ミタムーの『種からタオル作り』 〜第6回 糸紡ぎマスターに弟子入り!糸紡ぎ準備編〜
2019.05.15
作るタオルのことなら何でもお任せ!東京西川のタオル課所属、タオルソムリエの三田村哲也(通称:ミタムー)。趣味はタオル、特技はタオル、三度の飯よりもタオルが好きというミタムーが、“綿の種をまき、綿を収穫し、それを撚ってタオルを作る”という挑戦を始めました!
前回、綿の収穫祭を終えたミタムー。ご覧のとおり、たくさん収穫できました!
今回はこの綿を糸にするため、定期的に糸紡ぎワークショップを行っている「糸紡ぎカフェ」にお邪魔することに。両手から溢れんばかりのふわっふわな綿を、どうやって糸にするのでしょうか?ミタムーチャレンジ、はじまり、はじまり〜!
タオル担当マネージャー/今治タオル工業組合認定「タオルソムリエ」
三田村哲也
タオル担当歴12年目。社内屈指のタオルマニアで、人は彼を“Mr.タオル”“タオル道に生きる男”と呼ぶとか呼ばないとか…。「私が死んでもタオルは残る!そんなふうに、長く愛されるタオルを作りたいです!」。
タオル担当歴12年目。社内屈指のタオルマニアで、人は彼を“Mr.タオル”“タオル道に生きる男”と呼ぶとか呼ばないとか…。「私が死んでもタオルは残る!そんなふうに、長く愛されるタオルを作りたいです!」。
いざ「糸紡ぎカフェ」へ!
無事に綿の収穫を終えたミタムー、次なるステップは糸紡ぎです。連載を始めたものの、糸紡ぎとなると、専用の機材も必要そうだし、紡ぎ方も勉強しなくちゃいけないし…。はたして本当に糸はできるのかしら!?と、心のなかで途方に暮れていた編集部員。そこに、笑顔のミタムーが登場。
「ふっふふふ。実はね、かねてよりぜひ、ぜひお邪魔したいと思いを馳せていた場所があるんですよ。その名も『糸紡ぎカフェ』!お酒を片手に、心を落ち着かせて糸を紡ぐ…そんなオトナの時間を過ごしてみるのが、男のロマンじゃない?」
まるで少年のようにキラキラした瞳で、糸紡ぎへの憧れを語りはじめました。お酒と糸──ちょっと不思議な組み合わせですが、さっそく月に一度開かれる「糸紡ぎカフェ」へ。ミタムーにご指導くださる糸紡ぎマスターは、Tokyo Cotton Village代表の冨澤拓也さんです!
Tokyo Cotton Village代表
冨澤拓也さん
広告代理店でバリバリ働くなかで、日本古来のオーガニックコットン(和綿)と運命の出逢いを果たす。和綿がほぼ絶滅に近い状況だと知り、農業と広告をかけ合わせた企画を実現、翌年社内で「Tokyo Cotton Village」を立ち上げる。その流れで会社を辞め、和綿の認知拡大・普及を目標に綿の魅力、糸紡ぎの楽しさを伝える活動を行い、和綿の普及を目指している。
「奥深く素晴らしい、綿の世界へようこそ。あなたも虜になること間違いなしです!」
Tokyo Cotton Village: http://www.tokyocottonvillage.com/
広告代理店でバリバリ働くなかで、日本古来のオーガニックコットン(和綿)と運命の出逢いを果たす。和綿がほぼ絶滅に近い状況だと知り、農業と広告をかけ合わせた企画を実現、翌年社内で「Tokyo Cotton Village」を立ち上げる。その流れで会社を辞め、和綿の認知拡大・普及を目標に綿の魅力、糸紡ぎの楽しさを伝える活動を行い、和綿の普及を目指している。
「奥深く素晴らしい、綿の世界へようこそ。あなたも虜になること間違いなしです!」
Tokyo Cotton Village: http://www.tokyocottonvillage.com/
体験したら、もれなくハマる!糸紡ぎの魅力って?
