2020年08月21日 カテゴリ:眠り

肌荒れだけじゃない!皮膚の老化まで左右する「睡眠とお肌」の深い関係

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肌荒れだけじゃない!皮膚の老化まで左右する「睡眠とお肌」の深い関係
身体のさまざまな機能に影響をもたらす睡眠。「寝不足が続いたせいか、ニキビができてしまった」などというトラブルが示す通り、睡眠とお肌の状態も、けっして無関係ではありません。

そこで今回、「睡眠とお肌」の関係について教えてくれるのは、『皮膚科医が実践している極上肌のつくり方』の著者である小林智子先生。小林先生は皮膚トラブルがなく、いつまでもキメの整ったお肌のことを“極上肌”とし、極上肌を目指すために欠かせない要素として、質の高い睡眠を挙げています。
 

ターンオーバー低下の一因は睡眠不足!

「極上肌を目指すために重要なのが、お肌のバリア機能とターンオーバー。特にターンオーバーに関しては、睡眠と密接な関係にあります」(小林先生)

バリア機能とは、外部からのさまざまな刺激から身体を守る機能のこと。お肌のバリア機能を担うのは、角層という細胞組織。人間の皮膚は外側から順に、【表皮】【真皮】【皮下組織】という3層構造になっていますが、表皮の最も外側、つまりは外界と接しているのが角層です。バリア機能が低下すると、角層の隙間から水分が蒸発し、乾燥してしまうそう。お肌の保湿が重要視されるのも、バリア機能を正常に働かせるためです。

次に睡眠と密接な関係にあるターンオーバーとは、皮膚の新陳代謝のこと。特に表皮が生まれ変わることを指します。

日焼けした肌が元に戻るのも、ターンオーバーのおかげ。降り注ぐ紫外線により、メラニン色素が皮膚の内部に沈着することで日焼けが生じますが、沈着した色素が次第に皮膚の表面にまで押し出され、垢として剥がれ落ちることから、皮膚の色が元に戻るのです。

ターンオーバーのサイクルは、およそ1カ月。つまり表皮は、約1カ月をかけて生まれ変わっているのです。しかし、このサイクルは加齢によって徐々に遅くなります。傷跡が残りやすくなるのも、ターンオーバーのサイクルが遅くなるためです。さらに小林先生は「加齢以外の原因でもターンオーバーは低下し、その一因が睡眠不足です」と指摘します。
 

入眠後の3時間が肌改善のゴールデンタイム!

睡眠不足がターンオーバーを低下させる理由は、成長ホルモンにあります。成長ホルモンは全身における細胞分裂やタンパク質の合成を促す物質ですが、トラブル知らずのお肌を保つためにも欠かせません。

「成長ホルモンは、血流とともにお肌に栄養を運ぶことでターンオーバーを促進させます。紫外線や乾燥をはじめ、日中に受けたお肌のダメージを修復する役目も担いますが、成長ホルモンが活発に分泌されるのは睡眠中です」(小林先生)

睡眠不足が成長ホルモンの分泌を妨げ、その結果、ターンオーバーが低下するというメカニズムですが、小林先生は「特に重要なのが寝入り端。成長ホルモンが最も活発に分泌されるのは、入眠後の3時間だからです」と、その重要性を強調します。

寝入り端が重要な理由は、眠りの深さにあります。睡眠には浅い眠りのレム睡眠、深い眠りのノンレム睡眠の2種類があり、最初にノンレム睡眠が訪れ、次にレム睡眠が訪れるというサイクルを4、5回繰り返したところで起床するのが一般的ですが、特に深い眠りを得られるのは第2サイクルまでだそう。

「ノンレム睡眠とレム睡眠からなるサイクルはだいたい90分ワンセット。そのため入眠から180分、つまりは3時間までが、成長ホルモンが最も分泌されるゴールデンタイムなのです」(小林先生)

しかし寝入り端に熟睡できたからといって、短時間の睡眠ではいけません。睡眠時間が不足すると、お肌のバリア機能が低下してしまうからです。

「お肌のバリア機能に働きかけ、お肌の炎症を抑えてくれるのは、コルチゾールという抗ストレスホルモン。コルチゾールは本来、明け方にかけて活発に分泌されるため、睡眠時間が不足すると分泌量のバランスが崩れてしまいます。その結果、炎症を抑える機能が正常に働かず、肌荒れを起こしやすくなるのです」(小林先生)
 

寝る前のスマホやパソコンがお肌の老化を招く!?

