カテゴリ:眠り
愛犬や愛猫(ペット)と一緒に寝るのはOK?専門家がメリットとデメリットを解説
家族も同然に大切なペットですが、就寝時はどうしていますか?一緒に寝たい気持ちはありつつも、睡眠に影響はないのか、衛生的に問題はないのか気になるところです。
そこで今回は、気になる疑問から就寝時のペットとの上手な付き合い方、さらにはペットと一緒に寝るメリットまで、睡眠コンサルタントの友野なお先生にお聞きしました!
「しかしながら、睡眠の質という観点からすると、あまり推奨できません。学術的な裏付けがあるわけではありませんが、添い寝をするペットの存在が気になり、睡眠が浅くなってしまう可能性があるからです」(友野先生)
以前、『眠りのレシピ』でもご紹介したように、少しの物音にも敏感に反応し、眠りが浅くなってしまう「センシティブ・スリーパー」と呼ばれる人たちがいます。こうした人は気心の知れた相手との添い寝にも苦痛を感じやすい傾向にありますが、一緒に眠るのがペットの場合、繊細な人でなくとも、眠りに影響が出やすい可能性が否定できないのです。
現代のペットは本来の性質が昼行性か夜行性かにかかわらず、人と同じような生活サイクルを送ってはいますが、それでも社会的な行動を求められ、日中に働く人間とは差違が生じます。さらに動物は「深夜だから」と行動を律せるとも限らず、一緒に寝ている最中に動き出したり、鳴き出したりすることも。
また、飼っているペットが小さい場合には、特に注意が必要だそう。新生児を育てる親御さんが赤ちゃんに対して抱く不安のように、「眠っているうちに、押しつぶしてしまったらどうしよう」という怖さと保護の気持ちが無意識のうちに生じ、ぐっすり眠れなくなる場合もあります。
「こうした私たち人間への影響のみならず、ペットに影響を及ぼす可能性も否定できません。犬の場合も猫の場合も、快適に過ごせる気温は人間とあまり変わりませんが、布団の内部は熱がこもりがち。そこで人間は寝間着による温度調節が可能ですが、動物にはそれができず、不快な環境で寝かせることになりかねません」(友野先生)
私たち人間のためにも、愛するペットのためにも、就寝環境は分けたほうがベター。そのために友野先生が推奨するのが、ペットに対する「ネントレ」。ネントレとは「ねんねトレーニング」の略称であり、赤ちゃんがひとりで眠れるようになるためのトレーニングを指します。
「赤ちゃんに対するネントレの方法はさまざまですが、ペットに対しては飼い主と寝ることが当たり前にならないよう、別々に寝ることを習慣づけるのが重要です。そのためには、単に一緒には寝ないという意思表示だけでなく、ペットの寝床をきちんと設けるようにしましょう」(友野先生)
それでも時として、どうにか飼い主と一緒に寝ようと、何度も布団に潜り込んでくるケースもありますよね。そんなときは「受け入れてしまいましょう」と友野先生。一緒に寝ようとするペットと、別々に寝ようとする飼い主。この攻防を繰り返していては、睡眠時間が削られるばかり。本末転倒であるのと同時に、ペットも悲しむことでしょう。
ペットと一緒に寝るときは可能であれば換気をし、換気が難しい場合には空気清浄機を使いましょう。ペットのニオイが緩和され、無意識の眠りづらさが和らぐ可能性があります。また、ペットにノミやダニが付着している可能性もゼロではないため、翌日には布団に付いた毛を払い、天日干しや風通しのよい場所での陰干し、布団乾燥機を使用するのが安心です。
ただし、たまのことであっても、赤ちゃんとペットを一緒に寝かせるのはNG!生まれて間もない赤ちゃんは、どんなアレルギーを持っているか分かりません。動物に対するアレルギーを持っていた場合、ペットと添い寝をすることで強い反応が起き、重篤な症状を引き起こす可能性が否めないからです。
「その効果とは『タッピング効果』です。タッピング、つまりは指の腹を使って軽く弾ませるように身体に触れることにより、心身にリラクゼーション効果をもたらすことが実証されています。人の身体はもちろん、動物に触れることでも同様の効果が期待できるのです」(友野先生)
