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寝汗とは?ひどい寝汗の原因と対策について徹底解説

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寝汗とは?ひどい寝汗の原因と対策について徹底解説

時に不快感を伴う寝汗は、誰にでもあたりまえに生じる生理現象。その一方で、寝汗の陰になんらかの病気が隠れていることも。
 
では、私たちはどうして寝汗をかき、どのような場合に病気を疑うべきなのでしょうか?
気になる原因から寝汗の対策まで、東洋医学を専門とし、「寝汗のかき方は体調のバロメーター」と指摘する医師・花輪壽彦先生に教えていただきました。

 

寝汗とは何か?

寝汗は誰にでも生じる生理現象。気温の低い冬であっても、ひと晩にコップ1杯分ほどの寝汗をかくといわれています。

「寝汗をかくのは、日中のうちに体内にこもった熱を放散し、体温調節をするため。寝汗は人が健康に生きるために必要な現象であり、これには副交感神経の働きが関係しています。
疲れた身体を休息させるため、副交感神経は睡眠中に優位に働きます。寝汗によって体内の熱を放散することも、疲れを回復させるための現象といえます」。
 
副交感神経とは反対に、日中に優位に働くのが交感神経。両者はどちらも自律神経と呼ばれ、お互いがシーソーのようにバランスを取りながら機能しています。

ひどい寝汗は「盗汗」かも
しかし、このバランスが乱れてしまうと、必要以上の寝汗をかきやすくなるというのです。
 
「自律神経のバランスが乱れると体温調節の機能がうまく働かず、多量の寝汗をかきやすくなります。
東洋医学では生理現象とは別の良くない汗のことを『盗汗(トウカン)』と呼びますが、シーツまで濡れてしまうほどの寝汗のほか、上半身、特に頭から首筋に汗をかきやすいのも盗汗に見られる傾向のひとつです」。

 

寝汗をそのまま放ってくと起こること

寝汗を放っておくことはおすすめできません。病気のシグナルだけでなく、病気の直接的な原因にもなり得ます。

風邪を引く
寝汗によって身体が冷え、風邪を引いてしまうことがあります。

肌トラブルの原因に
大量の汗によって汗を排出する「汗管」が一時的に詰まってしまい、汗がスムーズに排出されなくなることから、あせもの症状を引き起こしてしまうこともあるのです。

寝具の傷みの原因に
また、寝汗が染み込んだ寝具をそのままにしておくのも要注意。雑菌が繁殖してしまい、寝具のニオイやカビの原因になってしまうからです。

 

寝汗が多い場合はこんな病気が潜んでいるかもしれません

ひどい寝汗の陰には、重大な疾患が隠れていることもあります。なお、寝汗による中途覚醒でお悩みの方は、こちらの記事をご確認ください。

更年期の寝汗による中途覚醒…どう対応すべき!?産婦人科医に聞く「更年期」によくある睡眠トラブル

自律神経失調症
良くない寝汗の原因ともなる、自律神経のバランスの乱れ。 その主な原因は、疲労や体力低下にストレス。誰にでも起こり得ることだけに、かえって軽視してしまいがちですが、自律神経のバランスが乱れると寝汗がひどくなるほか、動悸や息切れ、下痢や便秘、不眠の症状が現れることもあり、「自律神経失調症」と診断されるケースもあります。

甲状腺の病気(甲状腺機能亢進症)
甲状腺機能亢進症とは、甲状腺に異常が起こり甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまう病気です。膠原病やバセドウ病などが挙げられます。
甲状腺ホルモンが分泌されると交感神経の働きが活発化するため、寝汗がひどくなることがあります。

肺MAC症
 肺MAC症とは、「MAC菌」と呼ばれる菌への感染によって発症する肺疾患。人から人に感染はしないものの、発症すると咳や痰が増え、血痰が出ることもあります。
さらに進行すると発熱やだるさ、食欲低下による体重低下が起こり、最悪の場合には呼吸困難に陥る可能性もあるといいます。あまり聞き慣れませんが、「昨今、特に女性に急増中」といわれる病気です。
 
ただし、花輪先生は「汗の量には個人差や年齢差があります」とも指摘します。
「赤ちゃんや幼児は汗をかきやすい一方、加齢によって発汗機能が低下することから、高齢者は汗をかきづらくなります。これは寝汗も同様です。そのため、どれほどの寝汗をかいたら要注意という、明確な目安はありません。しかし、ご自身が感じる不快感と併せ、日中に強い倦怠感があったり、体重減少が続いていたり、微熱が続いたりしている場合には、軽視せずに医療機関を受診してください」。


 

寝汗への対策方法は?

あまりに大量の寝汗をかいたり、ほかの体調不良が伴ったりする場合には医療機関の受診が大切ですが、ひとまずの対策としてセルフケアはできないのでしょうか?

