冬物寝具の役割
冬の寝具の使い方を工夫する
冬の寝具に求められる条件を一言で表すなら、「体温を閉じ込め、外の空気を通さずに温かさを保つこと」となりますが、実はそれだけではなく、もうひとつ重要な役割があります。
保温だけではなく湿気を発散させる機能も
健康な成人であれば、睡眠中にコップ一杯の汗をかくといわれています。これは体温調節をしながら、深い眠りに導くために欠かせない生理現象。
その汗によってふとんの中に発生した湿気を、ふとんの外に上手に逃がしてあげなければ、内側はすっかり蒸れた状態になって掛けふとんをはいでしまったり、汗をかいてそのままでいると、濡れた体が急激に冷えてしまい、いわゆる“寝冷え”を起こして風邪を引いてしまう可能性もあります。
ふわふわの羽毛ふとんは温かいだけではなく、吸った湿気を空気中に発散させる“放湿性”と、ふとんの中の湿度を適切に保つ“吸透湿性”を併せ持っているため、寝汗によって発生した湿気をふとんの外に上手に逃がして、快適な環境を保ってくれるといいます。
ウールやカシミヤのような天然素材の毛布もまた羽毛ふとん同様に、湿気を吸ってくれる力に優れ、またそれだけでなく吸った湿気を熱に変える働きを持っているのだといいます。
これらの寝具を組み合わせることで、ふとんの中の湿度を上手に調整しながら、同時に温かさをキープ。非常に快適な睡眠環境を作ってくれるのです。
合成繊維の毛布の有効な活用方法
アクリル素材などの毛布を利用する人も多いかと思います。これらの合成繊維は肌触りが良いため、どうしても掛ふとんの内側、直接肌が触れる部分で使用しがちです。
確かに、温かいのですが、合成繊維は天然素材と違い、汗を吸ったり吐いたりすることがむずかしいので、ふとんの中の湿度が上昇してしまい、ムレ感を感じてしまうこともあるのです。
そこでおすすめなのが、合成繊維の毛布を羽毛ふとんの上にかけること。温かさをしっかり閉じ込めてくれるので、寒さの厳しい真冬の夜に最適です。
それぞれの寝具の素材や特性、そして役割を理解。使い方を工夫することで、快適な睡眠環境を保つことができるのです。
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