蒸しタオル(ホットタオル)の作り方や効果を解説!いいことずくめのセルフケア方法を紹介
2025.01.10
使うホットタオルはいいことずくめ。温かさにホッと心がほぐれるだけでなく、体の疲れを癒すにも、美容にも効果を発揮してくれます。しかも、作り方はとっても簡単です。
ホットタオルの効果や作り方を教えてくれるのは、セラピストとして3万人以上を癒してきた山本幸恵さん。山本さんは完全予約制のプライベートサロン『ヒーリングヘッドセラピー ティファレス』を運営し、「私のサロンには蒸しタオルが欠かせません」と話します。
ヘッドスパ美容研究家/深頭筋ヘッドセラピスト
山本幸恵さん
2006年から7年間、日本初のオーナーセラピストとしてヘッドスパ専門サロンを経営。独自に開発した「深頭筋マッサージ™」「顔筋矯正マッサージ」が多くのメディアに注目され、これまでに施術した人数は3万を超える。現在は東京・新宿区にてプライベートサロン『ヒーリングヘッドセラピー ティファレス』を運営し、独自の施術で癒しを提供。その根底にある考え方やセルフケアの方法を世に伝えるべく、メディアへの出演も多数。
2006年から7年間、日本初のオーナーセラピストとしてヘッドスパ専門サロンを経営。独自に開発した「深頭筋マッサージ™」「顔筋矯正マッサージ」が多くのメディアに注目され、これまでに施術した人数は3万を超える。現在は東京・新宿区にてプライベートサロン『ヒーリングヘッドセラピー ティファレス』を運営し、独自の施術で癒しを提供。その根底にある考え方やセルフケアの方法を世に伝えるべく、メディアへの出演も多数。
ホットタオルの効果とは?
じんわりと温かな蒸しタオル。この温かさがもたらしてくれるのが血行促進です。
血液には生きるために必要な酸素や栄養素を体の隅々に運び、不要になった老廃物を体内の処理器官に届ける役割があります。その巡りのことを血行といいます。
つまり血行は体の循環機能の役割を担っていますが、血行が悪くなると、その働きが低下。結果的に、体にさまざまな不調が起こるといいます。
「血行不良は血管が収縮した状態。反対に、血管は温めると拡張する性質を持ちます。ホットタオルの温かさが血管を広げ、血液が流れやすくなるのです。
また、蒸しタオルには癒しの効果も。お肌に触れるタオルが“幸せホルモン”の分泌を促進してくれます」
“幸せホルモン”とは、多幸感をもたらし、ストレスを和らげる「セロトニン、オキシトシン、ドーパミンなどの神経伝達物質」のこと。“愛情ホルモン”とも呼ばれ、主にスキンシップによって盛んに分泌されますが、心地よい肌触りのファブリックに触れることでも同様の効果が期待できるのだそう。
そのため、山本さんは「血行改善だけでなく、同時にストレスの緩和も望むなら、ご自身が気持ちいいと思える、とっておきの1枚を使ってみてください」と話します。
こんな時にホットタオルがおすすめ!
