西川チェーンって
どんな店?

心通うやり取りは、リアル店舗ならではの魅力。
岡山県真庭市「ふとんのとみなが」
社長インタビュー編

岡山県の北部、真庭市に店を構える「ふとんのとみなが」を2回にわたってご紹介。
今回は同店の歴史や想いに迫る、社長インタビュー編です。

時代の流れに合わせて店舗も
販売スタイルも変革。

お店の歴史を教えてください。

1934年(昭和9年)に祖母が綿の打ち直しを行う店を創業したのがルーツ。その後お客さまに代わってふとんの仕立て直しをするようになり、木綿ふとんの製造販売も始めて、有限会社富永ふとん店を設立したのが1964年(昭和39年)です。創業以来、店舗と工場は久世駅前の通りにあった自宅に併設していましたが、1967年(昭和42年)に上町商店街へ移転しました。
家業が祖母から父へと引き継がれる一方、私は一旦高校卒業と同時に家を出たのですが、父が体調を崩したため2年半程で呼び戻されて。しばらくして父が亡くなり、代表取締役を引き継ぎました。私が22歳の頃です。

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現在お店を切り盛りする代表取締役の富永知行氏(右)と娘の富永千津氏(左)。

お店を継いでからは
どのような変化がありましたか?

継いだ当時は外販が7割、店舗販売が3割でしたが、私はそれが嫌で。まずは外販をやめて、来ていただける店づくりを目指しました。元々人見知りで営業が苦手だったのもありますが、睡眠へのお悩みや要望を持ってご来店されたお客さまに一対一でしっかりと向き合い、最適な寝具をご提案する販売スタイルを確立したいと考えたのです。
また、周辺にはホームセンターや量販店が出店してきている中で、そこに対抗するのもやめようと決意。価格競争の波にはのらず本物志向で、高くても良いものを置く寝具専門店であることを目指しました。
そのため、1992年(平成4年)には店舗を現在の場所へ移転。2階建ての路面店となり、2007年(平成19年)にはオーダーメイド枕とオーダーメイドマットレスの取り扱いを始めました。そして、2016年(平成28年)に全面改装。2階をワンフロア丸ごと、くつろぎながらさまざまな寝具を試せる体験スペースにしました。

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靴を脱いでスリッパに履き替え、のびのびと寝具を体験できる2階フロア。

豊富な知識と確かな品質の商品でお客さまの期待に応え続ける。

どのようなお客さまが来られますか?

幅広い年齢層の方にお越しいただいていますが、特に最近は若い世代が増えた印象。30代の男性がお一人で来られて、ハイスペックの寝具をお求めになることも多いです。一昔前なら高級車や高級時計に憧れていたところ、今はそれよりも高級寝具と考える方も増えているようで。価値観の変化や睡眠への関心の高まりを感じます。
エリアとしては真庭市内や近隣の津山市、鏡野町のお客さまがメインですが、さらに遠く岡山市の南区から来店予約をいただくことも。わざわざインターネットで調べて見つけてくださったり、人づてに評判を聞いたりして、何時間も車を走らせて来ていただいています。手間をかけても専門家の提案できちんとした寝具を選びたいという、強い想いが有難いです。

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「わざわざ来ていただいたのだから」と、配達は遠方であってもスタッフ自ら出向く。

お客さまとのコミュニケーションにおいて
心掛けていることはありますか?

店で取り扱う寝具は、私たちが本当に良いと思っているもの。だから、お客さまにも自信をもってご提案するようにしています。
もう十年以上前のことですが、高級なムートンシーツを購入いただいたお客さまに、後日「使い心地はいかがですか?」と尋ねたところ、怒られたんです。「自信をもってすすめたのだから『買って良かったでしょ!?』と言いなさい」って(笑)。確かに、自信をもっておすすめして、購入後も自信をもってお声掛けしたほうが、お客さまも気持ちが良い。そう気づかされてから、今も意識して続けています。
もう一つ心掛けているのが、説明しすぎないこと。当店ではスタッフ全員、睡眠や商品の知識が頭の中にたくさん詰まっています。でも、お客さまからすればあまりにも詳しく専門的に説明されすぎても、難しくて耳に入らないだろうなとも感じていて。前のめりになりすぎず、お客さまに尋ねられたことに対して、その都度必要な引き出しを開けて情報をお届けするようなイメージでお話するようにしています。

お客さまの反応はいかがですか?

