カテゴリ:眠り
クリスマス前の「サンタさんが来るから早く寝よう」は逆効果!?子どもをスムーズに寝かしつけるポイント
「毎日同じ時間に眠ってほしい」という親心とはウラハラに、「もっと遊びたい」「まだ眠くない」と、なかなか寝付いてくれない子ども。特にクリスマスやお正月といったイベントが続く年末年始は、子どもの睡眠時間も乱れやすくなる時期。「サンタさんに会いたい!」と夜更かししようとする子どもを、どう眠りに誘えばいいのでしょうか?
そこで、子どもの睡眠の悩みに答えるサイト『すいみんトラブルどっとこむ』を運営する昭和大学藤が丘病院小児科長の池田裕一先生に、子どもの寝かしつけのポイントについて教えてもらいました。
「睡眠に関しては『子どもだから』ではなく、『大人と同じ』と考えるようにすると良いでしょう。私たち大人も布団に入ってすぐに眠れる日もあれば、なかなか寝付けない日もありますよね。子どもも同じです。お昼寝をたっぷりした日は寝付きにくいでしょうし、遊び足りないと感じている日には『もっと遊びたい』とリクエストしてくるはず。にもかかわらず、決まった時間に無理に寝かしつけようとすると、子どもはイライラしたり、寝ぐずりに繋がったりします」
「絶対に同じ時間に寝ないとダメ」「早く寝かしつけて、自分の時間を確保したい」という親の都合を一旦忘れて、子どもの視点になることが、寝かしつけには大切なポイントのようです。
就寝前に「もっと遊ぼう」「もっと絵本読んで」など、子どもからの要望がある場合は、「まだ眠くない」というサイン。「もう時間だから寝なさい」と押し通すよりも、寝る時間を30分程度後にしてあげると、満足感を得てぐずらずに眠りにつく可能性が高まります。
「寝室に入った後で『もっと遊びたい』と言われたら、一度リビングに戻ってから少し遊んであげると良いでしょう。大切なのは寝室を遊ぶ場所にしないこと。ベッドでは絵本を静かに読む程度にとどめ、遊ぶときは別の部屋に移動するようにしましょう」
ただし遊ぶといっても眠る前は、スマホの動画やテレビを見せるのはNG。光を発するディスプレイはブルーライトを発し、脳を覚醒させてしまうので注意が必要です。寝室の電気についても、豆電球を消した真っ暗な状態で寝ると、質の良い睡眠を摂れるのでオススメです。
生後6カ月頃までは「多層性睡眠」といい、寝たり起きたりを繰り返す睡眠状態ですが、生後7カ月以降は、徐々にまとまって眠れるようになってきます。1〜3歳の時期の必要睡眠時間は最低9時間。夜間と昼寝を合計して、10時間程度取れていれば問題ないようです。
「1歳を過ぎると、必ずしも昼寝が必要という子ばかりではなく、昼寝がなくても日中元気に過ごせるお子さんもいます。昼寝をしなくても日中眠くならず、夜しっかり眠れているようなら、十分な睡眠が取れていると判断して良いでしょう。しかし保育園によっては2時間程度のお昼寝の時間があるというところも。そうすると、夜眠くなる時間も遅くなってきます。その子に合わせてお昼寝の時間を調整するのが理想ですが、難しければ『昼寝を2時間したら、夜寝るのは最低7時間でOK』という心持ちで、焦らずゆったりと就寝前の時間を過ごしてあげられると良いですね」
さらに子どもが安心して眠りに入れるためには「親も一緒に眠ること」と続けた池田先生。自分が寝た後に親が仕事をしたり、テレビを見たりして起きている状況は、子どもにとって「自分だけ置いていかれた」という疎外感や寂しさを醸成してしまうそう。「一緒に寝ようね」と一緒に横になると、子どもも安心して睡眠体制に入れるようです。
親が自分の時間を確保したいなら、子どもと同じ時間に眠り、朝早く起きて活動をスタートさせるのもオススメ。大人も早起きの習慣にシフトすることで、ゆったりと朝の時間を過ごすことができ、夜には子どもと同じ時間に眠くなります。子どもの睡眠リズムに合わせて、大人の生活サイクルを調整すれば、効率的な時間の過ごし方ができるようになるはずです。
「大人も子どもも、深部体温が約2度下がると心地よく眠りに入り、深い睡眠を得られます。子どもは体温が高く、身体と布団が接している面がすぐに温まってしまうため、その部分を冷まそうとして体勢を変えたり、手足をばたつかせるのです。子どもが寝付く前は、薄着で大丈夫。『寒いし風邪を引かせないように』と、厚着させたり布団をしっかりかぶせて寝かしつけようとしても、体温が下がらず、なかなか寝付くことができません」
