設一覧から探すことができます。
受診時は1〜2週間分の睡眠日誌やアプリでつけた睡眠の記録を持参すると診断に役立ちます。
体面:免疫機能の低下、自律神経の乱れ、生活習慣病リスクの上昇
精神面:集中力低下、意欲低下、イライラ、抑うつ感
社会生活面:遅刻や欠席、学業・仕事のパフォーマンス低下、人間関係への影響
睡眠リズムの乱れが続くと、頭痛や倦怠感などの不調など心身の健康に大きな負担を与える可能性があります。
本来睡眠が担う疲労回復や記憶の整理、細胞の修復、免疫機能の維持が十分に行われなくなります。
その結果、心身の疲労が十分に回復できず、睡眠時間を確保しても熟睡感が得られにくくなります。
代表的な体症状として、頭痛や頭重感、倦怠感、めまい、耳鳴り、食欲低下、吐き気、腹痛などが挙げられます。
また、睡眠不足や不規則な生活は免疫機能の低下につながり、体調を崩しやすくなる可能性があります。
昼夜逆転は睡眠だけでなく全身の健康に影響を及ぼすため、早めの改善が大切です。
集中力や判断力の低下を招きます。
その結果、物事に集中しにくくなったり、考えがまとまりにくくなったりすることがあります。
また、睡眠リズムの乱れは感情のコントロールにも影響し、イライラしやすくなる、
意欲が低下する、気分が落ち込むといった精神的な不調につながることもあります。
実際に睡眠リズム障害の多くの患者では、中等度以上の抑うつ症状がみられることが報告されています。
慢性的な睡眠不足や夜型生活は、情緒の不安定化や記憶力の低下を招き、
心の健康にも大きな負担を与える可能性があります。
日中の強い眠気や集中力低下によって、学業成績の低下や業務効率の悪化につながることもあります。
さらに、約束や時間を守れない状況が続くと、周囲からの信頼を失い、社会的信用の低下を招く可能性があります。
また、生活時間が家族や友人と合わなくなることで交流の機会が減り、孤立感を抱きやすくなることも少なくありません。
昼夜逆転は睡眠の問題にとどまらず、学業・仕事・人間関係など社会生活全体に影響を及ぼす可能性があります。
「朝の光を浴びる機会が少ない」「夜間にスマホやパソコンを長時間使用する」「食事や睡眠の時間が不規則になる」
などが起こると、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が遅れ、夜に眠れず朝起きられなくなります。
また、ストレスや夜勤・交代勤務なども体内時計を乱す要因となり、昼夜逆転を引き起こします。
費用は保険診療(3割負担)の場合、初診でおおむね5,000円前後、再診で2,000〜3,000円程度が目安です。
睡眠日誌の確認や生活指導のほか、必要に応じて検査や薬物療法が行われることもあり、その場合は追加費用がかかります。
まずは睡眠に詳しい医療機関や睡眠専門医への相談がおすすめです。

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睡眠時間、寝つき時間、中途覚醒、睡眠効率などを計測し、自分の生活サイクルを可視化することができます。
また、継続的に使用することで、日々の変化の中で自分の体調に気づくこともあるかもしれません。
健やかな毎日を送るためには、まず自分の生活を可視化して把握することが重要です。
無理のない範囲で、少しずつ見直し、改善していきましょう。
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放置すると朝起きられなくなるだけでなく、睡眠障害や慢性的な疲労感、
集中力の低下、気分の落ち込みなど心身の不調につながるおそれがあります。
本記事では、昼夜逆転が起こる原因や体への影響を解説するとともに、
生活リズムを整えるための具体的な改善方法や、医療機関を受診する目安について詳しく紹介します。
監修者さまプロフィール

青山・表参道 睡眠ストレスクリニック院長
中村真樹先生
