【肩甲骨はがし】タオルでできる簡単ストレッチ|肩甲骨まわりを動かして健やかな毎日へ
2026.07.22
使う
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用が当たり前になった現代。気づかないうちに背中が丸まり、肩や首まわりに負担がかかっている人も少なくありません。
そんな毎日の習慣のなかで注目したいのが、「肩甲骨」の動きです。
肩甲骨は腕や肩の動きを支える重要な部位であり、肩甲骨まわりを意識的に動かすことは、身体を快適に動かすための一助になります。
そこでおすすめなのが、タオルを使った肩甲骨ストレッチです。
タオルを活用するとフォームを安定させやすく、肩甲骨まわりを無理なく動かせるため、運動習慣がない方でも取り入れやすいのが魅力です。
今回は、ひざ・肩・股関節の再生医療を専門とするシンセルクリニック院長・武内晋司郎先生監修のもと、
・肩甲骨の役割
・肩甲骨が動きにくくなる原因
・タオルを使った肩甲骨ストレッチの方法
・ストレッチ前に取り入れたい温活習慣
について詳しく解説します。
シンセルクリニック院長
武内晋司郎先生
三重大学医学部卒業。整形外科の診療に携わったのち、ひざ・肩・股関節の再生医療を専門とする「シンセルクリニック」を開設。幹細胞を用いた再生医療により、体への負担を抑えながら自然治癒力を高める治療を提供する。クリニックの公式サイトやYouTubeチャンネルを通じて健康情報を広く発信するほか、2025年には『「もう手術しかない」と言われたあなたへ:再生医療が切り開く 股関節・ひざ・肩の切らない治療法』を上梓。
三重大学医学部卒業。整形外科の診療に携わったのち、ひざ・肩・股関節の再生医療を専門とする「シンセルクリニック」を開設。幹細胞を用いた再生医療により、体への負担を抑えながら自然治癒力を高める治療を提供する。クリニックの公式サイトやYouTubeチャンネルを通じて健康情報を広く発信するほか、2025年には『「もう手術しかない」と言われたあなたへ:再生医療が切り開く 股関節・ひざ・肩の切らない治療法』を上梓。
目次
肩甲骨とは?上半身の動きを支える重要なパーツ
肩甲骨は「浮遊骨」と呼ばれる特殊な骨
肩甲骨とは、背中の上部に左右一つずつある三角形の骨です。腕や肩の動きを支える役割を担っており、日常生活のさまざまな動作に関わっています。
武内先生によると、「肩甲骨はほかの骨と比べて少し特殊な構造をしているんです」とのこと。
一般的に骨は複数の骨と関節でつながっていますが、肩甲骨は鎖骨との連動を中心に、多くの筋肉によって支えられています。
その特徴から「浮遊骨(ふゆうこつ)」と呼ばれることもあります。
肩甲骨は自由度の高い動きが可能な一方で、多くの筋肉と協調しながら上半身の動作を支えている重要な部位です。
肩甲骨が担う3つの役割
肩甲骨には主に次のような役割があります。
1. 腕をスムーズに動かす
腕を高く上げる、横に広げる、後ろへ回すなどの動作は肩甲骨と肩関節が連動することで行われています。
2. 姿勢を支える
肩甲骨は背中側から上半身を支える役割も担っています。
肩甲骨まわりの筋肉がバランスよく働くことで、自然な姿勢を保ちやすくなります。
3. 肩や首まわりの動きをサポートする
肩甲骨は首・肩・背中まわりの筋肉とつながっています。
そのため肩甲骨まわりを動かすことは、上半身全体の運動習慣づくりにもつながります。
肩甲骨まわりが硬くなるのはなぜ?
肩甲骨そのものではなく周辺の筋肉が影響している
「肩甲骨が硬い」という表現を耳にすることがありますが、実際には肩甲骨そのものが硬くなるわけではありません。
肩甲骨の動きに関わる筋肉の柔軟性が低下することで、肩甲骨を動かしづらく感じる状態が生じると考えられています。
肩甲骨には複数の筋肉が付着しており、それぞれが連携しながら動作を支えています。
そのため筋肉が緊張した状態が続くと、肩甲骨の可動域にも影響が出やすくなります。
デスクワークやスマホ操作が続くと肩甲骨を動かす機会が減る

