温泉で「頭にタオルを乗せる」のには意味があった!?温泉ソムリエに聞いてみた!
2018.05.15
使う温泉にゆっくりつかるところを想像してみてください。…頭の上にはタオルが乗っているイメージが思い浮かびませんか?実は、あのタオルには意味があるんです!今回は全国の温泉を巡る紀行作家であり、温泉ソムリエアンバサダーの飯塚玲児さんに「頭に乗せるタオル」の秘密について解説してもらいました!
紀行作家/郷土料理写真家/温泉ソムリエアンバサダー
飯塚玲児さん
現存日本最古の旅行専門誌である月刊『旅行読売』編集長などを歴任。温泉ソムリエアンバサダー(温泉ソムリエ協会認定)、温泉入浴指導員(厚生労働大臣認可)、温泉観光士(日本温泉地域学会認定)、高齢者入浴アドバイザー(協会認定講師)。近著に『温泉失格 超改訂版』(徳間書店)があるほか、新聞、雑誌の連載多数。週刊メルマガ「飯塚玲児の”一湯”両断!」も好評配信中。
現存日本最古の旅行専門誌である月刊『旅行読売』編集長などを歴任。温泉ソムリエアンバサダー(温泉ソムリエ協会認定)、温泉入浴指導員(厚生労働大臣認可)、温泉観光士(日本温泉地域学会認定)、高齢者入浴アドバイザー(協会認定講師)。近著に『温泉失格 超改訂版』(徳間書店)があるほか、新聞、雑誌の連載多数。週刊メルマガ「飯塚玲児の”一湯”両断!」も好評配信中。
タオルを乗せるとのぼせにくくなる!?
温泉で頭にタオルを乗せる…古くからある文化ですが、これにはきちんとした意味があるんです。タオルを置く場所がないから?汗を押さえるため?いえ、正解は「のぼせ」の予防!入浴中は「静水圧」という圧力が、知らず知らずのうちにカラダにかかっています。これが意外に強い圧力で、深い浴槽で肩までつかっていると、ウエストがベルト穴1つ分くらい細くなると言われるほど。この「静水圧」によって、全身の血液が頭にのぼりやすくなります。つまり「のぼせやすい」状態。これを解消するのが、頭の上のタオルなんです!ただし、乾いたタオルでは意味がありません。冷たい水で濡らしたタオルを頭の上に乗せて冷やすことで、頭に血が上ってのぼせるのを防ぎます。
また、湯船から上がると「立ちくらみ」を起こすこともありますよね。これは下半身が静水圧から解放され、頭から足へと急激に血液が流れてしまうから。そんなときには、逆に温かいタオルが役に立ちます。やはり頭にタオルを乗せ、ゆっくり立ち上がりましょう。あらかじめ頭の血行をよくしておくことで、「立ちくらみ」を起こしにくくすることができます。
冬の露天風呂では頭を温める
一方で、冬の露天風呂では真逆の注意が必要です。カラダは温まっているのに頭だけが冷えている状態になるので、頭の血流が滞りがちになり、「脳貧血」や「血圧の急上昇」が起こりやすくなります。頭がジンジン痛んだら要注意!こうなる前に今度は、40℃くらいのお湯で濡らしたタオルを頭に乗せましょう。入浴前に頭からかぶり湯をし、頭の血管を開いておくことも大切です。そして先ほどとは逆に頭を温めて保温し、血流を良くすることで「脳貧血」「血圧の急上昇」を防ぐことができます。
タオルを乗せるときのポイント
ポイント1 頭を覆うようにすっぽりと
頭にちょこんと乗せるだけでは効果が不十分になります。頭を覆うように、かつタオルが湯船につからないよう、大きめに開いたタオルを耳の上あたりまで乗せましょう。
ポイント2 固く絞りすぎない
頭が濡れるのを気にして固く絞りすぎるのもNGです。これも効果が半減してしまいます。水分がある程度蒸発してしまっても大丈夫なように、ほどほどに濡れた状態にしましょう。水が垂れてこないくらいが目安です。
温泉で気をつけるべきタオルマナーとは
公共の温泉では、タオルの扱い方は十分に気をつけるべきもの。濡れタオルを作るときに、湯船につけるなんていうのは絶対NG。また使い終えたタオルは固くしぼり、浴室内でしっかり体を拭き取って、脱衣所に水滴が落ちないよう配慮しましょう。ほかの利用者も気持ちよく過ごせるよう気をつけてタオルを使い、楽しい温泉タイムを過ごしてくださいね!