ミタムー、なかなかのファッショニスタだったという意外な(!?)一面が。洗練されたセンスを垣間見て、『東京カレンダー』の港区おじさんならぬ“人形町おじさん”という言葉が頭をよぎりました(笑)。
真剣な表情でコーディネイトのポリシーを語るミタムー
タオル課に配属されたときのこと
──入社後、ふとん課を5年間、営業を10年間担当。「モノ作りがしたい!」という思いから、商品部に異動希望を出しました。その配属先が…。
「タオル課でした。タオルのことを深く知らなかったので、不安もあったけど…。すごく奥が深くて、いろんな種類が無限に作れるのがおもしろいですね。だから、やらなくちゃいけないこともまだまだあるし!」
──やらなくちゃいけないこと、とは?
「まずはミリオンセラー商品を作りたいですね。商品開発って、自分の力だけではなく、実はさまざまな出合いがポイントなんですよ。人、素材、タイミング…いろいろな要素が絡み合って生まれていくもの。まさに、“たかがタオル、されどタオル”…ということですよ」
ニヤリと笑うミタムーでした。
タオルの現場での名言や、印象に残るシーンを教えて!
「今治の方は、タオルに対する想いがすごく強いんです。朝の洗顔、日常で手を洗うとき、入浴後…お気に入りのタオルを使うと、やっぱり人生が豊かになるでしょう。今治タオルに出合えて、僕はすごく幸せです。ここまでこだわれるなんて思ってなかったから、毎日が楽しい」
──タオル作りに携わるようになり、印象に残っているシーンはありますか?
「タオルってシンプルな作りかと思ってたんだけど…実際はすごく手間のかかる工程があるんです。今治は分業制だから、工程ごとに企業が分業しあって、最後に製品になるのが印象的だったかな。それぞれの持ち場でプロがこだわりを持って作ってるから、タオルには関わった人の数だけこだわりが詰まっているんです。みんなの思いがひとつになって、1枚のタオルができてる!」
失敗も…やっちゃいました!
──そんなこだわりが詰まったタオル業界は、新人には大変そう…何か失敗はなかったですか?
「いろいろ苦労したのは、専門用語かな。今治の人が早口で説明するから、何を言っているのかわからなくて…。まぁ、いまとなっては僕も専門用語を使っちゃうくらいなんだけどね!昔はよく、“そんなこともわからんのか!”とか、今治弁で言われたな…」
──飲みの席とかで?
「そう。もっと勉強しなくちゃダメだよ、みたいな。まぁ、すごく気持ち良く仕事ができる関係があって、お互い本当に駆け引きなしに、ぶつかり合えるんですよ!真剣だから想いが溢れて、飲んでるときに1時間、お説教されたこともあります(笑)」
──良いものを届けたいっていう一心で…。
「そうだね。今治のタオルメーカーは約100社まで減ってしまったんだけど、全盛期は500くらいあったんです。中国産のタオルが出てきて壊滅状態だった時期を乗り越え、いまは今治タオルっていうブランドのおかげもあって盛り返しました。今治、素敵な街なので、タオルにご興味のある方にはぜひ足を運んでいただきたいです!」
今治で食べた美味しい牡蠣。素敵な街で、いつか住みたいと思うほどだとか!
ミタムーが作りたいタオルとは?
「やっぱり、ミリオンセラーのタオルを作りたいです。あと、リアルに目指してるのは高級タオル。僕の知ってる限りでは、バスタオルでは2万〜3万円ぐらいが一番高いんだけど…僕は、5万円出しても買いたいくらい、気持ち良いタオルを作りたいな!」
──ご、5万円のタオル…どんな方に向けているのでしょう?
「お祝い用の、本当に限定的なタオルになるかなと思ってます。あとは誰もが使えるようなプライスで、すごく特徴のある、ミリオンセラーを叩き出すタオルが作りたい。タオル革命を起こしたいね!」
──タオルへの熱い想いはヒートアップする一方ですね!
「僕自身は、前よりも一層、使うお客さまの気持ちを考えてタオルを作るようになりましたね。たとえば<しあわせの今治ガーゼ>なら、作った我々も、お客さまが使って気持ち良いと感じてくれることで喜びを感じる。みんなが幸せになれるタオルにしよう…そう思って作ったからね。そしてこれからは、質が高くて良いタオルのブームが来る!…と信じてる(笑)」
まだまだタオル作りは始まったばかり。ミタムーの「夢のタオルを作る」挑戦は続く…次回もお楽しみに!
■ミタムーの歩み
・第1回 綿の種まき編は、コチラ
・第2回 綿の芽は出るのか…!?編は、コチラ