カテゴリ:眠り
スマホ首(ストレートネック)が及ぼす睡眠への悪影響。対策方法についても紹介
スマートフォンの長時間使用やPC作業による前傾姿勢が習慣化した現代社会。多くの人が無意識のうちに「スマホ首」や「ストレートネック」と呼ばれる状態に陥っています。
この姿勢不良が、肩こりや首の痛みを引き起こすだけでなく、実は「睡眠の質」にも大きな影響を及ぼすことが、近年の研究で明らかになってきました。
「なかなか眠れない」「夜中に何度も目が覚める」「寝ても疲れが取れない」――それはもしかすると首の問題かもしれません。
今回は、ストレートネックがもたらす睡眠への影響とそのメカニズム、そして日常生活の中でできる対策まで、睡眠の面から心身の健康をサポートする「青山・表参道 睡眠ストレスクリニック」の院長の中村真樹先生に解説いただきます。
目次
そもそも「スマホ首(ストレートネック)」とは?
私たちの首の骨(頸椎)は、通常30〜40度のカーブ(前弯)を描いて頭を支えています。しかし、スマートフォンを長時間覗き込むような前傾姿勢が続くと、このカーブが失われて首がまっすぐになってしまいます。これが、いわゆる「ストレートネック」と呼ばれる状態です。
頭の重さは約4〜6kgと言われていますが、前に傾く角度が増すごとに首への負荷は大きくなります。
例えば、15度傾けると約12kg、30度では約18kgと、首や肩に倍以上の負荷がかかることも。
これが長時間続くことで、慢性的なコリや痛み、姿勢の悪化を招きます。
ストレートネックが引き起こす「睡眠トラブル」
ストレートネックと睡眠の関係については、さまざまな研究から以下のような悪影響が報告されています。1. 気道が狭くなることで、睡眠時無呼吸症候群のリスクが上昇
ストレートネックになると、頸椎のカーブが失われ、首の位置が前に出てしまいます。これにより、喉まわりの気道が圧迫されやすくなり、睡眠中の呼吸に影響を与える可能性があります。
実際に、「頸椎のカーブの程度」と「睡眠時無呼吸症候群(OSA)の重症度」は相関するという報告もあり、ストレートネックの人はOSAを発症しやすい傾向があると考えられています。
OSAは、睡眠中に何度も呼吸が止まり、そのたびに脳が覚醒するため、睡眠の質を著しく下げてしまう疾患です。
いびきや日中の強い眠気、集中力の低下といった症状が現れるため、放置は禁物です。
2. 自律神経の乱れで、入眠しにくくなる・眠りが浅くなる
首まわりには、自律神経の働きに関与する神経が多く存在しています。ストレートネックのような首の前傾姿勢が続くことで、こうした神経に影響が及び、交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまうのです。
自律神経が乱れると、「寝つけない」「何度も目が覚める」「朝早く目が覚めてしまう」などの不眠症状が現れやすくなります。
特に、副交感神経(リラックスをつかさどる神経)が働きにくくなると、体が休まるモードに入りづらく、深い眠りが妨げられます。
3. 肩こり・首の痛みが眠りを妨げる
痛みがあると、当然ながら寝つきが悪くなり、夜中に目が覚めやすくなります。さらに、痛みによるストレスが不眠を助長するという悪循環にも陥ることも。
実際に、ある調査では「首に痛みを抱えている人は、そうでない人と比べて、睡眠障害を報告する割合が約5倍」との結果が出ています。
日中は我慢できる程度の痛みでも、静かな夜には意識が向いて眠れなくなるということも少なくありません。
ストレートネックによる不眠は、次第に「痛み→不眠→疲労感の蓄積→さらなる痛みの悪化」という負のループに入ってしまうこともあります。特に、寝ても疲れが取れない感覚が続くと、日中の集中力・判断力の低下やメンタル面の不調にもつながります。
眠りを守るためにできる「ストレートネック対策」
では、どうすればストレートネックによる睡眠トラブルを防げるのでしょうか?日常生活の中で簡単に取り入れられる対策をご紹介します。
首のストレッチを習慣化する

首を前や後ろ、左右にゆっくりと倒して、首回りの筋肉を伸ばしましょう。
頭を倒す際は、手で軽く頭を押さえながら倒すと、より筋肉の伸びを感じることができます。
寝る前に1〜2分程度、首を軽く前後左右にゆっくり動かすだけでもOK。
深い呼吸と組み合わせることでリラックス効果も高まります。
また、タオルを使ったストレッチなどもおすすめです。
参考:タオルストレッチで、ストレートネックや巻き肩を改善!|タオルト
枕の高さを見直す
ストレートネックの人は、首の自然なカーブが失われているため、従来の高さのある枕では首が圧迫されやすくなります。首のカーブに合わせた低めの枕や、首をやさしく支える構造の枕を選ぶことが大切です。
仰向けで自然な姿勢が取れるような寝具を選びましょう。
姿勢を正す生活習慣
デスクワーク中の姿勢を意識するだけでも、首への負担は大きく変わります。モニターの高さを目線に合わせる、1時間に1回は立ち上がって肩を回す、スマホを見るときは顔の高さまで持ち上げるなど、日々の意識が大切です。
専門家の施術を受ける
整体師や理学療法士による姿勢矯正や、整形外科での診断・治療も有効です。慢性的な痛みや不眠が続く場合には、自己判断せず、専門医を受診しましょう。
大切なのは毎日のケア。それでも困ったら医療機関へ
ストレートネックは、現代人にとって決して他人事ではありません。見た目の姿勢の問題にとどまらず、私たちの眠りの質を大きく左右する重要な要素です。
首の状態を整えることで、呼吸も深くなり、自律神経も安定し、眠りの質が向上します。
「最近、よく眠れないな」と感じている方は、ぜひ一度ご自身の姿勢や枕、日中の生活習慣を見直してみてください。
寝具や生活習慣の改善をしても、不眠や頸部の痛みが続くようなら、早めに医療機関を受診しましょう。
快適な眠りは、健康と美しさの第一歩。あなたの「首のケア」が、ぐっすり眠れる毎日への鍵になるかもしれません。
ストレートネック対策におすすめの寝具
医師がすすめる健康枕
姿勢の改善としてまず考えたいのが、正しい寝姿勢をキープできる枕かどうか。
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監修者さまプロフィール

青山・表参道 睡眠ストレスクリニック院長
中村真樹先生
日本睡眠学会総合専門医・指導医。東北大学医学部卒業、東北大学大学院医学系研究科修了後、東北大学病院精神科で助教、外来医長を務める。その後、睡眠総合ケアクリニック代々木院長を経て、2017年「青山・表参道 睡眠ストレスクリニック」を開院。臨床と研究、両面の実績があり、睡眠に悩む多くの患者さんの治療にあたっている。ビジネスパーソン向けの書籍『仕事が冴える眠活法』(三笠書房)も話題に。
https://omotesando-sleep.com/
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