カテゴリ:眠り
睡眠専門医が解説!助手席で眠くなる理由と予防策
うららかな陽気に誘われ、おでかけ気分が盛り上がる春はドライブが楽しくなる季節です。特にコロナ禍の今は密を避け、車でのおでかけが増えている様子。
そこで今回のテーマは「助手席での居眠り」。助手席に乗っていると、ついうとうとと居眠りしてしまい、運転する人から冷たい視線を向けられる、なんて苦い思い出がある方も多いはず。車内の空気が悪くなるばかりか、ケンカにもなりかねない助手席での居眠りに予防策はあるのでしょうか?
この疑問に答えてくれるのは、あらゆる睡眠障害の治療を行う「睡眠総合ケアクリニック代々木」の竹内暢先生。助手席に乗る人はもちろん、運転する方や日常的な眠気にも応用できる、眠気の予防策をご紹介します。
「適切な睡眠を取れていることが前提になりますが、人は自分から積極的に働きかけを行わない、つまりは受け身であるときには、より眠気を感じやすい傾向にあります。助手席では緊張した状態で運転をしている訳ではないため、どうしても眠くなりやすいのです。また、ドライバーと信頼関係があり、ついつい甘えられる人であれば、なおさら安心して眠たく感じてしまうのではないでしょうか」(竹内先生)
ドライバーとの信頼関係がなければ、無言の車内に気まずさを感じ、どうにか会話をしようと努めますよね。「何かをしなければ!」という状態は受動とは反対の能動的な状態のため、眠気を感じづらいというわけです。ということは、助手席での居眠りを予防する策は、能動的におしゃべりをすること!
「注意が散漫になるほど夢中になっては、かえって事故の危険性が高まりますが、適度な会話はひとつの刺激です。運転を担うドライバーにとっても眠気の防止となり、事故の抑制につながります」(竹内先生)
ただし車に同乗するのが、常に親しい間柄の人とは限りませんよね。まだおしゃべりが弾むほど仲良くなかったり、同乗者が静かな環境を好む場合は、車内がシーンとなりがちです。すると次第に漫然とし、眠気を感じやすくなるのです。
「そうした場合には、ガムを噛むのが有効です。何かを噛むこと自体が刺激になるため、眠気覚ましを謳った辛いガムでなくとも効果を期待できます」(竹内先生)
ガムを噛むほか、眠気覚ましとして広く知られているカフェインの摂取も効果的ですが、竹内先生は「摂取量と摂取する時間帯には注意が必要です」と指摘します。
「コーヒー1杯を150mlとした場合、1杯に60~90mgのカフェインが含まれていますが、カフェインの摂取量は1日500mgが限度。それを超えると体調不良を起こしかねません。また、カフェインの効果は約4時間後から半減し始めます。夕方以降の摂取は夜の眠りにまで影響し、睡眠のリズムを崩してしまう可能性があるので注意しましょう」(竹内先生)
「人には置かれた状況に関わらず、眠くなりやすい時間帯があります。夜になるにつれ、起きている時間が長くなるほど眠くなるのは当然ですが、人は昼食後の時間帯にも眠気を感じやすいのです」(竹内先生)
昼食後の眠気は、誰もが経験しているはず。お昼ご飯を食べてお腹いっぱい。その満腹感による眠気かと思いきや、昨今の研究により体内時計による生理的現象ということが明らかになりつつあります。事故に遭わぬよう緊張感を持って運転しているドライバーでも単調な道路と景色が続き、人が侵入する可能性の低い高速道路の運転中はどうしても緊張感が緩み睡魔に襲われがち。
「お昼の時間帯に眠くなるのは人体の摂理。この眠気は助手席か、運転席かに関わらず生じるため、お昼にはいったん休憩を取り、仮眠を取ってみてください。すると助手席の人も運転席の人も、頭がすっきりするはずです」(竹内先生)
ただし、仮眠はあくまでも仮眠。「30代くらいまでの方は15分程度、40代以上の方は20分程度の仮眠にとどめてください」と竹内先生。年齢によって差はあるものの、人は15~20分以上眠ると深い睡眠へと切り替わるため、頭がしっかり目覚めるまでに時間を要してしまうそう。また3時以降の長めの過眠は、夜の睡眠を妨げる一因にもなります。
ちなみにカフェインの覚醒効果が現れ始めるのは、摂取から約15分後。お昼の休憩がてらサービスエリアに寄り、コーヒーや紅茶、緑茶といったカフェイン含有の飲料を1杯。その後に15分ほどの仮眠を取れば、起きた時にちょうど覚醒するのですっきりとするはず!
お昼寝前にコーヒーを飲むことは「コーヒーナップ」と呼ばれ、ビジネスパーソンを中心に注目を集めています。短い仮眠で頭がクリアになり、仕事の効率も精度もアップすると話題なので、ドライブ中以外でもぜひ実践してみてください。
ただし、ひと口に眠気といっても、そこに睡眠障害や病気が隠れていることも否定できません。何度も居眠りを注意されたり、ご自身でも不安を感じたりするようなら、無理をせずに医療機関を受診しましょう。医師による客観的な視点とデータから、眠気の原因と解決方法が導き出せるはずです。
そこで今回のテーマは「助手席での居眠り」。助手席に乗っていると、ついうとうとと居眠りしてしまい、運転する人から冷たい視線を向けられる、なんて苦い思い出がある方も多いはず。車内の空気が悪くなるばかりか、ケンカにもなりかねない助手席での居眠りに予防策はあるのでしょうか?