漢方薬を服用する 
「寝汗の原因に自律神経が関係している場合、漢方薬の効果が期待できます。漢方薬は本来、患者さんの症状や生活習慣を細かく問診しながら処方を決定しますが、市販されている漢方薬なら『清暑益気湯(セイショエッキトウ)』をおすすめします。効果・効能に明示されていないものの、寝汗にも効果のある漢方薬です」。
 
暑い環境では自律神経のバランスが乱れやすくなることから、睡眠時の気温にかかわらず、ひどい寝汗をかきやすくなります。
そこで、花輪先生がおすすめする清暑益気湯は「暑さを清め、元気を増す」と言った意味を持つ漢方薬だそう。

漢方についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。

漢方医学から見る「寝汗」の原因と対策とは

適度な運動を心がける
ひどい寝汗の原因のひとつが自律神経の乱れである以上、生活習慣を整えることも欠かせません。なかでも花輪先生は「適度な運動が大切」と指摘します。
 
「多量の寝汗をかく場合には体調不良や病気を疑うべきですが、汗をかくこと自体は健康のために必要なこと。常にクーラーをかけ、日中に汗をかかない生活をしていれば、体内にこもる熱も増えます。適度に汗をかくことが快眠と健康な生活につながるのです」。
 
ちなみに、花輪先生ご自身は週に1度、合気道の稽古に通われているそう。「稽古が終わると全身が汗びっしょり。しかし、不快感はなく、むしろ爽快です」と話しますが、合気道は自律神経のバランスを整えるためにも効果的だと言います。
 
「合気道は、姿勢が非常に重要です。特に『仙骨』という、骨盤の真ん中にある三角形の骨に意識を集中させますが、おのずと背筋がピンと張り、姿勢が整います。特に最近はスマホやPCの見過ぎにより、ストレートネックになる人が増えています。首には神経が集中しているため、悪い姿勢は自律神経の失調を招きやすいのです」。
 
「ストレートネック」とは、本来は自然な湾曲を描いている首の骨が、まっすぐになってしまうこと。これを防ぐには正しい姿勢をとることが大切なため、「正しい姿勢に導いてくれる、サポートクッションを用いるのもおすすめです」と花輪先生。
 
nishikawaでも骨のポジションを安定させ、理想の姿勢に導くクッション<Keeps>を販売しています。実は、日本人の平均座位時間は約7時間。睡眠時間にも匹敵するほど座っている時間が長くなっています。適度な運動と併せ、正しい姿勢を身につけることも大切です。
また、ひどい寝汗の原因が自律神経ではなく、気温だったとしても、寝汗の不快感は睡眠の質を低下させます。
そのため、花輪先生は「室温調整のほか、通気性や保温性が高く、軽量の寝具を選び、吸水性の高い寝間着を選ぶことも大切です」と指摘します。


 

寝汗対策におすすめのnishikawaの寝具

冒頭でもお伝えしたとおり、生理現象としての寝汗であったとしても、放置することは推奨できません。寝汗が染み込んだ寝具をそのままにしては、寝具のニオイやカビの原因になりかねないからです。

とはいえ、寝具をこまめにお洗濯するのはひと苦労。nishikawaでは、ついつい後回しにしがちな寝具のケアを簡単に、清潔に保つためのアイテムをラインアップしています。

除湿シート サラネル シングル ブルー

寝具のなかでも特に肌に触れるのが、ベッドパットや敷き布団。とりわけ敷き布団はそれなりの重量があり、天日干しをするのも面倒になりがちです。

<除湿シート サラネル>は、ベッドパットや敷き布団の下に敷くだけ。自然な吸湿力を持つ特殊シリカゲルを使用し、寝汗をはじめとする湿気をぐんぐん吸収します。

シートは敷き布団よりも薄く、軽いため、天日干しをするのも手軽。さらにはシートが含んだ水分量を感知し、シートの干し時をお知らせする吸湿センサーも付属しています。

ピロータオル

「寝汗」と聞いたときに見落としがちなのが、頭部から出る汗ではないでしょうか? 頭部から出る汗は枕に染み込み、肌トラブルに直結。こまめに枕カバーをお洗濯する必要がありますが、これもまた面倒ですよね。

nishikawaの<ピロータオル>は、ささっと簡単に取り外しができるリボン式。生地には吸水性に優れ、お洗濯をするたびにボリューム感がアップするnishikawaオリジナルの<moussepuff>を使用しています。

寝汗をスッと吸収し、お洗濯のために枕からカバーを外す手間も削減。洗うたびにふわふわの風合いになり、お肌の天敵である摩擦も軽減してくれます。
 
***
 
花輪先生が専門とする東洋医学の世界では、古くから「自然に順応した生活、適切・適量のバランスのとれた食事、身体の柔軟性とバランス、充分な睡眠、精神的安定」の大切さが説かれているといいます。
 
寝汗の量や不快感を体調のバロメーターにしつつも、睡眠や姿勢を含めた日々の生活を整えることが、健康へのなによりの近道なのです。
 

北里大学名誉教授

花輪壽彦 先生

1982年より北里大学研究所東洋医学総合研究所に勤務。2001年より北里大学大学院医療系研究科東洋医学指導教授を兼務。元北里大学東洋医学総合研究所所長。著書に、自身の入門時を振り返り、初学者には難解な漢方を従来とは異なる切り口で学びやすく著した『漢方診療のレッスン』(金原出版)や、日本経済新聞の連載をまとめた『漢方よろず相談』(永劫)などがある。

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