「疲れているはずなのに眠れない」「きちんと眠っているはずなのに疲れが取れない」などでお悩みの方は、快眠に必要な栄養素を食で補ってみるのも一つの手かもしれません。快眠に必要な要素をnishikawaがピックアップ。疲れた夜でも簡単に作れて、心と体を休めてくれる“快眠スープレシピ”を、スープ作家の有賀薫さんに教えていただきました！

 

体の深部を温め眠りにいざなうスープ「牡蠣と豆腐のみそチゲ」

牡蠣を使ったみそ味のチゲスープ。ピリリとした辛さを濃厚なみそ味が程よくマイルドにしてくれ、食べやすい一品です。
寝つきが悪い原因の一つに、深部体温（直腸内の体温）が下がらないことがあげられます。深部体温を下げるには、一度上昇させる必要があるのですが、そんなときにぴったりなのが唐辛子。唐辛子に多く含まれる「カプサイシン」が体を温め、深部体温を下がりやすくしてくれます。

「韓国の唐辛子粉は辛いタイプと甘いタイプがあり、このレシピで使用しているのは甘口。辛いタイプや日本の一味唐辛子を分量通り入れると辛すぎるので、胃に負担のないよう適した辛さに調節しましょう！」（有賀さん）

▼材料(2人分)
牡蠣...1パック (200gぐらい) 
豆腐...1/2丁 (200g) 
長ねぎ...1/2本
しめじ...1/2パック 
糸とうがらし…お好みで

【A】
みそ...大さじ2 
おろしにんにく...1かけ分
唐辛子粉 (甘いタイプ)...小さじ1
ごま油...大さじ1

▼作り方
①牡蠣はさっと洗ってざるにあげる。長ねぎは斜め薄切りに、しめじは根元を切ってバラし、 豆腐は食べやすい大きさに切る。
②鍋にAを入れて練り合わせ、中火にかけて混ぜながら1分加熱する。水300mLを少しずつ加えてみそをのばし、煮立てる。
③2に1を加え、牡蠣がしっかり煮えたら味をみて、薄ければみそで調える。 お好みで糸とうがらしをのせる。

 

さっと煮るだけ！10分でできる「サラダチキンとアスパラのスープ」

栄養とカロリーも気になる方はこちらのスープがおすすめ。タンパク質が豊富でヘルシーなサラダチキンと野菜をしっかりいただける、シンプルなスープです。

鶏肉に含まれる必須アミノ酸「トリプトファン」は、眠りの質を高めるだけでなく、不安やイライラを和らげるホルモン「セロトニン」の分泌を促します。夕食に摂ったトリプトファンは、体内に入って分解され、翌朝にはセロトニンへ変化。トリプトファンは毎食摂れたらベストですが、難しい場合は夕食だけでも意識すると良いでしょう。

▼材料 (2人分)
アスパラ...2束 (200g〜250g) 
お好きなサラダチキン (プレーン) ...1枚 
塩...小さじ1/2 
片栗粉...小さじ1

▼作り方
①アスパラは下1/3だけピーラーで皮をむき食べやすい大きさに、サラダチキンは一口サイズに切る。
②アスパラとサラダチキンを鍋に入れ、水100mLと塩を加えてふたをし、中火にかけ、5〜6分蒸し煮する。
③水250mLをさらに加えて温め、 片栗粉を同量の水で溶いて加える。

 

電子レンジで約2分！火を使わない「鹹豆漿（シェンドウジャン）」

「台湾の定番朝ごはん『鹹豆漿』を再現しました！固まりかけの豆乳がふるふると、食べ応えのあるスープになっています」（有賀さん）

豆乳、油揚げの大豆製品は、前述した「トリプトファン」が豊富に含まれるほか、イライラを抑えてくれる「カルシウム」も摂取できます。おうちで余りがちな豆乳を上手に使って、入眠スープのできあがり！

▼材料(1人分) 
無調整豆乳...200ml
油揚げ...1/2枚
乾燥桜えび...小さじ1
ザーサイ (びん詰め)...小さじ1 
青ねぎ、ラー油…お好みで

【A】
酢...小さじ2
しょうゆ...小さじ1 

▼作り方
①油揚げをオーブントースターで焼いて焦げ目をつけ、 キッチンペーパーで軽く油をおさえ1cm幅に切る。
②レンジにかけられる器に豆乳と桜えび、ザーサイを入れ、 1分半〜2分レンジにかける。
③Aを2の器に加え、スプーンで軽く混ぜ、 固まり始めたら①の油揚げをトッピングする。 お好みで刻んだ青ねぎやラー油を加える。
 
バリエーション豊かな3つのスープをご紹介しました。夕食は眠る2時間前までにとるのが理想的ですが、どうしても小腹が空いて眠れないときの夜食としてもスープはぴったりです。
体と心に優しいスープで、一日の終わりにほっと一息ついてみませんか？


参考書籍：
有賀薫さん著書
『帰り遅いけどこんなスープなら作れそう（文響社）』


撮影：土居麻紀子