日本睡眠学会総合専門医・指導医。東北大学医学部卒業、東北大学大学院医学系研究科修了後、東北大学病院精神科で助教、外来医長を務める。その後、睡眠総合ケアクリニック代々木院長を経て、2017年「青山・表参道 睡眠ストレスクリニック」を開院。臨床と研究、両面の実績があり、睡眠に悩む多くの患者さんの治療にあたっている。ビジネスパーソン向けの書籍『仕事が冴える眠活法』(三笠書房)も話題に。
https://omotesando-sleep.com/
昼夜逆転の原因
体内時計は通常、朝の光でリセットされ約14時間後に睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が高まり入眠します。そのリズムの乱れが昼夜逆転のきっかけとされています。
昼夜逆転の主な要因とされるのは以下の通りです。
・夜更かしや不規則な生活
・遅い時間の食事や運動習慣の乱れ
・ストレスや精神的負担
・スマホ・PCなど夜間の光刺激
・夜勤や時差ぼけ
ここでは、この要因の詳細やメカニズムをご紹介します。
体内時計のメカニズム
私たちの睡眠は「体内時計(サーカディアンリズム)」によってコントロールされています。体内時計は朝の光を浴びることでリセットされ、
約14時間後から睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が始まります。
メラトニンの材料となるのが、日中の活動時に働くセロトニンです。
朝に光を浴び、日中に活動することでセロトニンが十分に働き、
夜になるとメラトニンへと変化して自然な眠気を促します。
しかし、夜更かしや夜間の強い光によってメラトニン分泌が遅れると、
体内時計が後ろへずれ、昼夜逆転が起こりやすくなります。
睡眠は量・質だけでなく、「適切なタイミング」でとることも重要です。
生活習慣の乱れ
昼夜逆転のもっとも大きな原因は、夜更かしによる体内時計の後退です。就寝時刻が少しずつ遅くなると、眠気が訪れる時間も後ろへずれていきます。
遅い夕食や不規則な食事時間は、体内時計を夜型化させる要因とされています。
また、夕方以降のカフェイン摂取や、就寝直前の激しい運動は、
体を覚醒させ睡眠を妨げる原因の一つに。
海外渡航による時差ぼけは、体内時計と社会生活の時間が一致しなくなる代表例ですが、
週末の夜ふかしと寝だめによって入眠と起床の時間がずれることで起こる「社会的ジェットラグ」も
不調や睡眠リズムの乱れにつながります。
ストレスや精神的要因
ストレスや精神的負担は、睡眠リズムを乱す大きな要因です。不安や悩みが続くと寝つきが悪くなり、慢性的な睡眠不足から昼夜逆転へ発展することがあります。
また、睡眠リズム障害では抑うつ症状を伴うことも少なくなくありません。
一方で、うつ病のように見えても、実際には睡眠不足や体内時計の乱れが背景にあるケースもあります。
思春期にみられる起立性調節障害とされる「朝、起きられない」という症状も、
実際には寝不足や睡眠リズム障害の関与が大きい場合が多くあります。
スマホやPCの夜間使用
夜間のスマートフォンやパソコンの使用は、昼夜逆転を招く代表的な原因です。体内時計は光によって調整されていますが、夜に強い光を浴びるとメラトニンの合成・分泌が抑制されます。
特にブルーライトは、自然に眠くなる2〜3時間前から始まるメラトニン分泌を遅らせ、
睡眠リズムそのものを後退させることが知られています。
その結果、睡眠リズムが後退しているために朝起きようとしても
体内時計はまだ睡眠状態のままとなり、起床が難しくなります。
また、SNSや動画視聴、ゲームなどは脳を興奮状態に保ちやすく、
光の影響に加えて心理的な覚醒も引き起こします。
就寝前1〜2時間はスマホやPCの使用を控えることが、体内時計を守るうえで重要です。
昼夜逆転の原因
昼夜逆転の改善には、体内時計を毎日リセットする習慣が欠かせません。基本となるのは次の4つです。
・朝起きたら太陽光を浴びる
・朝食をとり食事時間を整える
・日中に適度な運動を行う
・夜は光や刺激を避けてリラックスする
まずは起床時刻を一定にし、上記をセットで続けることが、乱れた睡眠リズムを整える第一歩です。
朝日を浴びて体内時計をリセットする方法