血行促進に効果的な蒸しタオル。血行不良は体にさまざまな不調を引き起こすため、「なんだか疲れているな」と感じているときには、特にその効果を実感できるはずです。
眼精疲労をはじめとする疲れに
「血行不良による不調の代表例が体のコリですが、それだけではありません。例えば、じんわりと痛むことの多い緊張性頭痛の一因も血行不良にあります。
血行不良を原因に乳酸をはじめとする疲労物質が体外に排出されず、痛みとして現れるのです」
また、目の充血や視界のかすみ、目の奥の痛みといった症状を引き起こす眼精疲労のほか、目の下のクマ、特に目の下が青黒く見える“青クマ”の一因も血行不良だとか。
「目を酷使すると目元の筋肉が緊張し、血行不良を招きます。その結果、眼精疲労の症状が現れるわけですが、血行不良になると、目の周りの静脈血の流れが鬱滞します。
二酸化炭素を多く含んだ静脈血は暗血色をしているため、それが目の下の窪みに停滞し透けて見えている状態が青クマです。」
体のコリも緊張性の頭痛も、眼精疲労も目の下の青クマも、どれもがお疲れのシグナル。なかでも、特に蒸しタオルが効果的な症状として、山本さんは眼精疲労を挙げます。
「両目を覆うようにホットタオルを当てれば、目元を重点的に温められます。目元の血行が改善することから視界がパッと開け、同時に青クマの改善にも効果的です」
ちなみに、長時間のデスクワークによってコリやすい首や肩の疲れを癒すには、ホットタオルを首の後ろに当てるのがおすすめだそう。
枕にビニールやラップを敷き、その上にホットタオルをセット。仰向けに寝れば、楽な姿勢のまま、首の後ろを温められます。
また、頭痛の緩和にも効果的な蒸しタオルですが、痛みの種類によっては逆効果になるケースも。こめかみのあたりがズキズキと脈打つように痛む偏頭痛を緩和するには、冷やすほうが効果的。温めると痛みが増すこともあるというので、注意が必要です。
肌のトーンアップや毛穴汚れの改善に
体の不調だけでなく、ホットタオルは美容にも効果的。山本さんのサロンではフェイシャルトリートメントの一環として、ホットタオルを活用しているといいます。
「顔の血行が促進されることから、肌のくすみが改善し、パッと明るくトーンアップ。さらには、毛穴に詰まった汚れを除去しやすくもなります。ホットタオルの温かな蒸気によって角栓が柔らかくなり、汚れが浮き上がりやすくなるので、スキンケアにも有効です」
同様のメカニズムにより、ホットタオルは頭皮のニオイが気になるときにも効果的。その方法は、温めたタオルをターバンのように頭に巻きつけるだけ。
それだけでホットタオルの蒸気が頭皮に伝わり、頭皮に詰まった毛穴汚れが落ちやすくなるのだそう。
「頭皮を温めると頭の血管が拡張し、すっきり、気持ち良くリフレッシュできます。ただし、顔も頭皮も温熱を受けた皮膚は乾燥しやすい状態に。
そのため、特に秋冬の乾燥しやすい季節には、ホットタオルを当てたあとはしっかり保湿するようにしましょう」
美容のためのホットタオルが乾燥を招いてしまっては、たしかに本末転倒。頭皮専用の保湿ローションも販売されているので、チェックしてみると良いかもしれません。
ホットタオルの作り方
ホットタオルの効果をご理解いただけたなら、お次はホットタオルの作り方をご紹介。と言っても、方法は至って簡単。お湯でも、電子レンジでも作ることができます。
<お湯>でのホットタオルの作り方
(1)洗面器などの容器に60〜80℃のお湯を入れ、タオルを浸ける。
(2)やけど防止のために厚手のゴム手袋を装着し、(1)のタオルをしぼる。
(3)やけどしない程度にタオルが冷めたら出来上がり。
<電子レンジ>でのホットタオルの作り方
(1)タオルを水で濡らし、軽くしぼる。
(2)電子レンジに(1)のタオルをセット。フェイスタオル1枚につき、500Wで1分から1分30秒ほど加熱する。
(3)やけどしない程度にタオルが冷めたら出来上がり。
※肌の弱い方や熱さが苦手な方は、ご自身の肌の状態やお好みに合わせ、加熱時間を調節してくださいね。火傷にも注意してください!
