すべての料理は愛情表現!料理家・SHIORIさんに聞く、「食事と睡眠の話」
nishikawaには、眠りをサポートするコンサルタント“スリープマスター”という資格があるんです。そのなかで2人の女性スリープマスターが結成したのが、睡眠の大切さを伝え、悩みを解決する“すやすや部”。この連載は、すやすや部の2人が、さまざまな職業の方のお仕事や人生といったパーソナリティに迫りつつ、ご自身の睡眠のアレコレについて伺う連載です。
今回は著書『作ってあげたい彼ごはん』がシリーズ累計370万部を記録した、料理家/フードコーディネーター・SHIORIさんにお話を伺いました!
料理家・フードコーディネーター
SHIORIさん
短大卒業後、料理家のアシスタントを経て独立。2007年8月に『作ってあげたい彼ごはん』(宝島社)を出版。「若い女の子にも料理を楽しんでもらいたい」をモットーに、女性ファッション誌をはじめ、テレビ、広告、イベント、企業コラボなどで活動の幅を広げ、高い支持を受ける。近年はヨーロッパやアジアなどへの短期海外留学にも注力し、2017年には東京・中目黒に100%ビーガンのファラフェルサンドとソフトクリームの専門店「Ballon」をオープン。
料理に魅了されたのも、本の出版も、「出発点は“彼”」
すやすや部:SHIORIさんの『作ってあげたい彼ごはん』、私も参考にしながら料理をしていました!若い女性に料理ブームを巻き起こした大人気シリーズは、どのように生まれたのでしょう?
SHIORIさん:きっかけは20歳のとき。当時の失恋が、大きく影響しています。小さなころから料理が趣味でしたが、高校生のときにお付き合いしていた彼に頼まれ、お弁当を作り始めたんです。彼に喜んでもらえるのがうれしくて、とにかく料理をがんばって、上達して…とてもハッピーなサイクルでした。でも短大卒業の時期にフラレてしまって。ときを同じくして、就活にも失敗してしまったんです。落ち込みに落ち込みましたね(苦笑)。
すやすや部:そんな状態から、どうして料理本を?
SHIORIさん:家から出ない、食事もノドを通らないどん底のような生活を続けた結果、「このまま人生を終えるのはイヤ。自分の好きなことをして生きていきたい」と思えたんです。すると答えは明確。好きな人のために料理を作り、喜んでもらえた瞬間のうれしさは格別です。これは私だけでなく、どんな女の子も一緒じゃないでしょうか。学生時代から、「彼を喜ばせる料理を教えて」と相談されては、友達にアドバイスをしていたので、恋する女の子と料理の相乗効果は実体験として知っていました。でも当時は、若い子向けの料理本はゼロに近い状態で。「それなら私が作ろう!」と思い立ったのが、私の出発点です。『作ってあげたい彼ごはん』というタイトルも、その瞬間、降ってきたんですよ。
すやすや部:最初にタイトルが決まっていたなんて!発案の段階から、ヒットが約束されていたようなエピソードですね。恋愛ってたしかに、料理を上達させる大きな要素。私も学生時代、彼のために料理を作っていたことを思い出しました(笑)。
SHIORIさん:でもね、『作ってあげたい彼ごはん』のヒットが、自分を苦しめることもありました。「全国の女の子のために、もっと、もっとがんばらなきゃ!」という思いに駆られ、夜も眠れないくらいに思い詰めてしまって。
眠れない夜の先にあった、パリのファラフェルサンド
すやすや部:睡眠に影響が出てしまうと、辛いですよね。でも、ちょっと意外でした。SHIORIさんは、いつも女子たちの憧れで、ニコニコと笑っていらっしゃるイメージしかありません。
SHIORIさん:いまは、悩みを乗り越えましたよ!悩んでいたのは27歳のとき、結婚するタイミングでした。「恋する女の子の目線で料理を伝えてきたのに、主婦になったら、私の存在はどうなっちゃうんだろう?」って。引退も頭をよぎりましたが、やっぱり料理が好き。自信のなさを払拭するため、そして勉強とリフレッシュのために、料理留学に出たんです。2017年に立ち上げた「Ballon」というお店も、留学先のパリで食べた、ファラフェルサンドがきっかけです。
SHIORIさん:ファラフェルは、ひよこ豆で作る中東発祥のコロッケのようなもの。「野菜だけで、こんなにおいしい料理が作れるんだ!」と、衝撃を受けました。「Ballon」では、スパイシーなファラフェルと、できる限りオーガニックにこだわった7種の野菜をふわふわのピタパンにサンドし、2種の自家製ソースをかけたサンドを作っています。いまも年に2・3回は海外に行き、インプットをしています。でも私、せっかくの移動中も、すぐに寝てしまうんですよね。窓から見える景色を楽しみたいのに、飛行機でも列車でも、乗った瞬間にコテッと(笑)。
すやすや部:なかなか眠れない方には、アイマスクやフードをかぶって光や周囲の気配をさえぎったり、マスクにアロマをスプレーしてリラックスしたりする方法をオススメしていますが、すぐに眠れる方のお悩みは珍しいですね(笑)。ちなみに、ふだんの生活でも同様ですか?
SHIORIさん:日本での生活でも一緒です。仕事柄、起床時間はまちまちですが、6時間は眠ります。それでも移動中は、コテッと寝てしまいますね(笑)。
すやすや部:電車や車の揺れには独特のゆらぎがあるので、睡眠とは好相性なんです。つい、眠ってしまいますよね(笑)。ただ、理想的な睡眠時間は人それぞれですが、一般的には7時間〜7時間半と言われています。日中に眠気を感じるようであれば、睡眠時間が足りていないか、眠りが浅い可能性も!