朝の太陽光は、体内時計を整えるもっとも重要なスイッチです。起床後に光を浴びると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌がリセットされ、
その約14時間後に再び分泌が高まることで自然な眠気につながります。
起床後はできるだけ早くカーテンを開け、10〜30分程度、屋外や窓際で光を浴びるのがおすすめです。
曇りの日でも効果は期待できます。
休日も起床時刻を大きく変えず、毎日続けることが体内時計の安定につながります。
規則正しい食事で生体リズムを整える方法
朝食は、朝の光と並んで体内時計を整える重要な習慣です。朝食をとることで体や内臓の時計が活動モードへ切り替わり、睡眠・覚醒リズムの安定につながります。
特に、睡眠ホルモンであるメラトニンの材料となるトリプトファンを含む卵や乳製品、
大豆製品などを朝食に取り入れるのがおすすめです。
また、トリプトファンからセロトニンやメラトニンをつくる際にはビタミンB6が必要で、
それらは魚や鶏肉、バナナなどに多く含まれます。
ただし、これらの栄養素は通常の食事で不足することは少ないため過度なケアはいらず、
まずは朝食を規則的にとることが大切です。
日中の適度な運動習慣の作り方
日中の適度な運動は、睡眠の質を高める効果が期待できます。体を動かして深部体温を適度に上げることで、その後の体温低下がスムーズになり、自然な眠気につながるためです。
おすすめは、夕方ごろの少し汗ばむ程度のウォーキングや軽いジョギング、階段の利用などの有酸素運動です。
就寝前は激しい運動を避け、ヨガやストレッチなどリラックスを目的とした軽い運動を取り入れると良いでしょう。
無理なく継続できる運動習慣が、体内時計を整え、質の高い睡眠につながります。
就寝前のリラックス習慣を作る方法
就寝前は心身をリラックスさせ、眠りやすい状態をつくることが大切です。入浴は就寝の1〜2時間前を目安に、38〜40℃のぬるめのお湯に20〜30分つかるのがおすすめです。
入浴で上がった深部体温が下がり始めるタイミングで自然な眠気が訪れやすくなります。
また、就寝2時間前からは照明を暖色系の落ち着いた明るさに切り替え、強い光を避けましょう。
スマホやパソコン、テレビなどの使用も控えめにし、脳への刺激を減らすことが重要です。
就寝前はストレッチや読書など、リラックスできる時間を意識的に設けましょう。
すぐできる生活改善
昼夜逆転の改善は、特別な治療を始める前に生活習慣を見直すことから始められます。まずは次のポイントを意識してみましょう。
・就寝前のスマホやPC利用を減らす
・寝室の温度、湿度、照明、騒音を整える
・就寝1時間半〜2時間前にぬるめの入浴をする
・夕方以降のカフェインの摂取を控える
・睡眠日誌をつけて生活リズムを把握する
無理なく続けられる習慣から取り入れることが、体内時計を整える近道です。
スマホ・PCの利用時間を制限する
夜間のスマホやPCの使用は、体内時計を遅らせる大きな要因です。画面から発せられる強い光は睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を抑え、自然な眠気を妨げます。
また、SNSやゲームは多くの情報が頭に入ることで思考が巡り、脳が覚醒状態になってしまいます。
そのため就寝前1〜2時間はスマホやPC、テレビの使用をできるだけ控えるのが理想です。
就寝前はSNSやゲームの代わりに、読書やストレッチ、軽い呼吸法、音量を抑えたオーディオブックなど、
心身を落ち着かせる活動に切り替えることがおすすめです。
寝室環境を整える
質の高い睡眠のためには、寝室の照度・騒音・温度・湿度を整えることが大切です。夜は電球色や間接照明などのやわらかい光を選び、蛍光灯のような明るい白色光は避けましょう。
カーテンは遮光性の高いものを使用すると、夏場の早朝の光で目覚めてしまうのを防ぎやすくなります。
室温は夏なら温度は26〜28℃程度、湿度は50〜60%程度を目安に、
暑さで途中覚醒しないようエアコンを朝までつけておくのも有効です。
