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将棋棋士・瀬川晶司五段と今泉健司四段がタオルを将棋の手にたとえると?映画『泣き虫しょったんの奇跡』公開!

2018.09.07

知る
将棋棋士・瀬川晶司五段と今泉健司四段がタオルを将棋の手にたとえると?映画『泣き虫しょったんの奇跡』公開!

夢はありますか?

熱中するものはありますか?

まっすぐで熱い想いに触れ、心が震えること間違いなしの映画『泣き虫しょったんの奇跡』が、9月7日(金)に公開されました。

将棋棋士になる夢を年齢制限で叶えられなかった瀬川晶司さんが、サラリーマン生活を経て、周囲に支えられながら見事プロ編入試験に合格するという奇跡の実話を映画化したものです。

今回は、本作の原作者である瀬川晶司五段と、同じくサラリーマンからプロ編入試験に合格した今泉健司四段にスペシャルインタビューを敢行!映画への思いや見どころはもちろん、厳しい勝負の世界におけるタオルの存在感についてまで(!?)、たっぷり訊いています。

また、うっすら汗をかいてからタオルをお使いいただきたい…ということで、おふたりにお願いして腕相撲をしていただきました(笑)!ほかでは見ることのできないお姿、必見です。

今泉健司四段(左)、瀬川晶司五段(右)

将棋棋士

今泉健司四段(左)、瀬川晶司五段(右)

瀬川五段
1970年生まれ、神奈川県出身。史上初めて、サラリーマンからプロ編入試験によってプロ入りを果たした人物。原作『泣き虫しょったんの奇跡』は、自身の将棋人生を綴った作品。
瀬川五段のTwitterブログ

今泉四段
1973年生まれ、広島県出身。介護士を経て、2014年度に実施されたプロ編入試験に合格し、41歳でプロ棋士になった。40歳をすぎて夢を実現させた「41歳のオールドルーキー」と言われる。著書に『介護士からプロ棋士へ 大器じゃないけど、晩成しました』がある。
今泉四段のブログ

瀬川五段
1970年生まれ、神奈川県出身。史上初めて、サラリーマンからプロ編入試験によってプロ入りを果たした人物。原作『泣き虫しょったんの奇跡』は、自身の将棋人生を綴った作品。
瀬川五段のTwitterブログ

今泉四段
1973年生まれ、広島県出身。介護士を経て、2014年度に実施されたプロ編入試験に合格し、41歳でプロ棋士になった。40歳をすぎて夢を実現させた「41歳のオールドルーキー」と言われる。著書に『介護士からプロ棋士へ 大器じゃないけど、晩成しました』がある。
今泉四段のブログ

大それたものじゃなくていい。熱中するものを見つけよう

――さっそくですが、本作の見どころを教えてください。

瀬川五段:やっぱり将棋のシーンですね。監督が元奨励会(プロ棋士養成機関)出身ということもあり、こだわった部分です。対局の迫力、俳優さんが駒を持つ手つきや駒音…実際に大きな対局で使われた駒も使っています。こだわったからこそ、将棋に詳しくない方にもその魅力が伝わるのではないでしょうか。

こだわりの将棋シーン

 

今泉四段:ストーリーも瀬川さんが書かれた原作に忠実で、見応えがありますね。「プロ棋士になる!」という希望を持って奨励会に入会し、年齢制限で挫折。知らない方も多いかと思いますが、「26歳までに四段(=プロ)になれないと退会」という決まりがあるんです。将棋しかやってこなかったのに、突然道が絶たれる…。そこからまた這い上がっていく過程を瀬川さんも僕も経験しているのですが、将棋界だけでなく日常生活でもある話だと思います。まわりとの関係で、自分が本当に好きなものに気づくことができたり、支えられて強くなっていったり。

瀬川五段:そうですね、すべての方に楽しんでいただける内容だと思いますが、特に小学生や中学生のお子さんにオススメしたいです。将棋に出会ったせいで辛いこともありましたけど、かけがえのない幸せな瞬間もあったし、いろんな経験をさせてもらいました。夢や目標といった大それたものではなくて、自分が熱中する好きなものを見つけると、人生が豊かになるというか…そういったことに気づいてもらえたらなと。それで将棋に興味を持ってもらえたら、これほど嬉しいことはありません。

 

――豪華なキャスト陣ですが、撮影中は控室で将棋を指されていたとか?

瀬川五段:はい、みんな指していましたね。俳優さん同士で盛り上がっていて、その光景がすごく良くて。

今泉四段:それは、すばらしいですね。何人か、実際の棋士が登場するのも注目じゃないですか?