SHIORIさん:言われてみれば、睡眠時間が足りていないのかも…?見直さないといけませんね。でも私、寝付きだけでなく、寝起きも良いんです。夫も同じタイプなので、朝からハイテンションで会話が弾むんですよね(笑)。
朝の目覚めが楽しみになる、こんがりグリルドサンド!
すやすや部:寝起きに悩まれている方って、すごく多いんです。低血糖などが原因で、体温が上がりにくい方に顕著ですね。少しでも目覚めを良くするため、起床直後に日光に当たるとか、部屋を暖めておくことを推奨していますが、朝に楽しみを用意しておくことも大切です。そこでぜひ、忙しい朝にも簡単に作ることができて、テンションが上がるような朝食を教えてください!
SHIORIさん:グリルドサンドはどうでしょう?オススメの具材は、リンゴのスライスとハムとチーズ。食パンに具材をサンドし、オリーブ油で軽くグリルするんです。こんがりとした焼き目が食欲をそそり、リンゴの酸味がアクセントの味わいは、ちょっぴりカフェ風。朝食として作ったところ、夫に大絶賛されたレシピです。
すやすや部:すごくおいしそう!手軽だし、朝から気分が上がりますね!ちなみに、おやすみ前に小腹が空いたときのオススメレシピは何かありますか?良質な睡眠のため、「食事は就寝の3時間前までに」というのが理想なのですが、忙しい方ですと、なかなか難しいというお声もいただいていて。
SHIORIさん:私が夜食として食べているのが、もずく煮麺。もずくは三杯酢と和えるのが一般的ですが、おつゆに浸して食べるんです。もずくは水溶性食物繊維なので、消化も良くてヘルシー。ちゅるちゅるっと麺をすするような感覚を楽しむことができ、満足感を得られます。おつゆはだし汁でも良いし、希釈タイプのめんつゆを使ってもオーケー。すりおろした生姜を添えるのもオススメです。
食事も睡眠も「心地良さを届けることが私の愛情表現」
すやすや部:さすがはSHIORIさん!体を温める生姜のトッピングは、睡眠にも好影響です。素敵なレシピを教えていただき、とても勉強になりました!では、最後に、SHIORIさんのこれからの目標を教えてください。
SHIORIさん:未来に向け、いま、チャレンジしているのがビーガンフードです。パリで衝撃を受けたファラフェルもそのひとつですが、西洋では、老若男女に受け入れられた食文化です。おいしいから、ヘルシーだからという理由で食べる人もいれば、環境保全や動物愛護の目的で選ぶ人もいます。この多様性がとても素敵だなと感じたんですね。この心地良い食文化を日本にも浸透させたい。簡単でないのは承知ですが、女の子向けの料理本だって、ほんの10年前は「売れない!」と言われていました。でも私には、その定説を少しだけでも覆せたんじゃないかなという自負があるんです。だから、あきらめない情熱と覚悟、それに伴う努力があれば、ビーガンフードだって、きっと浸透させられるはずです。
すやすや部:SHIORIさんが惚れ込んだビーガンフード、お店にお邪魔して、食べてみないといけませんね。すごく興味が湧きました!
SHIORIさん:おいしいですよ。植物性の食材しか使っていないのに、男子も魅了できるボリュームと味です(笑)。それに私、これからは食事だけでなく、生活そのものを向上させたいんです。食事は味を楽しむだけでなく、人体を支える絶対的な要素。そう考えると、睡眠も一緒ですよね。
すやすや部:そう、睡眠と食は、人間を支える大切な要素なんですよ!
SHIORIさん:私自身はもちろん、パートナーである夫にも心地良く過ごしてもらいたいから、少し前に、寝具を一新したんです。それこそ、nishikawaさんで(笑)。もともとコテッと眠り、パッと起きられる夫婦でしたが、寝具の質が良いと、布団に包まれたときの気分が違いますね。
すやすや部:そうおっしゃっていただけてうれしいです!
SHIORIさん:私の料理の原点は、「大好きな彼を喜ばせたい」という思い。いわば愛情表現ですが、「誰かを喜ばせたい」という思いは睡眠に対しても一緒。この思いがライフスタイル全体を豊かにしていくと信じ、今後の活動にも生かしていきたいと思っています。
料理留学をされたことで見識を広げられたのはもちろん、「日本のお母さんの偉大さを知りました」とも話されていたSHIORIさん。「ヨーロッパの朝食は、意外にも簡素です。朝から卵や魚を焼き、お味噌汁を作る日本のお母さんは、本当にすごい!」と教えてくださいました。「日本人は愛情表現が苦手」なんて話を耳にしますが、お母さんが作る温かい朝食は、まさに愛情のかたまりなのかもしれませんね!
そんな体も心も温まる朝食を思い浮かべながら…今夜もぐっすり、おやすみなさい。
nishikawaスリープマスター・アロマテラピーアドバイザー
杉原桃菜
nishikawa・日本睡眠科学研究所認定のスリープマスター。社内では主に販売員教育などを担当しているほか、全国で眠りに関するセミナーや寝具選びのコンサルティング、快適な睡眠環境づくりのアドバイスを行う。現在、ラジオ番組「磯山さやかのGoodナイト!Goodトーク!」(ニッポン放送)に出演中。
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