布団をかけたり、厚手のパジャマを着せるのは子どもが寝付いてから。夜12時を過ぎると体温が下がり始めるので、その時間には寝冷えをしないよう、しっかり温かい格好をさせると良いそうです。
また、就寝の約2時間前に身体を動かすなど、体温を上げておくのもスムーズな入眠のためには効果的です。
「心地よく眠りを誘うために、ルーティンを作ってあげるのもオススメです。例えば、最後の1冊は同じ絵本を読んだり、同じ子守唄を歌うなど。その子に合ったものを探してみてください。ポイントは必ず毎日同じ行動をすること。毎回違ったことをすると、お子さんも迷いが生じてしまいます。入眠儀式としてルーティン化することで、スムーズに入眠できるようになると思います」
冬、または長期休暇や年末年始は、睡眠のリズムも乱れがち。しかしそんな時でも池田先生は「大きく乱れ過ぎなければ大丈夫」と焦燥感を和らげます。
「30分程度の睡眠サイクルの乱れは半月あれば元に戻るため、1時間以内のズレはそこまで気にしなくても大丈夫ですよ」
寝かしつけの悩みの多くが、「子どもの睡眠をコントロールしたい」という親目線での要求によるもの。「眠くない日もあるよね」と、子ども目線にシフトするだけで、親もちょっとだけストレスが軽減されませんか?そして、親も子どもも心地よい睡眠が取れるようになるかもしれません。
そこで、子どもの睡眠の悩みに答えるサイト『すいみんトラブルどっとこむ』を運営する昭和大学藤が丘病院小児科長の池田裕一先生に、子どもの寝かしつけのポイントについて教えてもらいました。
子どもだって眠いときもあれば、眠くないときもある。「子どもの立場になって考えること」が寝かしつけの秘訣
どうしたら子どもをスムーズに寝かしつけできるのか。その問いに「親が子どもの立場になって考えることが大切」と答えた池田先生。寝かしつけの悩みの多くが、「子どもの睡眠をコントロールしたい」という親目線の希望に偏っていると話します。「睡眠に関しては『子どもだから』ではなく、『大人と同じ』と考えるようにすると良いでしょう。私たち大人も布団に入ってすぐに眠れる日もあれば、なかなか寝付けない日もありますよね。子どもも同じです。お昼寝をたっぷりした日は寝付きにくいでしょうし、遊び足りないと感じている日には『もっと遊びたい』とリクエストしてくるはず。にもかかわらず、決まった時間に無理に寝かしつけようとすると、子どもはイライラしたり、寝ぐずりに繋がったりします」
「絶対に同じ時間に寝ないとダメ」「早く寝かしつけて、自分の時間を確保したい」という親の都合を一旦忘れて、子どもの視点になることが、寝かしつけには大切なポイントのようです。
就寝前に「もっと遊ぼう」「もっと絵本読んで」など、子どもからの要望がある場合は、「まだ眠くない」というサイン。「もう時間だから寝なさい」と押し通すよりも、寝る時間を30分程度後にしてあげると、満足感を得てぐずらずに眠りにつく可能性が高まります。
「寝室に入った後で『もっと遊びたい』と言われたら、一度リビングに戻ってから少し遊んであげると良いでしょう。大切なのは寝室を遊ぶ場所にしないこと。ベッドでは絵本を静かに読む程度にとどめ、遊ぶときは別の部屋に移動するようにしましょう」
ただし遊ぶといっても眠る前は、スマホの動画やテレビを見せるのはNG。光を発するディスプレイはブルーライトを発し、脳を覚醒させてしまうので注意が必要です。寝室の電気についても、豆電球を消した真っ暗な状態で寝ると、質の良い睡眠を摂れるのでオススメです。
1〜3歳の必要睡眠時間は9時間以上。昼寝の時間を考慮して夜の睡眠に備えよう
生後6カ月頃までは「多層性睡眠」といい、寝たり起きたりを繰り返す睡眠状態ですが、生後7カ月以降は、徐々にまとまって眠れるようになってきます。1〜3歳の時期の必要睡眠時間は最低9時間。夜間と昼寝を合計して、10時間程度取れていれば問題ないようです。
「1歳を過ぎると、必ずしも昼寝が必要という子ばかりではなく、昼寝がなくても日中元気に過ごせるお子さんもいます。昼寝をしなくても日中眠くならず、夜しっかり眠れているようなら、十分な睡眠が取れていると判断して良いでしょう。しかし保育園によっては2時間程度のお昼寝の時間があるというところも。そうすると、夜眠くなる時間も遅くなってきます。その子に合わせてお昼寝の時間を調整するのが理想ですが、難しければ『昼寝を2時間したら、夜寝るのは最低7時間でOK』という心持ちで、焦らずゆったりと就寝前の時間を過ごしてあげられると良いですね」
