カテゴリ:眠り
書店員さんがおすすめする、寝る前に読みたい本4選
暑かった夏も過ぎ去り、少しずつ肌寒い季節がやってきました。そう、季節は読書の秋です。寝る前の入眠儀式としても推奨されている読書は、「寝る前のスマホがなかなか手放せない…」という人にも、おすすめです。
そこで今回は、寝る前に読みたい本を青山ブックセンター本店で文芸を担当する青木麻衣さんに選書していただきました!
「るきさんはのんびりしていてマイペース。お金が好きなので貯金は欠かさず、人目も憚らずスキップをしたり、お腹が空けば機嫌が悪くなるけど、得意技は電車での居眠り。対照的な友達、えっちゃんとのかけ合いもこの本の魅力の一つです。嫌なことや悩んだことがあった日に、るきさんが言った『そのくらいの不幸 あったほうがちょうどいいわよー』を聞いてさっさと寝て忘れてしまおうという気持ちになります。自分の時間を気楽に過ごして、好きなことや暮らしたいように生活する姿にはあこがれがあります」(青木さん)
漫画家・高野文子さんの作品です。バブル真っ只中に雑誌で連載された全57話をオールカラーで収録。気分が落ち込んだときも、るきさんの姿にクスッと笑って、元気をもらえるはず。
「ミューレンとはスイスにある、明るく静かな山あいの街。年2回発行される小冊子『mürren』も街と山をつなぐことをコンセプトに作られています。丁寧に作られた今回の特集は「模様 Pattern」。絨毯や刺繍の模様には一つ一つ意味があってイラストで詳しく紹介されています。アフガニスタンのキリムの絨毯、モロッコのフェズ焼の皿、インド東部のバタ織など集めたくなるような雑貨がたくさんあります。まだ遠くへ旅行をすることは叶わないけど、その国の事を思い浮かべながらゆっくり読書するのにおすすめです」(青木さん)
生活するなかで目にするさまざまな模様。写真やイラストとともに紹介される模様を通じて、知らなかった意味や世界を知るきっかけに。模様をじっくり眺めていると、いつのまにか眠気に誘われることでしょう。
「子育てが一息ついた45歳の時に家族が減っていく孤独、そして自分には何もないという孤独に襲われ、誰といても埋めることができないことに気づく。そんな中で、どうやって折り合いをつければいいのか考えたのが詩を書くこと。日々の料理や家事のこと、子育てのことをエッセイのように綴り、自分自身が男の子になったり、猫になったり、雲や風になったり、日常と社会が繋がっていることを感じさせられます。ゆっくり味わって読みたくなる1冊です」(青木さん)
山崎さんの言葉で綴られると、何気ない日常の風景のなかで見えていなかったことが見えてくる、そんな不思議な感覚になります。ぜひ1日の終わりに気になる一遍を読んでみてください。
「イタリア民話集に収められた、モンフェッラートというイタリア北部の果樹栽培が盛んな地域に伝わる物語。毎年収穫した梨を王様へ納めていたが、実りが悪く、数が足らないために自分の娘を籠に入れ、その上に葉を被せた。宮殿では召使いとして働くことになったが、王子と仲良くするあまりに嫉妬を買い、魔女の宝を取ってくるように宮殿を追い出される。ペリーナの素直で心の綺麗な様子に胸を打たれますが、イラストを担当した酒井駒子さんのペリーナを守るように描かれた梨の木の枝葉や、青の色使いが印象的です。絵本なので子どもへの読み聞かせはもちろん、読み応えがあるので就寝前に大人が読むのにもおすすめです」(青木さん)
勇敢で優しい心を持つペリーナの姿を見ていると温かい気持ちに。酒井駒子さんの繊細でありながらダイナミックなイラストも、どこか心を落ち着かせてくれます。大人になってからも、絵本が教えてくれることはたくさんありそうです。
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絵本や写真、詩集など、寝る前にリラックスできるような4冊をご紹介しました。寝る前は頭が冴えすぎないように、短い時間で読めて落ち着いた気持ちになれる本がおすすめです。
今回ご紹介した本はオンラインストアでも取り扱いがありますので、ぜひ気になる本を見てみてくださいね。
そこで今回は、寝る前に読みたい本を青山ブックセンター本店で文芸を担当する青木麻衣さんに選書していただきました!
