旅行や受験でのホテル宿泊に!手軽にできる「タオル加湿」で感染症予防対策
2023.12.05
使う乾燥が気になる季節がやってきました。
室内が乾燥したままで過ごしていると、「喉がイガイガする」「肌がカサついている」と感じてしまいます。
またこの季節、冬休みで旅行をする人や、受験のためにホテルに宿泊する人も多いのではないでしょうか。
常に空調が効いているホテルの客室は乾燥しがち。
そこで今回は、内科医の日比野佐和子先生に、自宅やホテルでの乾燥対策について伺いました。
湿度が下がるとウイルスが拡散しやすくなる!乾燥による健康への影響
冬、特に太平洋側の地域は、気温と共に湿度が下がり空気が乾燥します。
また、暖房をつけることで外気だけでなく、室内もカラカラに。
そうすると、段々と肌がカサついてきたり、喉がイガイガしてきたりしますよね。
このように体のサインとして表れているとき、実は既に部屋は乾燥状態。感染症にかかりやすくなるなど、健康への影響も出やすくなります。
「乾燥した空気中では、くしゃみなどの飛沫がより遠くまで飛びやすくなります。
また、乾燥すると肌や粘膜などのバリア機能が落ち、免疫力も低下。
ウイルス感染の可能性が高まってしまうため、適度な加湿を意識しましょう」
湿度の保たれた部屋では、ウイルスが下へと落ちていきますが、乾燥した部屋では2〜3時間は空気中に漂い続けるそう。
日比野先生は、加湿と同時に適度な換気も促します。
「厚生労働省が推奨するウィルス予防対策では1時間に2回以上となっていますが、最低でも2時間に1回は、5分程度窓を開け、部屋の空気を入れ替えましょう。ただし、換気のたびに部屋の湿度は下がるため、換気後は忘れずに加湿を行ってください」
参考文献:厚生労働省「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気方法
冬場は「湿度40〜60%」が適切!加湿のポイントと注意点
「部屋の湿度は40〜60%がおすすめ」と話す日比野先生。
冬の室内では常時加湿器をつけて、乾燥を予防することを推奨しています。
「加湿器以外でも、洗濯物を部屋干ししたり、観葉植物は水分を蓄えているのと土にも湿度があるため、室内に置いたりするのも乾燥対策として効果的です。
また、美肌のためには、60〜65%の湿度が良いとされていますが、65%を超えてしまうとカビの発生につながってしまうため、過度な加湿には注意が必要です」
さらに、加湿器をつける際は、窓などの「結露しやすい場所」に向けないように気をつけた方が良いとのこと。
結露した水滴を放置していると、カビや雑菌の増殖につながるため気をつけましょう。
旅先のホテルでは、手軽にできる「タオル加湿」がおすすめ!
冬は帰省や旅行、そして受験などでホテルや旅館に宿泊する機会も多いはず。
そこで気になるのが宿泊施設の湿度。
ホテルの部屋が乾燥しやすいのは、建物の気密性の高さが理由の1つです。
外気が入りにくい環境の部屋で、常時エアコンが効いているため、湿度が低くなってしまうそう。
最近は加湿器を貸し出してくれる施設もありますが、もし加湿器の用意がなかった場合はどうすればよいのでしょうか?
そこで日比野先生が教えてくれたのが、簡単にできる3つの加湿方法をご紹介します。
①枕元に水を入れたコップを置く
コップに水やお湯を入れて枕元に置くだけ。
自然と水が蒸発して、顔まわりを加湿してくれます。
②マスクを着けて寝る
こちらも、とても簡単なTIPS。
マスクを着けることで、自身の呼気により乾燥を防ぐことができます。
最近は加湿専用のマスクも市販されているので、外泊の際は準備しておくと◎!
③濡れたタオルを干す
濡れたタオルを枕元近くで干すと、乾いていく過程で、顔まわりを加湿してくれます。ホテルにあるタオルでできるので便利。
3つのなかでも日比野先生が特におすすめし、先生自身もホテルに宿泊する際に行っているのが「タオルでの加湿」。
「フェイスタオルやバスタオルを濡らし、ハンガーなどにかけておけば自然に水分が蒸発し、空気中を加湿してくれます。手軽にできるので、ぜひ試してみてください」
タオル加湿をする場合は、枕元などの体に近い位置か、エアコンの吹き出し口付近に置くのがおすすめとのこと。
その際、清潔なタオルを使い、雑菌を撒き散らさないよう注意しましょう。
また、使用するタオルは速乾性のものよりも、綿100%の素材で厚みのあるものの方が保水力もあり、長時間部屋を加湿してくれるので良いそうです。
***
自宅でも旅先でも、加湿による感染症対策を行い、冬場の体調管理を意識してみてはいかがでしょうか。
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ゆるく撚った糸を織り上げたふっくらとした肌触りで、高級感のあるぜいたくなタオルです。
「医療法人社団康梓会Y’sサイエンスクリニック,SAWAKO CLINIC×YS」統括院長。
日比野佐和子先生
医師・医学博士。再生医療やアンチエイジング医療の第一人者として、国際的に幅広く活躍する。
医師・医学博士。再生医療やアンチエイジング医療の第一人者として、国際的に幅広く活躍する。
photo|Sohei Kabe
text|Yuka Sato
極めて甘く撚った太い糸を使用し、しっかりと織り上げたボリューム感のあるタオル。もっちりとした弾力が魅力です。