お肌のバリア機能を働かせるにも、ターンオーバーを促進させるにも、質の高い睡眠が欠かせませんが、そこで禁物なのが、就寝前のスマホやパソコンです。

これまでの記事でもお伝えしてきた通り、スマホやパソコンの画面から発せられるブルーライトは、眠気を引き起こすメラトニンというホルモンの分泌を妨げてしまいます。

また、メラトニンの元となるのは、日中に分泌されるセロトニンという物質。セロトニンは日光を浴びることで活発に分泌されるため、太陽の出ている時間にしっかり活動することも、メラトニンの生成を促します。つまりは昼夜逆転の生活を避けることが、質の高い眠りを得るための条件というわけです。

睡眠と密接に関わるメラトニンですが、よりダイレクトに、お肌に作用する物質でもあります。「メラトニンは眠気を誘発するだけでなく、老化物質であるAGEを分解する作用があります。AGEを分解することにより、お肌の老化を抑制してくれるのです」(小林先生)

AGEとは、体内の余分な糖とタンパク質が結合することで生成される、老化タンパク質のこと。生活習慣病や認知症を引き起こす一因として注目されていますが、AGEは皮膚のコラーゲンといったタンパク質を変性させ、お肌の弾力を低下させてしまうといいます。つまりは、お肌のシワやたるみの原因となってしまうのです。
 

枕と寝間着の見直しで健やかな睡眠とお肌に!

メラトニンをしっかり分泌させるという観点から、睡眠がお肌にもたらす影響が浮き彫りになりましたが、より質の高い睡眠を得るには、寝具や寝間着の見直しも効果的です。

「特に重要なのが、自分に合った枕を選ぶこと。後頭部・首・肩をバランスよく支えてくれる枕に出合えると寝つきも眠りの深さも変わってくるため、オーダーメイドがおすすめです。また、部屋着で眠ることはせず、パジャマに着替えることも大切。就寝前にパジャマに着替えるという行為そのものが『眠りの時間だよ』という意識の切り替えにつながるからです」(小林先生)

ちなみに小林先生が推奨する寝間着は、夏ならゆとりあるシルエットの綿素材、冬ならフランネル素材。生まれつきお肌の弱い人だけでなく、お肌のバリア機能が低下しているときには、皮膚と寝間着の摩擦が肌荒れを引き起こすこともあるため、綿やフランネルのように通気性が高く、肌触りの優しい素材を選ぶことがポイントです。

そして夏の睡眠といえば、気になるのが就寝中の冷房。冷房の風はお肌の乾燥を招きますが、寝苦しさを感じるようなら、冷房をつけたまま眠っても構わないそう。「ただし、お肌の乾燥はバリア機能の低下をもたらします。そのため、冷房の風が直接身体に当たらないよう、風向きの調整は忘れずに」(小林先生)

【関連記事】湿度をコントロールして寝苦しさを解消!夏の快眠ポイント5選
 

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「睡眠とお肌」の関係についてお届けしてきましたが、いかがでしたか?睡眠がもたらすお肌への影響がご理解いただけたはずですが、最後に睡眠にもお肌にも効果的な、とっておきのデザートをご紹介!

「バナナを加えて甘味をプラスした、無糖のヨーグルトです。ヨーグルトによる腸内環境の改善は睡眠にも好影響をもたらし、さらにはお肌の老化を引き起こすAGEの抑制にも効果があります。そしてバナナは、トリプトファンを含有するフルーツです。トリプトファンはセロトニンを分泌させるために必須の成分。トリプトファンを積極的に摂取することがメラトニンの生成、つまりは質の高い睡眠につながるのです」(小林先生)

ヨーグルトとバナナは、美容と健康にも効果的な食材。寝具や寝間着の見直しと合わせ、ぜひ、試してみてくださいね!

皮膚科専門医/医学博士/ドクターレシピ監修

小林智子先生

日本医科大学医学部卒業後、名古屋大学皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了。2015年より渡米し、ノースウェスタン大学でポストマスターフェローとして皮膚科の臨床研究に従事。帰国後は同志社大学アンチエイジングリサーチセンターにて糖化についての研究を行う。食事と健康に関するレシピや情報などを医学的な立場から発信する「ドクターレシピ」を監修。著書に『皮膚科医が実践している極上肌の作りかた』『皮膚科専門医が教える 40代からはじめる正しい美肌レッスン』共にに彩図社、などがある。

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