この疑問に答えてくれるのは、あらゆる睡眠障害の治療を行う「睡眠総合ケアクリニック代々木」の竹内暢先生。助手席に乗る人はもちろん、運転する方や日常的な眠気にも応用できる、眠気の予防策をご紹介します。
あの眠気はドライバーとの信頼関係があるからこそ!?
楽しみにしていたドライブに備え、しっかりと睡眠を取ったはずなのになんだか眠い。その理由について、竹内先生は「受け身になっているから」と教えてくれました。それは一体どういうことなのでしょうか?「適切な睡眠を取れていることが前提になりますが、人は自分から積極的に働きかけを行わない、つまりは受け身であるときには、より眠気を感じやすい傾向にあります。助手席では緊張した状態で運転をしている訳ではないため、どうしても眠くなりやすいのです。また、ドライバーと信頼関係があり、ついつい甘えられる人であれば、なおさら安心して眠たく感じてしまうのではないでしょうか」(竹内先生)
ドライバーとの信頼関係がなければ、無言の車内に気まずさを感じ、どうにか会話をしようと努めますよね。「何かをしなければ!」という状態は受動とは反対の能動的な状態のため、眠気を感じづらいというわけです。ということは、助手席での居眠りを予防する策は、能動的におしゃべりをすること!
「注意が散漫になるほど夢中になっては、かえって事故の危険性が高まりますが、適度な会話はひとつの刺激です。運転を担うドライバーにとっても眠気の防止となり、事故の抑制につながります」(竹内先生)
目覚ましの定番!カフェインは摂取量と時間に要注意
ただし車に同乗するのが、常に親しい間柄の人とは限りませんよね。まだおしゃべりが弾むほど仲良くなかったり、同乗者が静かな環境を好む場合は、車内がシーンとなりがちです。すると次第に漫然とし、眠気を感じやすくなるのです。
「そうした場合には、ガムを噛むのが有効です。何かを噛むこと自体が刺激になるため、眠気覚ましを謳った辛いガムでなくとも効果を期待できます」(竹内先生)
ガムを噛むほか、眠気覚ましとして広く知られているカフェインの摂取も効果的ですが、竹内先生は「摂取量と摂取する時間帯には注意が必要です」と指摘します。
「コーヒー1杯を150mlとした場合、1杯に60~90mgのカフェインが含まれていますが、カフェインの摂取量は1日500mgが限度。それを超えると体調不良を起こしかねません。また、カフェインの効果は約4時間後から半減し始めます。夕方以降の摂取は夜の眠りにまで影響し、睡眠のリズムを崩してしまう可能性があるので注意しましょう」(竹内先生)
午後の眠気は生理現象!コーヒーと仮眠で頭すっきり
助手席での居眠りを防止するには、適度なおしゃべりとカフェインの摂取、ガムを噛むことが効果的ですが、さらにもうひとつ竹内先生が推奨するのが「仮眠を取ること」です。「人には置かれた状況に関わらず、眠くなりやすい時間帯があります。夜になるにつれ、起きている時間が長くなるほど眠くなるのは当然ですが、人は昼食後の時間帯にも眠気を感じやすいのです」(竹内先生)
昼食後の眠気は、誰もが経験しているはず。お昼ご飯を食べてお腹いっぱい。その満腹感による眠気かと思いきや、昨今の研究により体内時計による生理的現象ということが明らかになりつつあります。事故に遭わぬよう緊張感を持って運転しているドライバーでも単調な道路と景色が続き、人が侵入する可能性の低い高速道路の運転中はどうしても緊張感が緩み睡魔に襲われがち。
「お昼の時間帯に眠くなるのは人体の摂理。この眠気は助手席か、運転席かに関わらず生じるため、お昼にはいったん休憩を取り、仮眠を取ってみてください。すると助手席の人も運転席の人も、頭がすっきりするはずです」(竹内先生)
ただし、仮眠はあくまでも仮眠。「30代くらいまでの方は15分程度、40代以上の方は20分程度の仮眠にとどめてください」と竹内先生。年齢によって差はあるものの、人は15~20分以上眠ると深い睡眠へと切り替わるため、頭がしっかり目覚めるまでに時間を要してしまうそう。また3時以降の長めの過眠は、夜の睡眠を妨げる一因にもなります。
ちなみにカフェインの覚醒効果が現れ始めるのは、摂取から約15分後。お昼の休憩がてらサービスエリアに寄り、コーヒーや紅茶、緑茶といったカフェイン含有の飲料を1杯。その後に15分ほどの仮眠を取れば、起きた時にちょうど覚醒するのですっきりとするはず!
お昼寝前にコーヒーを飲むことは「コーヒーナップ」と呼ばれ、ビジネスパーソンを中心に注目を集めています。短い仮眠で頭がクリアになり、仕事の効率も精度もアップすると話題なので、ドライブ中以外でもぜひ実践してみてください。
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竹内先生が推奨する仮眠は、助手席の人だけでなくハンドルを握る方に特に大切。眠いままの運転は命を落とす事故につながりかねず、だからこそ助手席の方から「ちょっと仮眠を取りましょう」と伝えられるだけの信頼関係が必要なのかもしれません。ただし、ひと口に眠気といっても、そこに睡眠障害や病気が隠れていることも否定できません。何度も居眠りを注意されたり、ご自身でも不安を感じたりするようなら、無理をせずに医療機関を受診しましょう。医師による客観的な視点とデータから、眠気の原因と解決方法が導き出せるはずです。
睡眠総合ケアクリニック代々木
竹内 暢 先生
久留米大学医学博士課程卒業。2016年4月より、睡眠時無呼吸症候群をはじめとする、あらゆる睡眠障害に対し、適切な検査・診断・治療を行う総合診療施設『睡眠総合ケアクリニック代々木』に勤務。
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