現代人の生活習慣の中で、肩甲骨への影響が特に大きいと考えられるのが、
・パソコン作業
・スマートフォンの操作
・長時間の座り姿勢
です。
これらの動作では腕が前方に位置する時間が長くなりやすく、肩甲骨を大きく動かす機会が少なくなります。
また、同じ姿勢が続くことで肩や背中まわりの筋肉が緊張しやすくなることもあります。
武内先生は、「肩甲骨まわりの筋肉を定期的に動かす習慣を取り入れることが大切です」と話します。
そのため、日常生活のなかで無理のない範囲で肩甲骨を動かすストレッチを取り入れることが、体を快適に動かす習慣づくりにつながります。
今すぐチェック!肩甲骨まわりの動きやすさを確認しよう
肩甲骨ストレッチを始める前に、まずは現在の状態をチェックしてみましょう。
肩甲骨の動きやすさには個人差がありますが、日頃あまり動かしていない場合は、可動域が狭くなっていることがあります。
ここでは自宅で簡単にできるセルフチェック方法を紹介します。
チェック① 背中で左右の手のひらを重ねられる?

やり方
1. 両腕を背中側へ回す
2. 左右の手のひらを近づける
3. どの程度近づくか、手のひら同士を重ねられるかを確認する
チェックポイント
・手のひらを重ねられない
・そもそも腕を後ろへ回しづらい
このような場合は、肩甲骨まわりを動かす機会が少なくなっている可能性があります。
チェック② 壁に背中をつけたまま腕を上げられる?

やり方
1. 壁に背中をつけて座るor立つ
2. ゆっくりと両腕を真上へ上げる
チェックポイント
・腕を真上に上げられるか
・左右で動かしやすさが違う
・背中が壁から離れないか
上げられる場合でも、窮屈さや動かしにくさを感じるなら、肩甲骨まわりの柔軟性を意識した運動習慣を取り入れてみるのも良いでしょう。
タオル1本でできる!肩甲骨ストレッチのやり方
セルフチェックで動かしにくさを感じた人はもちろん、日頃から体を動かしたい人にもおすすめなのが、タオルを使った肩甲骨ストレッチです。
タオルを使うことで腕の位置を安定させやすくなり、無理のない範囲で肩甲骨まわりを動かしやすくなります。
肩甲骨ストレッチの手順

STEP1
タオルの両端を持ち、肩幅よりやや広めに構えます。
背筋を伸ばし、胸を開くような姿勢を意識しましょう。
STEP2
ゆっくりと両腕を頭上へ持ち上げます。
肩に力が入りすぎないよう注意します。
STEP3
息を吐きながら、頭の後ろを通すイメージで腕を後方へ引きます。
このとき、左右の肩甲骨を寄せるよう意識してみましょう。
STEP4
無理のない位置で約10秒キープ。
呼吸は止めず、自然なペースを保ちます。
STEP5
息を吸いながら腕をゆっくり元の位置へ戻します。
これを10回を目安に繰り返します。
ストレッチ効果を高める3つのポイント
① 呼吸を止めない
ストレッチ中に呼吸を止めると体に余計な力が入りやすくなります。
吸う・吐くのリズムを意識しながら行うことで、リラックスした状態で取り組みやすくなります。
② 痛みが出るところまで無理をしない
可動域には個人差があります。
「しっかり伸ばそう」と無理をすると、かえって体へ負担がかかる場合があります。
心地良く動かせる範囲で行いましょう。
③ タオルの持ち幅で負荷を調整する
タオルを持つ幅を広げると負荷は軽くなります。
反対に狭くすると肩甲骨まわりを大きく動かしやすくなります。
まずは両端を持つところから始め、自分に合った幅を見つけてみましょう。
ストレッチ中に音が鳴るのは大丈夫?
肩甲骨ストレッチをしていると、
・ゴリゴリ
・コリコリ
・パキパキ
といった音を感じることがあります。
しかし「痛みを感じないのであれば、心配する必要はありません」と武内先生。
これは筋肉と筋肉をつないでいる「筋膜」という組織が剥がれていく音のため、「むしろ、こり固まった筋肉が動いている証拠です」とのこと。
ただし、
・強い痛みがある
・違和感が続く
・腫れを伴う
場合は無理を続けず、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。
肩甲骨タオルストレッチを続ければ脂肪燃焼促進も
このストレッチを続けていると姿勢に変化が現れるといいます。
「ストレッチすることで周辺の筋肉がほぐれ、肩甲骨の位置が矯正されると、耳から肩、腰までのラインがまっすぐに整います。胸が開き、見た目の印象だけでなく、気分もシャキッとするはずです。
また、このストレッチをすると猫背の状態では使わない筋肉を意識的に動かすことになり、結果的に代謝がアップ。
肩甲骨まわりには脂肪燃焼を促進させる『褐色脂肪細胞』が密集しているとも言われるため、太りにくい体づくりも期待できます」(武内先生)
ストレッチ前におすすめ!ホットタオルで体を温めよう