また、無音にこだわる必要はなく、環境音や小音量のオーディオブックなど、落ち着ける音を取り入れても構いません。
環境による騒音が気になる場合は、ノイズキャンセリング機器を活用するのも一つの方法です。
入浴タイミングを見直す
入浴は、睡眠の質を高めるために手軽に取り入れられる習慣の一つです。おすすめのタイミングは就寝の1時間半〜2時間前。
38〜40℃程度のぬるめのお湯に20〜30分ほどゆっくり浸かることで深部体温が上昇し、
その後体温が下がり始めるタイミングで自然な眠気が訪れやすくなります。
重要なのは、深部体温の「上がり方」と「下がり方」のリズムを利用することです。
一方で、熱すぎるお湯は交感神経を刺激して体を覚醒状態にしやすく、かえって寝つきを妨げることがあります。
カフェイン摂取を控える
カフェインには覚醒作用があるため、体内時計をリセットして夜型化させやすいとされています。カフェインの完全分解には8時間程度かかるとされているため、夕方以降に摂取すると
夜になってもカフェインによる覚醒作用のため、寝つきの悪化や睡眠の質の低下につながることがあります。
日常的によく飲まれる、コーヒー、エナジードリンク、緑茶、紅茶、ウーロン茶、
ココアなどにはカフェインが含まれています。
夕方16時以降はカフェインがあるものは避け、麦茶やルイボスティー、
などのカフェインレスの飲みものに切り替えると、睡眠への影響を抑えやすくなります。
睡眠記録をつける
昼夜逆転の改善には、自分の睡眠習慣を客観的に把握することが大切です。就寝時刻、起床時刻、夜中に目が覚めた回数、昼寝の有無、日中の眠気などを記録しましょう。
まずは、病院の受診時にもスムーズに共有できる手書きの睡眠日誌や、
アプリやスマートウォッチなどを活用するのも良いでしょう。
重要なのは少なくとも1〜2週間継続し、平日と休日の違いも確認することです。
特に「休日だけ大幅に寝坊していないか」「実際の睡眠時間は足りているか」をチェックすると、
体内時計の乱れに気づきやすくなります。
意外と本人の感覚と実際の睡眠状況にずれがあることも多く、記録は改善や受診時の重要な手がかりになります。
病院へ行く目安
生活習慣の見直しを続けても改善しない場合は、睡眠障害が隠れている可能性があります。受診を検討する目安は次のとおりです。
・朝起きられず遅刻や欠席が増える
・午前中の強い眠気が続く
・早く寝ようとしても眠れない
・日中の集中力や作業効率が低下する
社会的に困難な症状が続く場合は、睡眠外来や睡眠に詳しい医療機関への相談がおすすめです。
病院選びでは、日本睡眠学会専門医と認定された医師がいる病院を目安にするとよいでしょう。
概日リズム睡眠障害の可能性
十分な睡眠時間を確保していても、希望する時間に眠れない・起きられない場合は、「概日リズム睡眠障害」の可能性があります。
代表的なのが「睡眠覚醒相後退障害」で、深夜まで眠れず朝起きられない状態が続くもので、
思春期から若年者に多くみられます。
一方、高齢者では睡眠相前進障害がみられ、夕方から強い眠気が生じ、
早朝に目が覚めてしまうのが特徴です。
いずれも睡眠時間そのものではなく、体内時計と社会生活の時間がずれていることが問題となります。
学校や仕事に支障が出ている場合は、睡眠専門医への相談を検討しましょう。
不眠症やうつ病の症状
昼夜逆転が続くと、単なる生活習慣の乱れだけでなく、不眠症やうつ病などの精神的な不調が関係している場合があります。
不眠症の代表的な症状には、寝つくまでに時間がかかる「入眠困難」、
夜中に何度も目が覚める「中途覚醒」、予定より早く目覚めて再び眠れない「早朝覚醒」があります。
また、意欲低下や気分の落ち込みなど、うつ病に似た症状が現れることもあります。
ただし、実際には睡眠不足や昼夜逆転が主な原因で、
睡眠リズムを整えることで症状が改善するケースも少なくありません。
一方で、うつ病と睡眠障害の見極めは難しいため、
症状が続く場合は睡眠に詳しい医療機関や専門医への相談が推奨されます。
セルフケアで改善しない場合