タッピングによるリラクゼーション効果をもたらしているのが、愛情ホルモンや幸せホルモンとも呼ばれる「オキシトシン」。タッピングのようなスキンシップによって盛んに分泌され、安心感や多幸感をもたらします。
「添い寝をしていれば、自然とペットの身体に触れますよね。それだけでも効果は期待できますが、せっかく一緒に寝るなら、優しく軽やかに、ペットを撫でてみてください。タッピングは動物にも効果的とされ、私たち人間が癒されるばかりか、ペットも穏やかな気持ちになれるはずです」(友野先生)
目まぐるしく変化する社会や生活環境により、私たち人間はストレスフルな毎日を送っています。でもそれは、人間だけではありません。特に犬の場合、飼い主が慢性的なストレスを抱えていると、そのストレスがペットにも伝播するといった研究報告もあります。
もし、あなたのペットが頻繁に一緒に寝たがるようなら、もしかするとそれは、ペットがストレスを抱えている証なのかも。そこで飼い主のストレスもペットのストレスも、相互的に癒してくれるのがタッピング効果!愛するペットに優しく触れれば、抱えていた不安感が癒され、飼い主もペットも、ぐっすり眠れるかもしれません。
そこで今回は、気になる疑問から就寝時のペットとの上手な付き合い方、さらにはペットと一緒に寝るメリットまで、睡眠コンサルタントの友野なお先生にお聞きしました!
愛犬や愛猫(ペット)と一緒に寝るデメリット
飼い主に心を許したペットであればこそ、布団に潜り込んでくる、なんてことも珍しくないはずです。ペットの体温によって、布団はぬくぬく。かわいさに温かさも相まって、ついつい一緒に寝たくなります。「しかしながら、睡眠の質という観点からすると、あまり推奨できません。学術的な裏付けがあるわけではありませんが、添い寝をするペットの存在が気になり、睡眠が浅くなってしまう可能性があるからです」(友野先生)
以前、『眠りのレシピ』でもご紹介したように、少しの物音にも敏感に反応し、眠りが浅くなってしまう「センシティブ・スリーパー」と呼ばれる人たちがいます。こうした人は気心の知れた相手との添い寝にも苦痛を感じやすい傾向にありますが、一緒に眠るのがペットの場合、繊細な人でなくとも、眠りに影響が出やすい可能性が否定できないのです。
現代のペットは本来の性質が昼行性か夜行性かにかかわらず、人と同じような生活サイクルを送ってはいますが、それでも社会的な行動を求められ、日中に働く人間とは差違が生じます。さらに動物は「深夜だから」と行動を律せるとも限らず、一緒に寝ている最中に動き出したり、鳴き出したりすることも。
また、飼っているペットが小さい場合には、特に注意が必要だそう。新生児を育てる親御さんが赤ちゃんに対して抱く不安のように、「眠っているうちに、押しつぶしてしまったらどうしよう」という怖さと保護の気持ちが無意識のうちに生じ、ぐっすり眠れなくなる場合もあります。
「こうした私たち人間への影響のみならず、ペットに影響を及ぼす可能性も否定できません。犬の場合も猫の場合も、快適に過ごせる気温は人間とあまり変わりませんが、布団の内部は熱がこもりがち。そこで人間は寝間着による温度調節が可能ですが、動物にはそれができず、不快な環境で寝かせることになりかねません」(友野先生)
愛犬や愛猫(ペット)と一緒に寝る場合のポイント
私たち人間のためにも、愛するペットのためにも、就寝環境は分けたほうがベター。そのために友野先生が推奨するのが、ペットに対する「ネントレ」。ネントレとは「ねんねトレーニング」の略称であり、赤ちゃんがひとりで眠れるようになるためのトレーニングを指します。
「赤ちゃんに対するネントレの方法はさまざまですが、ペットに対しては飼い主と寝ることが当たり前にならないよう、別々に寝ることを習慣づけるのが重要です。そのためには、単に一緒には寝ないという意思表示だけでなく、ペットの寝床をきちんと設けるようにしましょう」(友野先生)