さっそく、毎月ワークショップを行っている小田急線梅ヶ丘のFEP Cafeへ。この日、集まったのは12名の大人たちです。
農業に携わりたいという志をお持ちの方、織り物に興味津々な方、なかには2年目の結婚記念日を「綿婚式」と呼ぶ習わしにちなんで、ご夫婦で参加されている方も!
ちなみに結婚1年目は「紙婚式」、3年目は「革婚式」と、年に応じて名前がつけられているってご存じでしたか?おもしろいですね〜!
さっそく、収穫するまでの紆余曲折を、参加者の方に熱く語るミタムー。
「台風で枝が折れてしまって、一時は絶体絶命かと思ったんですけどね、なんとか収穫できたんですよ…(止まらないおしゃべり)」
それぞれの想いを胸に、いよいよワークショップがスタートです!
冨澤さん「今日は綿の魅力を、みなさんにとくとお伝えしたいと思います。かつて『糸紡ぎカフェ』を毎日営業していたとき、ボトルキープならぬ『糸キープ』というシステムを作っていましてね。会社帰りのビジネスパーソンや、誰もが知っている大物ミュージシャンが、ゆったりとした時間に身を任せ、それぞれのペースで糸を紡いで癒されていくんです。労力のかかる大変な作業ですが、いつしか心があったかくなる…。メディテーション、つまり瞑想のような作用もあるのではないかと、私は思っています」
まずは綿の種を取り除く「綿繰り」
冨澤さん「一口に綿といっても、いろんな種類があるんですよ。奥の白い綿が、三田村さんが作った『USAコットン』。手間の茶色い綿は、僕が栽培した『和綿』。色と弾力に、大きな差がありますよね」
綿には種が入っているので、まずは綿と種を分ける作業から始めます。
冨澤さん「綿と種を分けるときに使うのは、『綿繰り機(わたくりき)』という木製の装置。木製のハンドルを回すと、上下にある2本の棒が回転するので、棒の間に少しずつ、少しずつ綿を吸い込ませます」
すると…
ミタムーの左手側には種が!
右手側には綿が!
(ミタムーが張り切りすぎて、ハンドルを持つ手が見えません!)
このように、綿と種をスムーズに分けることができるのです!ワークショップに参加している面々は、さっそく大興奮の様子。
ミタムー「いやあ、コレは楽しい!!快感すら覚えます。ちなみに冨澤さん…不躾な質問で恐縮ですが、この機械はおいくらくらいするのでしょう?家にあったら、永遠に楽しめそうだなあと思いまして…」
冨澤さん「今回ご利用いただいたものは、だいたい3万円くらいですね」
ミタムー「おおっ、ボーナスで買えるお値段…!さっそく家族会議にかけよう」
序盤から、糸紡ぎの虜になったミタムーなのでした。
次なるステップは「弓うち」
続いて、綿から枯葉やゴミを取り除き、繊維の厚さを均質にする「弓うち」という作業を行います。
冨澤さん「『綿弓(わたゆみ)』という専門の弓を使います。ツルの部分で、綿をトントンと優しく叩いていくと、綿がほぐれていくんです」
ビヨン、ビヨヨン…。
ミタムー「えっと…これで良いのでしょうか…?」
冨澤さん「弓を使うと、かなり時間がかかるんですよね。今日は『ハンドカーダー』というクシで作業しましょうか!2つのハンドカーダーを使い、クシの部分で綿をはさんだら、髪をとかすようにすり合わせます」
ミタムー「繊細な綿だからな、大切に、大切に…」
ミタム〜!集中するあまり表情が険しくなってますよ〜!
ゆっくり綿を剥がすと、チリひとつ混じっていない、キレイでふわふわな綿が取れました!
上にあるのが「弓うち」前の綿、下が「弓うち」後の綿。ふわふわ感がまったく違うのがわかります!
冨澤さん「綿を割り箸に巻きつけたら、糸を紡ぐ準備は整いました!」
ミタムー「冨澤さん、どうしましょう…手間ひまかけるうちに綿への愛情が深まってしまって、綿がどんどん愛おしくなってきています(照)」
冨澤さん「良いですね、その調子です!」
止まらない綿への愛情…!次回は「いよいよ綿紡ぎ!」をお届けする予定です。ミタムーの挑戦は続く…。
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