朝の光や食事、運動などの生活改善を続けても改善がみられず「朝起きられない」「午前中の強い眠気が続く「早く寝ようとしても眠れない」など、
仕事や学業に支障が出ている場合は睡眠外来の受診を検討しましょう。
受診の目安は、本人が社会生活で困っているかどうかです。
医療機関は、 日本睡眠学会 専門医名簿・認定施設一覧から探すことができます。
受診時は1〜2週間分の睡眠日誌やアプリでつけた睡眠の記録を持参すると診断に役立ちます。
昼夜逆転のデメリット
昼夜逆転は、睡眠時間の問題だけでなく心身や社会生活にもさまざまな影響を及ぼします。体面:免疫機能の低下、自律神経の乱れ、生活習慣病リスクの上昇
精神面:集中力低下、意欲低下、イライラ、抑うつ感
社会生活面:遅刻や欠席、学業・仕事のパフォーマンス低下、人間関係への影響
睡眠リズムの乱れが続くと、頭痛や倦怠感などの不調など心身の健康に大きな負担を与える可能性があります。
体への悪影響
昼夜逆転が続くと、睡眠の「量・質・タイミング」のバランスが崩れ、本来睡眠が担う疲労回復や記憶の整理、細胞の修復、免疫機能の維持が十分に行われなくなります。
その結果、心身の疲労が十分に回復できず、睡眠時間を確保しても熟睡感が得られにくくなります。
代表的な体症状として、頭痛や頭重感、倦怠感、めまい、耳鳴り、食欲低下、吐き気、腹痛などが挙げられます。
また、睡眠不足や不規則な生活は免疫機能の低下につながり、体調を崩しやすくなる可能性があります。
昼夜逆転は睡眠だけでなく全身の健康に影響を及ぼすため、早めの改善が大切です。
精神面への負担
昼夜逆転が続くと、睡眠中に行われる脳の疲労回復や記憶の整理・定着が十分に行われなくなり、集中力や判断力の低下を招きます。
その結果、物事に集中しにくくなったり、考えがまとまりにくくなったりすることがあります。
また、睡眠リズムの乱れは感情のコントロールにも影響し、イライラしやすくなる、
意欲が低下する、気分が落ち込むといった精神的な不調につながることもあります。
実際に睡眠リズム障害の多くの患者では、中等度以上の抑うつ症状がみられることが報告されています。
慢性的な睡眠不足や夜型生活は、情緒の不安定化や記憶力の低下を招き、
心の健康にも大きな負担を与える可能性があります。
社会生活への悪影響
昼夜逆転が続くと、朝起きられず遅刻や欠席が増え、仕事や学校生活に大きな支障をきたします。日中の強い眠気や集中力低下によって、学業成績の低下や業務効率の悪化につながることもあります。
さらに、約束や時間を守れない状況が続くと、周囲からの信頼を失い、社会的信用の低下を招く可能性があります。
また、生活時間が家族や友人と合わなくなることで交流の機会が減り、孤立感を抱きやすくなることも少なくありません。
昼夜逆転は睡眠の問題にとどまらず、学業・仕事・人間関係など社会生活全体に影響を及ぼす可能性があります。
よくある質問
昼夜逆転はなぜ起きる?
昼夜逆転は、夜更かしや不規則な生活によって体内時計が後ろへずれることで起こります。「朝の光を浴びる機会が少ない」「夜間にスマホやパソコンを長時間使用する」「食事や睡眠の時間が不規則になる」
などが起こると、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が遅れ、夜に眠れず朝起きられなくなります。
また、ストレスや夜勤・交代勤務なども体内時計を乱す要因となり、昼夜逆転を引き起こします。
昼夜逆転が治らない場合、治療にいくらかかる?
昼夜逆転が生活改善だけでは治らず、学校や仕事に支障が出ている場合は睡眠外来での治療が検討されます。費用は保険診療(3割負担)の場合、初診でおおむね5,000円前後、再診で2,000〜3,000円程度が目安です。
睡眠日誌の確認や生活指導のほか、必要に応じて検査や薬物療法が行われることもあり、その場合は追加費用がかかります。
まずは睡眠に詳しい医療機関や睡眠専門医への相談がおすすめです。
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