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親子で楽しく!睡眠の質も集中力もアップする簡単ストレッチ

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親子で楽しく!睡眠の質も集中力もアップする簡単ストレッチ
「最近、なんだか寝つきが悪い。熟睡できない」。眠りの悩みと同時に運動不足を感じていたら、悩みの原因は、運動不足にあるかもしれません。
そこでおすすめなのが、屋内でも気軽に実践できるストレッチ!教えていただくのは、2歳の子どもから105歳の高齢者まで、老若男女のカラダと向き合ってきたトレーナー・谷けいじ先生です。

「ストレッチとは、筋肉を伸ばすための運動のこと。筋肉は2~3か月のサイクルで新たな細胞に生まれ変わり、それは子どもも大人も変わりません」(谷先生)

つまりは、ストレッチを始めるのに早いも遅いもなく、親子そろって効果が期待できるということ!その効果はもちろん、親子で楽しくトライできる、谷先生直伝のストレッチもご紹介します!
 

硬くなった筋肉を伸ばし、スムーズにぐっすり!

寝つきの悪さや熟睡感を得られない一因は、日中の活動量の少なさ。活動量の少なさゆえにカラダが疲労せず、寝つきが悪かったり、熟睡感を得られなかったり、睡眠の質が低下してしまうのです。

「ストレッチはウォーキングと同様の有酸素運動。ストレッチを行うことでエネルギーが消費され、質の高い睡眠につながります。また、それ以上に重要なのが、ストレッチによってカラダの柔軟性を高めること。カラダが緊張した状態では、寝つきが悪くなるからです」(谷先生)

カラダの緊張は筋肉の緊張によって生じますが、そもそも筋肉は、縮むか伸びるかの2つの性質しか持たないそう。しかも筋肉は自発的に縮むことはできても、伸びることはできないというのです。

「筋肉の持ち主である私たちが意識的に筋肉を伸ばすことをしなければ、筋肉は縮こまったまま。つまりは緊張した状態のまま、硬くなってしまうのです」(谷先生)

筋肉の緊張が続き、硬くなることで起きるのが血行不良。筋肉の伸び縮みがポンプの役割を果たし、血液の循環を促しますが、縮んだままの状態では、正常な働きができないからです。

「血流の悪さが睡眠と密接な関係にある自律神経のバランスを乱し、眠りの質が低下してしまいます。そうした状態に陥らないためにもストレッチを行い、筋肉の伸び縮みを促すことが重要です」(谷先生)
 

ストレッチで猫背を治せば、集中力が上がる!?

ストレッチがもたらす効果は、それだけではありません。血流が良くなることでカラダのコリやダルさが解消されたり、エネルギーが消費されることでダイエット効果が期待できたり、さらには集中力アップにもつながるそう!

「スマートフォンやパソコンにゲームと、現代社会には、前傾姿勢で操作するものがたくさんありますよね。長時間、前傾姿勢を続けていると、その状態で筋肉がこり固まり、猫背になってしまいます。そして猫背が集中力の低下を招くことにつながるのです」(谷先生)

猫背になると腕が内側に食い込み、胸部にある肋骨が窮屈になります。すると呼吸が浅くなり、脳に酸素が送られにくくなることから、集中力が低下するというメカニズムです。

「ストレッチは猫背の矯正にも効果的!硬くなった筋肉を伸ばすことで肋骨が開き、呼吸の浅さが改善され、集中力アップにつながります。脳科学の分野では『脳の柔軟性はカラダの柔軟性に比例する』ともいわれ、発想力アップも期待できます!」(谷先生)
 

簡単かつ良いことずくめ!3つのストレッチをご紹介

ストレッチがもたらすさまざまな効果がわかったところで、いよいよ、実践編!
【肩甲骨回し】【股関節回し】【スクワット】の3つをご紹介します。また、ストレッチを行う前に、カラダを温めておくことが大切です。

「筋肉は水分のかたまり。体内の水分は温度が低いとネバネバになり、高いとサラサラになる性質があるため、カラダが温まっているほうが筋肉を伸ばしやすく、ストレッチの効果も得やすくなります。反対に体液が冷えた状態、つまり筋肉が伸びにくい状態のままでストレッチを始めると、ケガをしやすくなるので注意しましょう!」(谷先生)

そのため、入浴後にストレッチを行うのがベスト!お風呂に入った後にストレッチを行えば、筋肉が緩んだ状態のままで就寝できるので、眠りへの効果もアップします。

また、気温が低い時期には厚着をし、室温を高めておくことも効果的。ストレッチ前の準備体操として、行進をするようなイメージで「イチッニッ」とリズム良く、もも上げの運動をするのもおすすめです。すると足腰にある大きな筋肉が動き、体温が効率よく上がります。

さぁ、しっかりとカラダを温めたら、レッツ・ストレッチ!

