大調査!1枚のタオルにパイル糸は◯m使われてる?
2018.03.29
楽しむタオルを使っているうちに、パイル糸が出てきてしまうことってありますよね。伸びた糸はハサミで切るといいそうですが、じゃあ、じゃあ…その糸をひっぱり続けると、どうなるのかちょっと気になってきませんか?
1枚のフェイスタオルのパイル部分は、何mの糸でできているのか。根気と気合いとタオル愛をもって、編集部員が体当たり実験をしました!
パイルひっぱり実験にエントリーするタオルは2種
1枚目は<watairo(わたいろ)>かるわた。「柔らかさ」にこだわって作られたタオルで、羽のような軽い触り心地にファンが多いです。
2枚目は<moussepuff(ムースパフ)>。「洗うたびにふっくら柔らかくなる」という驚きのタオル。100回洗ってもふわふわなままの品質と、南仏をテーマにしたカラーが人気です。
実験開始!まずは<watairo>をひっぱる
いったい何時間かかるのか…皆目検討もつかない闘いが始まりました。カメラマンと2人で会議室にこもるため、お菓子や気分を励ましてくれそうな音楽も準備。さっそく心を整え、<watairo>のパイルをひっぱっていきましょう!
ところが…
き、切れる…!!!
ひっぱるというよりも、「むしる」と表現するほうが正しいかもしれません。深呼吸して力加減を整え、再度チャレンジ!…してもやっぱり切れる(涙)。
どうしてなのでしょう?タオルのことなら何でもお任せ、東京西川タオル課の社員に聞いてみました。
編集部員「<watairo>はパイル糸が抜けずに千切れてしまいます〜(涙)」
タオルソムリエ「ふふっ、そうですよね…!<watairo>はとことん柔らかさを追求して開発されたのですが、それを実現しようとすると、どうしても糸が切れやすく、パイルが抜けやすくなってしまうんです。今治の職人さんに難しいお願いをし、ギリギリのバランスで“柔らかさ”と“繰り返し使える品質”を両立しました。だから、ムリにひっぱると切れてしまうのは当然のことなんですよ、ふふっ」
なるほど!糸の太さやパイルの長さ、撚りの密度──繊細なバランスだからこそ、思わず頬ずりしたくなるような柔らかさを実現できたんですね。心なしか、タオルソムリエが得意げな声だったのは、タオルの繊細さを確認できたからでしょうか…。<watairo>の開発秘話はコチラの漫画にも描かれています。
お次は<moussepuff>でチャレンジ
<watairo>は思うようにひっぱれませんでしたが、気持ちを新たに、次は<moussepuff>でチャレンジ。
か、快感…!気持ち良いくらいスルッとひっぱれる〜!
パイル糸は全部がつながっているのかと思いきや、フェイスタオルの横幅分、1本の糸が抜けてそこで行き止まり。土台に、ガーゼのような生地が出てきました。
スルッと抜けたパイル糸は、いったいどれくらいの長さなのでしょうか。フェイスタオルの横幅は75cm。パイル部分に使われている糸を測ると…
じゃーん!420cm、つまり4.2m!!
なんと<moussepuff>のフェイスタオルには、横幅の約6倍もの長さのパイルが織り込まれているということがわかりました。これだけ贅沢に糸が使われているのなら、触れただけで素早く水分を吸収してくれるのも納得です。
と同時に、今回のミッション「何mのパイル糸が使われているのかを探る」には、横糸が何ラインあるかを数えれば【420cm×横糸のライン数】という計算式で算出できることも判明しました。しめしめ、これならすぐに実験も終わると喜んでいた矢先、カメラマンから一言。
「全部でどれくらいボリュームのパイル糸が使われているか、写真で撮りたくないですか?」
…ぐぬぬ、たしかに。数字には説得力があるものですが、私のように数字が苦手な人間やお子さまには「こんなにたくさんの糸が使われているんです!」と写真に収めることで、タオルを使う幸せを再認識してもらえるかもしれない…!使命感にかられ、当初の予定どおりすべてのパイルをひっぱり抜くことに。
<moussepuff>のパイルをひっぱって30分
30分経過。本気で取り組みましたが、まだまだ先は長いです…。
<moussepuff>のパイルをひっぱって3時間
3時間経過。抜けた糸をミシン糸の芯に巻きつけていたら、丸々太ってしまいました。
<moussepuff>のパイルをひっぱりながら昼食
朝10時から始めて半日が経ちました。進捗は半分も到達せず…1日で終えられるのか、不安がよぎり始めます。
カメラマン「一刻たりともムダな時間はありません。昼食中もひっぱることを想定し、片手で食べられるサンドイッチにしましょう!」
<moussepuff>のパイルをひっぱって6時間
脳内で中島みゆきの『ファイト!』が流れます。ひっぱれど、ひっぱれど、まだまだパイルが残っている。「どれだけの糸が使われているの…」。もはやタオルに畏敬の念を抱き始めました。
<moussepuff>のパイルをひっぱって8時間
終盤にさしかかったころ、「次の撮影があるので…」と、苦楽をともにしたカメラマンにタイムリミットがきてしまいました(涙)。部屋を出ていく彼の背中。意志を引き継いで、最後まで闘い抜くことを心に誓う私。ここからは編集部員の撮影になるので、写真のクオリティはご容赦願います!
苦節12時間!<moussepuff>のパイルひっぱり、フィニッシュ!
ついに、すべてのパイル糸を抜き終えました!この達成感は、何に似ているだろう…考えたけど何も浮かばないほど無心というか、ひっぱりハイになっていました(笑)。見てください、この土台に、パイル糸は織り込まれているのです。なかなか見られない貴重な光景だと思うのですが、いかがでしょう?
そして、撮影したいと追い求めていたカットがコチラ。こんなにたくさんの糸が使用されていました。
はたして何m使われている?いざ計算…
横糸の列を数えたところ、200ラインありました。
1枚の<moussepuff>フェイスタオルには…
【420cm(1列の長さ)×200(ライン)×2(両面)=168,000cm】
約1.7kmのパイル糸が使われているということが判明しました!!
まさか約1.7kmもの糸が使われているとは…。1枚にこんなにも長尺なパイル糸が織り込まれているからこそ、<moussepuff>には驚くほどの吸水パワーがあるんですね。編集部員ながら、今回の実験を通してなお一層、みなさんにこのタオルを試していただきたいと思うようになりました。
ぜひ約1.7kmのパイル糸に包まれる幸せを感じてみてください。
■今回のタオルはコレ!
<watairo(わたいろ)>かるわた フェイスタオル
1,200円+税
<moussepuff(ムースパフ)>フェイスタオル
1,500円+税
※商品情報は記事公開時点のものです。