瀬川五段:そうそう、棋士が登場すると、試写会でも歓声があがっていましたね。豊田利晃監督とプロ棋士の行方尚史(なめかた・ひさし)八段が、飲み仲間なんですよ。撮影中、行方くんが応援に来てくれたんですが、豊田監督が「ちょっと出ない?」って言って急遽出演することになって。

今泉四段:へえ、そんな裏話が!僕もすごく出たかったんですけど、都合がつかなくて(涙)。登場人物が実在の人物に近い名前になっていて、細部にまでこだわっているところもおもしろかったです。

裏話

瀬川五段:裏話といえば、現場では役者さんを役名で呼ぶんですけど、松田龍平さんは「晶司さん」と呼ばれていて。控え室で松田さんと話していて、「晶司さん出番です」って声がかかると、ふたりで立ち上がってしまうことが多くて笑われました(笑)。

 

いくつになっても夢は叶う

――これから映画を観られる方へ、一言お願いします。

瀬川五段:映画化が決まってから、松田龍平さんの作品をかなり観たんです。そのうえで、手前味噌ではあるのですが、今作が一番“THE・松田龍平”という感じがしました。でも一方で、試写を観た棋士仲間に「途中から、松田さんが瀬川くんのようだったよ」って言われて。外見はもちろん全然違うんですけど(笑)、僕の雰囲気や内面を汲んで、演じてくれたんです。松田さんの熱演も、ぜひ楽しんでほしいと思います。

雰囲気や内面を汲んで演じた松田さん

今泉四段:豊田監督が将棋界に詳しいから、将棋界の残酷さがリアルに描かれていますよね。だから、いくつになっても夢は叶うっていうメッセージが輝くし、多くの方の背中を押すのではないでしょうか。あとは、社会人になっていろんなことを知ってから改めて夢に向かっていく過程を観て、まわりへの感謝の気持ちが湧いてくると思います。

 

厳しい勝負の世界で、タオルは癒やしに

――ふだんは厳しい勝負の世界に身を置かれるおふたり。日々の対局では、タオルをお持ちですか?

涼しい表情の瀬川五段と、今泉四段

涼しい表情の瀬川五段と、今泉四段。今泉四段は「演技派なんです!」と仰っていたとおり!

今泉四段:タオルかハンカチ、どちらかは持っていますね。僕はけっこう汗っかきなんですけど、対局に集中していると汗をやたらとかくんです。長考中は顔に当てていることもありますから、良いタオルは対局の癒しになりますよね。

瀬川五段:僕は必ず、タオルを持って対局室に入ります。ハンカチじゃなくてタオルです。実は、安室奈美恵さんのファンなので、ライブグッズのタオルを持って対局に臨むことが多いです。でも対局相手に「安室さんのタオルだ!」と知られてしまうとちょっと恥ずかしいので、わかる方でないとわからないようなタオルを使っています(笑)。

タオルを「将棋の手」で表現

 

無茶ぶり質問!タオルを将棋の手にたとえると?

――もしよろしければ…タオルを「将棋の手」で表現していただくことはできますでしょうか…?

今泉四段:おお、大喜利ですね(笑)…整いました!僕の場合、タオルっていうのは中飛車の5八飛車ですよ(※1)!やっぱり落ち着きますから。駒と同じで持っていたり持っていなかったりしますけど、持っているときは心の支え。中飛車は、僕の支えですからね。

(※1)今泉四段にとって、中飛車という作戦は十八番。5八飛車は飛車の指定席で、そこにあってこそ自分の力が100%出せる手です。

瀬川五段:う〜ん、何でしょうね…それでは、穴熊をしたときの8八銀としてください(※2)。一息つくというか、ホッとする存在という思いを込めました。なしでは成り立たない、重要な存在です。

(※2)穴熊という守りの型において、コクピットのドアを閉めるような手です。本格的な戦いのまえに、自分の布陣を守るための第一段階は整った状況です。

腕相撲の勝敗はつかず

「利き手を怪我しないように」と、腕相撲の勝敗はつけませんでしたが、部屋の温度が上がりました(笑)。ありがとうございました!

 

■映画情報

『泣き虫しょったんの奇跡』9月7日(金)全国ロードショー

アマチュアからプロへ!史上初の偉業を成し遂げた男の《実話》
あらすじ:26歳。それはプロ棋士へのタイムリミット。小学生のころから将棋一筋で生きてきた“しょったん”こと瀬川晶司の夢は、年齢制限の壁にぶつかり、あっけなく断たれた。奨励会の退会後、将棋とはしばらく縁を切り平凡な生活を送っていたしょったんに、突然訪れた父親の死…。親友・悠野ゆうやら周囲の人々に支えられ、さまざまな困難を乗り越え、再び駒を手に取ることに。しかし、プロを目指すという重圧から解放され、そのおもしろさ、楽しさを改めて痛感する。
「やっぱり、プロになりたい――」。
35歳、しょったんの人生をかけた二度目の挑戦が始まる。

監督・脚本:豊田利晃
原作:瀬川晶司『泣き虫しょったんの奇跡』(講談社文庫刊)
音楽:照井利幸
出演:松田龍平/野田洋次郎/永山絢斗/染谷将太/妻夫木聡/松たか子/イッセー尾形/小林薫/國村隼
製作:『泣き虫しょったんの奇跡』製作委員会 制作プロダクション:ホリプロ/エフ・プロジェクト
特別協力:公益社団法人日本将棋連盟
配給・宣伝:東京テアトル
©️2018「泣き虫しょったんの奇跡」製作委員会 ©️瀬川晶司/講談社
http://shottan-movie.jp/

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