「無理はせず、痛気持ち良いくらいの感覚を意識することが大切ですよ!」(谷先生)
 

【肩甲骨回し】

(回数:前回し10回、後ろ回し10回)

スマホの使用や重い荷物を持つことから、最近では子どもにも多い肩こり。肩甲骨を回すことで肩や背中、首まわりの筋肉が伸び、肩こり改善に効果があります。血行改善によってリンパの流れも良くなり、デコルテまわりのむくみも解消!
肩甲骨回しをしている女の子
STEP1
足を肩幅に開き、腕はバンザイの姿勢をとる。

STEP2
指先をより遠くに伸ばしながら、腕を前に回し(後ろ回しは腕を後ろに)、ゆっくり下ろす。腕がカラダの脇を通過するときは、肩もしっかり落とす。

STEP3
そのまま腕を回しきり、[STEP1]のバンザイの姿勢に戻る。

これを10回繰り返す。後ろ回しも同様に10回繰り返す。
 
POINT  
指先をできるだけ遠くまで伸ばし、[STEP3]で腕が後ろに回ったときに、左右の肩甲骨を寄せることを意識しましょう!そうすることで、単に腕を回すのではなく、肩甲骨まわりの筋肉にしっかり作用します。
 

【股関節回し】

(回数:前から後ろに5周、後ろから前に5周を左右行う)

内もも、もも裏にお尻と、股関節まわりは筋肉の密集地。この筋肉群全体を伸ばせるストレッチです。足腰の柔軟性が上がることで足取りが軽快に。足が速くなりたいお子さんにもおすすめ!
股関節回しをしている子ども
STEP1
壁に片手をつき、反対側の腕は肩の高さに上げてバランスを取る。腕を上げたほうと同じ側の足のももを上げる。

STEP2
ひざがカラダの外側を向くように股を開く。

STEP3
平泳ぎのキックのイメージで、足をひねりながら後ろ方向にしっかり伸ばす。あわてず、ゆっくり回す。

これを左右5回ずつ行う。後ろ回しも同様に左右5回ずつ行う。

※後ろ回しのときは、ももを上げた状態から足を後ろに蹴り出し、蹴り出した足はしっかり伸ばす。足をひねりながら、ひざがカラダの外側を向くように股を開き、ももを上げた状態に戻る。
 
POINT  
重要なのは、ひねりと伸ばしの動作!ひねりと伸ばしが疎かにならないよう、その都度、平泳ぎのキックをイメージしましょう。単に回数をこなすだけでは、効果が半減してしまいます。
 

【スクワット】

(回数:10回を3セット)

筋肉強化のイメージが強いスクワットですが、カラダの軸をほぐし、柔軟性を高めるためにも大切な運動です。日頃の前傾姿勢によって歪んでしまった骨盤が開き、猫背の改善にも効果的!
スクワットをしている子ども
STEP1
肩幅くらいに足を開き、肩の力を抜いてリラックスした状態のまま、まっすぐ立つ。

STEP2
両手を前に伸ばしたら軽くひざを曲げていく。

STEP3
ひざがつま先よりも前に出ないように意識しながら腰を落とす。

これを10回×3セット行う。
 
POINT  
ひざを曲げるというより、お尻を突き出すように腰を落とすこと!お尻を突き出すことで骨盤が開き、猫背が改善。反対にひざを軸に行うと、ひざを痛めることにつながるので注意しましょう。
   
 
***


「睡眠の質が上がり、集中力や発想力アップにもつながるカラダの柔軟性は、人生の土台のようなもの。ストレッチを継続することで、睡眠の質だけでなく、生活の質まで向上します。そして、ストレッチを継続するには自主性が大事。親御さん自身が目的意識を持ち、率先して行うことで、お子さんのやる気も自然とアップするはずです!」(谷先生)。

谷先生のおっしゃるように、ストレッチは良いことずくめ!ぜひ、実践してみてくださいね!
 

トレーナー

谷けいじ 先生

福岡大学スポーツ科学部卒。株式会社ライフチアーズ代表。パーソナルトレーニングジム「レブルス」代表。大学卒業後、イチロー選手や三浦知良選手のトレーナーとして有名なオリンピックトレーナーのもとで技術を磨く。その後、介護施設の現場で要介護認定を受けた人たちのリハビリを担当し、現在に至る。プロのスポーツ選手から寝たきりの高齢者まで、マンツーマントレーニングを中心に2000名以上の指導に従事。トレーナー活動と並行して講演や小学校での課外授業を行うほか、メディアにも多く出演。近著は『12歳までの最強ストレッチ』(徳間書店)。

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