それでも時として、どうにか飼い主と一緒に寝ようと、何度も布団に潜り込んでくるケースもありますよね。そんなときは「受け入れてしまいましょう」と友野先生。一緒に寝ようとするペットと、別々に寝ようとする飼い主。この攻防を繰り返していては、睡眠時間が削られるばかり。本末転倒であるのと同時に、ペットも悲しむことでしょう。
ペットと一緒に寝るときは可能であれば換気をし、換気が難しい場合には空気清浄機を使いましょう。ペットのニオイが緩和され、無意識の眠りづらさが和らぐ可能性があります。また、ペットにノミやダニが付着している可能性もゼロではないため、翌日には布団に付いた毛を払い、天日干しや風通しのよい場所での陰干し、布団乾燥機を使用するのが安心です。
ただし、たまのことであっても、赤ちゃんとペットを一緒に寝かせるのはNG!生まれて間もない赤ちゃんは、どんなアレルギーを持っているか分かりません。動物に対するアレルギーを持っていた場合、ペットと添い寝をすることで強い反応が起き、重篤な症状を引き起こす可能性が否めないからです。
愛犬や愛猫(ペット)と一緒に寝るメリット
積極的な推奨は難しいペットとの添い寝ですが、デメリットだけではありません。長く続くコロナ禍やリモートワークの定着による生活リズムの乱れをはじめ、さまざまなストレス要因に囲まれる私たちにとっても、さらにはペットにとっても、ポジティブな効果を得られるのです。「その効果とは『タッピング効果』です。タッピング、つまりは指の腹を使って軽く弾ませるように身体に触れることにより、心身にリラクゼーション効果をもたらすことが実証されています。人の身体はもちろん、動物に触れることでも同様の効果が期待できるのです」(友野先生)
タッピングによるリラクゼーション効果をもたらしているのが、愛情ホルモンや幸せホルモンとも呼ばれる「オキシトシン」。タッピングのようなスキンシップによって盛んに分泌され、安心感や多幸感をもたらします。
「添い寝をしていれば、自然とペットの身体に触れますよね。それだけでも効果は期待できますが、せっかく一緒に寝るなら、優しく軽やかに、ペットを撫でてみてください。タッピングは動物にも効果的とされ、私たち人間が癒されるばかりか、ペットも穏やかな気持ちになれるはずです」(友野先生)
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目まぐるしく変化する社会や生活環境により、私たち人間はストレスフルな毎日を送っています。でもそれは、人間だけではありません。特に犬の場合、飼い主が慢性的なストレスを抱えていると、そのストレスがペットにも伝播するといった研究報告もあります。
もし、あなたのペットが頻繁に一緒に寝たがるようなら、もしかするとそれは、ペットがストレスを抱えている証なのかも。そこで飼い主のストレスもペットのストレスも、相互的に癒してくれるのがタッピング効果!愛するペットに優しく触れれば、抱えていた不安感が癒され、飼い主もペットも、ぐっすり眠れるかもしれません。
睡眠コンサルタント
友野 なお 先生
睡眠コンサルタント、株式会社SEA Trinity代表取締役。自身が睡眠を改善したことにより、15kgのダイエットと重度のパニック障害の克服、体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。現在は千葉大学大学院 医学薬学府 先進予防医学 医学博士課程(社会医学・社会疫学・予防医学)にて健康寿命の延伸と健康格差の縮小を目指し、睡眠と健康に関する研究活動を行う。 順天堂大学大学院 修士。日本公衆衛生学会、日本睡眠学会、日本睡眠環境学会 正会員。行動療法からの睡眠改善、快眠を促す寝室空間づくりを得意とし、全国での講演活動、企業の商品開発やコンサルテーション、執筆活動などを行う。
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