肩甲骨ストレッチを行う前に、体を温める習慣を取り入れるのもおすすめです。
特に長時間のデスクワークやスマートフォン操作のあとなどは、肩や背中まわりがこわばったように感じることがあります。
そんなときはホットタオルを活用してみましょう。
温かいタオルを肩や背中に当てることでリラックスタイムをつくりやすくなり、ストレッチ前の準備としても取り入れやすくなります。
ホットタオルの簡単な作り方
1. タオルを水で濡らして軽く絞る
2. 電子レンジにセット。
フェイスタオル1枚につき、500Wで1分〜1分30秒程度温める
3. 暑すぎないか確認し、火傷しない程度に冷めたら完成。
※加熱時間は電子レンジの出力やタオルの厚みによって異なります。
火傷を防ぐため、必ず温度を確認してから使用してください。
肩甲骨だけでなく鎖骨まわりも意識しよう
肩甲骨というと背中側だけをイメージする人も多いかもしれません。
しかし肩甲骨は鎖骨とも連動しているため、肩や首まわりを含めて体全体を意識することが大切です。
ホットタオルで肩まわりを温めながら、鎖骨周辺を揉むようにマッサージしたり、軽く肩を回したり首を動かしたりするのも良いでしょう。
肩甲骨ストレッチに使うタオルの選び方
タオルストレッチはどんなタオルでも行えますが、より快適に続けるためにはサイズや素材にも注目したいところです。
適度な厚みがあるものを選ぶ
薄すぎたり厚すぎたりすると、手に力を入れるのが難しく、フォームが安定しません。
ストレッチ用途では、適度な厚みとハリ感のあるタオルがおすすめです。
長めサイズなら負荷を調整しやすい
肩甲骨ストレッチではタオルを持つ幅によって負荷を調整できます。
そのため、
・フェイスタオル
・スマートバスタオル
など、ある程度長さがあるタイプのほうが使いやすい場合があります。
特にスマートバスサイズはバスタオルに近い長さを持ちながら扱いやすく、ストレッチ用途とも相性の良いサイズです。
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よくある質問
Q. 肩甲骨ストレッチは毎日行ってもいい?
体調や体の状態に合わせて無理のない範囲で行いましょう。
継続しやすい頻度で取り組むことが大切です。
Q. 肩甲骨が硬い人の特徴は?
長時間同じ姿勢で過ごすことが多い人や、日常的に身体を動かす機会が少ない人は、肩甲骨まわりの動きが小さくなっている場合があります。
Q. ストレッチ中に音が鳴るのは問題ない?
痛みや違和感がなければ過度に心配する必要はないとされています。
ただし強い痛みを伴う場合は中止し、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。
Q. 肩甲骨はがしだけで身体の悩みは解決する?
肩甲骨ストレッチは運動習慣の一つとして取り入れられる方法です。
身体の状態には個人差があるため、気になる症状がある場合は医療機関へ相談することをおすすめします。
タオルを活用して肩甲骨を動かす習慣を
肩甲骨は腕や肩の動きを支える大切な部位です。
「かつて、肩まわりの痛みを理由にクリニックを受診される患者さんは40代、50代以降の方が中心でした。
ですが、パソコンやスマートフォンが欠かせない現代のライフスタイルが影響し、最近では20代の患者さんも少なくありません。
肩に問題がある状態ではちょっとしたつまずきにも受け身の動作が取りづらく、ケガのリスクが高まる危険性も否定できません」(武内先生)
そんなときに取り入れやすいのが、タオルを使った肩甲骨ストレッチ。
タオルがあることでフォームを安定させやすく、運動習慣がない方でも始めやすいのが魅力です。
まずはセルフチェックから始め、自分に合ったペースで肩甲骨まわりを動かしてみてはいかがでしょうか。
日々の小さな積み重ねが、健やかな体づくりにつながります。
Photo │ Kaho Furui


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