「ホットタオルの適温は、素手で問題なくタオルを持てる程度です。お顔の皮膚は薄く、とても敏感。素手で『熱っ!』と感じる温度では刺激が強すぎるため、注意が必要です」
心が和らぎ、顔も明るく!ホットタオルのフェイスケア
お湯でも電子レンジでも、やけどにさえ注意すれば、どちらの作り方もとっても簡単。特にお顔を温めることは日常にも取り入れやすい、ホットタオルを用いたケアの基本です。
せっかくお顔を温めるなら、目に疲れを感じているかどうかにかかわらず、目元もしっかりと覆うのがおすすめ。目元の血行が促進され、青クマの予防にもつながります。
(1)フェイスタオルを用い、ホットタオルを作る。
(2)適温に冷めたらタオルの長辺を四つ折りにし、ヨコ向きに顔にのせる。
(3)目のくぼみにも熱が伝わるよう目元を軽く手で押さえ、タオルの熱が冷めるまで5分程度を目安にリラックス。
このとき、より深い癒しを求める方におすすめなのが、アロマスプレーを併用すること。温めたタオルに吹きかければ、温もりにも、心地いい香りにも心が安らぎます。
また山本さんは、いつものスキンケアにホットタオルの併用をおすすめしています。
メイクを落とした後、ホットタオルでお顔を温めて毛穴を開かせます。その後に、洗顔をすると、いつものクレンジングをより効果的に行うことができます。
さらに、冬場の乾燥が気になる時期には、洗顔後にもホットタオルが役に立つのだとか。
お顔全体に化粧水を塗った後、その上にオイルを重ねて、固く絞ったホットタオルでお顔を温めます。温めた後は軽く拭い、クリームなどでカバーすると保湿効果を得ることができます。
「ホットタオルはお顔の皮脂を奪ってしまうことがあるので、オイルなどを併用することがポイントです。反対に、夏場は毛穴が詰まりやすいので、ホットタオルのみでも十分に効果が発揮されますよ」
フェイスケアにおすすめのnishikawa TOWEL
お肌のおまもり
サイズ|フェイスタオル(34×80cm)
価格|880円(税込)
ふわふわでやわらかい触り心地。毛羽落ちが少なく、吸水性がよくお肌にやさしいので洗顔後にもおすすめです。
肌に触れるホットタオルもやさしい素材に「お肌のおまもり」
「お肌にやさしいタオルが欲しい」という声から生まれたタオル「お肌のおまもり」。
ふわふわで柔らかな肌触りなのに、毛羽落ちが少ないので洗い立ての肌にもストレスなくお使いいただけます。
お肌にやさしいヒミツはnishikawaが独自で開発した「空糸®︎」。
パイル糸にnishikawa(西川)独自の撚りをかけることによって、柔らかく包み込むような肌触りと毛羽の少なさを実現しました。
ニオイのケアに保湿も!タオルで頭皮クレンジング
簡単に作れるホットタオルを活用すれば、サロン顔負けのスペシャルケアも手軽。ホットタオルとキャリアオイル(※)、それにラップさえあれば、頭皮クレンジングと同時に頭髪ケアまででき、毛穴の汚れを落とすだけでなく、オイルによる保湿も叶います。
※植物の種子や果実から抽出された油のこと。なかでも手に入れやすく、コストパフォーマンスが高いのがアーモンドオイル。さらさらと伸びが良いことから扱いやすく、さらには酸化しづらいため、少しくらいの洗い残しがあっても問題ありません。
(1)ホットタオルを作り、小皿などの容器にキャリアオイル5〜10ml程度を用意する。
(2)髪を細かくかき分けながら、頭皮全体に指先でオイルをなじませる。
(3)側頭部・前頭部は頭頂部に向かって、後頭部は中心線に向かって、(2)でなじませたオイルを頭皮にすり込むようにマッサージ。爪は立てず、ジグザグと指の腹を動かして。
(4)容器に残ったオイルを乾燥しがちな毛先を中心に髪の毛になじませる。
(5)頭全体をラップで包み、その上からホットタオルを巻く。そのままタオルの熱が冷めるまでリラックス。
(6)タオルとラップを外し、シャンプーをしてオイルを洗い流す。
「この頭皮クレンジングは、お風呂でするのがおすすめですよ」と山本先生はおっしゃいます。ホットタオルで20分程度温めることで、成分が頭皮に浸透する「経皮吸収」が始まりより効果的に。ホットタオルを巻いたまま湯船に浸かれば、タオルの熱も冷めにくく、湯船の蒸気によっても毛穴や血管が拡張します。タオルが冷めてきたら、湯船のお湯で温め直すこともできます。