さらに子どもが安心して眠りに入れるためには「親も一緒に眠ること」と続けた池田先生。自分が寝た後に親が仕事をしたり、テレビを見たりして起きている状況は、子どもにとって「自分だけ置いていかれた」という疎外感や寂しさを醸成してしまうそう。「一緒に寝ようね」と一緒に横になると、子どもも安心して睡眠体制に入れるようです。
親が自分の時間を確保したいなら、子どもと同じ時間に眠り、朝早く起きて活動をスタートさせるのもオススメ。大人も早起きの習慣にシフトすることで、ゆったりと朝の時間を過ごすことができ、夜には子どもと同じ時間に眠くなります。子どもの睡眠リズムに合わせて、大人の生活サイクルを調整すれば、効率的な時間の過ごし方ができるようになるはずです。
眠りにつくまでは薄着でOK。布団をかけるのは寝付いてから
子どもは寝る直前まで、ゴロゴロと布団の上を転がったり、バタバタと手足を動かしたりしています。一見落ち着かないようにも見えますが、これはすべて眠りに入るための準備。深部体温を下げて、心地よく入眠できるよう、自ら整えようとしているのです。「大人も子どもも、深部体温が約2度下がると心地よく眠りに入り、深い睡眠を得られます。子どもは体温が高く、身体と布団が接している面がすぐに温まってしまうため、その部分を冷まそうとして体勢を変えたり、手足をばたつかせるのです。子どもが寝付く前は、薄着で大丈夫。『寒いし風邪を引かせないように』と、厚着させたり布団をしっかりかぶせて寝かしつけようとしても、体温が下がらず、なかなか寝付くことができません」
布団をかけたり、厚手のパジャマを着せるのは子どもが寝付いてから。夜12時を過ぎると体温が下がり始めるので、その時間には寝冷えをしないよう、しっかり温かい格好をさせると良いそうです。
また、就寝の約2時間前に身体を動かすなど、体温を上げておくのもスムーズな入眠のためには効果的です。
「サンタさんが来るから早く寝よう」の声がけは、子どもをワクワクさせるだけ
12月になると、子どもを早く寝かしつけたいという思いから、つい「早く寝ないとサンタさんが来ないよ!」と言ってしまう親御さんも多いのでは?しかし、「会ってみたい、見てみたい」と思わせるキーワードを出してしまうと、子どもはドキドキ、ワクワクしてしまい、かえって夜更かしの原因になってしまいます。クリスマスの夜は、いつも通りの流れで眠りを誘ってあげると良いでしょう。「心地よく眠りを誘うために、ルーティンを作ってあげるのもオススメです。例えば、最後の1冊は同じ絵本を読んだり、同じ子守唄を歌うなど。その子に合ったものを探してみてください。ポイントは必ず毎日同じ行動をすること。毎回違ったことをすると、お子さんも迷いが生じてしまいます。入眠儀式としてルーティン化することで、スムーズに入眠できるようになると思います」
冬、または長期休暇や年末年始は、睡眠のリズムも乱れがち。しかしそんな時でも池田先生は「大きく乱れ過ぎなければ大丈夫」と焦燥感を和らげます。
「30分程度の睡眠サイクルの乱れは半月あれば元に戻るため、1時間以内のズレはそこまで気にしなくても大丈夫ですよ」
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寝かしつけの悩みの多くが、「子どもの睡眠をコントロールしたい」という親目線での要求によるもの。「眠くない日もあるよね」と、子ども目線にシフトするだけで、親もちょっとだけストレスが軽減されませんか?そして、親も子どもも心地よい睡眠が取れるようになるかもしれません。
医師。昭和大学医学部小児科教授
池田裕一 先生
昭和大学藤が丘病院小児科でおねしょ・おもらし外来を担当。小児科HP上におねしょ・おもらし相談室を開設し、おねしょやおもらしで悩む多くの保護者からの質問に回答する。日本小児泌尿器科学会理事、日本夜尿症学会理事、第29回日本夜尿症学会大会長。 すいみんトラブルどっとこむ おしっこトラブルどっとこむ
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