フワッと心がほどけるような気持ちに。『るきさん』
『るきさん』高野文子(ちくま文庫)
「るきさんはのんびりしていてマイペース。お金が好きなので貯金は欠かさず、人目も憚らずスキップをしたり、お腹が空けば機嫌が悪くなるけど、得意技は電車での居眠り。対照的な友達、えっちゃんとのかけ合いもこの本の魅力の一つです。嫌なことや悩んだことがあった日に、るきさんが言った『そのくらいの不幸 あったほうがちょうどいいわよー』を聞いてさっさと寝て忘れてしまおうという気持ちになります。自分の時間を気楽に過ごして、好きなことや暮らしたいように生活する姿にはあこがれがあります」(青木さん)
漫画家・高野文子さんの作品です。バブル真っ只中に雑誌で連載された全57話をオールカラーで収録。気分が落ち込んだときも、るきさんの姿にクスッと笑って、元気をもらえるはず。
模様で旅する、知らなかった世界へ。『mürren vol.26』
『mürren vol.26』(mürren編集部)
「ミューレンとはスイスにある、明るく静かな山あいの街。年2回発行される小冊子『mürren』も街と山をつなぐことをコンセプトに作られています。丁寧に作られた今回の特集は「模様 Pattern」。絨毯や刺繍の模様には一つ一つ意味があってイラストで詳しく紹介されています。アフガニスタンのキリムの絨毯、モロッコのフェズ焼の皿、インド東部のバタ織など集めたくなるような雑貨がたくさんあります。まだ遠くへ旅行をすることは叶わないけど、その国の事を思い浮かべながらゆっくり読書するのにおすすめです」(青木さん)
生活するなかで目にするさまざまな模様。写真やイラストとともに紹介される模様を通じて、知らなかった意味や世界を知るきっかけに。模様をじっくり眺めていると、いつのまにか眠気に誘われることでしょう。
ゆっくりと味わって読みたい詩集。『地球の上でめだまやき』
『地球の上でめだまやき』山崎るり子(小さい書房)
「子育てが一息ついた45歳の時に家族が減っていく孤独、そして自分には何もないという孤独に襲われ、誰といても埋めることができないことに気づく。そんな中で、どうやって折り合いをつければいいのか考えたのが詩を書くこと。日々の料理や家事のこと、子育てのことをエッセイのように綴り、自分自身が男の子になったり、猫になったり、雲や風になったり、日常と社会が繋がっていることを感じさせられます。ゆっくり味わって読みたくなる1冊です」(青木さん)
山崎さんの言葉で綴られると、何気ない日常の風景のなかで見えていなかったことが見えてくる、そんな不思議な感覚になります。ぜひ1日の終わりに気になる一遍を読んでみてください。
大人も読み応えがある絵本『梨の子ペリーナ』
『梨の子ペリーナ』イタロ・カルヴィーノ、絵:酒井駒子、訳:関口英子(BL出版)
「イタリア民話集に収められた、モンフェッラートというイタリア北部の果樹栽培が盛んな地域に伝わる物語。毎年収穫した梨を王様へ納めていたが、実りが悪く、数が足らないために自分の娘を籠に入れ、その上に葉を被せた。宮殿では召使いとして働くことになったが、王子と仲良くするあまりに嫉妬を買い、魔女の宝を取ってくるように宮殿を追い出される。ペリーナの素直で心の綺麗な様子に胸を打たれますが、イラストを担当した酒井駒子さんのペリーナを守るように描かれた梨の木の枝葉や、青の色使いが印象的です。絵本なので子どもへの読み聞かせはもちろん、読み応えがあるので就寝前に大人が読むのにもおすすめです」(青木さん)
勇敢で優しい心を持つペリーナの姿を見ていると温かい気持ちに。酒井駒子さんの繊細でありながらダイナミックなイラストも、どこか心を落ち着かせてくれます。大人になってからも、絵本が教えてくれることはたくさんありそうです。
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絵本や写真、詩集など、寝る前にリラックスできるような4冊をご紹介しました。寝る前は頭が冴えすぎないように、短い時間で読めて落ち着いた気持ちになれる本がおすすめです。
今回ご紹介した本はオンラインストアでも取り扱いがありますので、ぜひ気になる本を見てみてくださいね。
青山ブックセンター本店
青木麻衣さん
1993年生まれ。神奈川県出身。2015年に青山ブックセンター本店に入社。現在は文芸書と文庫を担当しながらイベントの企画、運営など行っている。
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