また、頭皮のニオイやかゆみ、脂っぽさが気になる方はオイルに精油をミックス。かゆみ・ニオイには抗菌作用のあるティーツリー、脂っぽさには皮脂分泌のバランスを整えるゼラニウムやローズマリーを用い、使用量はオイル5〜10mlに対して2〜3滴が目安です。
オイルに精油を混ぜても「まだまだ、すっきりしない!」という方は、キャリアオイルのかわりにお化粧落としのためのクレンジングオイルを用いても良いとか。ただし、やり過ぎは頭皮の乾燥を招きかねないため、“月に一度の大掃除”の感覚がベターだそう。
頭皮のクレンジングにおすすめのnishikawa TOWEL
moussepuff
サイズ|フェイスタオル(34×80cm)
価格|1,870円(税込)
洗濯すればするほどボリューム感がアップするタオル。吸水性が高くふんわり感が長続きする特殊な糸なので、柔らかな風合いを長くご使用いただけます。
忙しい毎日のヘアケアにnishikawaのnewmineコスメティックスシリーズもおすすめ
「肌触り」と「美容効果」を兼ね備えた素材を追求したnewmineコスメティックスタオル。タオルの繊維に練り込まれている美容成分が体温や摩擦によって髪に浸透し、ハリやコシを与えてくれます。
また、綿と特殊糸を格子に織り上げているので、肌触りもふんわり柔らか。スマートバスやフェイスタオル、コンパクトタオルの使い勝手のいいサイズ感で、生活スタイルに合わせてお使いいただけます。
この機会にマスター!タオルの上手な巻き方
ご紹介した頭皮クレンジングのポイントは、ホットタオルとラップを重ね、タオルの熱と体温を逃さないようにすること。とはいえ、慣れない方にとっては頭にタオルを巻くのはひと苦労。でも、コツさえつかんでしまえば、スムーズに負けるようになります。
(1)タオルを肩にかける。片方の生地のフチを持ち、生え際に沿って頭に巻く。
(2)生え際に沿って引き上げた生地の顔側のフチを3〜5cmほど折り返す。
(3)(2)の折り目を押さえながら、反対側の生地を水平方向に強く引っ張る。
(4)(3)を反対側の生地と交差するように引き上げ、生地の端を(2)の折り目に入れ込む。
(5)後頭部に垂れた生地で頭を覆い、ヘアクリップやバレッタで留める。
なかでも重要なのが、(3)のプロセス。生地を水平に引っ張ってから引き上げることで、安定感がアップします。使用するタオルの大きさは毛量にもよりますが、巻きやすさの点でいえば、バスタオルとフェイスタオルの中間、スポーツタオルのサイズがおすすめです。
ぬくぬくタオルを味方に、心身ともに健やかな毎日を!
ご紹介したとおり、ホットタオルはいいことずくめ。今回は主にホットタオルによる血行促進の効果をお届けしましたが、山本さんは「ホットタオルの温熱効果は、交感神経と副交感神経から成る自律神経のバランスを整えるのにも有効に働きます」と話します。
心身が緊張状態のときは交感神経が優位に、リラックス状態では副交感神経が優位に働くのが自律神経の特徴。交感神経と副交感神経は一方が優位に働くと一方の働きが低下し、まるでシーソーのような関係にありますが、このバランスが崩れると体に不調を来します。
「寒さによって体が強ばりがちな季節は、どうしても交感神経が優位になりやすく、自律神経のバランスが乱れがちになります。しかし、体を温めることで血管も筋肉もゆるみ、おのずと副交感神経が優位になるため、自律神経のバランスが取りやすくなるのです」
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自律神経は私たちの体のあらゆる器官と深く関わり、そのバランスを保つことは健康な毎日を送るための基本です。その基本にも、ホットタオルの温もりが効果を発揮します。
そこで、ふんわり軽やか、思わず頬ずりしたくなるような風合いのタオルを使えば、血行促進や自律神経のバランスを整えながら、同時に“幸せホルモン”も分泌。
疲労解消や美容にも効き、まさにいいことずくめのホットタオル。みなさんもぜひ、その心地よさと効果を実感してみてください。
Text | Kyoko Oya
Illustration | naohiga