お客さまは皆さん、寝具を試すために2階へ上がるときは緊張した面持ちなんです。でも、帰りに下りてくるときはニコニコされている。納得の寝具に出合えた嬉しさや安心感、これからへの期待感などに溢れているんですよね。そんな表情の違いを見ては、いつも「良かったね」とスタッフ同士で話しています。
やはり寝具の良さや違いは、実際に寝て比べてみないと分からないもの。色々な商品を試していただくと「寝具ってものによってこんなに違うんですね!」と毎回驚かれます。こうして「とみながに来て相談して良かった」と、ご満足いただけるお買い物体験を提供できたときは充実感がありますし、高価格帯の寝具でも「買わされた」ではなく「買いたいと思うものを買えて嬉しい」と言っていただけるとこちらも本当に嬉しいです。

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売って終わりではなくアフターフォローが丁寧な点も顧客満足や信頼につながり、リピーターも多い。

スタッフ一人ひとりが主役となって店を盛り上げる。

お店づくりでモットーとしていることは
何ですか?

新しいことでも否定せず、「とりあえずやってみる」こと。いつの時代も何か新しい動きをしようとすると、必ず反対されるものですよね。当店も例えば、外販をやめたり、オーダーメイド枕やマットレスの扱いを始めたり、特に商店街から移転する際は「こんな田舎で路面店なんてやっていけるのか?」と心配されました。でも、他のお店も色々と工夫をしている中で、「こんな田舎でも、とりあえずやるしかない!」という意気込みで試行錯誤しながらやってきて、今があります。実際は苦労しましたし、失敗もたくさんありますが(笑)。
だから、スタッフからの提案もどんどん採用。とりあえずやってみてダメなら戻せば良い、また他のことを試せば良いだけなので。当店には十数人のスタッフがいますが、いつも意見を出し合っています。特に私なんか、もう何十年もこの仕事をやっていると全てが当たり前になってしまっているので、若いスタッフの意見は貴重なもの。店頭のディスプレイや商品の並べ方についてよく「こうしたほうが良い」という意見を出してくれるので、次々と取り入れています。

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「Air」売り場もスタッフのアイデアで変更したディスプレイが好評。
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カシミヤ毛布のコーナー。右側の小さいぬいぐるみはスタッフの手作り。

今後の展望は?

最近では「社長いる?」ではなく「〇〇さんいる?」と、私以外のスタッフを訪ねてきてくださるお客さまが増えています。スタッフ一人ひとりがお店の顔になり、それぞれにファンのようなお客さまがいてくださることが、すごく嬉しいんです。お買い物の用事がなくても立ち寄って差し入れをくださったり、配達などでスタッフがご自宅に伺った際は、大量の柿やタケノコなど、必ず何かお土産をもらって帰ってきたりして(笑)。気に入られている、愛されている証拠だなと感じています。
だから高齢化が進む田舎にあっても、当店はまだまだこれから。若手からベテランまで「とりあえずやってみる」の精神でチャレンジを続け、「何度でも来たい」「この店で買いたい」と思っていただけるお店として在り続けたいですね。

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30代から60代まで、スタッフ一人ひとりがお店の戦力となり活躍している。

次回の後編では「ふとんのとみなが」の店内の様子をご紹介します。
お店紹介編はこちらから

岡山県真庭市 ふとんのとみなが

  • 住所 〒719-3202
    岡山県真庭市中島408
  • 電話番号 0867-42-0322
  • 営業時間 9:30~19:00
  • 定休日 水曜日、12/31、1/1、1/2休業

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